2015年10月13日

漢方薬の効果に対する大いなる誤解

漢方薬は東洋医学を基に考え、処方しますが、その東洋医学が西洋医学とは全く違う異質なものなので謎な感じが多く、漢方はいろいろと誤解されて理解されています。

実は知っていてなのか、知らないのかはわかりませんが、医者ですら東洋医学の考えで漢方薬を使用せず、西洋医学の考えから漢方薬を使用しているので、意味不明な漢方処方の方法をとっている病院が多いようです。

そういった状態がより「漢方っていうのは実のところよくわからない」というようにしてしまっているのでしょう。

もっとも、大きな誤解は「効果」に対するもの。
効果とか作用とか。
なんでもいいのですが、要するに自分の身体が「良くなる」「治る」という概念が漢方は西洋医学とは全く違います。

うちに相談に来られる場合、大体、僕のブログに共鳴して来られる方が多いので、なんとなーく「漢方の治療は西洋医学の治療とは全く違うものなんだ」と思いながらこられる方が多いのですが、時々、「先生、私の病気が良くなる漢方薬はないですか?」と割合、病院と同じノリで来られる方もいらっしゃいます。

西洋医学は体質全体を整えていくことが目的ではりません。
西洋医学の薬は、ダイレクトに成分が効いて症状が良くなるようになっています。
基本的には1つの症状に対して1つの薬が効きます。

症状1つに対して1つの効果みたいなものなので「効いたか」「効かないか」はすぐに答えが出ます。判断は◯×ですね。

漢方でも、風邪や下痢など急性の病気に効かせる方法もあるので、急性の病気の場合だったら、病院の薬と同じように短期間で「効く」「効かない」の判断で処方しますが、慢性病になると、これがガラッと違ってきます。

急性の病気の場合は、気になる症状は風邪の咳と鼻水だったり、下痢だったり、頭痛だったりと、病院の治療と同じように単体の症状を治す目的のことが多いです。

漢方の場合は、急性でも、いろいろと身体の他の状態もお聞きしますが、基本的には1つの気になる症状を目標にして、うまく治らなかったら、急性の場合は、1日ごとに漢方薬の種類を変更していったりします。

ある種、どの漢方薬が良く効くか?効かないか?みたいな側面もあります。
ところが、慢性病になってきた場合、効くか?効かないか?ではなく体質を変えていくことが目的となるので治療の考え自体が変わってきます。

慢性病の場合は、全身の症状や状態、今の住んでいる環境など、その人の事を詳しくお聞きして分析します。
なので、問診はかなり細かく、お聞きする問診項目もかなり多くなります。

症状をいろいろお聞きするのは、症状の1つ1つを漢方薬の条件にあてはめていくわけではなく、たくさんの症状や状態、状況をお聞きして総合的に考え「東洋医学的な体質」を分析するためです。

「東洋医学的な体質」を分析したら、次にその体質をどの方向にもっていけば、全体のバランスがとれるか?を考えます。
1つ1つの症状に対して「効いたか?」「効かなかったか?」ではなく、治る方向性に体質が順調に向かっているかをみます。

「良くさせる」のではなく身体を良い方向へ「変化」させるのです。

漢方薬は身体に変化を与えながら調整していきますので、中には「悪いような変化」を感じる場合もあります。

例えば、血虚、瘀血という血が足りなくて血の巡りが悪い体質の人は漢方薬を飲み始めた初期に血がグルグル回るので、めまいや立ちくらみという症状が出てきたりする場合があります。

この場合、症状だけで見たら、新たにめまいと立ちくらみが増えてしまっていますが、東洋医学的に見たら、血が巡っている途中だから起こっている場合もあるのです。

この場合は、しばらく続けてもらい血の巡りが良くなる方向として続けば、自然にその症状は治まってきます。

西洋医学的に見れば、新たな症状が増えるのは「副作用」でしかないかもしれませんが、漢方治療は「良くする」のは結果論であって、漢方治療でやっていくことは「身体に変化を与えて調整する」ことが目的なので、新たな症状が増えることも身体が治ろうと動き出した結果かもしれないのです。

「病院で処方してもらった漢方薬を3ヶ月飲んでるけど、一向に良くならない」と言ってる方がいらっしゃいますが、そもそも漢方薬は気になる症状がダイレクトに治っていくのかどうかではなく、気になる症状がなくなるように身体が動いているかをみていくものです。
一向に良くならず、身体の「変化(良いも悪いも含めて)」もないのであれば、漢方薬を変更してもらったほうがいいですよ。
もちろん、最初に書いた東洋医学的な問診に基づいてですが。

漢方薬が直接、ステロイドみたいにかゆみを止めたり、痛みを止めたりするものではありません。

漢方では不快な症状は体質のいろいろな要素のバランスが崩れることによって、起こると考えますので、治療の目的もバランスを整えることになります。

そのバランスが整うことによって、結果的にバランスの崩れで起こっていた症状がなくなっていくということになります。

なので、東洋医学の理論で漢方薬を使う勉強をしてきた僕から見ると、病院で漢方専門の問診をとらないで体質も判断しない漢方薬の処方は、治療が始まってすらいないと思っています。

だって、漢方はダイレクトに薬の成分で効かせるものではなく体質に変化を与えて、症状がなくなるように身体を調整しますので、現在の体質がわかっていなければ、漢方薬が変化を与えることができたかどうかがわからないですよね。
よって、東洋医学的な問診をとらない漢方薬の処方は漢方薬を治療としては使っていないことになると思うのですよ。

漢方は西洋医学とは全く別の医学なので症状に対して効いたか?効かないか?ではなく、いろいろな身体の変化が良い方向に向かっているかどうかで考えましょう。


posted by 華陀 at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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