2016年01月29日

東京漢方相談会を終えて。関東の漢方事情

先日の週末に東京の方で漢方相談会を行いました。

東京都内だけでなく、長野や茨城、岩手など、関東圏やそれより北のいろいろなところから来てもらえて、関東の地域の病院や今、通っている漢方薬局の現状をお聞かせいただきました。

去年1年間、東京で相談会をさせてもらい、
この間も関東の方の相談を受けていて、なんとなく思ったですが、
どうも、関東圏は漢方に限らず、病院の治療なども遅れているというか「ちょっと前で止まってる?」という感じがあります。

僕の店は大阪ですので、店頭では当然、関西圏の方がいらっしゃいますが、病院も漢方薬局も良いか悪いかを別として、どんどん新しいことに挑戦していってる感じがあるのですが、東京の方は何年か前で止まってる感じです。
止まっているというか、未だに商売的な感じが前面に出てると言えばいいのでしょうか。

別に大阪対東京といった感じで東京をdisるつもりではなく、大阪で漢方やってる人間が東京で相談をしてみたら、単純にそう思ったという感じです。

例えば不妊治療の病院なんかは、未だに妊娠するのに甲状腺が問題になるからとチーラジンを結構、処方していたり、サプリメントのAMHが未だに熱い感じだったり。

いや、もちろん、大阪でもやってるとこはやってるのですが、一応、こういった流行りは1年位前には終息した感じなので「まだ、そんなこと、やってるんだ」と印象でした。

漢方薬局の方は、大阪よりも中医学の先生が多い感じです。
漢方って実は複雑で、治療の考え方によって流派があって、一般的には今の漢方は中医学といって70年位前に再編された近代漢方なのです。

ちなみに大半の先生は、中医学とか日本漢方とか流派的なポリシーも持ってないと思います。週末に行ってる勉強会が中医学やってる。みたいなノリですね。
病院に至っては、漢方薬を処方していても流派の意味さえ知らないと思います。

そして、僕がやってるのは日本漢方。
日本漢方は中国古来の漢方を日本らしく細かなに繊細につくりかえた感じのもの。

中医学は当時、文化大革命で破壊された漢方を再興する目的があったので、効率よく学校で教えて広めることが目的であったため、一部では学校漢方とも言われています。

中国の中医学は、観念的な漢方理論を西洋医学理論とも融合させながら理論化して・・・といった感じなのですが、日本ではどこで間違ったのか、病名や症状ごとに漢方薬を複数処方していくといった感じが通例になっている感じがします。

中医学というよりは、簡易的なマニュアル中医学といった感じでしょうか。

関東の方の漢方薬局は数年前からの漢方薬3種類位と田七などの単生薬のサプリメントや腸内細菌を整えるサプリメントを抱き合わせで売っていく方法が未だ、されているようですね。

これらを飲まれて、何も変化がなければ、更に漢方薬かサプリメントか良くわからないものを次々足していくといった感じの売り方が多いようです。

この方法って、僕が昔、薬局さん相手に仕事をしていた頃と一緒なので、この数年間、全然、やり方が変わってないんだなと感じました。

漢方は、流行りでやっていくものではないので、同じやり方でもいいと思うのですが、僕は中医学から漢方の世界に入って中医学の漢方の先生であると認める国際中医師という認定もとりましたが、ぶっちゃけ、実際に自分で治療を始めた時に「僕は中医学では治せないわ」と思って、やめました。

数年間、変わっていないというのは良いとか悪いではなく、大阪人の気質かもしれないですね。
大阪人は飽き性で落ち着きがないみたいな。
僕もそうです。

僕は日本漢方一筋で古臭いやり方をやっていますが、年々、微妙にやり方が変わっていってます。
なんか「こうしてみたら、どうだろう?」って思うと変えずにはいられないのですね。

近代漢方の中医学をやってる先生があまりやり方を変えてなくて、古臭い日本漢方の僕がいろいろとやり方を変えていってると言うのがなんとも皮肉ですね。

何が言いたいんだと言われそうですが、要は最先端だと思っていた東京の病院や漢方薬局が、数年前でストップしている印象だったのが、去年1年間の印象だったので、なんとも不思議だなと思った次第です。

ちなみに次回は、4月に相談会行います。
2月に入ったら、とりあえず、新規の方の限定枠だけ募集いたしますので、ご予約いただければうれしいです!
posted by 華陀 at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月21日

1日で複数の漢方薬を飲むことはリスクも伴う

漢方薬は1種類でも、その中に何種類もの生薬が含まれています。
例えば、葛根湯なら麻黄、葛根、桂枝、芍薬、甘草、大喪、生姜と7つの生薬で耕政されています。
アトピーのマニュアル漢方でよく使う消風散なら、石膏、乾地黄、当帰、牛蒡子、蒼朮、防風、木通、知母、胡麻、苦参、蟬退、荊芥と12種類の生薬で耕政されていて、これで1つの漢方薬です。

漢方薬としての働きだけでなく、細かくみていくとそれぞれの生薬にも、それぞれの働きがあります。
いうなれば、ちゃんこ鍋とかキムチ鍋って鍋としてみると全然違う特徴の鍋で、それを細かくみていくと白菜やらキノコやらと、いろいろな味の違うものが入っています。
鍋全体でもっている味と食材個々の味があるのですね。
漢方薬で考えれば「味=効果」といった感じでしょうか。

漢方薬は「気管支を拡げる」とか「炎症を抑える」といったような西洋医学の効果ではなく、麻黄という生薬なら身体を温めて温熱と発散を行い、身体表面の水の巡りを動かし、体力があるか、ないし病気の勢いが強い状態で胃腸の問題ないものに使うなど、その生薬の働きと使える条件等が細かく設定されています。

病院の薬と決定的に違うところは、生薬は良い効果だけがあるわけではなく平等に「変化」を与えるものだということです。
だから、どんな状態の誰が飲んでも同じように効きません。

変化を与えるというのは「良い」も「悪い」も変化を与えることなので、麻黄が合う状態でない人は、胃がやられて風邪が余計にひどくなる「毒」となり、逆に胃に問題なく高熱がではじめ、普段、虚弱でない人であれば、汗やオシッコを活性化させて風邪から早く治るようにしてくれる「薬」となります。

麻黄が「毒」か「薬」になるかは、ラッキーとか病気によってではなく、現在のその人の体質や状態と麻黄の力が合っているかどうかです。

だから、インフルエンザに麻黄湯という処方の方法は漢方ではありえません。
なぜならインフルエンザは体質ではなく西洋医学のただの病名だからです。
麻黄湯が合うか合わないかは、インフルエンザかどうかではなく、麻黄湯が治療として適している症状や状態をあなたがもっているのかどうかだけです。

話がちょっと横道にそれましたが、そんな感じで漢方薬は1つ1つの細かな働きや条件をもっている生薬が何種類も集まって1つの漢方薬を形作っています。

たまに1日で何種類もの漢方薬を処方したり合わせたりしていることがあります。

何種類かの漢方薬を合わせるのを漢方では合方といいます。
これは漢方の治療理論にある方法なのですが、とても気をつけないといけない諸刃の剣となる方法です。

なんでもかんでも漢方薬同士を合わせれば良いというものではありません。
気軽になんでもかんでも合わせちゃいけないのは、漢方薬は症状ごとに合わせたりするものではないからです。

通常は、身体全身の症状や状態を総合的に判断して、できるだけ1種類の漢方薬が選ぶのが望ましいです。

先ほど、お話したように漢方薬は1種類でも何種類もの生薬で構成されていて、それが絶妙なバランスで合わさって、人それぞれの体質に合わせることができます。

1つの症状は、体質を分析していく際の1つの情報の断片でしかないので、断片の状態で漢方薬を合わせるのは、何も考えずに適当に処方しているのと同じになります。

漢方薬は先にお話したように「誰にでも共通する一定の効果」というものはありません。
その人の体質によって効果が決まります。
冷えている人に温める漢方薬は薬ですが、余分な熱のある人にとっては同じ漢方薬が毒になります。

漢方薬は一定の効果ではないので、漢方薬を飲まれた後に体質と漢方薬の相性を見て良い効果だったかどうかを検討しないといけないのですね。

漢方では飲まれた後の状態の分析と検討が必須の医学なのですが、この時に飲んでいる漢方薬が複数だと、どの漢方薬がどのように良い方向で効いているのか?または悪さをしているのか?がわからなくなります。

だから、僕がやっている日本漢方では、合方はしますが、原則は1種類の漢方薬を選び抜きます。体質を分析し考えぬいて最良の1種類の漢方薬を選ぶのですね。ベストセレクションです。

1日で複数の漢方薬を一度に処方しているところは中医学という流派でされているところが多いのですが、中医学は中西合体といって西洋医学と漢方の融合を目指していて、思想的に西洋医学ヨリな感じがありますので、症状ごとに漢方薬を合わせていく傾向が強いように思います。
なので、症状ごとに漢方薬を処方すると1日で飲む漢方薬の種類は増えてしまうのですね。

ひどいところになると「不妊症には・・・この漢方薬のセット」とか「アトピーには・・・この漢方薬おセット」など、その人の体質どころか症状すら関係なく、相談する前から病名に対してマニュアルで漢方薬の複数の組み合わせを決めているところもあります。

合方というのは、実は漢方の中では、かなりの高度な「技」なので、初回からやたら複数の漢方薬を一度に処方するところは、症状ごとに合わせているか、実は全く漢方の医学理論を知らないでやっているか、マニュアルでしかやっていないか、いずれにしても東洋医学で最も重要な「体質」をみることはできないような印象があります。
posted by 華陀 at 18:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の選び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月13日

風邪の漢方薬はマニュアルで選べない

風邪をひいた、うちの患者さんから電話がありました。
どうもご主人が風邪をひいたようで、漢方薬を飲ませたいとのこと。
たまたま、以前に奥様用に風邪の処方をお送りしていたので、その漢方薬で治せるかどうかの問い合わせでした。

症状をお聞きしていると、他の種類の漢方薬でないとダメな感じの可能性もあり、うちが休み前だったので、漢方薬をお渡しすることがでないので「申し訳ないけど、近くの薬局で今から言う種類の漢方薬を買って飲ませてほしい」とアドバイスしました。
(ちなみに現在、うちですでに完歩役を飲まれている患者さんには緊急の場合は、こういった感じで漢方薬のアドバイスをしますが、新規の方に、こういったアドバイスはしていません)

この時期になると東京や関西以外の地方の患者さんからも、こういった問い合わせがあり、風邪は1日単位とか下手したら何時間単位で漢方薬の種類を変更する必要があったりするので、お送りしていたら間に合わない場合は「これこれこういう漢方薬を買ってきて飲んでほしい」というアドバイスをします。

ところが、なぜか、この時に患者さんが、どこかの漢方薬局に銘柄指定で漢方薬を買いにいくと、高確率で変な漢方薬を勧めてきます。

それもなぜか、大阪と東京と離れているお店でも葛根湯と銀翹散(ぎんぎょうさん)が多い!
後、熱が高かったら板藍根(ばんらんこん)!

離れている場所の店でも同じ漢方薬を勧められるということは、よっぽどマニュアル化されているんだろうなと思いますね。

患者さんにしたら、別にその漢方薬局に相談にいったのではなく、うちで相談済みで、指定の漢方薬を買おうとしただけですが、なんか変な漢方薬を勧められて、買わざるえなくなり、困った事態になっていることがよくあります。

で、それで治ったら結果オーライで良いのですが、案の定、良くならなかったり、結局、その店の説明が怪しかったりして、再度、僕に、その変な漢方薬を飲んでもよいのかを相談してきてくれます。

それを聞くと「また、その処方かよ!」と思うのです。

風邪に葛根湯って四字熟語みたいに皆さんご存知ですが、うちでは、葛根湯なんて出しません。
(別に僕は変わった漢方薬を知っているアピールをしてやろうということではありません)
僕は葛根湯で風邪が治ったことなんて、10年で1,2回位のレベル。

確かに葛根湯って「え、風邪かな?いや違うかな?」的な、はっきりしない時期に飲めば、ピシャッと聞いて治りますが「喉痛い、咳が出てきた」なんて風邪の確定感と病状が進んでる感が出ていたら、もう葛根湯は効かないというのが僕の経験です。

それどころか葛根湯の中の麻黄というのが、合わない人は胃に悪かったりするのですが、僕は「葛根湯で胃がやられて、そのまま風邪がひどくなった」みたいなことに何度か陥ったので、風邪の時には飲まなくなりました。

葛根湯には麻黄という生薬が入っていて、その麻黄が主剤になっている漢方薬が、麻黄湯ですが、巷でインフルエンザに麻黄湯みたいな話が流れていますが、あれ、完全にウソですよ。

漢方は西洋医学と何の関係もないので「風邪にはこの漢方薬」「インルフエンザにはこの漢方薬」なんてマニュアルなんてありません。

あれは多分、西洋医学の病名でしか漢方薬を処方できない人が考えたデマ(漢方的には)だと思います。

漢方は「風邪だったら」とか「インフルエンザだったら」とか、病名ごとに分けて漢方薬を選びません。

インフルエンザだろうが、風邪だろうが、その時の鼻水や喉痛、咳などの状態に合わせて、何種類かの漢方薬を使いわけていきます。
腸炎なんかも風邪と同じように治療することが多いですね。

なんだったら、1日単位や時間単位で「朝、昼はA漢方薬で夜はB漢方薬、良くなってきたらC漢方薬」なんて感じで次々に種類を変えていくこともあります。

それくらい、風邪の影響による体質変化は早いのです。
風邪に漢方薬の処方を1週間分とか、ながーーーーい期間、処方している病院がありましたが、その処方をやっている時点で「漢方薬を使って風邪を治す方法を僕は知りません」って言いながら処方しているようなものですね。

ちなみに東洋医学には葛根湯医者という言葉がありますが、すぐに葛根湯を処方する医者のことを漢方ではヤブ医者のことを指します。

銀翹散も何度か飲みましたが、これもびっくりするほど効いたことがわからない処方ですね。

風邪って1包ずつの勝負ができるので、1包ずつ「あっ症状が悪くなったな、この漢方薬じゃないや」とか「おーこの漢方薬だな!ばっちり効いてる」とか、良いも悪いもわかりやすいのですが、銀翹散って特に変化を感じたことがないので苦手です。

僕が古方と日本漢方をやっていることもあるかもしれませんが、中医学の処方である銀翹散が苦手なのかもしれませんね。
ただし、僕は国際中医師なので、中医学の銀翹散をわけわからず飲んでいるわけではありません。

風邪の治療は漢方では別格です。
処方自体は6種類位で事足りるのですが、どの漢方薬をどのタイミングで何回飲んで、次の漢方薬に変更していくかが難しいので、6種類といっても、無限に組み合わせが生まれてきます。

多分、その難しさはマニュアルで風邪に葛根湯とかやってる先生自身よりも、風邪で元々持ってる持病がひどくなったりしている患者さんの方が、よくご存知ではないかと思います。

そんなわけで、この時期、風邪に葛根湯とかインフルンザに麻黄湯などのマニュアル処方にはお気をつけください。


posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月06日

慢性病では自分に100%合う漢方薬は存在しない

新年なので「お屠蘇は東洋医学では・・・」と書いてしまいたいところですが、そんな、どこにでもありそうなコピペを書いてもしょうがないので、平常通りでいきたいと思います。

今回は、うちの患者さんからよくある質問に対しての答えを書きたいと思います。

漢方薬は体質に合わせるものです。
このあたりは、一般的にもだんだん浸透していますね。

実はこの「漢方薬と体質合わせる」というものは、非常に深い意味があります。

大半の病院や漢方薬局の現状は、一般的には某漢方薬メーカーさんからもらったマニュアルに従って「病名(西洋医学)」に合わせて漢方薬を処方しています。

ちなみに本来、漢方薬と西洋医学の病名は何の関係もございません。
先生方が簡単に漢方薬を処方しやすいようにするため、西洋医学の病名と漢方薬を結びつけているだけです。

ちょっと漢方理論をかじっていたとしても「体質」の意味を取り違えているのか、「症状」をいくつかあてはめて「この漢方薬が合っているんじゃないか」と「漢方薬を合わせて?います」

症状は確かに、あなたの体質に、つながるものですが、症状はあなたの体質を形づくる情報の1つでしかないのですね。
全身のいろいろな症状や生活環境、ストレス、過去の既往歴、血縁の方の病気など、いろいろな、あなたの情報を教えていただいて、その情報を東洋医学理論で加工したのが、漢方で言うところの「体質」となります。

「風邪」に葛根湯とか、不妊症に「当帰芍薬散」などの単純な世界ではないのです。

病院ですら、体質のことを誤解しているようなので、世間ではもっと誤解されている感じがあります。

一般的には自分の体質に合う漢方薬がどこかに存在していて、それを見つければ後は、何ヶ月か続ければ症状がドンドン治っていく。
そんなイメージがあるようです。

しかし、これは間違いではないのですが、現実は少し違います。

ここで先ほどの病院などの漢方薬の選び方に戻りますが「風邪」とか「頭痛」とか単一の症状だと確かに、その状態にピッタリと合う漢方薬はあります。
基本的に単純な症状で急性病な感じですね。

ところが慢性病になってくると漢方では1つ、1つの病気や症状に漢方薬を1つずつあてはめていくものではなく、病気、症状、状況、状態をすべて総合的に考え体質を診断して、原則は1つの漢方薬を選びます。1つの漢方薬を合わせるといってもいいでしょうか。

この時に漢方の場合は、全身の症状をお聞きしていますので、すべての症状にあてはまる漢方薬なんてものは存在しません。
体質は個人の顔のように皆違うからです。
単一の1つの症状だと漢方薬を合わせやすいのは、1つの症状だけが治るかどうかを見ていればいいのですが慢性病はそうはいきません。

だから、漢方では転方というものがあります。
要するに漢方薬を一定期間で変更していくことです。

この時に僕なんかは最初から100%ピッタリの漢方薬が現実には、なかなか存在しないことを知っているので、どの部分から治していかないといけないかを考えます。
身体と病気のパズルみたいなものですね。

漢方薬は新薬と違って、1つの漢方薬がいろいろな方向性の効果を持っていますので、その方向性のうちのどれが特に有効に効いていくのかは結果が出るまで、わからないのです。
なぜなら、漢方薬の効果の方向性は、あなたの体質との相性で決定されるからです。
ですので、漢方薬を飲まれる前に体質を分析し、何から治すべきか、何から治していけば最短になるか、治療方針を考えます。

そして、実際に漢方薬を飲んでもらいます。
そして、その結果を細かく教えてもらいます。
「あの症状はこうなった」「この症状はああなった」と事細かに。

この時に現実では、アトピーの方が湿疹がましになってきて、食欲は増したけど頭痛が出てきたなど、良くなった部分と悪くなった部分が、ちぐはぐに出てくることが多いです。現実は。

くどいようですが、1つの症状だけに注目していれば、例えば頭痛なら、その頭痛がなくなったかどうか、0か1ですが、漢方は全身の症状をお聞きして診断しますので、皮肉な話ですが、詳しくお聞きして本格的に漢方理論で治療しようとすればするほど、漢方薬を飲んだ結果、矛盾した症状が現れてくるのですね。

普通の反応はこういう状態が多いのですが良くなった部分と悪くなった部分がいろいろあると、その漢方薬は果たして体質と合っているのでしょうか?合っていないのでしょうか?

長年の経験から僕が出した答えは、慢性病に関しては、元から100%ぴったりと体質に合う漢方薬なんて、まずないということです。
おそらく、そんなものを探していたら永遠に病気は治りません。

ですから、漢方薬と体質と合っているかどうかの条件は、一般の考えとは異なります。

漢方薬と体質が合っているかどうかの条件は、
@事前に体質を元に立てた治療方針の方向性に進んでいるかどうか。
A今の漢方薬で全身、全く変化がないか、どんどん悪くなっていないかどうか。

あなたが一番、悩んでいる症状が治るのは絶対条件ですが、漢方は新薬のように、その症状を一時的に緩和したり、なくしたりと一時的にしのぐことが目的ではありません。
その症状と繋がっている根本的な問題を引きずり出さないといけないのですね。
そのためには、その時、その時に悩んでいる症状がなくなったどうかだけでなく、他の全身の症状の変化とのバランスをみていく必要があります。

漢方治療の大原則は、一時的な症状の抑制ではなく、全身のバランスを整えて結果、細かな症状をなくしていくことですから。

自分が悩んでいる症状が治っているから、その漢方薬が自分に合っている場合もありますが、他の部分の他の症状が出てきていたらバランスを崩しているわけです。

ただし、急性の病気の場合は、症状が少なく体質も複雑になっていないので、体質と漢方薬をピッタリと合わせることができますよ。
病態によって、まちまちではありますが、僕の経験では2ヶ月位前から始まった病気や症状なら、状態も単純なので、漢方薬と体質がピッタリと合い、すぐに治ります。
これより前から病気が続いていると、そうはいかなくなりますね。

後、100%合っていないと治らないのではありません。
ある漢方薬で40%、次の漢方薬で20%と漢方薬を変更している途中も治療になっているのが漢方です。

ちゃんとした漢方の治療をしたい場合は、自分の気になる症状だけが消えるかどうかでは考えないほうが結果的には早く治ると思います。
posted by 華陀 at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする