2016年11月15日

漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(前編)

先日、東京での漢方相談会でのお話。
漢方相談会での目的は、もちろん、うちの漢方治療を受けていただける方を増やしたいことが目的ですが、それ以外に病気で困っている人に正しく「漢方」を理解してもらいたいという目的もあります。

日本ではこれだけ漢方が普及していて、全く正しく理解されていません。
誰が理解していないかって、漢方薬を処方する当の医者や漢方薬局の先生が表面的にしか漢方を理解していないのが現状です。

それが、なんでこうなったのかわかりませんが、表面的で素人臭い漢方の方が常識になってしまっています。
ここで誤解されると困るのですが、僕の方が漢方を知っているというわけではなく、いろいろな漢方の本を読んだ結果、冷静に漢方の治療思想や漢方の診断方法、養生のアドバイスの仕方などが何ひとつ漢方らしく理解されずに西洋医学ナイズされたアニュアル漢方として常識になっていると感じているという話です。

うちはただ単に漢方薬を漢方らしく扱っているだけですね。

その相談会で、すでに病院で漢方薬を処方されているが、その医者の漢方は、なんかおかしく思うので、僕の相談会に参加して、いろいろと漢方に対する疑問をぶつけたいという方がいらっしゃいました。

その質問の中で一言、シンプルな質問がありました。
「ちゃんとした漢方をやっているかどうかを見分ける方法を1つだけあげるとしたらなんですか?」

1つだけ・・・答えは簡単です。

「東洋医学的な体質を判断する問診表を書いてもらってから診察しているか?」

1つだけあげるならこれです。
うちでいったら、ネットでもあげている150項目以上の全身の症状や現在の生活環境等を問う質問。

病院で最初に書かされる「今までにアレルギーのあった薬はありますか?」とかではないですよ。あれは漢方とは何の関係もありません。

漢方はその人独自の体質を判断しますので、全身いろいろな状態を聞く必要があります。
うちの問診もじっくり考えて書けば、20分はかかります。

これが最初にないのは、偽物漢方と言い切ってもいいくらい。
また、問診をとらずに先生が質問だけで漢方薬を決めようとするのも危険だと思ってもらってもいいです。

漢方薬自体は効果の高い、良いものなので、病名だけや症状だけを占いのようにあてはめて処方しても効くことはありますが、根本的に治そうと思ったら、同じ種類の漢方薬だけを飲み続けていてもなんともなりません。その場合は中途半端に治療は頓挫すると思います。

東洋医学的な体質は全身の症状やその症状の組み合わせから分析しますが、問診票に書いてもらわずに互いに質問だけのやりとりで行うと、処方する先生は自分の好きな処方や治すのが得意だと思っている漢方薬に合わせようと偏って分析し、患者さんの方は自分が最も悩んでいることを躍起になって主張しようとします。

漢方薬は特定の症状だけを抑制や緩和する対症療法のお薬ではなく、全身のバランスを整えながら治療するものなので、目立った症状だけを捉えようとせずに、全身くまなく症状や状態を冷静に捉えていく必要があるのですね。
先生も患者さんも主観は最も危険なものとなります。
それをちゃんと調整してくれるのが、体質を知るための問診票ですね。

その他にも、その方からの質問をいろいろとお聞きしていると、大阪でもそうですが、やはり東京でも漢方は大きく誤解されていると感じました。
しかも、悲しいことに名だたる大学病院での漢方がデタラメに近いような印象です。

いろいろとお話している中で「そんな素晴らしい医学だったら、うちのような店も含めて全面的に漢方を保険適応にするべき!」と言っていただきました。

しかし、これには賛成できません。
仮に、うちのような店も含めて漢方薬が全面的に保険適応になっても「うちは保険適応ではやりません」キッパリと答えました。

続きの 漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(後編)はこちらから
posted by 華陀 at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする