2015年08月12日

家庭菜園からもわかる漢方治療の極意

最近、家庭菜園にハマっています。
最初はイチゴだけだったのですが、スイカ、オクラ、トマト、枝豆、トウモロコシと増えていきました。

やりはじめると人間の身体も野菜や果物も一緒なんだなと、いろいろと勉強になります。

土の問題、水の問題、害虫、肥料。
単純なようで周りの天候などの環境にも左右され、野菜たちもいろいろな問題を抱えます。

人間の身体で例えれば、土と肥料は僕らがいつも食べている食べ物。水はそのまま野菜も人間も必要なものですね。
植物は排泄がないですが、人間はこれにもっともやっかいな排泄が加わります。

実は最初のイチゴは失敗しちゃってシドニアの騎士に出てくるガウナのようなボコボコの気持ち悪いものができるようになりました。
(後のものは、最近忘れていたようなおいしい味の野菜が収穫できています)

原因は土。土に肥料をやりすぎ、そこに雑草やら虫やらが住み着いて、気が付いたら歪な気持ち悪い形のイチゴができるようになりました。

半分は食べるため、もう半分は漢方の勉強のために栽培しているので、今のところ、食べずにどうなっていくのかを見守っています。
でも、もうどうしようもない感じです。

これ、人間だったら、添加物が多い栄養素の偏ったものをバカバカと食べた感じですよね。

ボコボコの歪な形のイチゴなんか見てたら、人間の体内のガンってこんな感じでボコボコ増えていくのかなーと。

漢方はもともと、自然との調和をとって健康な身体に調整する薬です。
逆に西洋医学の新薬は身体を調整するのではなく、身体の状態を無理やり変えるのです。
無理やり変えているのを治していると表現しているのですね。

新薬は頭痛があったら、痛み物質を薬の力で遮断して痛みを感じなくしたり、炎症があったら、薬の力で炎症を無理やり、しずめてかゆみをなかったことにしたりと、薬が外側から無理やり不快な症状をなかったことにします。

さっきのイチゴで言えば、歪なガウナなのようなイチゴを切りとってしまうのですね。
で、その気持ち悪い形のイチゴを取ると全体的に見た目はスッキリします。治った感じ。
変な実がなくなったその時のイチゴの状態を見ると茎や葉は見た目はおかしな感じがどこにもないので「あーこれで次は綺麗なイチゴが出来てくるんじゃないか」と思えるようもになります。

そして、数日後はキッチリと気持ち悪い形のイチゴがまた出てくるわけですよ。
それをまた取ると、スッキリはしますが、またダメなイチゴが出て・・・

西洋医学の治療は、後は、これの繰り返しです。
みなさん、実感してますよね。
表面上は一瞬、スッキリはしますが、数日後には結局、何にも変わっていないことを思い知らされます。

漢方の治療の考え方も、よりおいしい野菜や果物を育てていくのと定義や理論は同じなんです。
これ、相談でよくある説明するためのこじつけ理論ではなく、本当に、漢方の治療の考え方は、本質的には自然の調和を取り入れているのです。
大宇宙は小宇宙であり小宇宙は大宇宙。それと陰陽という東洋医学の法則です。

僕の家庭菜園はある種、逆に漢方相談の知恵を家庭菜園に生かしている感じです。
患者さんを治す時のように逐一様子をみて、日が当たり過ぎていたら日照時間が長くない位置にしたり、土の乾き具合で灌水の状態を決めたり。

人間の身体も単純にみれば、水と空気と食べ物を取り入れて、自身を成長させ、植物のトゲや香りで害虫を寄せ付けないような免疫をつくり外的などから守り、人間はこの後、いらなくなったものを排泄をするのです。
プラス人間は自律神経の活動のリズムとホルモンの分泌が加わります。

漢方的に見ると意外と単純なんですね。

治療をするというのは、これのどこの部分でバランスが崩れ、どの部分のバランスを整えれば、元の総合的な生命活動バランスへ戻っていくかを分析するのです。

だから、病院がやっている漢方のような症状をあてはめて、患者さんが悩んでいる症状を漢方薬で直接、取り除こうとするような処方の方法は、東洋医学の本当の理念からしたら、的外れなわけです。

そんなやり方は、歪な形のイチゴを切り取るのに新薬を使うか漢方薬を使うかの違いしかなく、対処的にダメなイチゴを取り除くなら、新薬のほうが切れのいいハサミのようなものだから、そちらでいいわけです。

症状や病名などをあてはめて、合ってそうな漢方薬を必死で探すのではなく、漢方薬を使って漢方治療をするのであれば、根本的な方向性をどこにもっていくのか?その治療戦略と方針が「漢方」なのですね。

次に出来てくるイチゴを歪な形のイチゴにしないように今、何をしなければいけないのか?
漢方の治療はハサミでちょん切って、ダメなイチゴをなかったことにすることではありません。

漢方薬を選ぶ際には体質を見ます。
その人の体質を知るにはその人の病気や症状がその人の体質を分析するヒントにはなります。

しかし、病名や症状はあくまでヒントの1つです。
病名や症状をそのままあてはめていって、「はい、この漢方薬がいいですよ」ってバカみたいな方法が漢方ではありません。

その人がもっている病気や症状はイチゴなら変な色の葉があるとか、土に雑草が生えているとかです。

でも治療するのに必要なのは、それだけではありません。
体質を丸ごと見ていこうと思ったら、どんな環境にいるのか?どんな環境にいたのか?なども重要です。
イチゴなら日照時間や土の質、水の問題とか周囲の害虫などの生育環境などです。

だから、漢方治療では病気や症状だけでなく、今、どんな環境で生活していて、どんな環境だった時から病気や症状がはじまったのか?どんな食べ物を食べていて、睡眠などはどんな状況で、精神的な状態はどんななのか?を知って初めて病気の問題の本質やその人の体質が見えてきます。

そして、体質が見えて初めて、なにがしかの漢方薬を選ぶことができます。

こうやって見れば、その患者さんの病名や2、3の症状をチョコチョコ聞いただけで漢方薬を処方している先生は、もはや漢方がもっている本質的な東洋医学理論をバカにしてるといっても過言ではないのではないかと思います。


posted by 華陀 at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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