2017年12月01日

良い鍼灸院の見つけ方

「先生、鍼灸治療ってどうですか?いい鍼灸治療院、ご存知でないですか?」
昔からよく聞かれる質問です。

実は良いところは僕の中では1件しか知りません。
それも10年間、東洋医学の治療に携わってきて、たった1件。

その治療院も今は事情があって、積極的には治療をしていないので、今は紹介できません。
現在はゼロ件です。

漢方も鍼灸も一般の人から見たら、不思議な治療ですよね。
どの店がいいのか?どんなだったらいい店なのか?
全くわからないと思います。

食べ物屋さんなら雑誌に載っている美味しいと言われている店や食べログの評価やコメントを見て、良さそうなところを選ぶことができます。
また、食べてみれば、本当に美味しいかどうかは別として自分が気に入れば、また行けばいいですが、漢方や鍼灸の場合はそうはいきません。

食べ物であれば、メニュー、金額、店の感じなどを自分の経験に照らし合わせれば、なんとなく「こんな感じの店かな」と予想もつきますが、漢方、鍼灸になると何をもって予想をつければいいのかもわからないですよね。

そこで、僕の勝手な意見ですが、今回は良い鍼灸治療院の選び方というか、良い治療院を選ぶ基準は、その人自身に東洋医学の専門知識がないと判断できませんので、僕ら専門家から見たら「最低限、そこは行っちゃダメだろ」という条件を話してみたいと思います。

★行かないほうがいい鍼灸治療院の条件★

@保険適応である。

A回数券を買わせるところである。

B毎回、同じ治療。「証」(東洋医学的な病的体質)を診断できないし治療方針もない。

C担当が変わる。

DWebサイトなどの目立ったウリが「そこで治った症例」である。

E病院の治療を全否定するだけで具体的に、どう悪くて、今度どうすればいいのか説明がない。
(病院の薬や手術、リハビリのことを詳しく知らない)

これにプラス、なぜか良い鍼灸院のことを質問してくる方は不妊症の方が多いので、特に不妊症の方が気をつけないといけない条件です。

F基礎体温を体質とオーバーラップして診断のデータとして扱えない。

G病院の不妊治療のことを詳しく知らない。ホルモン剤のことも全否定のことが多く薬効薬理を詳しく知らない。

この6つの条件、不妊症の方なら2つの条件にあてはまるところはやめたほうがいいです。
精査してこの条件なので、正直、1つでもあてはまったら、東洋医学の専門家である僕はその鍼灸医治療院の治療を受けようとは思いません。

ではそれぞれの条件の根拠を説明しますね。

@ 保険適応である。
まず、保険適応で治療しようと思ったら医師の診察と同意書が必要です。
だから、自分で勝手に行って保険適応で治療をやってもらうという流れではありません。

実際は、ベルトコンベア式に同意書を書いていたり、グレーな感じでやっています。
でも本当の問題はそこではありません。

これは病院の漢方薬でも言えることですが、保険適応になると患者さんが払うお金は安くなります。
患者さんにとってはいいことですね。
でも安いということは、たくさんの人が気軽に集まってくるのです。

となると、たくさんの人を治療していく必要があります。
なので保険適応のところはマニュアル的になっていきます。言い方が悪いですが、丁寧さは捨てざるえない。

また保険適応の点数の絡みなどで細かいルールもありますので、もし腕のある先生だったら、もどかしくてやってられないそうです。

大量の人をさばく目的の回転寿しにたいしてカウンターが8席しかない味の追求をしている割烹鮨の店のクオリティーを求めるようなものですね。
物理的に無理です。

A 回数券を買わせるところである。
このパターン、最近、増えています。
漢方薬局でも最初に何ヶ月分かを買わせるところもあります。
その理由は漢方や鍼灸は治療にじっくり時間をかけないといけないから。

確かに長年、患っている慢性病が2、3ヶ月で治ることはありませんが、またその治療院にかかるか、かからないかは患者さんの自由です。

逆にこちら側からすれば、腕がいいと思ってもらったら、絶対、また来てくれるし、事前に買ってもらう必要などありません。

また食べ物の例で申し訳ないですが、高級フレンチでポイント会員カードなんか発行するところはありません。
大体、ああいう会員登録させるものってスーパーなど、別にその店じゃなくても、どこで買ってもいいというところが必死になって会員登録させます。

なぜなら、他店に比べてたいして勝てるものがないからです。
回数券なんてポイント会員よりも更に低レベルだと思います。

東洋医学専門の僕的から見たら回数券を売ってる先生って「僕は治療の腕が良くない」って自ら言ってるようなものです。
「次に来てもらえない」自信があるので「お金、払っちゃたし、しょうがないか」と思わせて再来院させるのです。

実際、回数券を買った方は、みんな「行きたくて行ってるのではなく先にお金、払っちゃったからしかたなく行ってる」人ばかりでした。

B 毎回、同じ治療。「証」(東洋医学的な病的体質)を診断できないし治療方針もない。
東洋医学である漢方薬、鍼灸、薬膳は「証」という病的な体質を診断し、その証に基づいて治療方針を決定します。

触って痛いところや凝っているところを直接、治療するわけではありません。
それはワンコインマッサージの仕事です。

漢方薬も同じです。病名や症状に合わせて漢方薬を選びません。
施術に入る前に自分の証と治療方針をかならず聞くようにしてください。
これがないと、いつも同じ施術を漫然と続けられるかもしれません。

C 担当が変わる。
2回目の治療と違う人だったりするところ。
保険適応のところに、このパターンが多く、研修生などを使って安く上げているところもあります。

ほぼ行かないが、たまたま首を寝違えた位の1回きりの治療だったらいいですが、慢性病を治療するのであれば、東洋医学は、あなただけの体質を診断して、治療のたびに前回の治療の結果を検証して治療に微調整を加えていきます。

これは漢方薬でもそうで、前の飲んだ結果を検証して漢方薬を変更していきます。

つまり治療方法は毎回、少しずつ変わっていかないとおかしいので、担当が変わっていたら、いくらカルテの文字上で引き継ぎしても細かいことは漏れ漏れで、ちゃんと治療が引き継げません。

そもそも、次々に担当が変わるのと、同じ人に見てもらうは、医学知識がなくても同じ人にみてもらうほうが良いに決まっているのは常識的にもわかることです。

D Webサイトなどの目立ったウリが「治った症例」である。
これは漢方薬局のサイトでもそうですね。
治った例、これを読むと「あたしも治るかも」なんて思っちゃいます。
でも鍼灸も漢方も人それぞれの体質に合わせて治療します。

人それぞれ体質も治療も変わるということは、治った例は、あなたにはあてはまらないということです。
病名や症状なんて、その人のごく一部分が共通していただけで全身をちゃんと問診すれば、治った人とあなたは全くの違う体質なのです。

治った例を参考にするなら「ある病気が治ったこと」ではなく「どういった診断、治療方針で治していったのか?」「その先生の考え」をみてください。

えっ治ったことしか書いてない?
だったら、それは嘘を混ぜて書いているかもしれません。
鍼灸も漢方薬局も嘘の治った例なんて書くのは朝飯前です。
また、良いことを書いただけの治った例などは、ネット上では禁止になりました。良いことばかりの例はそもそも書いてはいけません。※「個人差があります」と書いてもダメです。

E 病院の治療を全否定するだけで具体的にどう悪くてどうすればいいのか説明がない。
(病院の薬や手術、リハビリのことを詳しく知らない)
いきなり、鍼灸治療する人は珍しいと思います。
大体、病院での治療があって、それを踏まえて、鍼灸院に行くかと思います。

病院の治療のことを知ることは重要です。
たまにトチ狂った鍼灸師や漢方薬局の人が東洋医学と西洋医学は関係ない!みたいなことを言うことがありますが、薬や手術が体に与える影響は大きく、鍼灸も漢方も体全体の体質をみますので、病院での治療を知ることは必須で、同時にその治療や手術の内容、薬であれば、薬の薬理や作用機序も知っていないと話になりません。

そして、これらがわかっていない人は「なぜ、そうなのか」という説明がなく病院の治療を全否定します。

F 基礎体温を体質とオーバーラップして診断のデータとして扱えない。
鍼灸で不妊治療をしているところが増えましたが、鍼灸業界を広く知っていて鍼灸師との繋がりも多い先生が不妊治療なんか知っている先生はいないと断言されていました。

実際、その先生は鍼灸で名医でしたが、それまでは不妊治療は特定のツボ2箇所を施術するくらいにしか知らず、急ピッチで僕の元で勉強されました。

基礎体温は、血の巡りが悪い瘀血パターンなど、そんな占いみたいな見方はしません。
体温からホルモンの波長やバランスを読み取ります。

基礎体温を持ってこなくていいところは、マニュアルでやっている可能性が高いです。
基礎体温を持っていって現在の状態を解説してもらってください。

本当に不妊治療をしていたら、僕のように、ものすごい数の基礎体温を見ているはずです。

G 病院の不妊治療のことを詳しく知らない。ホルモン剤のことも全否定のことが多く薬効薬理を詳しく知らない。

「E」と被りますが、病院の不妊治療は他の外科や内科などと違ってかなり特殊です。
独自のルールで動いているような感じです。

不妊治療をやってきたなら、病院の不妊治療を受けたことのある患者さんが多いので、知識も経験も豊富なはずです。

また、ホルモン剤は体全体の調子だけでなく月経周期、月経の状態、基礎体温にも悪い影響を与えています。

専門で治療してきたのであれば、不妊治療の病院が開けるほど西洋医学的な知識が豊富でないとおかしいです。
これも全否定するような態度であれば、商売上で不妊治療専門を掲げていると思います。

細かくいうと体質の診断をしていないのに漢方薬をすすめてくるところとか、いろいろ行っちゃダメな鍼灸院はの条件は、まだまだありますが、最低限、この条件だったらダメというのを書いてみました。

実は、なぜ、僕が分野外の鍼灸院の評価が偉そうにできるのか?
その証拠も合わせて書こうと思いましたが長くなりすぎたので、それは次回にします。

最も重要なことは、漢方も鍼灸も「やらないよりはやるほうがマシ」という治療ではありません。

治療が下手な先生だとかえって悪い体質に変えられてしまうことがあるので、良いところだと確信がないのであれば、治療を受けない方が「良いこと」ともいえます。

僕は同じ東洋医学の業界にいながら10年で1人しか見つけられていません。
ちなみにうちの隣は鍼灸院ですが、一度も紹介しようと思ったことがありません。

まともに治療してもらえる先生は数%だと考えたほうがいいと、僕を治してくれた鍼灸の先生が言っておられました。

逆にうちでは、良い鍼灸院を探しておられる方が多いので、今回の記事の条件にはまらず、「証」が診断できて、明確な「治療方針」が説明できて、難病も治療する自信がある先生は、ぜひ、うちに連絡ください。
患者さんを紹介いたします。


ご相談ご希望の方はこちらの「漢方相談する」に現在の状態を入力し送信してください。
お問い合わせはこちらまで。


posted by 華陀 at 18:30| Comment(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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