2015年10月28日

漢方薬は早く効くものか?ゆっくり効くものなのか?

漢方薬はゆっくりと何ヶ月もかけて効いてくるのか?

ブログの中では漢方薬の効果は遅いのでも早いのでもないと説明してきましたが、なんか自分自身でもしっくりこない感じでした。

病院が言い始めたのか?
某漢方薬メーカーが言い始めたのか?

「漢方薬を飲んでいたら、どれくらいで良くなるのか」というテーマに対して、はっきりと言い切れることは、一般に思われているような、「漢方薬の効果が現れるのに3ヶ月ほどかかる」というのは全くのデタラメです。

そんな理屈は、どの漢方薬の本にも書いていません。
素人向けの漢方の本は知りませんが、僕らが治療のために勉強する専門書には、どの専門書にもそんなことは一言も書いていません。

それどころか、昭和の初期のバリバリの日本漢方の達人が残した書には「10日間で◯◯の症状は良くなったけど◯◯の症状は逆に悪くなったので、違う漢方薬に変更した」というようなことが普通に書いてあります。
この頃、真剣に漢方治療をしていた先生方は、10日間という短い期間の中で治療勝負していたのですね、

それが「効くのに3ヶ月かかる」とか、もしこれを医者や薬剤師などの治療のプロ側の人間が説明しているのなら恥ずかしすぎます。

で、結局、早く効くのか?ゆっくり効くのか?

答えはどっちもなんですよ。
漢方薬は早く効く場合もあるし、ゆっくりと効いてくるときもあります。
はい、おしまい。

これだったら、いつもと同じようなざっくりととした説明ですね、
この部分を理論的に説明します。

漢方薬の効果の期間は「治療目標」「その人の体質」「選択する漢方薬」の3つの掛け合わせで決まります。

基本的には漢方薬は早く効くものからゆっくり効くものまでバリエーション豊かにあります。

漢方薬はいくつかの生薬というものから構成されていますが、例えば半夏厚朴湯に使用されている半夏という生薬は飲んでしばらくしたら、喉が首を絞められたように苦しくなります。
この締めつけ感も生姜を飲めば、しばらくすればなくなります。
ほんの10分ほどの間に副作用のような変化を起こさせて、その後、それを消しさることができます。

たとえば、フリスクなどのスーッとする効果はハッカなどの効果ですね。
ハッカも漢方薬を構成する生薬の1つですが、ハッカなんて、食べてる時から効きますよね。
どれくらいで効くの?と聞かれたら「瞬間」ですよ。

「漢方薬は効くのに3ヶ月もかかる」と説明している人は漢方の勉強を一からやり直したほうが良さそうです。

とまぁ、かなり早く効くものもあるのですが、早く効けばいいというものではありません。
早く効かせないといけない病態とゆっくりと効かせないといけない病態があるのですね。
これが「治療目標」です。

例えば「風邪」の治療に何週間もかけていてはいけません。当たり前!
何週間もかかるのなら、もはや、漢方薬で治ったのか?自然に治ったのか?がわかりませんよね。

風邪の「治療目標」は1日単位で考えます。
できれば1袋単位です。風邪は次々に体質を変えていきます。
漢方薬は体質に合わせないといけないので、それに合わせて漢方薬も変更しないといけないのです。

たまに病院で風邪のための漢方薬で1週間分とか処方しているのを耳にしますが、意味がわからない!
「本当に漢方薬で治療する気ある?」と聞きたいです。

慢性病は細かく紐解いていけば、いろいろな体の細かい不具合が時間が経って重なって、複雑な感じの病態にしているものです。
ですから、慢性病を治療する場合は、1つ1つこんがらがった紐を解くように元に戻していくような治療をします。

絡まった糸くずを早くほどかなくちゃいけないとばかりにぐちゃぐちゃと急いでやっても余計に絡まるだけなのです。

慢性病の場合は、その人の回復力に合わせて慎重に時間をかけて治さないといけないのです。物の修復のようにそれぞれの体質によって修復できる時間が違うのですね。

次に「体質」です。
漢方薬は強く効かせるものもありますが「強く効くもの=良い効果」ではありません。
強い効果は強い変化を体に与えるので、体質に合っていけなければ強い変化が悪くて強い変化になることもあるのです。

強い効果の漢方薬はそれなりに体力のある体質でないと活かせないのです。
元の体質が弱ければ残念ながら穏やかな漢方薬を選ぶありません。
体質に合っていない漢方薬は毒になりますから。

最後に「選択する漢方薬」
これはある種、さっきの体質と同じともいえます。
体質に合った漢方薬を選ぶのが漢方なので。
しかし、あえて早く治すために体質より高レベルのものを選んだり、逆に体質よりもゆっくりしたペースで効かせるために体質よりも下のレベルのものを選ぶこともあります。
これで効いてくる期間も変わってくるのですね。

こういった具合で、漢方薬が効いてくる速度というか期間は「治療目標」「その人の体質」「選択する漢方薬」の3つの要素を掛け合わせ考えた上ではじき出されるのですね。

ちなみに東洋医学的な体質を診断せずに体質と合っていない漢方薬を飲んでいる場合・・・永遠に効きません。
体質判断せずに処方してもらった漢方薬が効いているのは、ただのラッキーです。処方した人間もなぜ効いているのか東洋医学的理屈がわかっていないと思います。


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2015年10月22日

なぜ病院の薬を飲みたくないのか。その理由。

ある不妊治療系の病院でのひっどい話を聞きました。
その不妊治療病院で診察を受けていた時に、それまで穏やかに診察していた医師が患者さんが「薬は飲みたくありません」と言った途端に顔を真っ赤にし机をバン!バン!叩いて「なぜ、薬を飲みたくないの?それを説明しないさい」と詰め寄ったようです。

専門知識のない人にこういった質問すること自体、その医師の人間性を疑いますよね。
専門家でない患者さんは当然、何も答えられなかったわけです。
その後も何度も「薬を飲みたくない理由を説明しろ!」と詰め寄り、最後には「今の年齢で薬も飲まなかったらあなたは全体、妊娠できない」という捨てセリフまで吐く始末。

そしてこの手の話は、その医師だけがレアでぶっ壊れた人でなく、うちでは、これによく似た話は何人もから聞いてます。
こういうことはいろいろな病院でしょっちゅうあるみたいなので、僕が代わりになんで病院の薬を飲みたくないのかを説明したいと思います。

ちなみに「あなたの意見って漢方家だから新薬が悪いと思い込んでるのでしょ」と思われるのは心外なので、師匠の元外科医、調剤をしている薬剤師、新薬メーカーのMRなどにも生理学的、薬学的にも確認をとっています。

みなさんが最も飲みたくない理由。僕も同じだと思うのですが。

◯病院の薬は対症療法である。
◯病院の薬は結局は異物である。
◯個々の状態に合わせたものではない。

後は次点で副作用が怖いというのもあるでしょうか。

以上が理由ではないでしょうか。

対症療法とは姑息療法とも言われていて、要するに薬効成分が体内にある間は効果があり、薬効成分が一定時間経ち、なくなるとまた症状がぶり返すというものです。
ステロイドを長年使用している人は嫌というほど体験していると思います。
月経時に頭痛がある人の鎮痛剤も効果が切れて頭痛が再開することがわかりますね。

「病院の薬は根本治療にならない」
これが薬を飲みたくない理由ではないでしょうか。
誰でもバカみたいに同じことの繰り返しは嫌ですよね。

病院の薬は薬物動態という薬学の基本的な考えで成り立っています。
薬物動態とはADMEと呼ばれるもので薬物が体内で「吸収→分布→代謝→排泄」されるまでをワンセットとして考えます。

基本は薬物が血中の中に存在する血中濃度というものさしで考えます。
薬の成分が血液中に入って、対象の臓器や組織に到達し、効果を発揮して、人体にとって「異物」である薬の効果を代謝して不活性化させ腎臓から排泄します。

成分もさることながら「異物」である証拠に薬を作り出す際にはプロドラッグという考えがあります。
これは所詮、薬は「異物」なので、体内で毒だと思われて分解されて効果がなくなっちゃうのを防ぐ工夫です。
消化液に解けないようにしたり、代謝されないように代謝される盾で有効成分をくるんだりと、いろいろと身体を騙して「異物」を体内に入れる事ができるようにつくります。

薬の種類によりますが、ADMEはスパンが長くても短い期間で排泄されます。
留まるものもありますが、何ヶ月単位などで留まりません。

なぜ、排泄までを考えないといけないかというと本来の自然にはない「外的な異物」が強制的な作用によって体内の働きを変えて症状を緩和するからです。
そんなものがずっと体内に留まったら、身体のシステムは外的な強制的な働きで動いていくことになりますので、身体がおかしくなってしまいます。

血中濃度が高くなるにつれ効果を発揮し、やがて代謝されて排泄される。
この流れが化学的に証明されているのが病院のお薬です。

なので、薬の効果時間の間だけ効いて成分が排泄されると症状が再発するので対処療法になるのです。

病院のほとんどの薬は対症療法です。
日本では慢性病の人に対して、その場しのぎの薬を長期間使っています。
僕はそれが化学的な見地から考えてもどうにもおかしいと思っていたので、
「こういった性質の病院の薬がなぜ慢性病を治すと考えるのか?そのメカニズムがどうしてもわからない」と師匠に尋ねたところ「いや、全くその通りで対症療法の薬を長期間使ったら慢性病が治るなんて道理もエビデンスもどこにもないよ」とアッサリ言われました。

なぜ薬を飲みたくないのか?

一番の理由と問題は医者と患者さんの間の価値観の違いかもしれません。
医者の「治る」という価値観をどこにおいているのか理解不能ですが、

患者さんは、
「薬が切れたら途端に再発するような治療」は望んでいないのです。

「根本的に治る」ことが患者さんの「治る」の目的です。

かといって、厚生省でパクってきたようなありきたりで平均的な生活養生を付け焼刃で言われても、説得力も何もないのです。

今まで感じていなかった急性の症状に病院の薬は有効だと思いますが、慢性病や長期的なスパンで根本治療したいと願っている患者さんは対症療法を望んでいません。
それが薬を飲みたくない理由だと思います。

病院の薬は個人の体質にフォーカスしないで人間全般に対して効果を発揮するように化学的に考えられています。
それゆえに誰が飲んでも効くようにできていますが、その性質のせいで対症療法になります。

これからの治療は西洋医学の薬といえども、個人の体質に合わせたものが必要かもしれません。
ただ、それは1つの薬を作るのに何十億円もかかりますので、商業的なことも含めて考えると不可能ですが。

不妊治療や婦人科系のホルモン剤はまた問題が違うので、それは不妊治療ブログの方で書きたいと思います。


posted by 華陀 at 19:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月13日

漢方薬の効果に対する大いなる誤解

漢方薬は東洋医学を基に考え、処方しますが、その東洋医学が西洋医学とは全く違う異質なものなので謎な感じが多く、漢方はいろいろと誤解されて理解されています。

実は知っていてなのか、知らないのかはわかりませんが、医者ですら東洋医学の考えで漢方薬を使用せず、西洋医学の考えから漢方薬を使用しているので、意味不明な漢方処方の方法をとっている病院が多いようです。

そういった状態がより「漢方っていうのは実のところよくわからない」というようにしてしまっているのでしょう。

もっとも、大きな誤解は「効果」に対するもの。
効果とか作用とか。
なんでもいいのですが、要するに自分の身体が「良くなる」「治る」という概念が漢方は西洋医学とは全く違います。

うちに相談に来られる場合、大体、僕のブログに共鳴して来られる方が多いので、なんとなーく「漢方の治療は西洋医学の治療とは全く違うものなんだ」と思いながらこられる方が多いのですが、時々、「先生、私の病気が良くなる漢方薬はないですか?」と割合、病院と同じノリで来られる方もいらっしゃいます。

西洋医学は体質全体を整えていくことが目的ではりません。
西洋医学の薬は、ダイレクトに成分が効いて症状が良くなるようになっています。
基本的には1つの症状に対して1つの薬が効きます。

症状1つに対して1つの効果みたいなものなので「効いたか」「効かないか」はすぐに答えが出ます。判断は◯×ですね。

漢方でも、風邪や下痢など急性の病気に効かせる方法もあるので、急性の病気の場合だったら、病院の薬と同じように短期間で「効く」「効かない」の判断で処方しますが、慢性病になると、これがガラッと違ってきます。

急性の病気の場合は、気になる症状は風邪の咳と鼻水だったり、下痢だったり、頭痛だったりと、病院の治療と同じように単体の症状を治す目的のことが多いです。

漢方の場合は、急性でも、いろいろと身体の他の状態もお聞きしますが、基本的には1つの気になる症状を目標にして、うまく治らなかったら、急性の場合は、1日ごとに漢方薬の種類を変更していったりします。

ある種、どの漢方薬が良く効くか?効かないか?みたいな側面もあります。
ところが、慢性病になってきた場合、効くか?効かないか?ではなく体質を変えていくことが目的となるので治療の考え自体が変わってきます。

慢性病の場合は、全身の症状や状態、今の住んでいる環境など、その人の事を詳しくお聞きして分析します。
なので、問診はかなり細かく、お聞きする問診項目もかなり多くなります。

症状をいろいろお聞きするのは、症状の1つ1つを漢方薬の条件にあてはめていくわけではなく、たくさんの症状や状態、状況をお聞きして総合的に考え「東洋医学的な体質」を分析するためです。

「東洋医学的な体質」を分析したら、次にその体質をどの方向にもっていけば、全体のバランスがとれるか?を考えます。
1つ1つの症状に対して「効いたか?」「効かなかったか?」ではなく、治る方向性に体質が順調に向かっているかをみます。

「良くさせる」のではなく身体を良い方向へ「変化」させるのです。

漢方薬は身体に変化を与えながら調整していきますので、中には「悪いような変化」を感じる場合もあります。

例えば、血虚、瘀血という血が足りなくて血の巡りが悪い体質の人は漢方薬を飲み始めた初期に血がグルグル回るので、めまいや立ちくらみという症状が出てきたりする場合があります。

この場合、症状だけで見たら、新たにめまいと立ちくらみが増えてしまっていますが、東洋医学的に見たら、血が巡っている途中だから起こっている場合もあるのです。

この場合は、しばらく続けてもらい血の巡りが良くなる方向として続けば、自然にその症状は治まってきます。

西洋医学的に見れば、新たな症状が増えるのは「副作用」でしかないかもしれませんが、漢方治療は「良くする」のは結果論であって、漢方治療でやっていくことは「身体に変化を与えて調整する」ことが目的なので、新たな症状が増えることも身体が治ろうと動き出した結果かもしれないのです。

「病院で処方してもらった漢方薬を3ヶ月飲んでるけど、一向に良くならない」と言ってる方がいらっしゃいますが、そもそも漢方薬は気になる症状がダイレクトに治っていくのかどうかではなく、気になる症状がなくなるように身体が動いているかをみていくものです。
一向に良くならず、身体の「変化(良いも悪いも含めて)」もないのであれば、漢方薬を変更してもらったほうがいいですよ。
もちろん、最初に書いた東洋医学的な問診に基づいてですが。

漢方薬が直接、ステロイドみたいにかゆみを止めたり、痛みを止めたりするものではありません。

漢方では不快な症状は体質のいろいろな要素のバランスが崩れることによって、起こると考えますので、治療の目的もバランスを整えることになります。

そのバランスが整うことによって、結果的にバランスの崩れで起こっていた症状がなくなっていくということになります。

なので、東洋医学の理論で漢方薬を使う勉強をしてきた僕から見ると、病院で漢方専門の問診をとらないで体質も判断しない漢方薬の処方は、治療が始まってすらいないと思っています。

だって、漢方はダイレクトに薬の成分で効かせるものではなく体質に変化を与えて、症状がなくなるように身体を調整しますので、現在の体質がわかっていなければ、漢方薬が変化を与えることができたかどうかがわからないですよね。
よって、東洋医学的な問診をとらない漢方薬の処方は漢方薬を治療としては使っていないことになると思うのですよ。

漢方は西洋医学とは全く別の医学なので症状に対して効いたか?効かないか?ではなく、いろいろな身体の変化が良い方向に向かっているかどうかで考えましょう。


posted by 華陀 at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月06日

体によい食べ物や生薬について。

東洋医学では万人に良いというものはありません。
全て陰陽でなりたっています。

にんにく、しょうが、ネギ、山椒などなど。

ネットでよくありますよね。
「身近な食べ物の中にも漢方薬の生薬や身体に効果のあるものがある」みたいな感じで。
ガンを食事療法で治すためのコミュニティーサイトなんかも良くそんなことが書いてあります。

にんにくは血行促進があって・・・うんたらかんたら。
しょうがは身体を温めてくれて・・・うんたらかんたら。

怪しいサプリメントの宣伝文句みたいなの。

日本人って昔から「◯◯は身体の◯◯に良い」みたいなの好きですよね。

「漢方薬に使用される生薬は実は身近な食材の中にもある」
これはわかります。
確かに、にんにくやしょうがやゴマは漢方薬の生薬の1つとして使われています。

ここまではいいのですが、ここからが問題があります。

「身近にも漢方薬はありますので誰でも簡単に手に入るので気軽に使ってみましょう」
こんなキャッチフレーズもあったりしますが、これは東洋医学的にはアウトです。

漢方薬はその薬にどんな効果があるのか?ではなく、どんな体質の人にどんな生薬(ここでいう食材)を使うかが重要なのです。

極端に言えば、人間が今まで普通に食べてきたものは、どれもなにがしかの効果があります。
効果があるから食べてきたとも言えるかもしれません。
だから、特にゴマが良いとか気にする必要はありません。みんな良いものですから。

その中の「何かの食材だけは効果があって、同じ食べてきたもので全く効果のないものもある」なんてことはないと思います。

漢方医学の真髄は西洋医学の発想から持ってきた血行に良いとか新陳代謝を促進するなどの一方通行な効果の考え方はしません。

だから漢方にそんなエセ西洋医学理論みたいなもので解釈されてもどうなの?って違和感がします。

漢方治療をしていく際には治療の思考性として陰陽という概念をもたなければいけません。
東洋医学は思考をすごく重要視します。
「何かの漢方薬は◯◯の効果がある」というような単純な発想ではなく、漢方医は治療のポリシーみたいなものをもって治療に臨まなければいけません。

陰陽とは「すべての万物事象に陰陽がある」という考え方。
宗教じみてきましたね〜しかし、ご心配ありません。宗教にはなりませんよ。

例えば、にんにくは生薬では大蒜と言います。
温という作用があります。身体を温めてくれます。
冷え性の女性が聞けばこの時点で「身体に良さそう!」って思いますよね。

ところが、世の中の体質は冷えだけではないのです。
確かに冷え性の人がにんにくを食べれば心臓を強めて体力を増し、血の巡りが良くなって、いいことづくめです。

しかし僕は熱証といって熱がこもりやすい体質で冬でも手足が冷えません。「うらやましい!」と思われたかもしれませんが、そのかわり熱が多いので、のぼせやすく真夏などは、すぐに汗疹や湿疹ができます。

こんな体質の僕がにんにくを食べると血の巡りがよくなって手足がほてり、冷えとは反対の不快感に悩まされます。
もともと熱がこもりやすいところに温められるので、余計にのぼせや汗疹がひどくなります。

僕のような熱証でなくともにんにくは薬性が強いものなので、貧血で体力がない血虚証の人は、少ない血が無理やり巡らされて空回りしたりします。

漢方で最初に重要なのは、何かの効果があることではなく「どんな体質の人なのか?」をわかっていないといけないことなのです。

さっきの陰陽の考え方は流動的です。
にんにくは陽系の作用のものなので、冷えたり、疲れていたりと陰の体質の人なら陰陽、揃ってバランスがとれますが、僕の体質は元が陽系です。
なので、陽系の僕が陽系のにんにくを食べ続けていると陰陽のバランスがとれずに身体は悪くなっていくのです。

体質と漢方薬が合っていないと効果を発揮しないのはこういった理由です。
これは食べ物でも同じ。
基本的には東洋医学的に使おうと思ったら「にんにくにどんな効果があるのか?」よりも何よりも、まずは「自分の体質は何なのか?」を知る事が重要なのです。

自分の体質がわからなければ、どんな食材や漢方薬がバランスをとってくれるのかがわからないので、何も始まらないのです。

にんにくやしょうがやネギにどんな効果があるか?を知ることは二の次。
まずは、自分の現在の体質はどんな状態なのか?
その体質に合わせて、にんにくやしょうがやネギなどを合わせていけばよいのです。

なんでもかんでも摂るということは、自分の体質にとって良いも悪いもグチャグチャのカオスな状態にしているということですね。

ちなみに東洋医学的な体質判断は陰陽だけではありません。
血の巡りが悪いお血タイプとか貧血傾向の血虚タイプとか、そんな血液型みたいな1つのタイプで決定できるものでもありません。
実際の性格と同じでA型の人がみんな同じ性格ではないですよね。
細かくみれば、みなさんいろいろと体質が違うわけです。

体質は複雑です。
その複雑な体質を東洋医学のいろいろな診断方法を使って分析し自分にあった漢方薬は選ぶのですね。
(東洋医学の診断方法と効果の考え方であって、西洋医学の新陳代謝を活発にするなどの効果では考えません)
なので、食材だって良いと言われているからって、適当にばかばかと摂ればいいものではなく、ちゃんと自分の体質に合わせて摂らないといけないのです。

サプリメント的になんでもかんでも、身体によい効果があると思って摂るなら、それはそれでいいと思いますが、生薬として東洋医学的として考えるなら、どの食材も陰陽があり、体質に対しての適正があることを知っておいてください。


posted by 華陀 at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康生活!食べ物のお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする