2016年02月19日

鍼灸師の漢方薬のアドバイスはアテになるのか!?

最近、鍼灸師について奇妙な話を2件、聞きました。

1件は、電話でのお問い合わせで、その方は、ずっと前から鍼灸治療してもらっている先生に小柴胡湯を飲んだ方がいいと言われ「ドラッグなど方々を探し回ったが、どこも売ってなくて、漢方専門の先生のところだったら売ってますか」というもの。

もちろん、柴胡剤の基本剤である小柴胡湯は売ってますが、うちは基本、体質を総合的に判断して最適な漢方薬をお選びしています。
漢方薬名指定でもお売りはしますが、どうせ、買うのであれば、体質を専門的に見ないで買ってしまうのは、もったいないのでは・・・と話しましたが、鍼灸の先生には、小柴胡湯を飲めと指示されたとのことでした。

小柴胡湯ならツムラでもなんでもいいんですか?と聞いたら、鍼灸の先生からは特にどこのものの漢方薬でないとダメという指定はなかったようです。

小柴胡湯と指定した割には、良い品質のものを買ったほうがいいという指示はなし。
漢方薬は西洋医学のような人口化学物質ではないので、品質の差は、都会のスーパーの特売の魚とキレイな海辺でとれた魚ほどの差があります。

なので、漢方薬を処方する際は、名前さえあっていれば、どこの漢方薬でいいということはありえません。
東洋医学的な体質を分析し最適な漢方薬を選ぶことと同じくらい、どの品質の生薬や漢方薬を使うかも漢方治療に含まれる重要なポイントです。

もう1件の方は、鍼灸治療している先生から「補中益気湯をすすめられたけど、その方が、防已黄耆湯だとダメですか?」と聞いたら手の平返したように僕にはわからないので、漢方の専門の先生に相談してくれ」とのこと。

じゃあ、最初の補中益気湯なんなんだよ。って感じですね。

どちらも漢方に対してテキトーすぎますよね。

実は僕はずっと鍼灸治療は否定していました。
否定していたのは鍼灸治療自体がダメだというわけではなく、家族が家の周辺の鍼灸治療を実際に受けたり、うちの患者さん達の数々の鍼灸治療の経験、長年、鍼灸治療院の受付をしていた人がうちの患者さんだったりしていたので、そういった方々からいろいろ聞いて、東洋医学として、まともに治療してる人いないじゃん!というのが僕の結論でした。

しかし、以前に指を怪我し、有名な整形外科で一生治らないと言われたものを知り合いの鍼灸の先生に治してもらいました。

正直、鍼灸ってすごい!と思いました。
しかし、その先生に鍼灸業界のことをお聞きするとやっぱり前と同じ結果でした。

鍼灸治療はすごいけど、まともにできる人はほとんどいない。
僕らの漢方業界と同じで漢方薬局をしているお店、鍼灸治療をしているお店は一杯あるけど、東洋医学として本格的に治療できる人はほとんどいない・・・

実はその鍼灸の先生とは今、一緒にコラボして治療をしています。
その先生とは、東洋医学の専門用語そのままで、こちらから患者さんの体質を伝えても理解されるので連携治療がスムーズです。

悲しい現実ですが、何十年と漢方薬局をやってる先生でも証(東洋医学的体質)を専門用語で話すと理解できないのが現状です。

実は先生と僕が知り合ったのは、先生が漢方薬のことを知りたくて、うちに来たのがきっかけでした。
それから、鍼灸と漢方の勉強を互いに教えあっているのですが、お互いにわかったのは、基礎知識として把握はできるが、それぞれ、治療レベルでは到底理解に及ばないということ。

それで、鍼灸が必要な場合は先生のところで、漢方薬が必要な場合は僕のところで、それぞれの専門を生かしてコラボ治療をしましょうということになりました。

同じ東洋医学なので、ある程度、鍼灸にも漢方にも共通する証は分析できますが、実は微妙に違いがあります。

鍼灸だけの証(体質)の分析で漢方薬を処方するための証(体質)の分析はできないのです。逆もしかり。
だから、僕たちは、治療自体は別々にしています。
僕は鍼灸のことに口出ししないし、先生も漢方薬のことには口出ししない。

でも、冒頭のお問い合わせの方の鍼灸師達は、自分1人で漢方薬の処方も決めています。

そこで、その先生に鍼灸師が漢方薬のことをすすめているらしいんだけど、鍼灸師が漢方薬の事ってわかるの?とお聞きしました。
先生に聞いてみると、鍼灸学校の時にちょこっとだけ、漢方薬のことを学ぶらしいからです。

もちろん、治療レベルじゃないですよ。
本読みレベルらしいです。
先生曰くは、おぼえた知識だけで「適当に漢方薬のこと言ってんでしょ」との話。
日本人の好きな机上の理論、知識だけ。ですね。

でも、これ東洋医学だと非常に危険。
なぜなら、漢方薬は「○○の効果で治す」というものではありません。
実際に漢方薬を処方していると体質と漢方薬が合っていなくて副作用が出たり、いろいろな経験を経て体質と処方の経験値や勘どころを養って治療精度を上げていきます。

それは、同じ東洋医学の鍼灸だって同じ。
いろいろな体質の方の治療経験から治療精度を上げていくのです。

東洋医学というのは、どちらも経験を糧に腕をあげていくのですね。

なので、漢方薬と鍼灸のそれぞれの専門を尊重し、コラボしてやっている僕たちとしては漢方薬のための証(体質)を分析せず、自分自身で選んだ漢方薬も渡さずに漢方薬のこと指示している鍼灸師は、東洋医学の捉え方がお勉強スタイルなのかな?
そうなると漢方薬の方だけでなく鍼灸の方も危ういんじゃないかと思ったりします。

うちの患者さんでまともな鍼灸治療を受けたいという方は、ぜひ、お問い合わせください。
僕らは、よくある売り上げ的な業務提携ではなく治療提携でやっていますので。


posted by 華陀 at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/434016630
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック