2017年11月09日

漢方の根本的な医学理論を無視した病院の漢方薬

僕が大尊敬している先生の著書の中で「漢方は正鵠を射ることが必要」というくだりがあります。

正鵠を射るとは弓で的の中心を射抜くことで、その様から急所や物事の要点を正確につく意味として使われている言葉です。

大先生は「漢方薬は人それぞれの体質に合わせて選ぶので、その人の持っている体質の的のど真ん中を射抜かないと治すことはできない」とおっしゃられています。

この話、かなり確信をついていると思ったのは、的を射抜かないといけないのは、もちろんなのですが、漢方は「治療の方意」という大きな方向性というものがあって東洋医学的な病的な体質である「証」の診断をちゃんとしていれば、的のど真ん中の100点に当たらなくても、80点とか、60点みたいなところに弓(漢方薬)が刺さることもあるのです。

この80点とか60点とはあくまで漢方薬を飲んでもらう前に「証」を診断しているから採点できるのであって、漢方薬を処方する先生が勝手に点数をつけるものではありません。

あくまで漢方薬を1ヶ月など飲んだ後に患者さんの体がどんな風に変化したか、証とその変化の成績をクロスして評価することによって点数をつけることができます。

よく誤解されますが、漢方薬と体質が合っていて治る場合、患者さん自身が気になっている症状が病院の薬を飲んだ時のように「いきなりなくなる」なんてことはないので、患者さんが気にしている症状がなくなるか、なくならないかのオンオフでは評価しません。

それだったら、0点か100点しかありませんよね。
それはただのギャンブルで知的に考えられた作業ではありません。

ギャンブルだったら誰でも適当にやろうと思えばできますが漢方はギャンブルではないのです。

漢方薬は体質に合わせますが「自分と他人の体質が違う」「人、それぞれ体質が違う」というのは何をもって分けられているのでしょうか。

簡単に言えば、人とは違った「情報量」です。

例えば、顔は客観的にみれば、目が2つ、鼻が1つ、口が1つ、耳が2つ、髪や頭、輪郭で構成されています。
これだけだと人間はみんな同じ顔のように思いますね。
ところが、実際は顔は人それぞれ違います。

では、実際は何が違うかというと、どのパーツも微妙な長さや大きさ、色などが変わって、無限に近いようなパータンにわかれていきます。

性格もそうですね。
性格診断に代表的なものが血液型診断。
A型は几帳面で、B型はわがままで、AB型は2重人格でO型は八方美人みたいなステレオタイプな性格診断があります。

もうちょっと、それぞれの血液型に性格を付け足したところで、どこかで聞いたようなステレオタイプな感じは変わりません。

では、この性格診断は正確なのか?というと、もし正確だったら、人間は4つの性格しかないことになります。

言うまでもなく、性格パターンがこんなに少ないわけがなく、実際は人それぞれ、みんな性格が違います。
これも無限に近いパターンがあります。

どちらも自分と他人を分けているのは、たくさんの情報量の違いです。

病院では西洋医学の病名で漢方薬を処方します。

漢方薬は2000年前に中国で発祥し治療方法として使われてきて、西洋医学は200年位前からヨーロッパやアメリカで今のような服薬の治療方法が使われてきています。歴史は一桁、違いますね。

両者には全く、つながりも共通点もありません。
つまり、今の病院が行なっている保険適応の漢方薬の方法は本来の漢方からすると間違った方法となります。

漢方の成り立ち、西洋医学の成り立ちから見ても西洋医学の病名と漢方が何の関係もないことは、十分にわかりますが、更に西洋医学の病名と漢方が関係ないことは先ほどの顔や性格の違いの話からもわかります。

あなただけの体質は顔や性格と同じです。
同じ体ですから。

顔や性格は人とは違うけど、体質はみんなと同じなんてことはありえません。

西洋医学の病名は、2,3の条件があてはまったら「○○病」という診断になります。
例えば、アトピーは「繰り返す湿疹」というたった1つの条件。
無月経は「月経が長期間、来ない」というたった1つの条件。
不妊症は「なかなか子供を授からない」というたった1つの条件。

つまり、病名で漢方薬を処方するということは「あなたと他人に体質の差はありません」と言ってるのと同じこと。

漢方治療の人それぞれの体質に合わせるという原理原則を根本から覆していますね。
血液型診断よりヒドイです。もはや素人レベル。

いや病名だけでなく2、3の症状もプラスして聞いているという医者も、ごくごくわずかにはいます。

でも、残念ながら症状も他人と分ける、あなただけの体質ではありません。
症状もさっきの顔のパーツと同じで、人間は誰しも似通ったような症状を持っているのです。

女性なら「足が冷える、月経痛がある、お腹が冷える、頭痛がする」なんて、誰でもあります。

症状も「あるか?ないか?」ではなく症状と症状の関連、症状が起こる時の条件、複数の症状が起こってきた順序、それに生活スタイルや精神状態をミックスして、その人、独自の「病的体質である証」が分液できて選ぶべき漢方薬を考えることができます。

無月経の人を漢方薬で治療するのに「長期間、月経がない」というたった1つの情報だけでは人とは違う体質を分析できるわけもなく、そこにほとんどの女性が感じているような「足が冷える、月経痛がある、お腹が冷える、頭痛がする」という症状を付け加えたところで、あなたと他人をわける体質の差を見出すことなんてできません。

逆からみれば子供のアトピーも30代の3年キャリアの男性のアトピーも生まれてから20年以上続く女性のアトピーも全部、同じ体質ということになります。そんなわけないですね。

情報のない状態(病名)で漢方薬を処方するのは、あてずっぽうで処方しているだけで、漢方薬の本来の効果を発揮させることはないので、体質と合っていない時に起こる静かな副作用におびえつつ、いつか治るかもしれないという幻想に近いラッキーを待つしかありません。

漢方薬を選ぶのは始めて合った人の性格をできるだけ正確にあてないといけないようなものです。
知識はもちろんのこと、それなりの相談時間、鋭い観察力や洞察力、分析力が必要です。

「マニュアルに書いてあるから、この漢方薬だー」なんてバカみたいな医学ではないのです。

医者は病名と症状という情報量の少ないマニュアルだけをあてはめて、病気が治せるって本気で思っているなら、お金が目的でなければ、どんな頭をしてるのか不思議です。


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posted by 華陀 at 17:45| Comment(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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