2017年04月19日

サプリメントと病院の薬の決定的な問題!

最近は「サプリメントも安易に飲むのは危険!」的な記事がチラホラと目立つようになりました。

実は僕は昔は、漢方薬局さんの店主さんや販売員さんに向けてのサプリメント講習の講師をしたり、サプリメントを製造するのに関わったこともあります。

うちの店も昔は漢方以外でも一部、サプリメントを置いていたのですが、今は置いてません。

最近でも時々、湿疹で悩んでいる患者さんから「青汁って飲んだほうがいいですか?」とか「マカって妊活してるなら飲んだほうがいいですか?」と聞かれます。
僕は必要ないとお答えしています。

実はサプリメントには決定的な問題が1つあります。
この問題は病院の薬も同じ問題を抱えています。

ほとんどのサプリメントは「体に必要で役にたつと言われている成分をたくさん補い元気になりましょう!」というのが目的です。

病院の薬は、症状を緩和したり無くしてくれる成分で不快症状を治したり、PMSや不妊症だったら、女性ホルモンを補ったりして、ホルモンを整えようするのが目的です。

どちらも共通した問題は、ここで「良い」とされている成分には、もう一つのとても、とても重要な条件が欠けています。

それは、体に良い成分があなたにどれくらい必要なのか?
また、どんな種類の組みあわせが必要なのか?

砂糖や果糖などの糖分は人間が生きて行く上で根本的に必要なエネルギー源になります。
しかし、糖分が良いものだからといって、どんどん食べていったらどうなるでしょうか?

そう、糖尿病です。
人間の体に必要なエネルギーを取りすぎることによって、病気になるのです。

サプリメントはどれも、エキスによってたくさんの成分が手軽にとれることをウリにしてます。
つまり、サプリだとあっという間に糖尿病になるかもしれないということ。

不妊治療で使用されている女性ホルモン剤は、量の問題を最も考えないといけないものです。
体内のホルモンは、そのほとんどが、量的に少なくなっているから体がおかしくなっているとは限りません。
体内のホルモンは複数の種類のホルモンをミックスさせて調整しています。
黄体ホルモンが増えたら、エストロゲンが減ったり、何かのホルモンが減ったら、何かのホルモンが増えたり減ったりと脳が微調整しています。

月経リズムだったら、同じホルモンでも低温期や排卵期、高温期と、いろいろな種類のホルモンの分泌量は異なり、またホルモンは、どれも微量に分泌されるので、体内で分量自体が不足しているなんてことは、まずないと思います。

分泌量が少ないのは体内のホルモン量が少ないのではなく、ホルモンとホルモンの組み合わせやバランスがとれていないという原因があるのです。

でも、不妊症、月経不順、子宮筋腫などのホルモン療法はホルモンの物量を足すだけ。
量を増やして強くするだけです。

西洋医学の薬やサプリメントの世界では「良い成分の量が多ければ良い!」みたいな子どものような発想ですが、漢方の世界では、治療で重要なのは「バランスと個人差を考える」です。

どれだけ良い成分でも、その人によって必要な量や組み合わせ、バランスがあります。
良いものだったら、なんでもかんでも、取ればいいなんて考えがありません。

ホルモン剤以外の病院の薬は、体内の働きを騙す成分を取り入れることによって、症状が起きないようにするものが多いです。
痛み止めなどは、痛みを発する物質に薬の成分が取りついて、痛みが出ないようにしますが、体内の痛みを発する物質は同時に胃粘膜を作り胃を保護しますので、薬の成分は、痛みを止めてはくれるでしょうが、胃の状態は悪くなります。だから鎮痛剤と胃腸薬を一緒に処方します。
本当に体にいれて良いものかどうかは、メカニズムから考えると疑問ですよね。

そもそも「痛み」という症状も体内の何かの危険を知らせる警告なので、車で言えば、オバーヒートのランプ(症状)の配線を切って(薬)、警告ランプが点灯しなかったことにしても、やがてエンジンが動かなくなることからは逃れられないのです。

病院の薬はドラッグで売っているものよりも、濃度が濃いものが多いです。
この発想は、まるっきりサプリメントですね。
量が多いと、よく治るという子どもじみた発想です。

これらは漢方の考えからいくとヘンテコです。
漢方が目指すのは、強くも弱くもない多くも少なくもない、今のあなたにとっての丁度の世界。

病院の「良い成分」というのは「一時的に一定の時間だけ症状をごまかす」場合には、良い成分ですが、「根本的に治りたい」場合には、バランスの悪い、ただの人工化合物です。

現在、新しい良い成分だと「なんとなく良さそう」的にサプリメントも病院の薬も手軽に使われますが、それが体内のバランスを崩すものだったら、全然、良いものではなく、かえって悪い成分をわざわざとっていることもあります。

バランスを整えることを考えた場合、良い成分とされているものも、その時のその人の体質では良いものかどうかわからないので、一人一人の体質もみていく必要があります。

運動でエネルギーを失っている人に砂糖たっぷりのジュースは良いエネルギーとなりますが、糖尿病の人にとっては、更に体を悪くする毒にしかなりません。

自分の体を根本的に治そうと思ったら、良いと思われる成分だけを追い求めても無駄です。
どんな成分が、「どれくらい必要なのか?」
「どんな組み合わせ」だとうまく働いてくれるのか?
「どれくらいの間」、その成分は役立ってくれるのか?
などなど、いろいろと考えないといけないのです。

良いと言われる成分だったら、誰が、どれだけとってもいいというノリは、まるでバクチです。
西洋医学やサプリメントはエビデンスを出して、しっかりしたデータに基づいたものですよとアピールしますが、治療の本質から考えると個人差も見ないので僕的にはバクチに近いような感じがします。

漢方治療で重要なのは、個人差、ひとりひとりの体質。
漢方薬は何百種類と、たくさんの種類がありますが、それぞれ、全く違う成分や効果ではなく、よく似た生薬の組み合わせや、ちょっとした効果の強さの違いなどで種類がわかれています。

それは、人ぞれぞれ、必要な量の違い、効果の強さの違いが微妙にあるから、漢方薬は2千年経った、今でもたくさんの種類があるのですね。
なので、その微妙な調整ができる漢方薬を一人一人の体質を見ないで病名だけでマニュアル処方している人は、そもそも漢方薬を使う必要があるのか?と思ったりします。


posted by 華陀 at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする