2013年12月24日

治療を進めていくために必要な漢方薬の変更

一般的に漢方薬は初めに処方してもらった漢方薬を3ヶ月〜6ヶ月かけてじっくりと飲まないと効いてこないみたいな感じで思われていますが、あれは全くのデタラメです。

専門家が読む本にはそんなことは一言も書いていません。

そもそも、漢方薬の場合は新薬と違って「1つの症状や病気に1つの効果がある」といったものではないので3ヶ月〜6ヶ月で一体、身体のどこに効いてくるのかを最初に考えておかないといけません。

「薬なんだから最初から効果なんて決まってるでしょ?」
と言われそうですが、それがそうではないんですね。

体質によって漢方薬を選ばないといけませんが同時にその漢方薬の効果をどう捉えるかということも考えないといけません。

ちょっとややこしくなってきたかな。

漢方薬は身体全体を調整するので効果の現れ方も人によって変わってきます。
また、漢方薬には方意というものがあって新薬と違い絶対に1つの効果というものではありません。

例えば不妊症に出す事もある当帰芍薬散は月経を整えるものでも、不妊症を治すものでもありません。

漢方的には補血、利水、陰性の駆瘀血、血虚・水毒の精神症状の安定などの効果があります。

補血とは血を補う効果。
陰性の駆瘀血とは温めて血を増やすことと合わせて血の巡りを整えていく効果。
血虚・水毒の血虚、水毒の精神症状の安定は血の不足と水の巡りの悪さから精神の不安定を治す効果です。

当帰芍薬散の主な効果はこんな感じ。

体質に合わせるというのは、この効果が必要な人が飲んでもよいという意味です。
他にも筋肉が弱く軟らかい皮膚で華奢な人とか比較的体力のない人など、体質的な条件を出していけば、まだまだいろいろとあるのですが、とりあえず、こんな感じ。

これらの効果は全てが効くとは限りません。
体質に合わせて主証といってこのいくつかの効果の中から特に効かせたい部分を選択して処方していきます。

ちょっと難しすぎるかな。これは漢方の先生でもややこしくなってくるかもです。

例えば、単純に説明しますと貧血の人ならば当帰芍薬散の血を補う補血という部分をメインに考えていくのですね。
もちろん、補血だけで良いのなら、他にもいろいろな漢方薬がありますので、あくまで治したいメインが補血であるということで他の利水、陰性の駆瘀血、血虚、水毒の精神症状の安定なども治さないといけない部分としてあります。

これだけのいろいろな方面から効果や治療を考えていくので、新薬のように何か1つが良くなったかどうかだけでは見れません。

だから、3ヶ月たったら、だんだん良くなってくると思ってる人がいますが、もっと具体的に何がどう良くなってくるのかをあらかじめわかっていないといけないのです。しかも1つの症状じゃないです。

漢方では、漠然と良くなってくるというのは、何も考えずに処方しているのと同じです。
どこの部分の症状がいつどのように変わってくるか?

これを処方する側が事前に考えなくてはいけません。
更に漢方薬は複数の症状を治すために対応するのですが、それらの症状が一度に同じ時期に治ってくるとは限りません。

更に更にもっと難儀な事態になることも。

それはメインの血を補う効果は貧血の症状がなくなってきたけど、利水の水の巡りの効果の部分は「しょっちゅう、オシッコにいくようになって余計に悪くなった」なんてことも起こります。

この状況は漢方では別に珍しくありません。

良くなった症状と悪くなった症状。
これらが、混ざっているのですね。

こうなったら、どうします?

悪くなった部分があるから漢方薬を止める?
良くなった部分があるから漢方薬を続ける?

この時に漢方薬の中には似たような効果を持った漢方薬が何十種類もあるのですね。

こういう状況に陥ったら漢方薬の種類自体を変えてしまいます。

血を補うだけの効果をもった漢方薬なら他に何種類もあるのです。
そこから、それほど利水力の強くない漢方薬に変えていきます。

つまり当帰芍薬散ほど利水効果が強くなく、それでてい利水効果が、ちゃんとあるもの。
もちろん、血を補う効果はそのままで。

そんな微妙な調節が漢方薬はできるのですね。

だから何百種類とあります。
体質に合わせるとは飲んだ結果をみながら調整していくこも含まれています。

飲む漢方薬自体を変えてしまうというのはリスクが高まりますが、長く飲んだからといってかならず効くわけではないので、体質とあっていないかもしれない漢方薬を飲み続けるのも同じ位、治らないリスクが高まります。

「同じ漢方薬を続けるか?」
「種類を変更するか?」
これがいつも漢方医を悩ます課題ですね。


posted by 華陀 at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の選び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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