2016年05月12日

病院の漢方薬に対する、おーーーきな勘違い

先日、わざわざ、うちのメールに「あなたのブログは不快だ」というクレームメールが医者からあったので、一つ、注意喚起をしておきたいと思うのですが、このブログは、漢方薬を処方する側の人(医者や薬剤師など)に向けて書いてません。
えらそうに情報提供しているつもりもありません。

僕が考える伝統的な漢方のこと、僕が本質的だと考える漢方のことをただ自分勝手に書いています。
共鳴してくれる病気で悩んでいる人に読んでもらいたいと思っています。
はっきりいって、漢方薬を処方する側の人で伝統的、本質的な漢方を目指していない人や病院で病気を根本的に治してもらえると思っている人が読んだら不快なだけなので、漢方薬を処方する側の人(医者や薬剤師など)やビョウイン信者さんは【絶対に読まないでください】

さて、その医者からのクレームメールを読んでいて、その医者がどうこうというよりも、医者の考える治療や漢方に対する姿勢がよく表れているなと思ったので、その点を書いてみたいと思います。
患者さんには知っておいてもらいたいことです。

その医者曰く、漢方と西洋医学が診断方法や治療の視点が違うことは、どの医師も分かっているとのこと。だけど、漢方薬のほうが人工化学合成物である新薬よりも患者さんの身体的負担も少なくて、なおかつ効果のある症例がある。
だから、自分たちの知識が乏しいことは、よくわかっているけど、少しでも患者さんの改善につながればと思い、皆セミナーや勉強会で勉強している。とのこと。

これは、多分、僕が普段から、このブログで病院の漢方は、西洋医学の病名や症状だけでマニュアル的にあてはめて漢方薬を選んでいる。と口を酸っぱくして言ってるので、それに対する感想だと思いますが、

この中の「漢方薬のほうが人工化学合成物である新薬よりも患者さんの身体的負担も少なくて、なおかつ効果のある症例がある」という考えは、他の漢方をやってる病院紹介の雑誌のコメント欄などでもよく見かけます。

これは、大きな勘違いだと僕は思います。

おそらく「病院の薬は人工化学合成物で体の負担が強く、漢方薬は自然のものだから体にやさしい。だから漢方薬はいい!」みたいに考えているのでしょうが、漢方薬は穏やかで、やさしい薬じゃないですから。
八味丸なんて、一般的にも有名な毒が入ってますからね。そもそも自然にも致死性の毒はたくさんあります。
新薬のはじまりも麻痺性の毒を持った葉じゃなかったっけ。

確かに体の弱った患者さんの体質に合わせた穏やかな漢方薬は存在しますが、漢方薬というジャンル全体が穏やかな薬ではなく、漢方薬は、穏やかなものから、キツイのまで、いろいろ揃っているというだけです。

漢方薬がキツイ薬になるのも、穏やかな薬になるのも、それは患者さんの体質とその体質を分析し、その体質に合わせて選ぶ、漢方医の腕しだい。

漢方薬はどこまでいっても、病名や症状に合わせるのではなく「体質」に合わせるのです。

体が弱っている患者さんには、穏やかな薬を合わせ、病気の反応性が強い人には、キツイ漢方薬を合わせます。

だから、漢方薬全般的に「身体的負担が少ない」ことはないです。
体質と合っていない漢方薬を飲めば、例え穏やかな分類の漢方薬でも、その人にとっては、キツイのです。

漢方の医学理論には「誤治」「壊病」という言葉があります。
「誤治」は誤った治療。「壊病」は誤った治療で新たな病気になること。
そして、漢方では誤治、壊病を起こした場合に、どういった治療でフォローすれば良いのかのノウハウまであります。

漢方薬が、その人にとって、穏やかなものになるか、キツイものになるかは「処方する先生の腕に左右される」ということです。
漢方薬自体ではありません。
ここが大きな勘違い。

病院の新薬は、個々の「体質」ではなく人間としての一般的機能に対して変化を与え、効果を現します。
個人差は全く考慮されていません。
その薬を臨床で、たくさんの人に使用してもらい、多数の人が良ければ薬として認められます。

ごく簡単に言ってしまえば、多数の人からの平均をとって、良かったものを薬にしている感じですね。

漢方薬は、これと全く逆で、多数の人に共通して効くものなんてありません。
どんな時も、その人独自の体質を分析し、その人にとって今、必要な漢方薬を選びます。

ところが、医者は漢方薬を選ぶ時に「多数の人に使ったら、効果があった」という、新薬と同じノリで漢方薬を使います。例えば、イレウスの人に大建中湯とか。

ちなみに「イレウス」なんて「体質」はないですから。
イレウスは西洋医学の病名であって東洋医学の「体質」ではありません。
漢方薬を選ぶ場合は、イレウス→大建中湯ではなく、イレウスAさんは、どんな体質なのか?
当然、イレウスBさんは、体質的には全く違う可能性があるので、選ぶ漢方薬も変わるはずです。

漢方の診断は、イレウスで終わりではありません。
イレウスは1つの情報として、そこから、その方の「体質」を分析します。ここから漢方のはじまり。

ただ、漢方薬のモノ自体は悪いモノじゃないので、イレウスの人の体質をロクに見ないでも多数の人に使い続ければ、中には、たまたま体質とあって、良くなる人も出てきます。
でも、これは、ただのラッキーであって、医学に基づいた治療ではありません。
新薬の場合は、薬理を分析してあるので、OKですが、薬理が不明の漢方薬でこれをやっちゃいけません。
医学は、一か八かではなく、治療方針の理論的根拠が必要なのです。
漢方は多数決でも占いでもないですから。

そういえば、何かで「多数決は真実の答えを隠す最も醜い方法」とか言ってるのあったな。

漢方は多数の臨床結果(たくさんの人に良い結果が出た)を元に選びません。
その選び方は、漢方とは真逆の選び方になってしまいます。
漢方は、同じ病名の人でも毎回、毎回、一人、一人、新たに分析していかなくちゃいけない、非常に手間のかかる医学なのですね。

漢方は西洋医学お得意のガイドラインが全く役に立たない医学です。

わざわざ「自分たちは漢方をよくわかってません。でも良さそうだから使ってるんです。そして、わかってないことをわかってますが、勉強してます」

って、うちの小学生のチビの勉強じゃないんだから「よくわかってないけど、がんばってるから!」って言われて、なおかつクレームつけられても・・・と思いました。

だから「漢方薬が良さそうだから、よくわかってないけど、勉強しながら使ってます」って言うんなら、お金を貰ってるプロなんだから、自分の中で確実に「わかった!」という自信がついてから漢方をやれば。と返事しました。いろんなセミナーに出席して勉強!勉強!じゃなくて、そこは講師レベルになれたら治療で使えばいいでしょ。

「勉強、がんばってるからっ!」て言われても、知識が乏しいという自覚があるのであれば、それは患者さんにとっては大迷惑ですよ。その場合は、趣味の研究として、やったほうがいいかも・・・


posted by 華陀 at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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