2015年08月26日

漢方薬は全身の調整治療

東京での漢方相談会を終えました。
今年から3ヶ月に1度ずつ定期的に行っているのですが、開催の度に相談の方が増えていっております。

お越しいただいた方々、本当にありがとうございました。
遠方からも来ていただいている方もいらっしゃって恐縮の限りです。

次回は11月の予定です。
まだ日時は未定ですが、今回、お時間が合わなくて、すでに何名かご予約をいただいています。
今回はすみませんでした。

と挨拶的なものはここまでとして今回、ご相談をさせていただいていて、気になったことがあったので、その事について書いておきたいと思います。

すでに漢方で有名な某大学病院の治療を受けておられる方が数名いらっしゃったのですが、どうもそこの漢方の治療の感じがアレな感じなのです。

長年、ある症状で悩んでいて、いろいろと漢方薬を試してきていた方ですが、ある時に、その長年の症状が良くなってきました。
ところが、それと同時に今度は皮膚のトラブルが出てきたのです。

これ、漢方治療では珍しくありません。
漢方治療は西洋医学の治療と違って症状を部分的に無理やり遮断したり、抑制したりするものではありません。

漢方では身体の中のいろいろな働きは、連携で行われているのですが、その連携のバランスが崩れると、その不調が症状になって現れると考えます。

したがって、漢方では、出てきたいろいろな症状を止めてしまうのではなく、その症状などから、何の連携が崩れたのかを分析します。
これを漢方では「証をたてる」といいます。

そして、それを調整する漢方薬を合わせていきます。

西洋医学では、ただ単に今の症状を部分ごとに無くしてしまおうとしますが、身体を根本的に治そうと思ったら、その症状が何のアンバランスを示しているかを見極めていかないといけないのですね。

ということで、漢方薬は、ただ症状を無くすことが目的ではありません。
バランス調整を行うので、その調整の過程で他の部分が悪くなったように感じるのは、めずらしくありません。

漢方は、そういった治療なので、漢方医の仕事は新たに現れた症状にどんどん対処することではなく、新たな症状が出てきたら、どんな調整の結果、その症状が出てきたのかを考えなければいけません。
場合によっては、一から考え直して漢方薬を変更する必要があります。

ところが、ある症状が治って、それと入れ替わりに皮膚のトラブルが出てきた状態に対して、この有名大学病院の答えは「皮膚科ではどう言ってますか?」

アウト!!
僕はこの先生と直接、お会いしたことはないですが、会うまでもないです。
「皮膚科ではどう言っているか?」
このセリフだけで、漢方の事をなーーーーーーんにも理解していないことが一発でわかるセリフです。

漢方の治療は全身のバランスを調整することです。
なので、内科とか皮膚科なんて分けて考えること自体が異常です。

皮膚のトラブルが出てきたら、漢方薬を処方した、その先生が「一方の症状が治った途端になぜ、皮膚のトラブルが出てきたのか?」その答えを見つけなければ、漢方治療できません。

西洋医学的に言えば、漢方の治療は総合診療科なのです。
全科をひっくるめて治療をコーディネートするのが漢方の常識です。

だから、こういったセリフで「あー漢方治療の考えは理解していないんだな」とわかっちゃうわけです。

僕は嫁さんのニキビとアトピー、母親のリウマチ、僕ら夫婦の不妊症などの漢方治療の実体験していますので、専門的にはニキビやアトピー、リウマチ、不妊治療となりますが、だからといって皮膚科、整形外科、不妊症しかわからないというわけではありません。

漢方修行では後縦靭帯骨化症やてんかんの治療をやっていましたので、そちらも専門と言えば専門。

お店では、急性のヘルペスや冬などは風邪の治療。
ものもらいや副鼻腔炎、喘息発作などん急性の治療。
ハゲの治療もしたことがあります。

これは僕の漢方治療の専門性が広いのではありません。

漢方はもともと、内科とか皮膚科とかに分けて治療するほうが「おかしい」のです。
だから「皮膚科はどう言ってたか?」なんて、事は漢方の世界ではありえないのです。ありえない。

漢方は全身をみて、アンバランスを見つけ、そのアンバランスを調整します。
だから、全身の不調(全科)が漢方の治療領域なのです。

病名は西洋医学が決めたものなので、本来の漢方治療では、西洋医学の病名すら必要ありません。
逆に西洋医学で難病とか原因不明の病気と言われても漢方では東洋医学的な体質を素直に分析すればいいのです。
(ただ、病名漢方といって病名と漢方薬を結びつけたマニュアルで漢方薬を処方している場合は、病名が必要です。)
漢方治療では皮膚科に状態を聞いてきてもらう必要が一切ないのです。
その場で、その先生が見たらいいだけ。


素直に東洋医学的な体質だけを見れば、おのずとなぜ、そんな状態になったのかが見えてくるのですね。

そこが西洋医学とは全く違う治療なのです。
だから漢方専門だと言ってる病院は皮膚科の漢方とか、耳鼻咽喉科の漢方とかやめたほうがいいですよ。
それだけで「本来の漢方治療をわかっていません!!」って宣伝しているようなものだから。

その大学病院、漢方界的には有名だったので、中の事実を聞いて正直、ちょっと残念でした。


posted by 華陀 at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする