2016年09月14日

予防医学って実際はどうなのだろう

これからは予防医学!というのが次のトレンドのように言われいますね。
具体的にどんなことが予防なのかは、今は予防医学という言葉だけが走っている状態のようにも思います。

病気じゃなくても検査をしておくことや血圧や心拍、血糖などの日々のバイタルサインを見ていくことが予防と考えられていたり、単にサプリメントを飲むことが予防だったりと考えられていたりするようです。他にもいろいろあるかもしれませんが・・・

病気になる前に病気にならないように防いでいく。
漢方を始める前は、僕自身も現在の予防医学の感覚が重要だと考えていました。

しかし、漢方治療を本格的にやればやるほど、1つの意外なことがわかってきました。

漢方では、未病という考え方があります。
未だ病気にならざる時に治してしまう。

正に予防医学じゃないか!と思っていたのですが、治療をやっていくうちに、その解釈も微妙に違うんじゃないかという感じがしてきました。

漢方では、その時点の体質を見ます。
一般的なイメージでは、おそらく、人それぞれの生まれつきの体質があって、その生まれつきの体質を根本的に治してくれる漢方薬があって、それを飲み続けたら根本的に治る・・・みたいなイメージだと思います。

半分は正解かなと考えているのですが、半分は不正解という感じ。

僕が現場で治療している感じでは、誰しも生まれつきの弱点的体質があるというのは、合っていると思うのですが、別に、それだけで病気になっているわけじゃない。

どちらかというと、現時点の環境(仕事、ストレス、食事、睡眠、住まいの環境など)の影響を受けて病的体質になるといったほうが割合が大きいと考えています。

その時に生まれつき、もしくは家系が継いできた体質の傾向の病気に傾いていく。といった感じですね。

生まれつきの素因的病的体質が20%位あって、残りの80%は後天的な環境等によって作られ発病する感じ。

西洋医学では健康か病気かという、ある種、デジタル的な捉え方をしますが、本来の漢方では西洋医学のようなはっきりとした病気の概念がありません。
病院は何を勘違いしているのか、西洋医学の病名で漢方薬を選ぶマニュアル処方をしていますが・・・

西洋医学だと、検査でひっかからなければ、病気でないイメージですが、漢方は全身の働き(例えば血液循環、筋肉の働き、消化器の働き)の調和がとれているかどうかをみていくので、このラインから向こうは病気。という概念がありません。

病院の検査でひっかからず、病気も何も言われていなくても、雨の前日にかならず頭痛になるのは、漢方的には全身の調和が崩れた結果、起こっていると考えるので、それは明確に病気なんですね。

だから、漢方薬も生まれつきの体質に絶対的に合うものなんかはないし、現在の体質も季節の影響を受けて変化したり、仕事で、ものすごいストレスを受けて体調が変われば、それも体質が変わっていくことになります。

つまり、漢方では、よほどでない限り、本当に健康な人は、なかなか存在しません。
特に現在の環境は、健康になろうと頑張っても体に優しい自然な生活ができない時代なので、「本当の意味で長期間、健康な状態」を保つのは至難の技です。

だから、僕も検査数値は悪くないし、病気の診断を受けたこともないですが、毎日、全力、全開で元気か?と問われると何かしら、不調がところが見つかるので、その時の自分の体質を判断して一定期間で種類を変えながら漢方薬を飲んだり、週に1回、バランスをとるために鍼治療も受けています。

いわば、東洋医学的に考える本当の健康とは楽器のチューニングが合っている状態ですね。
楽器をやっている方なら常識ですが、使った途端に少なからず、チューニングは狂っていきます。
また、終わったらチューニングを行い健康な状態にするわけですね。

だから、漢方の未病を治すというのは、何かの病気になる前に治すというよりも、常に病気になる恐れがあるので、それを漢方薬や自分の体質に合った養生で毎日、チューニングしておくことだと思うわけです。

今、騒がれている予防医学も日々、事前に検査をしたり、毎日のバイタルサインを調べておけば、大きな病気は予防できると思いますが、現実から考えると、大きな病気だけをざっくりと防ぐという感じで、それはそれで重要だと思いますが、日々の辛さを防いで病気にならないようにするには、ちょっと遠いですね。

本当の予防は、やたら検査をしたり、体質に合っているかどうかもわからないサプリメントを漠然とした予防で飲むのではなく、現時点の自分の体質を知り、弱点を知り、日々のチューニング(体質にあった生活方法やメンタルセット)を知り、それを実践することが、具体的で実践的な予防ではないかと思います。

なので、予防は、その人の体質や環境で人それぞれ、方法が変わるということですね。


posted by 華陀 at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月07日

良い鍼灸治療院の選び方「実践編」

漢方相談の人間がなぜ「良い鍼灸治療院の選び方」なんて記事を書いているのか?
詳しくは前回の良い鍼灸治療院の選び方「出会い編」を読んでいただけたらと思います。

漢方も鍼灸も東洋医学ですが、残念ながら、9割は、東洋医学の伝統的かつ本質的な方法で治療をされているところはないのです。
ほとんどは西洋医学を東洋医学風にしたマニュアル的な治療をしているところです。

なぜ、そんなことになっているのか?
それは僕ら2人にはわかりません。

東洋医学自体の理解が難しいのか?
個人の体質なんか見ていたら手間がかかるので、マニュアル的にベルトコンベアで流したほうが楽に稼げるからなのか?

業界をみていると、どっちものような気もしますが・・・。

では、今回は、実際の見分け方実践編で話していきましょう。

まず、良い鍼灸治療院の選び方としていますが、東洋医学という一般の人には摩訶不思議なものの良い点を理解しようとするよりは、ダメな鍼灸院の条件を理解してもらったほうがいいかと思います。

ただ、この条件等は、あくまで僕と僕と一緒に治療をしている先生の私的な考えなので、最後はこの記事を参考にご自身で判断してください。

ダメな鍼灸院でわかりやすいのは、これは漢方も同じですが、ロクに問診をとらないところ。

漢方なら病院なんかは、まず、体質を分析するための問診なんかとりません。
問診でとるのは、最初のお決まりの「ほかの病気はありますか?」とか「妊娠していますか?」などのアンケートですね。
あれは、漢方薬を選ぶ時の問診とは何の関係もありません。
漢方では、全身の不調をお聞きしていきます。
(ちなみにうちは150項目以上で早い人でも入力を終えるのに15分はかかります)

鍼灸も同じように問診は必要です。
漢方も鍼灸も西洋医学の病名ではなく「体質」をみていくのは同じです。
何の問診もなく、ただ身体を触って施術を始めるのは、それは、ただのマッサージ鍼(そんな言葉ないけど)

要は、筋肉の凝ってそうなとことかを適当に緩めたりしているだけ。
漢方も鍼灸もどちらも問診をとって「証」という病的体質を分析する必要があります。

ちなみに僕と一緒にしている先生は、うちから治療を受けに行く場合は、うちで詳しい問診をとっていますので、鍼の先生のところでは、軽い問診だけでOKですが、通常は、あれやこれやと自分の全身の状態を説明する必要があります。

次にダメな鍼灸院のポイントは、回数券。最近、流行りです。

「この治療には3ヶ月はかかるから」などといって、回数券を買わせる方法。
この時点でその鍼灸院はアウトだと思います。

回数券だと未来の治療の代金をすでにもらっているので、2回目の治療から担当が変わったり、ひどいのになると研修の子にやらせたりします。

担当の先生が変わらなかったとしても最初の治療の半分しかやらなかったりします。

極端に言えば、ひどい治療をやっても4回だったら4回は来てくれることが確定しているからです。人間ですから。こうなります。しょうがないですよね。

ちなみに、うちも僕と一緒に治療をしている鍼灸の先生も回数券や「次も来ないとダメ」みたいなことはやってません。

もちろん、慢性病なんてすぐに治るものじゃないので、見通しとして、聞かれれば「何ヶ月位はかかるんじゃない」みたいなことはお話ししますが「ずっと通わないと治らない」みたいな話はしません。

続けるか、どうかなんて、その患者さんの自由だと思います。
逆に回数券にしているということは、1回目の施術の後に「満足してもらえない」という妙な自信があるとも言えます。
だから、回数券を買えるようになっているんだったら、それは「治療に自信のないところ」なんでしょう。

1円でも安くなれば・・・と思うなら、選ぶべきですが、治すことが目的であれば、やめたほうがいいです。

次に患者さんが「凝っている」とか「痛い」とか患者さんが訴えている周辺だけ鍼やお灸をするところ。

これもアウト!だと思います。
鍼灸は東洋医学なので「凝っていたり」「痛い」ところだけを治療するのではありません。
基本的には病的体質に対して治療しますので、施術するのは全身です。
毎回、局所的にしか治療しないなら、その鍼灸院はどうかな?と思います。

そして、あえて最後に持ってきましたが、保険適応で年寄りがジャンジャンいるところ。
病院と同じです。
たくさんの人が来たら、いくら「治したい!」と志をもっていても、短い時間で回す必要が出てきます。

「治したい」という志はある種「その患者さん1人にかける時間と手間」と言い換えてもいいと思います。
料理と同じ、料理人の見える料理屋はポリシーの持った、おいしい料理をつくる店です。
当然、料金は高くなります。
チェーン店は、料理をしたことがない高校生のバイトがつくります。
そこにポリシーは存在しません。そのかわり、安いです。

国民皆保険は素晴らしい制度ですが、ぶっちゃけ「安かろう悪かろう」に成り下がっている部分もあります。
これは、病院が悪いのではなく「1人にかけられる時間と手間」の問題。
どちらが良い悪いではなく仕事の摂理です。

そして、おまけ。
時々、鍼灸の先生の方から、うちの患者さんに、うちで何の漢方薬を飲んでいるのか聞いてきて。という質問があったりします。

この質問で「うわー東洋医学、何もわかってないじゃん!」って思います。
「何の証と考えたかを聞いてきて?」と質問するなら、まだわからないこともないです。
証(体質)を聞けば、自分の鍼灸治療にも活かせますから。
実際、うちは鍼灸の先生とそうしています。

しかし、漢方薬名って・・・
東洋医学の素人丸出しです。なぜなら漢方薬は西洋医学の薬と違って、1つの薬が1つの効果とは限らないのです。
例えば、葛根湯は風邪に使いますが、蕁麻疹に使うこともあるのです。
処方した先生が、どういった意図、どういった証で見たかを知らないと自分の治療には活かせないのです。
なので、漢方薬名だけを聞いたって、意味ないですよ〜


posted by 華陀 at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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