2015年11月25日

漢方薬で治るのか?病院で治るのか?

厚生省は、医療費を下げるのに必死です。
なぜなら、国民健康保険は毎年、大赤字だから。

医療費って安いですが、あれ別に病院が安くしてくれているわけではなく、健康保険という皆さんの税金で病院に足らずの70%の料金を支払っているわけですよ。

ちなみに去年の税金から払った医療費は前年に比べて7000億円増の39兆9556億円。
国民1人当たりの医療費は31万4000円。老人になると1人当たり93万1000円です。
すごいですね。

あなたはこんなに使ってます?
若い人なんか使ってないでしょうね。誰かが誰かの医療費の肩代わりするのが利点でもあり欠点でもあるところですね。

高度医療や手術、救急、産科以外の病院は1人に対して何十万円もの価値のある医療を施しているとは思えません。
僕の周りの病院を見ていたら、ただマニュアル通りに薬をばら撒いているようにしか見えませんね。後、何もわからないくせに撮るレントゲン!レントゲン最強!

このままいくと医療費で国が潰れちゃうかもしれないので、厚生省もジェネリック使ってくれとか、いろいろと医療費を減らす工夫をしているのですが、僕は全く違った方法で医療費を減らせると考えています。

ブログの本題はここから。
「治療」や「病院」に対して見直すのです。

医学理論がしっかりとある治療方法は大きく2つあります。
西洋医学と東洋医学ですね。
それと医学ではないですが、自分で養生とかして、なんとかする!という方法があります。
他にもハーブや温泉の湯治やといろいろとあるかもしれませんが、とりあえずは大きく3つの治療方法を考えてみたいと思います。

実は今「治る」「治癒」ということに関して、社会的に1つの大きな間違いが常識になってしまっていると僕は考えています。

それは、西洋医学の薬で「根本的に治る」とか「病院の薬で予防できる」とか。
そもそも、病院の薬は対症療法といって、薬を飲んでいる間だけ症状を遮断したりして、薬の効果が切れるとまた元どおりに戻ります。
薬の化学的構造から考えれば、それ以上でもそれ以下でもない効果であることが証明されています。

なので、慢性病で悩んでいる人が何週間か病院の薬を飲んでやめた時に再発した場合は、病院の薬で根本治癒する道理はないわけです。(外科医の師匠にも生理学的、薬理的、理論的に道理がないことを確認しました)

ここのところを本来、医者が理解するべきですが、それは難しいようなので患者さん側が理解するしかありません。病院の薬の本来の価値観と使い方を変えないといけないと思うのです。

病院での治療は基本的には急性の治療なのですよ。
もしくは、慢性病でも何週間か薬を飲んで、治らなかったら後は病院の薬を何年飲んでも治らないと思います。飲み続けて根本的に治っていく道理はありませんから。

つまり、急性か慢性病の初期でちょこっと行くだけのところが病院だと思うので本来は、長い間通うところじゃないと思うのですよ。
ただ、急性の病気や症状には短時間で薬は効きますので、そこは病院の利点です。

欠点は待ち時間など時間がかかる。慢性病は初期で治せなかったら、後はグダグダ中途半端な治療がダラダラと続くだけ。中には、続けるべきでない対症療法の薬を続けて身体がおかしくなった人なんかも、うちに相談に来ています。
対症療法を使ってアレルギー科でアレルギー体質を治療するとか意味わかんないですね。

漢方薬は根本的に治療を考えるものです。
漢方は急性病でも慢性病でも対応できます。
ただし、欠点でもあるかもしれないですが、漢方は証という体質の要素を分析し、それにガッチリと漢方薬を合わさないと悲しいほど効きません。

一般的に病院や漢方薬局がやってるような病名や症状にマニュアル的にあてはめるような方法は治るかどうかはラッキーにすがるしかないです。
そこが漢方薬の難儀なところですね。
東洋医学理論にのとってやらないとウンともスンとも言わない。
その点、病院の薬は大体、見立てがあってれば誰でも効きます。

利点は、漢方薬は自然のもので病気を根本的に治療することができますが、(ただし養生も必要)分析した体質と漢方薬が合っていないと何年飲み続けても治らないので、そこが欠点ですね。
また、自分の体質に合わせた生活養生も必要です。
根本的に治るというのは薬の力だけではないからです。
だから、病院で根本的に治ることはないのですね。

一人一人の体質に合わせると言われているだけあって、毎回、毎回、その人の体質を分析しないといけないので、毎回、1回でバッチリはまる!というのが難しいのです。
また本当にちゃんと診断してもらえる漢方は保険と同じ料金というわけにはいきません。そこも欠点かも。

病院の薬も使わず漢方薬も使わず治したい。という場合・・・それは可能です。
しかし、それは、自分の都合のいい時に自分のできそうな養生をすることではありません。

生活の全てを病気を治すために変える必要があります。
「昨日はたまたま遅くて寝るのが遅くなって」とか、よくあるようにチョコチョコ、身体に悪い影響を与えていたら、常に一進一退です。
健康維持ならそれでいいですが、薬も使わないで自分で治すとなると少しの妥協が病気の悪化につながります。また自分の養生だけで治すのであれば、おそらく何年もかかりますので、ある種、病院や漢方薬の道よりもイバラの道です。

利点はお金がかからないことですが、欠点は鬼のような意思の強さを何年も持ち続けないといけないということ。

ということで長くなりましたが、日本の医療費の大赤字を減らそうと思ったら「西洋医学でなんでも治る」という幻想を捨てて、冷静に自分は何の治療を選ぶべきかを一人一人が考えていけば、病院にはそれほど行く必要がないことがわかるので、その結果、医療費は減るのではないかと思います。

次回、この3つの治療方法の違いを具体的に説明したいと思います。

続きの自分の力だけで治すか?薬を使うか?はこちらから。

posted by 華陀 at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月18日

漢方薬の効き具合は漢方医の腕にかかっている

東京での漢方相談会、終了しました。次回は1月の予定です。
毎回、たくさんの方にお越しいただき、ありがたい限りです。

以前から都内だけでなく千葉県や神奈川県からお越しいただいていたのですが、最近は岩手や盛岡、長野からもお越しいただいていて本当にありがたいです。

さて、うちに漢方相談に来られる方には「以前に何度か漢方薬を飲んだことがある」という方が多いです。
多い方だと何年間かで10種類以上の漢方薬を歴代飲まれている方もいらっしゃいます。

いろいろと漢方薬を飲んでみたけど、ダメだったのでうちに来ていただいたりして、非常にありがたいのですが僕的には1つ不思議なことがあったんです。

それは今まで漢方薬でうまくいかなかったのに、なんでまたうちみたいな漢方一筋みたいなところに来ようと思ったのか?

最初はみなさん、病院のお薬が嫌で漢方に治療を求められます。
これはわかる。

薬を飲んだら症状が治まって薬の効果が切れたら症状が再発して・・・
と繰り返す対症療法なんて普通は誰でも嫌ですよね。おまけに添加物なんて目じゃない人工化合物だし。
病院の薬がおかしくないと思ってるのって、ひょっとしたら当の医者だけかもしれないですね。

だったら、根本的に治りそうな漢方薬に。
そうなりますね。

そして、一般的なパターンだと病院で漢方薬を処方してもらいます。
でも、病院の漢方薬の処方は本来の漢方治療の方法とは全く違って、ただマニュアル的に漢方薬を処方しているだけ。いくら医学的に素人の方だって「漢方って体質に合わせて治療するんじゃないの?」と不思議に思いますよね。

病院の漢方薬だったら、処方してもらっても実質、治療すら始まっていないような感じなので、もっとちゃんとしたところを探そうと思いますよね。

「病院の漢方はどうもおかしい」と感じたので今度は専門っぽい漢方薬局に行きます。
そうしたら、病院では「東洋医学の問診はとらないわ」「話すら聞かないわ」だったのが、東洋医学っぽい問診票もあり、話もじっくり聞いてくれます。
でも、ここでも落とし穴。

説明が気・血・水がどうたらこうたらとか、五行論がどうたらこうたらとか。
一方的な説明はガンガンしてくるんだけど、肝心の「私の体質は?」という問いに対しはザックリと「瘀血タイプですよ」と朝の占いレベル。
そして出されるのは漢方薬だけでなくサプリメントっぽい商品いくつか。

一般的には漢方と言っても、こんな感じの病院や漢方薬局が多いので「もっとちゃんとした漢方の治療をしているところを探そう!」ってなるのはわかります。

しかし、うちに来る何人かの方は、過去の漢方治療した経緯をお聞きしていると「東洋医学的な体質判断をしてちゃんと処方してるじゃん!」ってところで飲まれていたりするのですよ。

そんな状況で何年か、何種類かの漢方薬を飲んできて、よくならなかったら、僕なんかは「なんだ漢方薬ってダメじゃん!」って漢方自体に裏切られた気分になると思うのです。
でも、またまた漢方治療としてうちに相談に来られるのですね。

当初は不思議だったのですが、そんな経験をされている方々のお話をお聞きするうちにあることがわかりました。

それは、きちんと漢方理論と手順にのっとって、ちゃんとしているところも1つ大問題があるようです。

それは初回はどこの先生も「あなたの証(体質)はこうでああで」と自信たっぷりに説明してくれるそうなのですが、問題は2回目。
2回目の相談時に、より悪くなっていたり、なーんにも変化がなかった時に結局、「なんとなく今の処方を続けるか」「漢方薬を変更しても、なぜそれに変更したいと考えたか?」という説明がなかったりと2回目の相談で途端に「実は自信がなかった」ということが露呈するようなんです。

その時に患者さんたちは「漢方って先生によって腕の差が相当あるんだ」となんとなく直感的に感じとれるのかな。
「だったら、腕のありそうな漢方の先生を探そう」ってことで再び漢方にトライ!ということになるようです。

これはもっともなことです。
医学となると、おぼえることが多く医者や薬剤師で勘違いしている人がいますが、漢方治療は「人よりも漢方の知識があれば→腕がいい」とはなりません。
「ものすごい本をたくさん読んで知ってる」「古典の難しいことも知ってる」これらが、漢方の腕があることにはなりません。

ものすごく勉強しようがしまいがどっちでもいいのです。
なぜなら、いろいろ知ってるから治せるわけじゃないので。

漢方は一人一人の体質や状況に合わせて治療しますので、杓子定規の知識なんて大して役に立ちません。
必要なのは、その都度、その人のために考える問題解決の知恵。
もちろん、漢方の場合は、最低限度知っておかないといけない知識は膨大ですが、残念ながら漢方の場合、知識が腕にはつながらないのです。

そういう意味では音楽やスポーツに似ています。
世界一、楽譜を知っていても、結局、感動させるような演奏ができなかったら、ただの音楽をよく知ってるだけの人。
スポーツも一緒ですね。そのスポーツの知識をどれだけ知っていてもパフォーマンスを発揮できなければ、結果が伴いません。スポーツを知ってる鈍臭い人なのです。

通常の勉強と違って漢方はまずは結果。知識は二の次。
極端に言えばビートルズのように楽譜の知識がなくたって人を感動させられればそれでいいのです。

「僕は腕がある」なんて傲慢なことを思っているのではありません。僕はそう思って日々、漢方に取り組んでいます。それだけ。


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2015年11月10日

5分診療では漢方治療が不可能な理由

漢方治療の歴史は剥き出しの表現をすれば、人体実験の歴史です。
そして、現実の漢方治療も人体実験の繰り返し。とも言えます。
僕はマッドじゃないですよ。人体実験というと拷問的なイメージをしてしまいがちですがそういったものではありません。

漢方薬は様々な生薬で構成されています。
生薬の中には様々なものがあり、中には石なんかも生薬としてあります。
ちなみに石の生薬としての役割は清熱といって体の中の余分な熱をしずめてくれます。

食べ物や生薬などは最初に神農さんという漢方の神様みたいな人が、自然界にあるあらゆるものを食べて、時には1日に何度も毒にあたりながら解明してきたとされています。
実際は一人の人間ではなく、何人もの人間がなが〜い年月をかけて「この葉っぱは体が冷える」とか「この根は体が温まる」とか組織だってそんなことをやってきたのでしょう。
どちらにせよ人体実験が漢方の始まりでもあり、治療の原則とも言えるのですね。

人体実験が治療原則?
なんか嫌な感じですよね。
でも、とても理にかなっているのです。

漢方薬はその人、個人の現在の体質に合わせて選びます。
体質は個人個人、違います。またその体質も普遍ではありません。

一般的には「最初に自分の体質を知って、後は、その体質に合った漢方薬をずっと飲み続ける」といったイメージがあるようですが、これは誤解です。

ある程度、その家系の持っている体質の傾向というものはありますが、その体質も季節や生活環境の変化によって、どんどんと変わっていきます。

一人一人の体質も違うし、その時々でも体質は変化していきます。
非常に流動的なのですね。
だから「同じような症状なのに前に治った漢方薬で治らない」なんてことも漢方では不思議ではありません。

人の体質というのはこんな具合なので漢方薬は「こんな病気だったら、この漢方薬で決まり!」ということができないのです。

毎回、毎回、体質をチェックして漢方薬を検討していく必要があります。

西洋医学は漢方とは全くの逆です。
たまに西洋医学は化学の強い薬を使うもので漢方薬は自然の穏やかな薬を使うみたいなザーッとした分け方をしている方がいらっしゃいますが、治療の根本的な考え、概念が違います。

漢方と西洋医学は互いに異質な医学なのです。
(発祥した場所も年代も違うので当たり前ですが)

西洋医学は、体質をみません。体質ごとに治療する考え自体が存在しません。
実際は顔や体格、性格のように皆それぞれ、体質も違いますが、西洋医学は体の働きは皆一緒!のはず。と見て、一律、「人間」に効く薬を開発しそれを治療に使います。

病院のお薬は「人間」を研究し「人間」に効果のある薬を開発します。
なので、あらかじめ、どんな病気や症状に使う薬かが決まっています。薬の効果も決まっています。
そういう効果を発揮するようにあらかじめ研究し開発しているので。

だから病院のお薬は、どんな人にでも効くようにできています。
そして、副作用も事前にわかっています。

一方、漢方は、現在の体質がどんななのか?
それは誰にもわからないのです。
それを僕は東洋医学理論でもって推測します。
そして現在の体質を割り出し、最適であろう漢方薬を合わせるわけです。

体質も漢方薬の効果もあらかじめ決まっているわけではないので、時には体質の推測がズレていたり、選んだ漢方薬がズレていたりすると全然、治らなかったり、逆に症状がひどくなることもあります。

漢方医の仕事は、どっかのメーカーのマニュアルや漢方の本を見ながら、病名や症状で漢方薬を選ぶことではなく、体質とそれに合わせる漢方薬をズレないように調整することが仕事です。

漢方のすごいところは、ズレるかもしれないことが折り込み済みなことで、ズレた場合は、漢方薬を飲んでからの変化をみて、漢方薬を変更しながら調整できることです。

「流動的な一人一人違う体質に初めから合わせることができるマニュアルなんかない」ということが前提になっているのです。
体質が決まっていないゆえにマニュアル的に合わせることができないのです。

病院の薬の利点は、体質を考えなくても誰でも効くことが事前にわかっていることです。
欠点は、個人の体質に合わせていないゆえの強制的な効果でその場だけの治療になってしまうこと。ステロイドやホルモン剤のように元の体の機能がおかしくなることもあります。
そして、あらかじめ理論的に効くことが前提になっているので、薬の説明通りに効かなかったら、もうどうしようもないです。
「効くはず」のゴリ押しで通すしかありません。
薬は理論的に「絶対に効くはず」という独特な傲慢ルールで成り立っているので、その薬が効かなかったら「ストレス、気のせい」などで心療内科行きです。

一方、漢方薬は元々「体質は未知である」という前提になっているので、効かなかったり、悪くなったりしたら、その結果をふまえて次の治療を考えていくことができること。
おまけに病院のお薬と違って、自然のものなので病院の薬ほどの強制的な効果でないので失敗しても取り返しのつかない状態になりません。
まさに良い意味で人体実験なのです。

病院のお薬は人工化学合成物で作用も強いので、取り返しのつかないことになることもあるので「病院の薬でいろいろと試していく」なんてことはできません。
それこそ、マッドサイエンティストの狂気の人体実験です。

漢方薬を病院のお薬のように病名や症状だけで選んではいけないのはこういった理由です。

うちの患者さんはこういった概念を理解されていますので、ごくたまに「先生、今回の漢方薬はダメっぽいかも」なんて報告してもらいながら、患者さんと毎回話し合いながら治療をすすめます。だから5分診療では漢方治療は不可能なのです。


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2015年11月05日

未だに横行している症状漢方

「元々、とある京都の漢方薬局で漢方薬を飲んできたけど、なかなか良くならないので」ということで、うちに相談に来られました。

うちでは「今まで、どんな漢方薬を飲んできて、どんな変化があったのか?」をお聞きするのですが、その漢方薬局で大量に漢方薬を飲んでおられたので、最早、何が効いていて何が効いていないのかがわからない状態でした。ご本人も、途中で飲まなくなったものもあり、むちゃくちゃになっていて収集がつかないと困っている状態。

一番、最近での飲まれているのが、漢方薬10種類、サプリメント7種類、生薬系サプリメントが4種類。
これがなんと1日分。
1ヶ月で何十万円にもなります。

このケースはかなり高額ですが、実はこういう風な方法を漢方治療だといって漢方薬やサプリメントを抱き合わせで販売している漢方薬局は結構あります。
残念なことに、こういう薬局って人気があったりするのですね。

相談時のことをお聞きすると詳しく聞くまでもなく症状漢方というもの。

漢方薬がまともに扱えない人用の方法に病名漢方、症状漢方というものがあります。

漢方は東洋医学の理論を元に体質を分析し、その体質に合わせて漢方薬を選びます。
初学の頃はいきなり東洋医学的な体質診断なんてできないので、どうしても、ある病名の時によく使う漢方薬をマニュアルを見て選んだり、漢方薬の適応症状として書いてある症状を勝手にあてはめて症状ごとに漢方薬を選んだりとするしかありません。

僕も漢方の修行し始めの、どシロウトの頃は恥ずかしながら病名漢方や症状漢方の方法で、病名=ある漢方薬(例えばアトピーに消風散や不妊症に当帰芍薬散など)で漢方薬を選んだり、その方法からちょっと毛が生えてきた頃に症状ごとに漢方薬をあわせる症状=ある漢方薬(むくみに五苓散や胃痛、胃もたれに六君子湯など)で漢方薬を選んだりしていました。

今回のこの漢方薬局の選び方は、患者さんの話をお聞きしているとモロ、症状漢方。
頭痛には香蘇散、イライラには黄連解毒湯、むくみに五苓散などなど。
こんな漢方薬の選び方で治るわけがないと思います。

順をおって説明したいと思いますが、この漢方薬局のケースではないですが、病院のやっている病名で漢方薬を選ぶ病名漢方も本来の漢方治療の方法ではありません。

僕も素人同然の頃はやっていたので、言い訳がましくなるかもしれませんが、まず、西洋医学の病名と漢方薬は何の関係もありません。
西洋医学は新薬を使用して治療する医学で、診断も血液検査など化学的な検査を行って病名を診断します。
漢方は2千年前に確立された医学で、西洋医学は200年ほど前、両者には1800年以上の開きと中国とヨーロッパという地政学的な違いがあります。

では、なぜ、病名漢方があるかというと、東洋医学は難解なので、漢方を知らない人間が、いきなり東洋医学的な体質を診断するのは不可能なのです。
ちなみに大学で教えている漢方は素人に毛が生えた程度で、診断方法などは何も教えていないので、医者も薬剤師も一般の方もスタートは何ら変わりません。
みんな平等に「漢方は理論的に知らない」というところから始まります。

そんな状況で、なんとか漢方薬を処方しようと思ったら「ある病名でよく使われる漢方薬」というマニュアルでもないとスタートすることもできないのです。
だから、最初の素人同然の頃は、本来は東洋医学的な体質である証に合わせて漢方薬を選ぶ必要がありますが、アトピーに消風散や不妊症に当帰芍薬散ってなっちゃうのですね。

そういったマニュアル処方を経験していると「同じ病気でも、みんな体質が違うんだな」ということに気づきます。
ただ、この時も「同じ病気でも体質が違う」ということには気づくのですが、かといって、その体質ってどんなのか?は、まだ分析できないのです。

だから、今度は、症状で漢方薬を選んでいこうとします。
ど素人からちょっと毛が生えましたね。

漢方は「漢方薬=体質」という考え方です。
西洋医学は、いろいろな検査で原因を追求してその原因を治すべく薬を選びますが、漢方薬は体質にあわせるので、漢方薬自体がその体質を表しているし、体質はある漢方薬を示しているのです。
ややこしくなってきました。

漢方薬には適応症状といって、その漢方薬を使ってもよい条件的な症状が設定されています。
清上防風湯にはニキビという症状が条件であったり、人参湯だったら下痢という症状が条件であったり。

ここで絶対に勘違いしてはいけないのは、その症状にあてはまったら、その漢方薬というわけではありません。
漢方薬に設定されている「症状」は体質を示すごく一部の条件であって、それがあてはまったらその漢方薬が合っているというわけではないのです。

それによく考えてみてください。
症状なんて、そんなバリエーション豊かにありません。
頭痛や冷えなど、人間の症状なんて、そこそこしかないのです。
でも漢方薬は何百種類とあります。

症状漢方の間違いは、症状をあてはめて漢方薬を選ぶということ。
漢方薬を選ぶ際には、体質を診断する必要があります。
体質は症状だけでなく病位や虚実など他のいろいろな条件を考えあわせて分析した上で導き出すのです。

ギャル向けの軽いノリの占いや血液型診断じゃないんだから、冷えと月経不順があったら当帰芍薬散なんて、そんな軽いバカな世界ではありません。

説明が長くなりましたが、1つの漢方薬にはいろいろな症状が設定されています。
なので、症状ごとに漢方薬をあてはめている今回のケースは、体質を分析できていない証拠ともいえます。

サプリメントを一緒に販売しているのも意味不明です。
漢方薬は何種類かの生薬で構成されています。
1つの漢方薬で8種類等のサプリメントがバランス良く詰まっているようなものなのです。

漢方薬やサプリメントを何種類も出すということは効果のある生薬や食べ物だらけになって、何が効いていて、何が悪さをしているのかわかるわけがないですよね。

ということで、こんな方法は僕は漢方ではないと思います。
多分、儲けで大量に漢方薬を売ってるだけですね。

ちなみにうちでは、なるべく1種類の漢方薬を考えぬきます。
自分の出した漢方薬がどんな方向にいくのかを見極めないといけないので、他の漢方薬やサプリメントは全部やめてもらいます。
つまり1種類の漢方薬だけで、あらゆる症状を治療しようとします。
今のところは、うまくいっていると思います。

病名漢方や症状漢方は合っているとか間違っているではなく「素人臭すぎる」この一言ですね。


posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする