2016年05月18日

漢方は教科書的なガイドラインは一切通用しない世界

いつも、最低限、いろいろなジャンルのニュースやコラムを読むようにしていて、その中で興味深い記事がありました。

「同率勝算の規則」に学ぶ。多作が才能に勝つ理由 | http://bit.ly/1NxVgxF

小難しいタイトルになっていますが、要は「仕事や人生や芸術で確実に成功する方法は絶対になく、その中で成功するためには、とにかくたくさんやること」とありました。
ハーバードの心理学者もこう言っているようです。

僕は常々、漢方は医学というよりも、音楽などの芸術や料理をつくる分野の方だと考えているので、この記事の「芸術で成功するためには・・・」の一節に惹かれたわけです。(医学は医学ですが)

この成功法則は、何も芸術や仕事だけでなく「根本的に治る」という「成功」も含まれると思います。
どんな事も「困難な問題」があり、それを「克服」し「成功」へと至るわけです。
「困難な問題」はアトピーや不妊症だったりするわけです。
「克服」は漢方薬による治療や治るための養生ですね。
「成功」は言うまでもなく「根本的に治った」ということです。

西洋医学は化学的に分析され、臨床データもあり、理論的にもしっかりしているように聞こえるので、病院の薬の説明などを聞いていると、いかにも治りそうな気がしてきます。

でも、実際は、薬の効果は1つの症状だけに限定されていたり、その効果も薬を飲んでいる間だけだったり。
また、実際の病気は、複合的に病気や多数の症状が重なっているので、単体の症状や病気にしか対応できていない病院の薬は一時しのぎにしかならなかったりします。

現実は、そんなもので、単純な構造の機械の故障すら、簡単には治せません。
僕はパソコンを一からつくったり、簡単な機械だったら修理しますが、結局、修理といっても大概が、部品の交換だったりします。

ところが人間の体は交換ができないのです。
交換せずして治さなければいけません。
単純な構造の機械でも、交換なしでは治せないのに、もっと複雑な構造の人間の体を部品交換なしで治すなんて、本当はかなり難しいことなのです。

西洋医学は、最初から「この薬はこんな効果があるから治るはず」という前提から治療にはいります。
そんな甘くないはずなのに。

漢方の場合は、最初から「この漢方薬はこんな効果があります」という設定はありません。
病院は漢方薬の処方をマニュアルでやってるので、新薬と同じように考えていますが大きな勘違いです。

「漢方薬が効いた!」と確認できるのは、相談に来られた時に、その人の体質を分析し、その体質を元に最適な漢方薬を選び、更にそれを飲まれた患者さんが良くなった時にはじめて「処方した漢方薬が合っていた。効果があった」と言えます。

つまり、漢方治療は「この漢方薬ならどんな体質の人の頭痛でも消えますよ」という概念自体がないので、未来の治療が成功するかどうかは常に未知なのです。

だから、漢方薬の参考情報にある「こんな病気に使うリスト」みたいなものをおりこうさんにおぼえても、何の役にも立たないこともあります。
何せ体質はその都度、未知ですから。

この辺が医学というよりも、音楽、芸術に近いと思うところですね。

西洋医学に慣れている人や西洋医学が病気を治してくれると信じている人は「私の病気はどんな漢方薬で治りますか?」と質問されますが、伝統的な本来の漢方治療では、全体の体質を見る前や病名や2、3の症状だけでは、どんな漢方薬が合うのかは皆目わからないわけです。

そんな風に漢方薬を処方している病院がほとんどですが、よくあんな少ない情報で漢方薬が処方できるなと思います。「本や勉強会でおぼえたことをマニュアル的にやってるだけだから」と言われたら、それまでですが・・・

漢方は様々な情報から、なるべく、その人の体質に合っているものを考え出しますが、結局、成功(根本的な治癒)させるためには、いろいろなことをチャレンジしたほうが、より成功に近づくわけです。

なので、うちでは、根本的治療というものを舐めていません。
教科書で勉強して物知りだったら治るとは思っていません。

患者さんごとに最初から、どうトライしていくかを毎回、毎回、考えていかないといけません。
「この病気だったら、この漢方薬」「この症状だったら、この漢方薬」というノリは本来の漢方治療には通じませんので、なるべくたくさんチャレンジできる治療方針のアイディアを考えなくてはいけません。

この法則からいくと「漢方薬は徐々に効いてくるもの」なんてデタラメを信じて治療なんてやってられません。
漢方薬は何百種類とありますので。

漢方は病名や症状をあてはめて漢方薬を選んでも治せないのです。
成功の鍵は未知の体質をピタッと当てることができるか。

もちろん、やみくもに数ある漢方薬を片っ端からためしていくことが「たくさんトライしていくこと」ではありません。
治療のアプローチを「たくさん考えること」これが、いろいろとチャレンジすることにつながります。

東洋医学の分析理論を駆使しますが、どんどんトライしていく、「とにかくたくさんやること」も大切なのです。

それが、成功(赤ちゃんを授かる、湿疹のないキレイな肌になる、痛みのない体)を手に入れる近道ではないかと思うのです。

なので、この記事に書いてあることは、非常に漢方治療に通じるなと思いました。


posted by 華陀 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする