2015年01月23日

大半の日本人女性の冷えに効くのが当帰芍薬散!?

うちで買ってる女性向けの健康雑誌に変な宣伝がありました。
当帰芍薬散を錠剤にしたものです。
それ自体は別におかしくないのですが、気にかかったのは宣伝の方法。

冷え症を改善する漢方処方として「加味逍遥散」「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」を4つ紹介して、その中の「当帰芍薬散」をW日本人女性に多いタイプWに合う漢方薬とし「日本人女性の冷えに効くのが当帰芍薬散なんだから、これ飲みなよ」って宣伝してるのです。

この広告には笑ってしまいました。
要はよくあるやつですね。製薬会社がセルフでポンポン売りたいから、本音では「体質でいちいち選んでられるかよ。安くするから、なんも言わんと買ってけ!!」って商品なんでしょうが、広告の構成が真剣に漢方をやっているお店にとって迷惑というか害だなと思って。

宣伝構成のヘンテコなところは、はじめに4つの処方を出しているところですよね。
冷え症のタイプに4つの処方だけって少なすぎるというのは置いといて漢方は体質ごとに選ぶんだよ。と言ってるんです。冷え症でも人によって4つのタイプがありますよって。

真剣に冷え症治すのなら漢方ではこんな感じじゃないかなっていう記事です。


ついでに漢方で冷え症は4つのタイプみたいにやってるけど、うちではこれくらいのタイプがいると考えてます。
当帰四逆湯、乾姜附子湯、人参湯、桂枝人参湯、呉莱東湯、大建中湯、帰牌湯、加美帰牌湯、桂萎薬草貰辛附湯
、苓甘萎昧辛夏仁湯、真武湯、温附湯、甘草乾姜湯、五積散、苓姜朮甘湯、四逆散、桂枝湯、参苓白朮散、小建中湯、加味遁造散、四君子湯、補中益気湯、八味丸、牛車腎気丸、当帰四逆加呉莱頁生萎湯、桂枝夜苓丸、温経湯、当帰有薬散、四物湯、十全大補湯、ベタな感じでこれくらい。まだあると思うけど・・・。

そう、漢方が西洋医学と違うところは、この宣伝の前半でもやってるようにココなんです。
一人一人に合わせる。というか、合わせないと意味がない。
「なんで漢方って2千年も経ってるのに未だに数百種類も漢方薬があるの?」って話ですよ。

この宣伝の後半の「大半の日本人女性の冷えには当帰芍薬散だから」という理屈が通るなら、冷えに使う薬は「冷え=当帰芍薬散」だけになっていて、現代に当帰芍薬散しか伝わっていないはずです。上にあった漢方薬はなくなってると思います。

でも、実際は、数百種類も漢方薬は伝わり残っています。
それは2千年前だろうが、現代だろうが、やっぱり、漢方薬は一人ずつの体質を判断してその一人のための漢方薬を選ばないといけないのです。
この宣伝のように「当帰芍薬散が合う人が多そうだから体質を見なくても当帰芍薬散、飲んでればいいよ」なんて理屈は漢方理論には1文字もありません。

平均的に多いタイプの体質に合う薬を飲むって、それって、まんま西洋医学ですやん!
西洋医学は一人一人に合わせませんよね。
ジュクジュクのアトピーだろうが、乾燥で血だらけのアトピーだろうが「日本人のアトピーに多いタイプに合う、お薬はステロイド!!」という平均的な考え方。
それがいいとか悪いじゃなくって、西洋医学の薬は山本さんとか、個人に効く薬じゃなく、日本人ですらなく、”人間というタイプ”に合わせたお薬です。動物じゃないタイプに効くお薬です。

漢方薬を飲みたいって思っている人って、西洋医学の薬が嫌だなぁ〜って思う人が多いと思うのですが、その人がこんなノリで漢方薬を飲んだって、根本が間違ってるから漢方薬飲む意味がないですね。
製薬会社がつくった漢方薬はやっぱり西洋医学の薬でした。

それをみてふと、思ったのは、逆に体質をみないで誰でも、それこそ日本人だったら誰でも飲んでもいい漢方薬ってあるのだろうかと。

ぱっと考えれば、答えはノー!ないです。
その人の体質に合わせるのが漢方薬だから。

例えばさっきの冷えに使う漢方薬を4つ出していましたが、桂枝茯苓丸の合うタイプと当帰芍薬散の合うタイプはざっくり簡単に現すと体質が正反対です。
つまり、もし当帰芍薬散が合う冷え症だったら桂枝茯苓丸を飲んじゃいけないし、桂枝茯苓丸が合う冷え症だったら当帰芍薬散を飲んではいけません。
どちらも副作用が出ます。ただ漢方薬の副作用って弱くて目立たずにじわじわと続いていく場合もあるので、処方した人間が気づかなければ、なかったことにしようと思ったらできるのです。
でも、その積み重ねは年月とともに大変な副作用に繋がっていきますが・・・。

そういった感じで、誰でも合う漢方薬となると難しいですね。
漢方の世界では「誰にでも合うものは誰にも効果がないもの」です。
良いも悪いも大きな変化を与えるから副作用も効果があるのです。「誰かにすごく効くものは、他人には、すごく悪いもの」なのです。

でも、そこをあえて追求していくと、あえて言うなら桂枝湯かな。
これだったら、風邪予防とか、胃腸や血と水の巡りを整えてくれるので、誰でも飲めそうです。
でも、治療はできませんね。あくまで、気つけのドリンク程度で考えてもらったほうがいいです。

だって、結局、漢方薬は「誰にでも合うものは誰にも効果がないもの」だから。
僕は病気ではないですが、それこど体調を整えるために毎日、漢方薬を飲んでいますが、短かったら3日。長くても2週間ごとに、その時の体質を自分でみて漢方薬の種類を変えていってます。

posted by 華陀 at 18:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
突然のコメント失礼いたします。
冷え性に効く漢方について色々と調べていたのですが、
製薬会社さんの広告はやはり売るためのものだったんですね…。
冷え性には○つのタイプがある!みたいな文言は、正直今回調べている中でよく見かけました。
ですが本当はもっと沢山のタイプに分かれているどころか、
その人に効く漢方はその人その人によって違うんですね。
確かに、言われてみれば、そうでないと沢山種類がある意味がありませんもんね(笑)
すごく勉強になりました〜。
「誰にでも合うものは誰にも効果がないもの」、肝に命じておこうと思います;
本当にとても参考になる記事を、ありがとうございました。
Posted by 冷え性は漢方で体質改善から!冷え性に効くおすすめの漢方と効果 at 2017年03月25日 19:48
コメント、ありがとうございます!
ほとんどの漢方薬の紹介が、買ってもらうためのキャッチコピーみたなものになっていますので、いっそ、治療のためと商売、体験のための漢方薬とジャンルを分けてほしいです。
日本人はA型が多く、几帳面で・・・というステレオタイプはやめてほしい。
Posted by 華佗 at 2017年03月30日 18:52
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