2017年02月08日

瞑眩や漢方薬の副作用。

瞑眩って聞いたことがあるかと思います。
漢方の先生がよく「乱用」しているようび思います。

瞑眩とは、ある漢方薬を飲んで2日以内に不快な症状がドッと出て、その後にスーッと治っていくことを言います。

漢方薬は病名や症状に合わせてマニュアル的に選ぶものではなく、体質に合わせて選ぶものです。
体質はみなさん、違いますので、同じ病名の人でも身長、体重、全体の体の状態なんかを細かくみていくと全然、違う「病気(体質)」だったりするわけです。

なので、以前にアトピーの人に対して劇的に聞いた漢方薬も、次のアトピーの人に効くとは限りません。
なぜなら、病名は体質ではないからです。

漢方薬は体質に合わせるものですが、その体質を漢方薬が合っているというのは、一定期間、飲み終えて、いろいろと良くなっていれば、その時に初めて「その漢方薬は、その人の体質に合っていた」と判断できます。

あくまで飲んだ後の結果論なのです。
いくらアトピーの人を1000人、治しても、次の人は新たに「体質」を考え、一定期間、飲んでもらって
漢方薬と体質が合っているかどうかを答え合わせしていかなっければいけません。

そんなわけで、漢方薬は処方した時に合っているかどうかは、処方した先生も患者さんもわからないわけです。

漢方の先生も患者さんも「治る」と思って飲み始めた漢方薬。 
思いには反して漢方薬を2,3回飲み始めると湿疹がひどくなったり、下痢したり・・・
いろいろな悪い症状が出てくることがあります。

これを瞑眩とよんで「良くなる前の悪い症状」と説明する先生がいらっしゃいますが、実は瞑眩なんてものは滅多に出てきません。

僕は10年の漢方人生の中で2,3人。それも急性病の方のみ。
慢性病に至っては記憶にありません。
漢方のいろいろな名著を残された日本漢方の大家の先生の言葉では「40年の治療経験の中で数例にもみたない」と書いておられました。

そんなすごい先生でも、ほぼ、瞑眩というものは存在しないのです。

なのに、患者さんからは前の漢方の先生から「瞑眩反応」だと言われたという話を良く聞きます。
それはあまりに瞑眩という不渡り手形を乱発しすぎです。

それって、体質と漢方薬が合っていないから、ただ単に副作用なんじゃないの?
と思います。
漢方薬の副作用は「体質と漢方薬が合っていない」場合は全て副作用につながるからです。

瞑眩って説明してしまうと聞こえはいいですが、瞑眩だろうが、副作用だろうが、その時は「漢方薬を飲み始めて悪い症状が出てきた」という状態です。

この時に瞑眩だから「もうちょっと飲んだら良くなるから飲んでみて」と、言うのは簡単ですが、漢方の大家の先生の経験や僕の見解では瞑眩は「ほぼない反応」なのです。
つまり、その時は「体質と漢方薬が合っていないための副作用」と考えるか「調整途中で体が大きく動きはじめた結果の悪い反応」の2つを同時に考えます。

瞑眩の考え方と似ていますが、瞑眩は僕のイメージでは予期せぬ感じで悪い症状がドバーと出てきてスーッと劇的に良くなっていく感じ。

一方、僕が考える「調整途中で体が大きく動いた結果の悪い反応」というものは、バランスの崩れた体質が治っていこうとする時に起こりうる悪く見える症状です。

僕は漢方薬を選ぶ際に体質を分析し、漢方薬の調整がどんな風に進んでいくのかの予測を立てますが、その予測の範囲内で起こる副作用的な「悪い」症状を想定しています。

そして、漢方薬を飲み始めて「先生、なんか悪くなってきているので漢方薬を変えてもらったほうがいいでしょうか?」という相談がよくありますが、その際は、悪くなるかもしれない想定をしているとはいえ、常に「ただ単に体質を漢方薬が合っていないか?」「良くなるための調整か?」の正反対の2つに1つの決断を強いられます。
2つに1つといっても正反対の現象です。

経験上は、どちらもあるのですが、単純には決められないので、詳しくいろいろとお聞きして「良くなるための調整途中」だと判断した場合は、「耐えられない症状でなければ、もう少し続けてほしい」とお願いします。漢方薬を飲み始めて悪くなっているのに、更に僕が決めた一定期間(それほど長くない)を続けてもらうわけです。

そうすると、悪い症状が出ていたのに、何日かすると、その症状もなくなって、だんだんと良い感じになってきます。

患者さんには後から「実は続けてと言われた時は大丈夫なのか?と思いました」と言われることもあります。

再度、言いますが、これは瞑眩ではないように思います。なぜなら、僕は東洋医学理論に基づいて、理論的に分析して、続ければ治るという予測がある上で「続けてください」と決断しているから。
未来からみれば、ただの治る時の変化です。
もちろん、一定期間、続けてもらった後「漢方薬が合っていなかった」なんてこともあります。

最近、ご自身で漢方薬を選ばれる人がいますが、漢方治療にはこういったことも治療の中に含まれます。
飲んでみたけど「悪くなってきた」ことを理由にすぐに「漢方薬が合っていない」と判断しないほうがいいです。
全身の状態の変化を分析して、一定の期間で止めるべきか、また続けるべきかを検討しないと、基本的に、飲み始めて悪い症状が起こり、その薬を止めてしまうと、その薬を2度飲むことはなくなるので、下手すると一生、治せる漢方薬に出会えない可能性があります。
だって、その止めようとしている漢方薬こそが最高に合っている薬かもしれないですから。


posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の選び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする