2015年09月02日

漢方の問診の重要性

漢方では四診という4つの診断方法を使って体質を判断し、あなたの体質にあった漢方薬を選びます。

4つの診断方法とは望診、聞診、切診、問診です。

望診とは見て診断すること。
患者さんの体格や顔色、舌の状態などを見て体質を判断します。
舌の診断は漢方ならではの舌診と呼ばれるものですが、よほどひどい舌の状態でない限りは慢性病の体質は現れません。僕がやってる日本漢方では、急性症状が優先して現れると言われています。
例えば、不妊症で体質調整していこうとする人が今日は便秘だったりすると便秘の感じが舌に出ますので、慢性の体質と急性の体質をごっちゃに考えないで見ていく必要があります。

たまに舌だけで◯◯体質と判断する先生がいますが、あれは僕はエセ占いレベルだと思います。
舌は急性の状態が出やすいので、パターンで体質を決めつけるのは非常に危険です。

聞診は、患者さんの声の大きさや臭いで体質を判断するものです。
体力などの減少とともに声は小さくなったりします。
また、肝臓病だったりすると独特の口臭があったりします。

切診は腹診とか脈診など触って体質を判断するものです。
お腹を触って状態を確かめたり、脈診は脈を見て判断します。
切診もパターン化させて「あなたは◯◯体質です」と診断するところがあります。
切診の難儀なところは、冷静に考えたら、その方の健康だった本当の基準がわからないところです。

教科書ではお腹が柔らかければ虚している(弱っている)とかなんとか体質的なことを表していることが書かれているのですが、その人独自の本当の基準がわからないから、本当のところどうなのかよくわからないのです。

僕は、最近は仕事が忙しいので腹筋をしたり、できなかったりをしていますが、やはり腹筋した日とその次の日は、お腹は締まっているのですが、1週間位サボっているとブヨブヨになります。

これが、慢性的な不調と関係あるというと全く関係ありません。
ただ単に腹筋したら締まるし、しなかったら柔らかいだけ。

人それぞれ基準がわからないから切診を元に漢方薬を選ぼうとすると難しいのですね。
腹筋をしたかどうかを聞けば、お腹の締り具合を判断できそうに見えますが、患者さんが腹筋をした度合いもよくわかりません。

脈診も先ほどの舌診と同じように急性症状が優先的に現れやすいです。
したがって慢性的なアトピーの人が風邪をひけば風邪の時に出る脈の方が優先されます。
風邪かどうかを聞けばいいかもしれませんが、その方すら判断できないような急性の何か(例えば腸炎の初期とか)にかかっている可能性もあるので、これも慢性の治療を考えていく場合は、ごっちゃになる場合があります。

治療に使用する各漢方薬には舌診、腹診、脈診がどんな条件だったら、その漢方薬を使うかのことが書かれています。
しかし、どれも非常に少ない条件程度で、圧倒的に多いのは問診から得られる現在の症状や過去の病気などのことです。
問診をとらないで舌診、腹診、脈診だけで漢方薬を決める人もいますが、僕は危険だと思います。

あなたに合った漢方薬を選ぶ上でもっとも考えないといけない条件は問診から得る割合が高いと思うので舌診、腹診、脈診だけで漢方薬を選ぶのは、なんかその先生のひとりよがりの思い込み診断のようが気がします。

ということで、うちでは問診を重視するのですが、実は漢方においての体質を判断する問診は「こんなものを使わなくちゃいけない」と決まっていません。

各漢方の先生方が各々で自分にとって使いやすい問診票をつくります。
僕も自分自信が患者さんの体質を知る為に必要な問診をつくりました。

うちでは、下記のURLにあるようなものを使用しています。
http://kanpoui.net/contact/index.html

自分のところの問診票を作る際に最も多いパターンが漢方薬の製造メーカーさんから貰ったものをそのまま使うか、少し変形させて使うパターンです。

自分でつくっていないから「ここの設問ってどう答えたらいいですか?」と聞いても、歯切れの悪い答えしか返ってきません。
なぜなら自分で作ったものじゃないからです。

病院の場合はもっとひどく、病院の漢方は東洋医学的な体質をみないで漢方薬を処方していることが多いので、通常の病院で書く問診票(今まで薬を飲んでアレルギーを起こしたことがありますか?みたいなの)とは別に漢方薬を選ぶための問診がありません。

漢方専門の問診票が必要なことを知らない患者さんもいるかもしれないです。もしかしたら漢方薬を処方している当の医者も漢方専門の問診が必要なことを知らないで漢方薬を処方しているのかもしれません。こわー

設問数も多いものから少ないものまであります。

「えっそれだけしか聞かないの?」とかがあったり、
うちみたいに「そんなに聞くの?」っていうものもあります。

どちらも正解、不正解がありません。
その漢方の先生が何が聞きたいか?です。

ただ、設問数が少ないのはダメじゃないかと思います。
なぜなら、漢方は西洋医学の病名を決定するものではなく体質を考えるための問診だからです。

体質は本当に人それぞれなので、問診の設問が少ないということは、あまりいろいろな人の体質に振り分けて考えられないということにつながるからです。
設問数が少なくなると、ある程度、ABCのパターンになっちゃうので、処方する漢方薬もABCマニュアルになっちゃいますね。
それは体質に合わせた漢方薬ではないですね。

設問数が多くて、やたら意味不明なものを聞いているものもあります。
例えば「気滞、陽上亢症状がありますか?」などの漢方の専門用語で聞いてくる問診。
「そんなの自分で判断できたらここに来てねーよ!」みたいな。
他にも「お腹がゴロゴロ、チャプチャプ鳴りますか?」とか。これも現実には「そんな状態になったことねー」って感じですよね。

あと、「下痢はありますか?」とか「泥状便はありますか?」など現実で考えたら「表現変えてるだけですよね?」みたいな、やたら設問が被っていたり。

うちも設問は多いですが、そういった状態にはならないように配慮しています。
うちの問診票の項目もかなり多いですが、これでもこの問診票からは、汎用的な症状しかつかめません。

うちでは今の問診票を元にさらに個人の方、独自の症状や感覚を確認していきます。
本当は、もっと設問を少なくして、書きやすいようにしたいのですが、今の問診票が7年間いろいろと改良してきた僕の中のベストなんですね。

なにせ漢方薬は何百種類もありますので、体質だって何百種類もあります。
それを問診で振り分けるのですから、自ずと知っておきたい項目が増えてしまいます。
なので、うちに相談される方は申し訳ないですが、がんばって入力してくださいね。

ということで、長々とうちの問診票はなぜ長いのかの言い訳とさせていただきます。


posted by 華陀 at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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