2013年05月14日

漢方薬の本当の効果を知っていますか?

漢方薬の効果というのは、非常に伝えづらいです。

なぜなら、漢方薬の効果を理解しようと思ったら、東洋医学の基本的な知識がないとチンプンカンプンになるからです。

また漢方を東洋医学の理論から理解していない先生は、自分もよくわかっていないので、勝手に西洋医学の理論とくっつけて、患者さんに説明することが多いんです。

漢方は西洋医学の生まれる1800年前にすでに医学理論が出来上がっていたので、いくら西洋医学が科学的でわかりやすいからといっても漢方とは何の関係もないのですが・・・。

でも「この漢方薬は着床しやすくする」とか「腸の免疫を高める」とか、西洋医学的に説明する方が楽なんですね。

患者さんの方も、なじみのある西洋医学で説明されたほうがなんとなく、わかった感じになれます。その説明は心地いいウソなんですけどね。

僕は、東洋医学理論を理解した上で漢方をやってますが、先ほど、お話したように漢方薬の効果を理解しようと思ったら、相手方に東洋医学の基礎知識がないとわからないので、説明に苦労します。

もちろん、それでもうちでは、ちゃんと、現在の体質のことや漢方薬はその体質に対してどのような働きをするのかを説明しますが、ほとんどの方は、西洋医学的な効果として理解しようとしているので、ちょっと「??」になってしまいます。

ブログなので、簡単な感じにはなってしまいますが、少し漢方薬の効果について考えてみましょう。

漢方薬の効果として代表的なものに「温」とか「清熱」というものがあります。

「温」は温める効果。
「清熱」は冷やす効果。

疲れてたり、手足が冷えてたりしたら、当然、温める生薬を使います。
身体の中の余分な熱のせいで湿疹や頭痛をおこしている人には、冷やす生薬を使います。

これ位だったら、誰でも説明できますし、誰でも理解できますよね。

「この漢方薬は温める効果なのか」
「この漢方薬は冷やす効果なのか」

難しいのはこっから。

当然ですが、現実はこんなに単純な体質ではありません。

アトピーなどは、皮膚表面、身体の上部に熱があるが、お腹や足は冷えている。
不妊症でも首から上は、のぼせて熱があるが、腰から下は冷えている。

といった「熱」と「冷」だけとっても複雑な体質になっているのですね。
しかも、こういった体質って標準的で別にめずらしい体質じゃありません。
(ここでは簡単に説明するために両極端の「温める」と「冷やす」しか説明していませんが、実際には「発散させる」とか「水を巡らせる利水」などいろいろあります。)

むしろ、全身全部冷えてるとか全身全部熱いとかいうほうが、めずらしい。

熱や冷えが混じっているのが標準的ですが、そういった体質にあわせる漢方薬の中には、当然、温める効果の生薬も冷やす効果の生薬も混ざっています。

漢方薬によって、その中に構成されている生薬の数は変わってきますが、平均的には、8種類くらい。

ある漢方薬では、@温める生薬 A温める生薬 B冷やす生薬」C利水する生薬 D胃を整える生薬 Eはじめの温める生薬の毒性をまろやかにする生薬 F Cの冷やす生薬を補助する生薬 G全ての生薬の間を取り持つ生薬 といった感じで構成されています。

この8つが混ざって1つの漢方薬「葛根湯」とか「当帰芍薬散」になるのですね。

皆さんが「この漢方薬はどんな効果があるのですか?」って聞いている時は、無意識に西洋医学の薬のような1つの効果、例えば「この漢方薬は血をサラサラにします」とか「この漢方薬は肝臓を強くします」みたいな1つの効果の説明を期待していると思うのですが、

実際には、
「あなたは現在、これこれこういう体質です」
「その体質は@の働き、Aの働き。。。。Gの働きで調整します」
「調整された結果、●●の症状がなくなるのです」
というような説明になります。

うちでは、漢方の知識がなくても理解できるように、なるべく、いろいろな例えを使いながら納得いくまで説明します。

「免疫を調整する効果で湿疹がなくなるよ」とか「黄体ホルモンを整える効果ですよ」とか、西洋医学的に簡単に説明した誘惑にかられますが、ウソついて漢方薬の説明してもしょうがいないので、納得いくまで質問してもらい、自分のパートーナーになる漢方薬について理解を深めてもらっていますよ。
posted by 華陀 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の中味について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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