2014年05月01日

漢方薬の効果を説明するのは簡単だし難しいし

漢方薬を飲むに当たってみんな気になるのが漢方薬の効果ですね。

ツムラの医者が使う漢方薬のマニュアルを例にみてみましょう。
当帰芍薬散では、どうなっているでしょうか。

初めの項目はいきなり効能効果です。
おっ!いきなり効果がわかる感じですね。

で、見てみると・・・

当帰芍薬散
【効能又は効果}
筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、援脚の冷えやすいものの次の諸症:
貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経
不順、月経困難、不妊症、動惇、慢性腎炎、妊娠中の諸病(浮穫、
習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

なんか症状と病名がズラズラと並んでいます。
よく見てみると【効能又は効果】の項目欄ですが、効能も効果も書いていません。

漢方の医学理論がわかっていなかったら何が書いてあるのか訳がわかりません。
ヘタしたら毎日処方している医者もワケがわかっていないかもしれません。

これ、何が書いてあるかというと、初めの症状は当帰芍薬散を使うべき人が持っている症状です。
その後に続いている病名は、先の症状を持っている体質の人のこういった病気に使いますと言いたいのだと思います。

でもこれは効能効果ではありませんね。

効能効果って「血管を拡張して血流を良くします」とか「●●成分にホルモン作用があります」とかですね。

当帰芍薬散の効能効果の欄に書いてあるのは、どんな人に使うかがおおまかにざっくりと書いてあるだけで効能でも効果でもないです。

医者が使っているマニュアルでもこう書いてあるように、実は漢方薬の効能や効果って説明しようとすると、とーーーっても難しいのです。

漢方薬は身体に合わせて処方を選びます。
漢方薬の場合は、効能や効果を考える前に現在、どんな体質なのかを考えなくちゃいけないのですね。

効能や効果が最初から決まっているのであれば、体質なんて分析する必要がないのです。
新薬は最初から薬の効能や効果が決まっています。

体質がどうであろうとその薬がもっている効能や効果は変わらないです。

ところが、漢方薬は体質と合っていなければ目標の効能効果は発揮できないのです。
ちょっと難しいですか。詳しく説明します。

例えば、当帰芍薬散の基本の役割は温補、補血、利水です。

温補とは身体を温める役割です。
当帰芍薬散の場合は、陰証という体質い合わせるので温める範囲は全身です。

補血とは血を補うことです。
血を補うのにも漢方ではいろいろな経路がありますが、当帰芍薬散の場合は、生薬の補助とホルモンを手助けすることによって血を増やすといった感じです。
他の処方の役割で消化器系を助けて血を補うとかいろいろあります。

利水とは身体の中の余分な水を外に吐き出させるものです。
むくみなどを解消するのに役立ちます。

ここまでは当帰芍薬散が持っている基本的な役割ですね。
効果とか役割とかどっちも一緒じゃないか!と言われそうですが、これは意図的に使い分けています。

というのもここまでの役割はあくまで効果でなく当帰芍薬散が基礎的にもっている方向性なんですね。

で、ここからが皆さんが考える効果です。

僕は熱証タイプの体質で熱が身体の上部に溜まりやすい体質です。
真冬でも手足は冷えません。
逆に夏は体調が悪いとのぼせたりします。

要は熱が余っているタイプですね。
この僕が当帰芍薬散を飲んでみましょう。

当帰芍薬散の役割は温補、補血、利水ですね。
まず、熱くなってる身体を更に温めます。ただでさえのぼせやすいのにもっと体調が悪くなります。温補という効果は僕の身体を更に熱であふれさせます。

漢方では熱は不眠や耳鳴り、頭痛などを引き起こしたりしますので、僕にとっては当帰芍薬散は不眠や耳鳴り、頭痛、更に強いのぼせを起こす効果があるのですね。

次に補血。
僕は血が少なかったことがありません。
どっちかというと多いほうではないでしょうか。
身体の中に十分にある血の量を増やしていくようにするとどうなるか。
血は停滞を起こすのですね。
ここで血の巡りを悪くする効果も発揮します。

そして利水。
僕は水の巡りが悪い部分ももっているので、この部分の役割はいいかもしれません。
オシッコが増える利尿効果があるかもしれません。
でも先の2つの悪い効果と合わせて考えると良い方向に働いてくれるのでしょうか。

僕はおそらく当帰芍薬散を飲むことがありません。
なぜなら当帰芍薬散の体質ではないし、悪い効果が2つもありますから。
わざわざ体調を悪くするために飲む気はありません。

でもこの効果が全部良い効果になる人もいますね。
身体が冷えて、血が不足して水の溜まりやすい人は、バッチリです。
ただしこの3つの状態だったらバッチリ合うというわけではないですよ。
この3つの働きにも効果の強弱で他の漢方薬もいろいろありますので、それらも一緒に考えないといけまえsん。

漢方って温めるとか巡らせるとか治療の原理は単純で簡単な働きです。
でもその働きはあくまで体質をあっていればストレートに働くといったもの。
体質を分析せずに効果を考えると果たしてそれって良い効果かどうかわからず、とっても複雑になっちゃうのですね。
posted by 華陀 at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の中味について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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