2016年08月10日

漢方薬を効きやすくする考え方!?

世間では、なんとなく西洋医学と東洋医学が分けられていて、漢方は「ゆっくりと効いてくる」とか「自然の食べ物に近い生薬なので体にやさしい」とか「根本的に病気を治してくれる」などのイメージがあると思います。

こういったイメージはありますが、例えば「なぜ、ゆっくりと効くのか?」「実際に体に優しいのか?」「本当に根本的に病気が治るのか?」と具体的に質問されると、おそらく、漢方薬を飲みたいと思っている患者さんだけでなく、大半の漢方薬を処方している医者や薬剤師も説明できないのが漢方業界の現実です。

つまり、漢方って実は「どんな医学なのか?どんな治療なのか?」具体的には、ほとんどの人が知らないけど「なんとなく困ったら漢方薬で治してみたい」とイメージする曖昧で不思議な医学になっちゃっています。

しかし、漢方は曖昧で不思議な医学ではありません。

ちなみに皆さんがイメージとして持っている「漢方薬はゆっくりじっくり効いてくる」は嘘っぱちです。
「漢方薬で病気を根本的に治る」というイメージも厳密には間違っています。
漢方薬という薬のみで根本的に病気は治りません。

西洋医学と東洋医学は、医学という名前はついていますが、似て非なるものです。
スポーツでいったら医学にあたる言葉は球技みたいなもので、サッカーと野球はボールを使う球技ですが、ルールや使用するものが全く違います。

漢方も西洋医学とは全く違うルールの医学です。
最も大きな違いは、病院の薬は「人工化学物で体に悪い」漢方薬は「自然で体にやさしい」そんなことではないのです。

本質的な大きな違いは人間の体を治していこうとする根元の考えが違います。

西洋医学は、外から薬(人工化合物)を取り入れて、本来の体にない。もしくは不足していた働きを強制的に起こし、症状をなくします。
いわば、化学の力で体を騙したり誤魔化したりするのです。

頭痛薬なら痛みを発する物質を薬の成分によって遮断して、その人の体本来のシステムとは別の働きで無理やり痛みを止めます。

薬を飲んでいるいる間は効いて、しばらくして薬の効果がなくなったら症状がぶり返す姑息療法とよばれるゆえんですね。

漢方の場合は、外部から強制的に力を変えてやろうとするわけではありません。
体内のもともとある働きが、何らかの影響でゆがんでしまっていると考え、元に戻すための治療を行います。なので、漢方では人間の体は元のニュートラルな状態に戻せば、あとは結果的に勝手に良くなっている。と考えます。

無理やり外部から手を加えようとする西洋医学と元の形に戻そうとする漢方。
全然、考え方が違います。

どちらも「薬」を使いますが、薬の使い方が根元から全く違うのです。
僕がこのブログで医者が西洋医学の病名を元に漢方薬を処方している「病名漢方」は、漢方じゃない!と言ってるのはこういう理由です。
そこには「漢方の治療理念」がありません。

治療の方向性は精神的な部分にも大きな違いがあり、西洋医学は自分自身がある種、参加しない医学です。
外部から見てもらって、外部からの強制的な働きで治していきます。
方向性としては病院や医者に頼る感じですね。
だから、医者は上から目線でやらないといけない部分があるのかもしれません。
見方を変えれば、押し付ける医療でもあるわけですから。
なので、傾向的に誰かになんとかしてもらいたいと思う人間と親和性が高い治療です。

漢方の場合は、違います。
治療の目的は、元の状態に戻すことなので、漢方医と一緒に体のどの部分が元と違うのかを探していかなければいけません。
病気の原因を探すというよりは、何のバランスが崩れているのか?

1つの原因を探すわけじゃないので、症状を調べる場合は、全身の状態、その他にも生活環境、食事や睡眠、ストレスなど、あらゆる場面でのアンバランスを探っていく必要があり、また治療の場合も「まかせていたらいいや」では治りません。

自分自身のアンバランスを見つけたら、体内の調整は漢方薬が受け持ってくれますが、その他は自分で調整していかないといけないのです、

ただし、その方法は、体質を分析すれば、おのずと自分がどうすれば良いのかが見えてきますので、あとはその調整を頑張れば、その時に初めて根本的に治ります。

漢方での根本的に治る。とは漢方薬のみで根本的に治るのではなく、漢方薬を選び出す時点で体質を分析しますので、その体質を元の良い状態に戻す養生も合わせれば根本的に治るということなのです。

漢方はこういった考え方なので、先生側も「治してあげる」のではなく、「一緒に治そう」といった感じですね。
僕と患者さんでどうやったら治るかを考えていく治療です。
なので、自分自身で変えていきたい!自分も参加したい!という方にはぴったりの医学です。

処方する先生側としては「僕が専門家だから治してやる。だまって治療を受けなさい」的な上から目線の場合は、漢方薬を扱うのに向いてないように思います。
漢方薬も漢方としての治療の力を発揮しないでしょう。

「漢方薬だけに頼る」治療は急性病ならOKですが、慢性病は根本的に治すことはできないと思います。
「何かに頼る」だけで治したいなら、漢方でなく病院の薬でなんとかしたほうがいいです。漢方治療との相性が悪すぎます。

こんな感じで、西洋医学と漢方は、使う薬の違いではなく、「体を治す考え」が違うのです。

あなたはどっちの治療と相性が良さそうですか?


posted by 華陀 at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする