2016年11月18日

漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(後編)

ブログを前編、後編とあまり分けたくなかったのですが、なんかまとめるのも難しくて、前編、後編と分けました。

漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(前編)はコチラから

東京で行った相談会でのやりとりです。
相談に来られた方と漢方のことをいろいろと話していて、漢方が、全面的に保険適応になっても良いのではないかと言っていただきました。

しかし、これには僕は賛成できません。
僕自身は、漢方薬が、うちのような店も含めて全面的に保険適応になったとしても「うちは保険適応ではやりません」

何も漢方薬を高く売りつけたいわけじゃありません。
患者さんにとっては漢方薬が安くなってお得だと思いますが、治療者側の僕から見ると「商売的」には患者さんが増えていいことですが「根本的な治療」という観点からみると最悪です。
また患者さんが「根本的治療」を目的とするなら、保険適応の漢方は良いことではないようにも思います。

まず、保険適応の薬には薬価というものがあります。
これは普通の商品でいったら、定価が国によって決められているといったもの。
保険適応というのは医療の大半の料金を税金から、まかなっているわけですから、お店が勝手に決めた定価の7割を負担するとなると、最初の定価を高額するやからも出てきます。

なので、保険適応の薬は定価があらかじめ決まっていて、しかも、その定価は年々下がっています。
ここで病院の薬(化学薬品)と漢方薬の決定的な違いが問題になります。
漢方薬はレシピがあれば、工場で大量生産できる化学薬品とは違い、自然のものなので、高級野菜みたいなものです。

高級野菜みたいなものなので、今、野菜が高騰しているように漢方薬の生薬も値段の変動があります。しかも生薬は中国産が多いので近年の中国の発展で金銭価値が上がり、日本との差が縮んできていますので、簡単にいうと薬の原料である生薬の仕入れ額は高くなり、漢方薬の定価はどんどん下げられているので、漢方薬をつくるメーカーさんとしては、想像するに仕入れの額を下げるしか手がなくなるのです。

漢方薬で仕入れの率を下げるとは、それは幸いなのかどうかわかりませんが、生薬も野菜と同じようなものなので、ものの良さはピンからキリなので、ゴミのような値段の生薬も手に入るということです。
マクドナルドが世界中から最も安い肉を探して仕入れているのと同じですね。
そんな安い生薬が手にはいれば、定価を上げることができなくても、会社としての利益はなんとかなるのです。
保険適応の某メーカーさんは、苦労されていることだと思います。

僕はそんな商売的な方に偏った漢方薬で治療をしたいとは思いません。
野菜でいったら、どこの産地かわからない激安の野菜よりも、産地やしっかりした生産者がつくった北海道のアスパラやじゃがいもを使って料理(治療)をしたいのです。
なので保険適応になったって、僕は保険適応にはしません。

もう一つの問題は、保険適応になると患者さんの負担が大幅に減るので、たくさんの人が相談にくることです。
保険適応になると治療拒否はできません。
そうなると病院のように毎日、たくさんの人がきます。

そうなると、いくら自分の治療の理想スタイルがあっても、今の病院のように3分診療のマニュアル治療でベルトコンベアのように患者さんを捌いていくしかなくなります。

漢方治療の本質は、病気にならない体質を作り上げることで、ただ単に漢方薬を飲み続ければ治るものではありません。
先ほどの問診を書くだけでも時間がかかるのです。
保険適応になれば、問診も書かせないか、かなりコンパクトなものにせざるえません。
先生も患者さんも一手間が必要なのが漢方治療なのです。

だから、保険適応になれば、いろいろな人に漢方治療をしてもらえるかもしれませんが、
広がった分、内容がうすーーーくなってしますので、それは最早、ただの漢方体験だけであって漢方治療ではなくなってしまうと思います。
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2016年11月15日

漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(前編)

先日、東京での漢方相談会でのお話。
漢方相談会での目的は、もちろん、うちの漢方治療を受けていただける方を増やしたいことが目的ですが、それ以外に病気で困っている人に正しく「漢方」を理解してもらいたいという目的もあります。

日本ではこれだけ漢方が普及していて、全く正しく理解されていません。
誰が理解していないかって、漢方薬を処方する当の医者や漢方薬局の先生が表面的にしか漢方を理解していないのが現状です。

それが、なんでこうなったのかわかりませんが、表面的で素人臭い漢方の方が常識になってしまっています。
ここで誤解されると困るのですが、僕の方が漢方を知っているというわけではなく、いろいろな漢方の本を読んだ結果、冷静に漢方の治療思想や漢方の診断方法、養生のアドバイスの仕方などが何ひとつ漢方らしく理解されずに西洋医学ナイズされたアニュアル漢方として常識になっていると感じているという話です。

うちはただ単に漢方薬を漢方らしく扱っているだけですね。

その相談会で、すでに病院で漢方薬を処方されているが、その医者の漢方は、なんかおかしく思うので、僕の相談会に参加して、いろいろと漢方に対する疑問をぶつけたいという方がいらっしゃいました。

その質問の中で一言、シンプルな質問がありました。
「ちゃんとした漢方をやっているかどうかを見分ける方法を1つだけあげるとしたらなんですか?」

1つだけ・・・答えは簡単です。

「東洋医学的な体質を判断する問診表を書いてもらってから診察しているか?」

1つだけあげるならこれです。
うちでいったら、ネットでもあげている150項目以上の全身の症状や現在の生活環境等を問う質問。

病院で最初に書かされる「今までにアレルギーのあった薬はありますか?」とかではないですよ。あれは漢方とは何の関係もありません。

漢方はその人独自の体質を判断しますので、全身いろいろな状態を聞く必要があります。
うちの問診もじっくり考えて書けば、20分はかかります。

これが最初にないのは、偽物漢方と言い切ってもいいくらい。
また、問診をとらずに先生が質問だけで漢方薬を決めようとするのも危険だと思ってもらってもいいです。

漢方薬自体は効果の高い、良いものなので、病名だけや症状だけを占いのようにあてはめて処方しても効くことはありますが、根本的に治そうと思ったら、同じ種類の漢方薬だけを飲み続けていてもなんともなりません。その場合は中途半端に治療は頓挫すると思います。

東洋医学的な体質は全身の症状やその症状の組み合わせから分析しますが、問診票に書いてもらわずに互いに質問だけのやりとりで行うと、処方する先生は自分の好きな処方や治すのが得意だと思っている漢方薬に合わせようと偏って分析し、患者さんの方は自分が最も悩んでいることを躍起になって主張しようとします。

漢方薬は特定の症状だけを抑制や緩和する対症療法のお薬ではなく、全身のバランスを整えながら治療するものなので、目立った症状だけを捉えようとせずに、全身くまなく症状や状態を冷静に捉えていく必要があるのですね。
先生も患者さんも主観は最も危険なものとなります。
それをちゃんと調整してくれるのが、体質を知るための問診票ですね。

その他にも、その方からの質問をいろいろとお聞きしていると、大阪でもそうですが、やはり東京でも漢方は大きく誤解されていると感じました。
しかも、悲しいことに名だたる大学病院での漢方がデタラメに近いような印象です。

いろいろとお話している中で「そんな素晴らしい医学だったら、うちのような店も含めて全面的に漢方を保険適応にするべき!」と言っていただきました。

しかし、これには賛成できません。
仮に、うちのような店も含めて漢方薬が全面的に保険適応になっても「うちは保険適応ではやりません」キッパリと答えました。

続きの 漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(後編)はこちらから
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2016年10月05日

漢方薬が合っているかどうかは処方した先生しかわからない

昔から、うちによくある2つの質問があります。

「今、病院から処方されている漢方薬は自分に合っているでしょうか?」
というものと、
「2つの漢方薬のどちらの効果の方がよく効きますか?」

この2つの質問ですが、本格的な漢方治療をやっている僕には実は答えようがありません。

なぜなら、2つとも漢方治療の法則から外れた質問をされているからです。
なぜ、本来の漢方治療の法則から外れた質問なのか?

漢方は東洋医学という医学理論で成り立っています。
これは現在の西洋医学が古かった頃の理論などではありません。

西洋医学と東洋医学は全くの別物です。
東洋医学は今から約2千年前、西洋医学は2百年前に発祥しています。

西洋医学の昔のルーツを辿っていけば、東洋医学になるのではなく、発祥した年代も場所も全く違います。

西洋医学は体を部品単位で分けて、部品ごとの悪い部分を血液検査などで調べます。
その体の部分的な働きを薬などで強制的に変化させます。
だから、西洋医学は胃腸内科とか、皮膚科といくつもの「科」にわかれています。

東洋医学は、全身の状態である「証」(病的な体質)を見て全身の調整を行い、その結果、部分的な症状も治療します。

つまり、病院はアトピーの人は、皮膚表面のことだけを見て、皮膚表面の炎症やかゆみを抑えるステロイドが治療方法で、ステロイドを使っている間だけではありますが、炎症やかゆみが治ります。その場しのぎの姑息療法と言われるのは、こうった治療方法だからです。

一方、漢方ではアトピーの人をみる場合、皮膚だけをみません。
皮膚の状態も考慮しますが、「胃腸はどうなのか?」「便はどうなのか?」「上半身に余計な熱がこもっていないのか」などなど、アトピーを治すために全身の状態を見ます。
これは、例え、頭痛だけであっても漢方の場合は、全身をみます。

なぜなら、漢方は全身を支える健康バランスのどこかが崩れたから湿疹や頭痛という信号が出てきたと考えるからです。
頭痛なら五苓散ではなく、水の巡りの問題と頭痛が結びついていると見たら五苓散かもしれないというのが漢方の診断です。

冒頭の2つの質問「今、病院から処方されている漢方薬は自分に合っているでしょうか?」
「2つの漢方薬のどちらの効果のほうがよく効きますか?」という質問をされても僕が答えようがないのは、この漢方の治療の性質にあります。

漢方において「証」(病的体質)を分析する場合、全身の症状、状態をお聞きして、現在の証を診断しますが、この証はマニュアル的に「こんな症状があったら、この証」というようなマニュアルで決まっていません。

漢方では「体質と漢方薬が合っていた」というのは、漢方薬を飲まれた後に症状が治って初めて証明されます。だから「証」なのですね。

つまり、飲む前は僕も患者さんも、果たして、その漢方薬が合っているものなのかどうかわからないわけです。
だから、病名だけで「アトピーなら消風散」なんて選び方は、漢方の医学理論から見たら、絶対にありえません。
また、「おかしいな、この漢方薬で治るはずなのに・・・」なんてセリフも漢方ではありえません。

飲まれた後に良くなってきて初めて合っていたと証明できるからです。

先ほどのアトピーなら体質別で考えていくと、よく使う候補の漢方薬だけでも50種類は考えられます。
そりゃそうですよね。アトピーって言ったって、よく見たら、みんな状態が違うわけですから。

そのどれが正解かは、飲んだ後にしかわかりません。
おまけにもっと難儀なのが、治り方の2つの問題です。

ステロイドは、塗れば、かゆみが止まります。
いまいち、かゆみが止まらなければ、効果が強いものを使っていけば止まります。
実に単純で、良くなったかどうかのオン・オフだけ。
だから、医学知識のない患者さんでも効いたか、効いていないかがわかります。

ところが、漢方薬は、かゆみが止まるか止まらないかではなく、「湿疹の出る頻度が徐々に減る場合」、「かゆみがなんとなくひいてくる場合」、「湿疹の状態はあまり変わらないけど、熱感がひいてくる場合」など、人によって様々。
かならずしも、初回の飲み終わった時から「かゆみ」自体が止まってくるかどうかはわかりません。

また、より湿疹がひどくなるということもあります。
これすらも、単純に体質と漢方薬が合っていない場合と、巡りと代謝が良くなって一時期だけ悪くなっている場合があります。
現象は、どちらも、ひどくなっているのですが、「良い」、「悪い」、どちらも可能性があるのです。


そういった複雑な変化をちゃんと判断するために漢方では体質を診断し、同時に治療方針を決めます。治療方針は「漢方薬を飲みおわった時にどうなっていたら、効いていると見るか」ということです。

こういった理由で、どこか他の先生が処方された漢方薬が合っているかどうかを調べるためには、
最初に「体質」をどう診断したか?
飲み終わった時の「治療方針」はどのようなものか?
という情報が必要になるので、自分が体質を分析せず、考えてもない処方は、「この漢方薬が良いのか?悪いのか?」と聞かれても、僕の方法で体質も判断していないし、治療方針も立てていないので「何もわかりません」としか答えようがないです。

「2つの漢方薬のどちらの効果のほうがよく効きますか?」こちらも同じ理由ですね。
漢方は全身の状態から部分的な症状を治していくので「どんな効果」なのかどうかは、極論で言えば、どうでもいいことです。
「体質をどう診断したか」、「どんな治療方針で治療するのか」、これが必要なので、比較するのであれば、2つの体質と治療方針から、どちらがよりベストかを考えるしかありません。

手前味噌ですが、僕は本来の漢方を勉強している自負がありますので、もしかしたら、マニュアルで自信なさげに処方している医者よりも、「漢方に詳しいんじゃないか」と思われて、冒頭のような質問がよくあるのかと思いますが、例え、世界一詳しい先生でも、他人が処方した漢方薬が合っているかどうかなんて、実はわかりません。

いくつかの症状が良くなった。悪くなった。というような単純な判断はできません。
ですから、自分の飲んでいる漢方薬が合っているかどうか気になり、なおかつ、そこで続けたいと考えているのであれば、処方された先生、自分で選んだのであれば自分に聞いてください。

僕に聞かれても僕は何も診断も観察もしていないので、何もわかりませんとしか言いようがありません。漢方治療とは、いわば、一番ベストな漢方薬名を知ることではなく、一番、真実に近い体質を知り、一番ベストな治療方針を知ることです。


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2016年09月07日

良い鍼灸治療院の選び方「実践編」

漢方相談の人間がなぜ「良い鍼灸治療院の選び方」なんて記事を書いているのか?
詳しくは前回の良い鍼灸治療院の選び方「出会い編」を読んでいただけたらと思います。

漢方も鍼灸も東洋医学ですが、残念ながら、9割は、東洋医学の伝統的かつ本質的な方法で治療をされているところはないのです。
ほとんどは西洋医学を東洋医学風にしたマニュアル的な治療をしているところです。

なぜ、そんなことになっているのか?
それは僕ら2人にはわかりません。

東洋医学自体の理解が難しいのか?
個人の体質なんか見ていたら手間がかかるので、マニュアル的にベルトコンベアで流したほうが楽に稼げるからなのか?

業界をみていると、どっちものような気もしますが・・・。

では、今回は、実際の見分け方実践編で話していきましょう。

まず、良い鍼灸治療院の選び方としていますが、東洋医学という一般の人には摩訶不思議なものの良い点を理解しようとするよりは、ダメな鍼灸院の条件を理解してもらったほうがいいかと思います。

ただ、この条件等は、あくまで僕と僕と一緒に治療をしている先生の私的な考えなので、最後はこの記事を参考にご自身で判断してください。

ダメな鍼灸院でわかりやすいのは、これは漢方も同じですが、ロクに問診をとらないところ。

漢方なら病院なんかは、まず、体質を分析するための問診なんかとりません。
問診でとるのは、最初のお決まりの「ほかの病気はありますか?」とか「妊娠していますか?」などのアンケートですね。
あれは、漢方薬を選ぶ時の問診とは何の関係もありません。
漢方では、全身の不調をお聞きしていきます。
(ちなみにうちは150項目以上で早い人でも入力を終えるのに15分はかかります)

鍼灸も同じように問診は必要です。
漢方も鍼灸も西洋医学の病名ではなく「体質」をみていくのは同じです。
何の問診もなく、ただ身体を触って施術を始めるのは、それは、ただのマッサージ鍼(そんな言葉ないけど)

要は、筋肉の凝ってそうなとことかを適当に緩めたりしているだけ。
漢方も鍼灸もどちらも問診をとって「証」という病的体質を分析する必要があります。

ちなみに僕と一緒にしている先生は、うちから治療を受けに行く場合は、うちで詳しい問診をとっていますので、鍼の先生のところでは、軽い問診だけでOKですが、通常は、あれやこれやと自分の全身の状態を説明する必要があります。

次にダメな鍼灸院のポイントは、回数券。最近、流行りです。

「この治療には3ヶ月はかかるから」などといって、回数券を買わせる方法。
この時点でその鍼灸院はアウトだと思います。

回数券だと未来の治療の代金をすでにもらっているので、2回目の治療から担当が変わったり、ひどいのになると研修の子にやらせたりします。

担当の先生が変わらなかったとしても最初の治療の半分しかやらなかったりします。

極端に言えば、ひどい治療をやっても4回だったら4回は来てくれることが確定しているからです。人間ですから。こうなります。しょうがないですよね。

ちなみに、うちも僕と一緒に治療をしている鍼灸の先生も回数券や「次も来ないとダメ」みたいなことはやってません。

もちろん、慢性病なんてすぐに治るものじゃないので、見通しとして、聞かれれば「何ヶ月位はかかるんじゃない」みたいなことはお話ししますが「ずっと通わないと治らない」みたいな話はしません。

続けるか、どうかなんて、その患者さんの自由だと思います。
逆に回数券にしているということは、1回目の施術の後に「満足してもらえない」という妙な自信があるとも言えます。
だから、回数券を買えるようになっているんだったら、それは「治療に自信のないところ」なんでしょう。

1円でも安くなれば・・・と思うなら、選ぶべきですが、治すことが目的であれば、やめたほうがいいです。

次に患者さんが「凝っている」とか「痛い」とか患者さんが訴えている周辺だけ鍼やお灸をするところ。

これもアウト!だと思います。
鍼灸は東洋医学なので「凝っていたり」「痛い」ところだけを治療するのではありません。
基本的には病的体質に対して治療しますので、施術するのは全身です。
毎回、局所的にしか治療しないなら、その鍼灸院はどうかな?と思います。

そして、あえて最後に持ってきましたが、保険適応で年寄りがジャンジャンいるところ。
病院と同じです。
たくさんの人が来たら、いくら「治したい!」と志をもっていても、短い時間で回す必要が出てきます。

「治したい」という志はある種「その患者さん1人にかける時間と手間」と言い換えてもいいと思います。
料理と同じ、料理人の見える料理屋はポリシーの持った、おいしい料理をつくる店です。
当然、料金は高くなります。
チェーン店は、料理をしたことがない高校生のバイトがつくります。
そこにポリシーは存在しません。そのかわり、安いです。

国民皆保険は素晴らしい制度ですが、ぶっちゃけ「安かろう悪かろう」に成り下がっている部分もあります。
これは、病院が悪いのではなく「1人にかけられる時間と手間」の問題。
どちらが良い悪いではなく仕事の摂理です。

そして、おまけ。
時々、鍼灸の先生の方から、うちの患者さんに、うちで何の漢方薬を飲んでいるのか聞いてきて。という質問があったりします。

この質問で「うわー東洋医学、何もわかってないじゃん!」って思います。
「何の証と考えたかを聞いてきて?」と質問するなら、まだわからないこともないです。
証(体質)を聞けば、自分の鍼灸治療にも活かせますから。
実際、うちは鍼灸の先生とそうしています。

しかし、漢方薬名って・・・
東洋医学の素人丸出しです。なぜなら漢方薬は西洋医学の薬と違って、1つの薬が1つの効果とは限らないのです。
例えば、葛根湯は風邪に使いますが、蕁麻疹に使うこともあるのです。
処方した先生が、どういった意図、どういった証で見たかを知らないと自分の治療には活かせないのです。
なので、漢方薬名だけを聞いたって、意味ないですよ〜


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2016年08月10日

漢方薬を効きやすくする考え方!?

世間では、なんとなく西洋医学と東洋医学が分けられていて、漢方は「ゆっくりと効いてくる」とか「自然の食べ物に近い生薬なので体にやさしい」とか「根本的に病気を治してくれる」などのイメージがあると思います。

こういったイメージはありますが、例えば「なぜ、ゆっくりと効くのか?」「実際に体に優しいのか?」「本当に根本的に病気が治るのか?」と具体的に質問されると、おそらく、漢方薬を飲みたいと思っている患者さんだけでなく、大半の漢方薬を処方している医者や薬剤師も説明できないのが漢方業界の現実です。

つまり、漢方って実は「どんな医学なのか?どんな治療なのか?」具体的には、ほとんどの人が知らないけど「なんとなく困ったら漢方薬で治してみたい」とイメージする曖昧で不思議な医学になっちゃっています。

しかし、漢方は曖昧で不思議な医学ではありません。

ちなみに皆さんがイメージとして持っている「漢方薬はゆっくりじっくり効いてくる」は嘘っぱちです。
「漢方薬で病気を根本的に治る」というイメージも厳密には間違っています。
漢方薬という薬のみで根本的に病気は治りません。

西洋医学と東洋医学は、医学という名前はついていますが、似て非なるものです。
スポーツでいったら医学にあたる言葉は球技みたいなもので、サッカーと野球はボールを使う球技ですが、ルールや使用するものが全く違います。

漢方も西洋医学とは全く違うルールの医学です。
最も大きな違いは、病院の薬は「人工化学物で体に悪い」漢方薬は「自然で体にやさしい」そんなことではないのです。

本質的な大きな違いは人間の体を治していこうとする根元の考えが違います。

西洋医学は、外から薬(人工化合物)を取り入れて、本来の体にない。もしくは不足していた働きを強制的に起こし、症状をなくします。
いわば、化学の力で体を騙したり誤魔化したりするのです。

頭痛薬なら痛みを発する物質を薬の成分によって遮断して、その人の体本来のシステムとは別の働きで無理やり痛みを止めます。

薬を飲んでいるいる間は効いて、しばらくして薬の効果がなくなったら症状がぶり返す姑息療法とよばれるゆえんですね。

漢方の場合は、外部から強制的に力を変えてやろうとするわけではありません。
体内のもともとある働きが、何らかの影響でゆがんでしまっていると考え、元に戻すための治療を行います。なので、漢方では人間の体は元のニュートラルな状態に戻せば、あとは結果的に勝手に良くなっている。と考えます。

無理やり外部から手を加えようとする西洋医学と元の形に戻そうとする漢方。
全然、考え方が違います。

どちらも「薬」を使いますが、薬の使い方が根元から全く違うのです。
僕がこのブログで医者が西洋医学の病名を元に漢方薬を処方している「病名漢方」は、漢方じゃない!と言ってるのはこういう理由です。
そこには「漢方の治療理念」がありません。

治療の方向性は精神的な部分にも大きな違いがあり、西洋医学は自分自身がある種、参加しない医学です。
外部から見てもらって、外部からの強制的な働きで治していきます。
方向性としては病院や医者に頼る感じですね。
だから、医者は上から目線でやらないといけない部分があるのかもしれません。
見方を変えれば、押し付ける医療でもあるわけですから。
なので、傾向的に誰かになんとかしてもらいたいと思う人間と親和性が高い治療です。

漢方の場合は、違います。
治療の目的は、元の状態に戻すことなので、漢方医と一緒に体のどの部分が元と違うのかを探していかなければいけません。
病気の原因を探すというよりは、何のバランスが崩れているのか?

1つの原因を探すわけじゃないので、症状を調べる場合は、全身の状態、その他にも生活環境、食事や睡眠、ストレスなど、あらゆる場面でのアンバランスを探っていく必要があり、また治療の場合も「まかせていたらいいや」では治りません。

自分自身のアンバランスを見つけたら、体内の調整は漢方薬が受け持ってくれますが、その他は自分で調整していかないといけないのです、

ただし、その方法は、体質を分析すれば、おのずと自分がどうすれば良いのかが見えてきますので、あとはその調整を頑張れば、その時に初めて根本的に治ります。

漢方での根本的に治る。とは漢方薬のみで根本的に治るのではなく、漢方薬を選び出す時点で体質を分析しますので、その体質を元の良い状態に戻す養生も合わせれば根本的に治るということなのです。

漢方はこういった考え方なので、先生側も「治してあげる」のではなく、「一緒に治そう」といった感じですね。
僕と患者さんでどうやったら治るかを考えていく治療です。
なので、自分自身で変えていきたい!自分も参加したい!という方にはぴったりの医学です。

処方する先生側としては「僕が専門家だから治してやる。だまって治療を受けなさい」的な上から目線の場合は、漢方薬を扱うのに向いてないように思います。
漢方薬も漢方としての治療の力を発揮しないでしょう。

「漢方薬だけに頼る」治療は急性病ならOKですが、慢性病は根本的に治すことはできないと思います。
「何かに頼る」だけで治したいなら、漢方でなく病院の薬でなんとかしたほうがいいです。漢方治療との相性が悪すぎます。

こんな感じで、西洋医学と漢方は、使う薬の違いではなく、「体を治す考え」が違うのです。

あなたはどっちの治療と相性が良さそうですか?


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2016年07月21日

失敗しない良い漢方薬局を選ぶチェックポイント

うちは、店頭でもネットでも相談をさせてもらっていますが、最近、ネット相談で、「何日か前に、とある漢方薬局(もしくは東洋医学内科)で漢方薬を購入したのですが・・・でも私の体質って、どんなものでしょうか?」的な感じでのネット相談が増えています。

漢方は、処方する先生ごとに治療方針や選ぶ漢方薬が変わるものなので、別にさっきどこかで漢方薬を買ったばかりで、そこからうちに相談に来られても全然、かまわないのですが、どこかの漢方薬局、病院で漢方薬を処方したもらったばかりで、うちのネット相談を希望するということは、つまりは「処方してもらったものの、本当に大丈夫なのかな?」と思っている部分があるのではないかと勝手に推察します。

そこで、漢方薬を購入する前、病院で処方される前に「実は漢方をよくわかっていない先生」にひっかからないように僕が「漢方ってこんなだよ」というものを自分勝手に説明したいと思います。

ちなみに僕は、今の仕事の前は病気の相談を受けつける相談薬局さんを相手に営業をしていまして、山梨と沖縄以外の都道府県に出張もしていましたので、全国の薬局さんの内情をそれこそ、店によれば、そこの家族構成レベルまで知っていました。
要は裏のことを知ってるということです。

父親も相談薬局をやっていまして、そういった病気の相談を受け付ける専門薬局の方向けの勉強会合などで講師をしていましたので、相談の受け方や売り方なんかの裏も知ってます。

何が言いたいかというと、他のお店のことを勝手な想像で言ってるのではないということですね。

まず、近くで探す必要はないです。
というか、近くの漢方薬局が本格的とは限らないです。

うちが全国向けにネット相談をしていますので「自分とこに来て欲しいからじゃないの〜」と思われるかもしれませんが、以前の仕事で全国400店以上の薬局を知っていますが、漢方治療レベルで漢方の医学理論を理解している人は、全相談薬局の数パーセントしかいませんでした。

僕が大阪からわざわざ福岡まで漢方修行に行ったのはそのためです。

友達の鍼灸の先生も以前に漢方薬局さん向けの営業をされていたことがありますが、その先生も何百件と営業周りされていましたが、漢方を東洋医学の治療レベルで理解している先生はゼロだったそうです。

残念ながら9割以上の店が、五行論などの治療には直接役に立たない(僕はそう考えてる)東洋医学イメージ的なものを不可思議にうまく説明できる程度で、実際は西洋医学の病名や症状に当てはめてマニュアル的に処方するだけです。

病院は直接、裏を知りませんが、うちに来られる患者さんが病院で漢方を処方された経緯や説明を聞いていると漢方薬局よりも、はるかにひどいです。
病名と症状にあてはめるマニュアルをおぼえているだけで、良くても、それにプラス、漢方治療にとっては何の関係もない病院における西洋医学的な漢方治療の臨床を人よりも知ってるくらい。
病院なんかは、まともに東洋医学レベルで考えられる人なんて1%もいないんじゃないのか?という印象です。

医学なので、机でお勉強して、ものおぼえのいい人が良い先生みたいに思いがちですが、漢方の場合は、感覚やセンスの方が重要だと思いますので、すぐれた音楽家や絵を書く人を探すような感じです。

そんな人、大都会ならまだしも、自分で歩ける範囲なんかにそう都合良くいません。

なので、通って治療するのがベストですが、自分の近くにいるとは考えないほうがいいです。

次にお店の見た目。
古臭い、瓶詰めの高麗人参とか蛇がおいてあると本格的に見えますが、治療の腕とは何の関係もないです。
厳密には60歳以上の先生の店だったら、当時はそんな作りが当たり前でしたが、先生が60歳以下で新しい店なのに、いかにも漢方っぽい店にしているところは、大概、腕がない人が多かったです。

外観がどうであれ、相談のためのプライベートスペースをとっていないところもアウトだと思います。
サプリメントが山積みになってる横に、ついでのように椅子と机がおいてあるようなところですね。
やはり、オープンスペースの片隅で相談をしているところは、看板に専門って書いてても本格的ではない店が多かったです。

本格的なところは、他の患者さんが一切見えない基本1:1的スペースをとれているところですね。

つぎに問診。
これだけで、そこの漢方が本物か偽物かがわかります。
漢方は東洋医学的な体質を分析して、その体質(証)に合わせて漢方薬を選びます。
病名や症状をチョコチョコと聞いて選びません。

ちなみにうちの問診は、全身150項目をお聞きします。

問診の項目が多ければいいというものではないですが、うちは、何年も検証して、それをシステム化して、お聞きしている項目に無駄がないようにしてきた結果です。
これだけ、絞ってきても結構な項目です。

漢方は病気や症状にマニュアル的に合わせるわけじゃないので、例えお聞きする項目が少なくても東洋医学的体質を判断するための問診は必要です。
そういう意味では、この時点でほとんどの病院はアウトかなと思います。

問診からは体質(証)がわかります。
証から治療方針が考えられます。

つまり、漢方薬を選ぶ前に証と治療方針があるはずです。
なので、この2つを聞くようにしてください。
「私の体質(証)はどんな証ですか?」「今後はどういう治療方針ですか?」

治療方針を考えていない先生は「今後はどういう治療方針ですか?」って聞かれても「いや、マニュアル(本)に、これがいいって書いてあるから」というのが本音なので、今後どうなるか?なんて推測はたっていません。
これも一発で偽物かどうかわかると思います。

まとめると、

@いい腕の漢方薬局や病院が自分の家の近くにあるとは限らない。
まず、遠方にいかないといけないかもと考えたほうが良い出会いがある。と思う。

A店の見た目は治療の腕と何の関係もない。ついでに病院の肩書き(漢方的な肩書き含む)も漢方治療の腕とは何の関係もない。

B問診は絶対に必要。東洋医学的な問診をとらないのは論外。
問診が重要なので、コミュ障っぽい先生もアウト!「いや、そうじゃないんだけどな」と思うのであれば、治療は運だめしになります。

C体質(証)と治療方針は絶対に説明できます。

この4つのポイントを購入する前に確認してみてください。
そして、最初に「相談だけでもいいですか?」と言ってください。
大体、この時点でダメな先生はチラッと嫌な顔をします。

ネット時代ですから、ネットできない人はしょうがいないですが、ネットができるなら、すぐに購入しないで、うちみたいなところを2,3件、相談してみてください。
そこから考えてもいいと思います。

ご参考になればと思います。


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2016年06月29日

漢方薬と病院の薬は全く違う世界のものです

病院の薬と漢方薬は実は全然違うものです。世界そのものが違います。

病院の薬は人工化学合成物で漢方薬は食べ物のような自然のもの。というようなありきたりの違いを話してもしょうがないので、治療目的の違いを話してみたいと思います。

病院のお薬には有効成分というものがあります。
鎮痛剤だったら、痛みは最初は体内の痛みを発する物質が痛みを発する指令書となって脳に向かうのですが、痛みを発する物質は痛みを発する指令書になるまでに何回か、レセプターという物質とくっついたり変化して、痛みを発する指令書に変わっていきます。

鎮痛剤は、この痛みを発する物質の手前の状態のものに偽物のレセプター的成分をかまして、痛みの指令書になる前に潰してしまいます。

簡単に言えば、体内の働きを薬の成分そのもので無理やり変えて体の働きを騙すのです。
もちろん、薬によって有効成分の働きは違いますが、根本的な考えとしては人工化合物を体内にいれて、体内の正常な働きを騙すというものです。

痛みや発熱、血圧が高くなるなど、病気や不快な症状とよばれているものの正体は、何も体が嫌がらせでやっているわけではなく、体内のどこかの組織や機能がうまくいってないので、そのうまくいってない状態を「痛み」や「かゆみ」「吐き気」などで知らせているのです。
ただ、この体内の不調のお知らせは非常に不快で何がどう悪いのかが、僕たちにはよくわからないのです。

痛みなどはわかりやすいですね。
骨を折った時に「痛み」という不快な症状が全くなかったら、折れたまま、無茶しますので、下手したら一生、治らない傷になったりします。
「痛い」からジッとする。安静にするから治癒を促すことができるのです。

西洋医学の薬の役割は、こういった不快な症状を一時的にせよ、なくしてごまかすことです。
病院の薬が対症療法や姑息療法と呼ばれているのは、こういった一時的な措置だからです。

よく考えてみたら「病院の薬を飲んでこなかったから病気になった」わけじゃないですね。
だから、あなたの病気の原因は「病院の薬を飲んで来なかったこと」ではないのです。

そこから考えれば、根本的な病気の原因は他にあるわけです。
他にあるけれども、今、この瞬間の症状を無くしたい場合は、病院の薬は即効性もあり、個人の体質は関係なく平均的に効きますので「とりあえず症状を止めておく」場合は非常に有効的です。

逆にダメな使い方は、根本的に治そうとして長期間、飲み続けたり、説明されているほど効いてないの、しつこく飲み続けたり・・・(いくら、平均的に効くとはいえ、100%誰にでも効くものではありません)こういった飲み方は無駄ですね。
老人はこういう飲み方をよくしていますが、これは健康保険が毎年大赤字のことを考えると税金の無駄使いだと思います。

病院の薬は、基本的には1つの薬に1つの有効成分があり、その1つの有効成分が1つの効果を表します。
鎮痛剤だと痛みを止める効果です。

漢方薬は1種類の漢方薬の中に複数の生薬とよばれる食べ物に近いけれども薬のような強い効果を発するものが含まれています。

例えば、葛根湯なら7つの生薬が含まれています。
7つの生薬はそれぞれ独自の効果を持っています。

医者は病院の薬と同じ発想で1つの漢方薬は1つの働きみたいに考えて処方したりしていますが、漢方薬には2つの効果の考え方があって、生薬それぞれの効果と、それらが合わさった時の漢方薬としての効果という大小2つの効果を考えなくてはいけません。

葛根湯は風邪薬とか、五苓散は頭痛薬とか、そんな単純なものではないのですね。

病院の薬で例えれば、葛根湯には7種類の薬を一辺に処方したような感じです。
でも、ここでも大きな違いがあります。

病院の総合感冒薬は、解熱効果の成分、咳止めの成分、痰を出しやすくする成分と、それぞれ効果が決まっている成分が単純に足し算的に混ぜられているだけですが、漢方薬の場合は、そもそもが生薬自体が「鎮痛」とか「咳止め」といった直接的にわかりやすい効果ではないのです。

漢方薬を構成している生薬は、それぞれ、
・どこの内臓(西洋医学の内臓とは異なる)に有効か?
・その人の体に対してどれくらいの負担を与えるか?
・冷やすのか?温めるのか?
・気や血、水を巡らせるのか?

など、基本的な効果は、西洋医学には存在すらしない効果となっています。
1つずつの生薬にこういった細かな設定があって、それらが合わさって1つの大きな治療の方向性を生み出します。

なので、西洋医学は「頭痛=痛みを発する物質を邪魔する成分の薬を使う」と非常に直線的で単純ですが、東洋医学はその反対になります。
なんだか、よくわからない温めるとか、冷やすとか、巡らせるといった、ちょっとモヤモヤした効果を組み合わせて治します。

なぜ、東洋医学はそんな、わかりやすい単純な思考じゃないかというと「東洋医学は全身のバランスをとらないと治らない」と考えるからです。

病気は1つの原因だけで成り立っていることはありません。
1つの原因のみで成り立っているのは、急性の時だけだったりします。
慢性化している場合は、大概、無数の要素が絡み合って、体内のいろいろな箇所を邪魔しているのです。

その場合も無数にある全部の要素を究明していけば、治せるかもしれませんが、今の科学力では、無数にある原因を全部、解明することができません。

漢方は、最初から無数にある原因を事細かに調べても調べられないことがわかっていたので、全身をみて、どのバランスが崩れているかをみるようにしたのです。
だから、どんな病気だろうが「頭痛」とか一部分の症状だけをみないで全身の状態をみて体質を判断するようになっているのです。

漢方薬が複数のそれぞれのバラバラの効果のある生薬で構成されているのも、複数の要素に一度に働きかけないと「あっちを押せばこっちがひっこむ」で永遠に病気が治らないからです。

ざっくり、モヤモヤな感じに見える東洋医学ですが、実は、非常に理論的なのです。
ただ、使う人間が西洋医学と同じように単純で直線的な方法で処方するから、疑わしい感じになってしまっているのです。

漢方薬が治るか治らないか怪しいものではなく、体質をみないで処方している人が漢方薬をまともに使えてないから「怪しい」のですね。

その怪しい使い方というのは西洋医学と同じ発想で「病名」と「症状」だけで漢方薬を処方する人ですね。

漢方薬は、成分が直接的に働くわけではなく、体の大きな流れを変えていくので、根本的な治療になります。
でも、漢方でも漢方薬という薬のみで根本治療になるとは考えていません。

そもそも、漢方というのは「漢方薬を使用する」ことではなく、漢方の考えでもって、漢方薬を使用することです。
漢方の考えとは、体質に合わせて、病気にならない生活を送ること。
これをアドバイスするのも漢方薬を処方するのと同等です。
病気の始まりは生まれつきの持ってるクセとその後の生活のクセの積み重ねでなることが多いので、そのクセを体質に合わせた方法で正しい道に戻してやれば、健康になっていくのですね。


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2016年06月22日

漢方薬を3年飲み続ければ根本的に治るというデタラメ

病院の漢方薬を飲まれている人が、時々、医者から説明されていることで「それ、ちょっと違うんじゃないの?」と思うことがあります。

病院でツムラなどの漢方薬をある程度の期間、飲まれている人がよく説明されるようで、漢方薬を飲んでいるけど、症状が一進一退な状態の時に「体質から変えようと思ったら3年位は飲み続けないと体質は変わらない」と言われたそうです。
ひどい人になると10年はかかると言われていました。

確かに体質を変えようと思ったら一朝一夕で変わることはありません。
時間のかかるものです。
だから、一見、まともなことを言ってるように聞こえますが、僕からすると全くのデタラメです。

デタラメは2つあります。

病院の薬は、効果時間が決まっていて、効果時間が切れれば、慢性病の場合は、大体、元通りに症状は再発します。
これはお薬自体の成分が体の働きを強制的に変えているので、その成分が体内にとどまっている間は、体の働きが変わり、症状を感じなくなったりします。
でも、その成分もやがては代謝されていくので、薬効成分が体内からなくなると、効果もなくなるからです。それゆえに、その場しのぎの対症療法とよばれているのですね。

対して、漢方薬は、人工合成物ではなく食べ物と同じように自然の生薬でつくられた薬で、その効果は体の働きを強制的に変えることではなく、それとなくバックアップ的に体の複数のいろいろな働きをバランスもとりながら調整していくことです。

それゆえに漢方薬の効果が切れても病院の薬のような自然界にない人工的で強制的な働きでないので、自分で体内のバランスのくずれた機能を調整していってくれます。
確かにこういった漢方薬の治療の方向性からすると、長く飲めば、飲むほど、体内の働きを調整してくれるので、体質から根本的に変わっていくことができます。

でも、これには落とし穴があります。

漢方は、不快な症状を遮断して感じなくしたり、オシッコを無理やり出るようにするものでもありません。
「治療」というよりは「調整」
西洋医学は健康な状態と病気の状態のどっちか?みたいな極論な考え方ですが、漢方では厳密には病気か?健康か?どちらかにわける考え方はありません。

便宜上、漢方でも治療と説明しますが、漢方は調整をするものです。
病名がつかなくても、日々のだるさや昨日は頭痛があったけど、今日は頭痛がない。でも体がだるい。など、体は良い部分があったり、悪い部分があったりで、バランスがとれていて健康な時もあれば、バランスがとれずに悪い時もあるわけです。

漢方では、ここからが病気で、ここからは健康という明確な線はありません。
漢方は「病気」を「体質」で考えます。

そして、体質には2種類の考え方があります。
1つは血縁から受け継いだ、うまれつきの体質。
多分、医者も含めてほとんどの人が認識している「体質」です。
母親が筋腫だと娘さんも筋腫になりやすかったり、父親が胃痛、胃もたれで胃が弱いと息子さんも弱かったり。
血縁の中の病気って、潜在的に持っている感じは誰しもが思い当たるところではないでしょうか。

「漢方薬を長いこと飲んでいれば治る」と言っているのは、この部分のことを言ってるのだと思います。
確かに体質がこれしかなければ、最初の体質分析がちゃんとされていて、処方した漢方薬が当たっていれば長く飲みつづければ治ります。しかし体質にはもう一つやっかいなのがあります。

そのやっかいな体質が後天的な体質です。
これは季節や環境でどんどん変わります。
雪の降ってる時期の手足の冷え、梅雨の時期の湿疹、夏の汗、秋の胃の不調。
体質的に言えば別人になります。

漢方は体質を見る際にうまれつきの体質と現在の体質を合わせて考えます。
生まれつきの体質だけにスポットを当てても治すことはできません。

現実の治療の際は現在の体質の方がウェイトが高いです。
今の季節の今の環境の体質ですね。
環境は例えば、北海道から沖縄に引っ越したり、昼に働いていた人が夜勤になったり、管理職になって、悩みが倍増したりなどなどです。

現実は、日々、外からの影響で体質も変わるので、これを調整していかなければいけません。
ほとんど体質が動かない人でも、さすがに真夏と真冬は変わったりします。
当たり前ですね。正反対なんですから。

となると、そもそも「3年間、同じ漢方薬を飲み続ける」なんてことはありえないのです。
毎回、体質判断して、結果的にそうなることはあっても、最初から決めつけて「飲み続けたら・・・」なんてことはありえません、
それは逆に「季節の変動やあなたの今の環境なんて、全く考慮にいれて漢方薬を考えません」と高らかに宣言しているのと同じ。
それは最早「漢方薬を使用している」だけで「漢方治療」ではないですね。
誰が医者の役割をやってもいいんじゃないですか。

もう一つのデタラメは病気の捉え方の問題。
漢方薬は陰陽の法則で体の不調をみます。
西洋医学だと「病気=悪い」みたいな概念でみますが、漢方では冒頭でも話しましたが、病気か健康かではみません。

漢方は冷えもなく、さりとて余分な熱もこもっていない真ん中のみが健康だとみます。
なので、例えば、始めにものすごく体が冷えている人が温める漢方薬を飲んで何ヶ月かで治ってきたら、冷えがなくなるわけです。
西洋医学の発想では、治療に成功した漢方薬なので飲み続ければ・・・と思うかもしれませんが、東洋医学では、ただ単に冷えた人を温めたら治っただけです。

そして、冷えがなくなった人が、そこから更に同じ体を温める漢方薬を飲み続けたらどうなるでしょうか?
そう、体に余分な熱がこもって、冷えから熱の体質に変わってしまうのです。
これを誤治、壊病といいます。
だから、3年間飲み続けて体質を変えるなんてありえないのです。

えっ、「それだけ治療に時間がかかるかもしれないじゃないか」って、それはありませんよ。
10年間、漢方治療している経験や過去の数々の書物から、全く同じ漢方薬でそれだけの時間がかかるとは思いえないし、もっと早くに治せる漢方薬が別に存在するはずです。
何せ、バリエーションを含めれば漢方薬は500種類以上あるんですから。

多分、東洋医学的な体質を一切みないで漢方薬を使おうとするから、そんなデタラメくさい発想になるんじゃないかと勝手に思う次第です。


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2016年06月15日

漢方のネット情報は要注意!

うちではネット相談が多く、ネット相談のみで会ったことがないけれど、妊娠されたり、アトピーが治ったりした患者さんがたくさんいる中で、こんな話をするのも変な話ですが、ネットは高度な扱う能力がなければ、同時に危険なものでもあると思います。

最近は、最早、ネットやPCが苦手な人にとって有益な情報なのか?と感じることが多いです。

ちょっとネットの歴史をサラッとお浚いし、インターネットとはどういうものか、把握していただけたら、本当に良いサイトに辿りつけるのではないかと思いますので、ちょっと聞いてください。

ネットの黎明期は、Yahoo!に稚拙な情報が載り始めたり、反対に本当に専門家しか理解できない超専門的なものがGoogleの検索でひっかかってきたり、もしくは、対して良い情報でもないのに目端のきく人が先に書いたものが、まるで正しいかのように誤解された情報が載っていました。

それが、だんだんと情報が増え、結構、専門家の人がわかりやすく書いてくれている無料で有益な情報なども増えるようになってきました。

そのうち、インターネットの情報が商売に使えるようになるとわかると、まがいものの情報は一気に増えました。
それは企業がお金をかけて参入してきたからです。
企業の第一の目的は本当にいい情報を提供することが目的ではなく、自分達の商品を売りさばくための情報を提供すること。

企業の情報は巧妙でモロに売り込みにすると余計に嫌われることをよくわかっているので、あの手この手で、無料で有益な情報のようなフリをしてバラまくようになりました。

その後、ブログなどが登場し、素人の人もネットに積極的に参加してくるようになりました。
僕もその1人ですね。
ブログも最初は、本人が書いた本物の経験が載っていたのですが、それも商売に利用出来るとわかると、企業系はブログをモロに商売に利用するにようになりました。

「素人のフリをして、体験談などを書く」といったものですね。
もちろん、今も僕のブログのように本人が書いているというものもありますが、ブログの世界もお金を出して代行で書いてもらうというシステムが完全に出来上がっています。

うちでもたまに患者さんから誰かの不妊症の体験談ブログで「こうこう、こういう風に書いておられましたよ」って話される方がいらっしゃいますが、そもそも、それが、本当にその人の体験談なのか、どこかの企業が商売で素人演出のブログを書かせているのか、それを調べたほうがいいと思うことがあります。
こういう系のブログはサプリメントの会社がよくやってます。

「ブログ 代行」で検索してみてください。
「ブログ 代行 求人」など、宣伝のための素人のフリをしたブログを書くことは今やお仕事の1ジャンルです。

出会い系サイトのサクラの仕事が一つの仕事として成り立っているのと同じです。

僕は医療ジャンルなら、専門なので、そのブログが本当に素人の方の情報なのか、商売で書いているのかは大体、判別がつきます。
たくさんの病気で悩んでいる人の相談を受けてきた経験で、その方々が使わないであろう文脈や単語を使っているから、すぐにわかるのです。
でも、ネットに慣れてなかったり医学系の知識が苦手だと見抜けないかもしれません。

話が飛びましたが、要はインターネットは昔は専門的な知識がなくても、専門的なことを知ることができる便利なツールだったのですが、今は専門的な知識のフリをした、まがいものの情報を知ることができるツールになりつつあります。

現在のネット情報は真実の情報に触れようと思ったら、真実かどうかを見極めるための基礎知識がないと真偽の判断ができないのです。

医療系だとせめて基礎生理学や薬理、臨床データの読み方などが、わかっていないと、そのサイトで言ってることが本当なのかどうかが判断つかないんじゃないかな・・・

特に漢方系は、医者や薬剤師の医療系の専門家の中でもネットがなかった昔から超高度で全然、理解されてこなかったジャンルです。

高額な漢方の講演会に通っていても、ちんぷんかんぷんというのが当たり前だったので、漢方系のネットの情報は今も教科書の丸パクリか、漢方薬メーカーに言われたことそのまま書いている。という、先程の商売的な宣伝に近いような情報が圧倒的に多いように思います。

教科書といっても、漢方はその先生の思考と経験で治療方法が生み出されていくものなので、漢方の場合は教科書というよりも本当に参考にする程度の「参考書」なので、それが合っているとは限りません。

もちろん、僕のこのブログで話していることも正しいとか、そういうことではなく、漢方自体が、ある程度の基礎的な東洋医学の基礎的考えがあって、それを先生自身がどう捉えて、どう考え、どう処方し、治ったとか、悪くなったとか、どんな経験を積んできたかが、漢方であって「参考書となっている知識を知っている」ことが正しいわけでもなく、そこに答えもありません。

東洋医学の基礎理論自体も複数の考え方と流派があり、何種類かの考え方や解釈の仕方があったりします。
そこも、どれが正解ではなく、その漢方の先生がどの解釈を選択し、どの考えで治療するかです。
ちなみに僕は、日本漢方と古方を支持し、折衷派という流派を支持し、その理論に基づいてい体質を診断し、漢方薬を選びます。

一般的には中医学という考えが主流ですが、これは僕の考えでは「学校漢方」で学んだり、理解はしやすいとは思いますが、治せない。と思いましたので昔に勉強してやめました。
ただ、学校漢方だけあって、漢方という情報がキレイにまとめられているので、この理論では僕は治せないですが、患者さんに対する説明はしやすいので便利です。

ところで、病院は医療のトップなので、漢方もトップのように勘違いされますが、多分、医療業界で一番、漢方をわかってないし、西洋医学の思考方法は漢方から一番、遠い思考方法ではないかと僕は考えています。

病院や漢方薬局、漢方崩れのサプリメントを売りたい会社などが漢方のことをネットに書いていますが、ほとんどが教科書丸パクリの実践的でないものが多いと僕は感じています。

また、素人の漢方体験なども、
「東洋医学的な体質を見てもらって→治療方針を立て→その治療方針に沿って、漢方薬を選び→飲んだ後の検証をする」という東洋医学の基本ステップを踏まず、ただ病名や症状だけをあてはめて考えられたものを飲まされているケースが多いようなので、素人の方の漢方薬体験記も役に立つものが少ないように思います。

またネット上の漢方薬の話って「漢方薬のモノがいいかどうか」ということが、良く書かれていますが、実践で漢方治療している僕としては、漢方薬のモノがいいかどうかよりも、自分の体質をちゃんと分析してもらっているかどうか、その体質に合わせた漢方薬を選んでもらっているどうか。を気にしたほうがいいと思います。

@ 東洋医学的な体質は分析しないけど、漢方薬の品質は世界一。
(一般的によくある病名や症状だけあてはめて漢方薬を選ぶ方法で漢方薬のモノがいい場合)

A 東洋医学的な体質をみて、そこそこの品質の漢方薬を選びだす。

だったら、絶対に治療したいならAです。

理想は「東洋医学的な体質に合わせて品質の良い漢方薬を選ぶ」ですけどね。


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2016年05月18日

漢方は教科書的なガイドラインは一切通用しない世界

いつも、最低限、いろいろなジャンルのニュースやコラムを読むようにしていて、その中で興味深い記事がありました。

「同率勝算の規則」に学ぶ。多作が才能に勝つ理由 | http://bit.ly/1NxVgxF

小難しいタイトルになっていますが、要は「仕事や人生や芸術で確実に成功する方法は絶対になく、その中で成功するためには、とにかくたくさんやること」とありました。
ハーバードの心理学者もこう言っているようです。

僕は常々、漢方は医学というよりも、音楽などの芸術や料理をつくる分野の方だと考えているので、この記事の「芸術で成功するためには・・・」の一節に惹かれたわけです。(医学は医学ですが)

この成功法則は、何も芸術や仕事だけでなく「根本的に治る」という「成功」も含まれると思います。
どんな事も「困難な問題」があり、それを「克服」し「成功」へと至るわけです。
「困難な問題」はアトピーや不妊症だったりするわけです。
「克服」は漢方薬による治療や治るための養生ですね。
「成功」は言うまでもなく「根本的に治った」ということです。

西洋医学は化学的に分析され、臨床データもあり、理論的にもしっかりしているように聞こえるので、病院の薬の説明などを聞いていると、いかにも治りそうな気がしてきます。

でも、実際は、薬の効果は1つの症状だけに限定されていたり、その効果も薬を飲んでいる間だけだったり。
また、実際の病気は、複合的に病気や多数の症状が重なっているので、単体の症状や病気にしか対応できていない病院の薬は一時しのぎにしかならなかったりします。

現実は、そんなもので、単純な構造の機械の故障すら、簡単には治せません。
僕はパソコンを一からつくったり、簡単な機械だったら修理しますが、結局、修理といっても大概が、部品の交換だったりします。

ところが人間の体は交換ができないのです。
交換せずして治さなければいけません。
単純な構造の機械でも、交換なしでは治せないのに、もっと複雑な構造の人間の体を部品交換なしで治すなんて、本当はかなり難しいことなのです。

西洋医学は、最初から「この薬はこんな効果があるから治るはず」という前提から治療にはいります。
そんな甘くないはずなのに。

漢方の場合は、最初から「この漢方薬はこんな効果があります」という設定はありません。
病院は漢方薬の処方をマニュアルでやってるので、新薬と同じように考えていますが大きな勘違いです。

「漢方薬が効いた!」と確認できるのは、相談に来られた時に、その人の体質を分析し、その体質を元に最適な漢方薬を選び、更にそれを飲まれた患者さんが良くなった時にはじめて「処方した漢方薬が合っていた。効果があった」と言えます。

つまり、漢方治療は「この漢方薬ならどんな体質の人の頭痛でも消えますよ」という概念自体がないので、未来の治療が成功するかどうかは常に未知なのです。

だから、漢方薬の参考情報にある「こんな病気に使うリスト」みたいなものをおりこうさんにおぼえても、何の役にも立たないこともあります。
何せ体質はその都度、未知ですから。

この辺が医学というよりも、音楽、芸術に近いと思うところですね。

西洋医学に慣れている人や西洋医学が病気を治してくれると信じている人は「私の病気はどんな漢方薬で治りますか?」と質問されますが、伝統的な本来の漢方治療では、全体の体質を見る前や病名や2、3の症状だけでは、どんな漢方薬が合うのかは皆目わからないわけです。

そんな風に漢方薬を処方している病院がほとんどですが、よくあんな少ない情報で漢方薬が処方できるなと思います。「本や勉強会でおぼえたことをマニュアル的にやってるだけだから」と言われたら、それまでですが・・・

漢方は様々な情報から、なるべく、その人の体質に合っているものを考え出しますが、結局、成功(根本的な治癒)させるためには、いろいろなことをチャレンジしたほうが、より成功に近づくわけです。

なので、うちでは、根本的治療というものを舐めていません。
教科書で勉強して物知りだったら治るとは思っていません。

患者さんごとに最初から、どうトライしていくかを毎回、毎回、考えていかないといけません。
「この病気だったら、この漢方薬」「この症状だったら、この漢方薬」というノリは本来の漢方治療には通じませんので、なるべくたくさんチャレンジできる治療方針のアイディアを考えなくてはいけません。

この法則からいくと「漢方薬は徐々に効いてくるもの」なんてデタラメを信じて治療なんてやってられません。
漢方薬は何百種類とありますので。

漢方は病名や症状をあてはめて漢方薬を選んでも治せないのです。
成功の鍵は未知の体質をピタッと当てることができるか。

もちろん、やみくもに数ある漢方薬を片っ端からためしていくことが「たくさんトライしていくこと」ではありません。
治療のアプローチを「たくさん考えること」これが、いろいろとチャレンジすることにつながります。

東洋医学の分析理論を駆使しますが、どんどんトライしていく、「とにかくたくさんやること」も大切なのです。

それが、成功(赤ちゃんを授かる、湿疹のないキレイな肌になる、痛みのない体)を手に入れる近道ではないかと思うのです。

なので、この記事に書いてあることは、非常に漢方治療に通じるなと思いました。


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2016年05月12日

病院の漢方薬に対する、おーーーきな勘違い

先日、わざわざ、うちのメールに「あなたのブログは不快だ」というクレームメールが医者からあったので、一つ、注意喚起をしておきたいと思うのですが、このブログは、漢方薬を処方する側の人(医者や薬剤師など)に向けて書いてません。
えらそうに情報提供しているつもりもありません。

僕が考える伝統的な漢方のこと、僕が本質的だと考える漢方のことをただ自分勝手に書いています。
共鳴してくれる病気で悩んでいる人に読んでもらいたいと思っています。
はっきりいって、漢方薬を処方する側の人で伝統的、本質的な漢方を目指していない人や病院で病気を根本的に治してもらえると思っている人が読んだら不快なだけなので、漢方薬を処方する側の人(医者や薬剤師など)やビョウイン信者さんは【絶対に読まないでください】

さて、その医者からのクレームメールを読んでいて、その医者がどうこうというよりも、医者の考える治療や漢方に対する姿勢がよく表れているなと思ったので、その点を書いてみたいと思います。
患者さんには知っておいてもらいたいことです。

その医者曰く、漢方と西洋医学が診断方法や治療の視点が違うことは、どの医師も分かっているとのこと。だけど、漢方薬のほうが人工化学合成物である新薬よりも患者さんの身体的負担も少なくて、なおかつ効果のある症例がある。
だから、自分たちの知識が乏しいことは、よくわかっているけど、少しでも患者さんの改善につながればと思い、皆セミナーや勉強会で勉強している。とのこと。

これは、多分、僕が普段から、このブログで病院の漢方は、西洋医学の病名や症状だけでマニュアル的にあてはめて漢方薬を選んでいる。と口を酸っぱくして言ってるので、それに対する感想だと思いますが、

この中の「漢方薬のほうが人工化学合成物である新薬よりも患者さんの身体的負担も少なくて、なおかつ効果のある症例がある」という考えは、他の漢方をやってる病院紹介の雑誌のコメント欄などでもよく見かけます。

これは、大きな勘違いだと僕は思います。

おそらく「病院の薬は人工化学合成物で体の負担が強く、漢方薬は自然のものだから体にやさしい。だから漢方薬はいい!」みたいに考えているのでしょうが、漢方薬は穏やかで、やさしい薬じゃないですから。
八味丸なんて、一般的にも有名な毒が入ってますからね。そもそも自然にも致死性の毒はたくさんあります。
新薬のはじまりも麻痺性の毒を持った葉じゃなかったっけ。

確かに体の弱った患者さんの体質に合わせた穏やかな漢方薬は存在しますが、漢方薬というジャンル全体が穏やかな薬ではなく、漢方薬は、穏やかなものから、キツイのまで、いろいろ揃っているというだけです。

漢方薬がキツイ薬になるのも、穏やかな薬になるのも、それは患者さんの体質とその体質を分析し、その体質に合わせて選ぶ、漢方医の腕しだい。

漢方薬はどこまでいっても、病名や症状に合わせるのではなく「体質」に合わせるのです。

体が弱っている患者さんには、穏やかな薬を合わせ、病気の反応性が強い人には、キツイ漢方薬を合わせます。

だから、漢方薬全般的に「身体的負担が少ない」ことはないです。
体質と合っていない漢方薬を飲めば、例え穏やかな分類の漢方薬でも、その人にとっては、キツイのです。

漢方の医学理論には「誤治」「壊病」という言葉があります。
「誤治」は誤った治療。「壊病」は誤った治療で新たな病気になること。
そして、漢方では誤治、壊病を起こした場合に、どういった治療でフォローすれば良いのかのノウハウまであります。

漢方薬が、その人にとって、穏やかなものになるか、キツイものになるかは「処方する先生の腕に左右される」ということです。
漢方薬自体ではありません。
ここが大きな勘違い。

病院の新薬は、個々の「体質」ではなく人間としての一般的機能に対して変化を与え、効果を現します。
個人差は全く考慮されていません。
その薬を臨床で、たくさんの人に使用してもらい、多数の人が良ければ薬として認められます。

ごく簡単に言ってしまえば、多数の人からの平均をとって、良かったものを薬にしている感じですね。

漢方薬は、これと全く逆で、多数の人に共通して効くものなんてありません。
どんな時も、その人独自の体質を分析し、その人にとって今、必要な漢方薬を選びます。

ところが、医者は漢方薬を選ぶ時に「多数の人に使ったら、効果があった」という、新薬と同じノリで漢方薬を使います。例えば、イレウスの人に大建中湯とか。

ちなみに「イレウス」なんて「体質」はないですから。
イレウスは西洋医学の病名であって東洋医学の「体質」ではありません。
漢方薬を選ぶ場合は、イレウス→大建中湯ではなく、イレウスAさんは、どんな体質なのか?
当然、イレウスBさんは、体質的には全く違う可能性があるので、選ぶ漢方薬も変わるはずです。

漢方の診断は、イレウスで終わりではありません。
イレウスは1つの情報として、そこから、その方の「体質」を分析します。ここから漢方のはじまり。

ただ、漢方薬のモノ自体は悪いモノじゃないので、イレウスの人の体質をロクに見ないでも多数の人に使い続ければ、中には、たまたま体質とあって、良くなる人も出てきます。
でも、これは、ただのラッキーであって、医学に基づいた治療ではありません。
新薬の場合は、薬理を分析してあるので、OKですが、薬理が不明の漢方薬でこれをやっちゃいけません。
医学は、一か八かではなく、治療方針の理論的根拠が必要なのです。
漢方は多数決でも占いでもないですから。

そういえば、何かで「多数決は真実の答えを隠す最も醜い方法」とか言ってるのあったな。

漢方は多数の臨床結果(たくさんの人に良い結果が出た)を元に選びません。
その選び方は、漢方とは真逆の選び方になってしまいます。
漢方は、同じ病名の人でも毎回、毎回、一人、一人、新たに分析していかなくちゃいけない、非常に手間のかかる医学なのですね。

漢方は西洋医学お得意のガイドラインが全く役に立たない医学です。

わざわざ「自分たちは漢方をよくわかってません。でも良さそうだから使ってるんです。そして、わかってないことをわかってますが、勉強してます」

って、うちの小学生のチビの勉強じゃないんだから「よくわかってないけど、がんばってるから!」って言われて、なおかつクレームつけられても・・・と思いました。

だから「漢方薬が良さそうだから、よくわかってないけど、勉強しながら使ってます」って言うんなら、お金を貰ってるプロなんだから、自分の中で確実に「わかった!」という自信がついてから漢方をやれば。と返事しました。いろんなセミナーに出席して勉強!勉強!じゃなくて、そこは講師レベルになれたら治療で使えばいいでしょ。

「勉強、がんばってるからっ!」て言われても、知識が乏しいという自覚があるのであれば、それは患者さんにとっては大迷惑ですよ。その場合は、趣味の研究として、やったほうがいいかも・・・


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2016年05月06日

漢方の核心である証はいつも誤魔化される

休みの日に体調を崩して、何かをできる状態じゃなかったので、おとなしく本でも読んでようと思い、久しぶりに近所の図書館に行ってきました。

そこで漢方のことを書いた子供向けのマンガを見つけました。
マンガといっても「本当のことをマンガを通して勉強する」みたいなの。

昔は、漢方の本といったら、ほぼプロ向けの手加減なしの専門用語で構成される専門書しかなかったのですが、今は、こども向けに漢方を教える漫画まであるのですね。

漢方という文化が徐々に廃れていくことが日々、気になっている僕としては、子供向けにこんな本があるのは、非常にいいことだと思いました。

ただ、漢方の本って大きく2つに分かれていまして、1つは「この病気なら、この漢方薬を使います」という典型的なマニュアル系の本と、漢方では病気をどう考え、体質をどう分析し、治るということをどう考え、そこに漢方薬はどんな位置付けで存在しているかという、まさに僕からすると「これぞ医学書」というパターンの本と2パターンあります。

いうまでもなく本格的で専門的なのは、後者の本です。
当たり前ですよね。
漢方も薬だけの話ではなく、いろいろな医学理論がありますので。

一般的なのは、前者のマニュアル系漢方薬の本です。
ネットの情報でもよくあるのは「風邪に葛根湯」みたいな、東洋医学理論もあったものじゃないマニュアル系の情報です。

子供向けなので、本格的!まではいかなくても、せめてマニュアル系漢方の本じゃなければいいなと思いながら、読んでみました。

本のストーリーは、よくある、子供が「漢方ってなんだろう?」というのを周りの大人や専門家に聞いて学んでいくという形式のものです。

本の冒頭も、誰に聞いても「漢方って何かつかめない・・・」みたいな疑問から始まっています。
この辺は確信をついているなと思います。
実際も漢方そのものが「誰にもよくわからない」みたいな状態になっていて、結構、嘘の理屈や説明が当たり前のように出回っていて、なんだったら、それが常識になっていたりします。

いろいろな業界がありますが、漢方ほど、嘘の理論の方が常識になっているジャンルもめずらしいと思います。

で、その後、本の流れはダメな方向になっていきます。
本の最初にツムラらしき漢方薬の袋のイラストが出てくるシーンがあるので「あちゃーこりゃダメだ!」と思ったのですが、案の定、本は最初の方からダメダメ。

「薬のことは薬の専門の人に聞いてみよう!」ということとなり、調剤薬局の薬剤師に漢方薬のことを聞きにいくのですが、現実は調剤薬局の薬剤師は、ほぼ漢方を知らないと考えて間違いないです。

ちなみに漢方専門薬局と看板を立てていても、ほとんどの薬局の先生は漢方の医学理論を知りません。
なので、薬局に漢方のことを聞きにいっても、まず無駄足になる可能性が高いです。
一応、勉強するためのマンガですが、いきなりフィクションのマンガになりそうです。

ただ、そこからの漢方に対する説明は、結構、ちゃんとしていました。
特に「漢方と西洋医学が決定的に違うところは、病気に対する考え方が違う」というところは、ちゃんと描かれていると思いました。

ところが、西洋医学とは考え方が違うといっておいて、いきなり「慢性胃炎には安中散」「こむらがえりには芍薬甘草湯」と、よくあるマニュアル系漢方の話。

この後、病院の先生にも聞いてみよう!とう展開で、病院の先生は、西洋医学は検査で病気の原因を調べ、その原因を取り除こうとすることだけど、漢方の場合は、人それぞれ違う、症状を見たり、漢方の診察は体質や症状を見極めて、その人の自然治癒力を高めていく方法で治していく。説明され、更に漢方は証という独自の体質感を見極めるために漢方独自の四診で診察していくと説明されています。

おー本格的じゃん!

と思ったのですが、話はここで終わっていて、本来は、その「証」(体質)を診断し、その証に合わせた漢方薬を選ぶのですが、その事には一切触れられず、そのまま、その部分はスルー。

この話で終わっちゃうと「体質に合わせる」とか言っておきながら、結局、肝心の治療では、「慢性胃炎には安中散」のように「西洋医学みたいに症状や病名だけで漢方薬を選んでんじゃん!」となっちゃいます。

漢方の問題っていつもココです。

漢方の歴史、漢方の病気や治療に対する概念、漢方の診断方法などは、どの本もうまく書かれているのですが、肝心の「証(体質)」の話になると、もやもや〜としています。

でも、実は漢方で最も重要なのは「証をどう見立てるか?」
言い換えれば漢方独自の理論で患者さんの体質をどう見立てるか?

これが重要なのです。
でも、これが医療現場で説明されてなかったり、伝えられていないのです。

結局、どこの病院も頭痛に五苓散とか、冷えに当帰芍薬散とか、病名や症状からのマニュアルでしか選んでいない感じです。

「あなたの証は○○で、この証を治療するには、○○の調整力をもった漢方薬が必要です」
という説明を聞いたことがあります?

もちろん、証は「病名や症状」ではないですよ。
漢方薬は病名や症状で選ぶものではないのです。
ちゃんとツムラの漢方薬のマニュアルにも冒頭に「患者の証を考慮して投与すること」と書かれています。

「証」は、今の病気や過去の病気、体全体の症状や生活環境からの状態などを「総合的に分析し判断した体質」の事です。

漢方薬の調整力も「効果」ではありません。
「証」を調整する役割です。

結局、その後の展開は、ツムラの漢方薬工場であろう工場のことばっかりで、最後まで、証(体質)のことに関しては出てきません。

なので、僕の印象では、この本は勉強するというよりもツムラの会社案内か何かに思いました。

ちゃんと「証」(体質)のことを一般の方に伝えられたらな〜と切実に願います。
漢方の正しい発展のためにも、ごまかしのような病名や症状で選ぶ漢方薬はやめて、証をきっちりと説明し証で漢方薬を選ぶようになれば、漢方はもっと効果を上げると僕は思います。


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2016年04月19日

ウソだらけ!?の漢方に騙されないためには

東京相談会、終わりました。
毎回、たくさんの方に来ていただいて感謝感激です。

折角、ご予約いただいたいのに予約がいっぱいでとれなかった方、すみません。
次回は7月にやります。

で、相談会を終わるといつも思うことがあります。

それは、病院の漢方に対するネガキャンがすごいなと。

当の病院は、全くそんなつもりなく全力でやってるのかもしれないのですが、古法、日本漢方と伝統的な漢方を実践している僕としては、一般の人に誤解を与えるような漢方治療をするのはやめてほしいなと切に思います。
実際、僕が漢方相談していると、病院のやり方や説明と全く違うので、こっちのほうがウソの漢方をやっているように思われるんじゃないかとヒヤヒヤです。

思いっきりネガキャンです。
それも町医者とかでなく、東京の人が聞けば、誰でも知っていたり、全国的にも有名な〇〇医大みたいなところで、「それ漢方の理論に全然のっとってないよ」っていう治療を平気でやってます。

誤解されないように言っておくと「僕の方が漢方を知っている」とか「僕の方が治せる」とかじゃありませんよ。

漢方は東洋医学ですが、東洋医学の法則にまるで則っていない治療を当たり前にやっているので、ネガティブキャンペーンに見えます。
病院は一般の人に影響力があるわけだから「治る」とか「治らない」以前に、東洋医学としての漢方をちゃんと広めてもらいたいなと思うのです。

そんなわけで東京の方々から、正しい漢方治療とはなんなの?という質問がよくありますので、
僕なりに、おかしいと思う点を具体的に説明したいと思います。

患者さんから、お聞きした話は、東京のどこどこ医大でのお話ですが、あまりに有名で名前出しちゃうとまずいので、名前は出しません。
ただ、これらの病院は、漢方外来を紹介する雑誌のページなんかにのっていて、そこのページを読んでたら、まともに漢方しているかのような印象は受けます。

他の病院での漢方相談の様子を聞いた時に一番、びっくりしたのが、一度、漢方薬を処方した患者さんが再来院されて、何も体調が変わっていなかった時に医者が「おかしいな、治るはずなのに・・・」というセリフを言ったいう話。

これ、漢方ではありえません。
西洋医学のお薬は、あらかじめ効果が決まっていて、その人の体質によって効果が変わることがないので、例えば頭痛を緩和する鎮痛剤は、事前にほぼ効くということがわかっています。

だから「頭が痛い」という状態を根本的に治るかどうかを別として、痛み自体は誰が飲んでも、かなりの高い確率で緩和されるはずなのです。

これは、今の時代だったら別に医者の薬を選ぶ力量でもなんでもなく、単純な1つの症状に対して、1つの効果が対応しているようなものなので、なんでも検索ができる現在は誰だって、薬を選ぶことができます。

ところが、漢方薬は、あらかじめ効果が決まっている薬があって、その症状がある人にその効果の漢方薬を処方するのではありません。ここが大きく西洋医学と違います。

漢方治療は、最初に、その人の体質どう見立てるか?というところから始めます。
これは絶対です。そして「体質」は「病名や症状」のことではありません。

わかりやすく、ごくごく単純に説明すれば、
漢方は冷えている人には温める漢方薬を余分な熱がある人には冷やす漢方薬を処方すれば、体質と合っていたこととなり、この時に始めて効いたことになります。

西洋医学のように単純な1つずつの症状なら、まず最初の見立ても、ほぼ必要ありません。
頭痛は頭痛だし、アトピーはアトピーです。
頭痛には鎮痛剤をアトピーにはステロイドをとアホでも処方できそうな感じです。

しかし漢方は、症状1つごとに漢方薬を対応させて処方したり、病名に対応させて処方したりしません。

漢方は冷えている体質だったら実体温が低いとか、手足の冷え性があるとか、そんな単純な分析もしません。
冷え1つとっても、体が弱っていて、冷えているタイプとか、頭痛も冷えが原因の頭痛、熱が原因の頭痛、水が原因の頭痛など、いろいろとあります。これらがマーブルのように混ざっていることもあります。

そして、これを一番、勘違い?しているんじゃないかと思うのが、人の体質って冷えなら冷えだけとか、熱なら熱だけなんてまずありえないのです。

上半身は熱がこもって下半身は冷えて、気が滞っていて、水の巡りはちょっぴり悪いみたいな状態が当たり前です。

大概の人が悩みの症状が頭痛だけであっても、頭痛だけでは体質を分析したことにならないのです。
病院の漢方を聞いていると、とにかく単純に見ようとする傾向があるようです。

体のいろいろな部分のいろいろな状態のことを漢方では「証」とよびます。
これは医者が使うツムラのマニュアルの52ページにも書いてあります(今はページ数が違うかも)

証は一人の人の体に対して複数あります。
体が全体的に弱っている証である虚証、手は冷えないが足は冷える下焦の証、消化器機能が弱っている脾虚の証、月経前や月経中にいろいろな症状に悩まされる瘀血の証。

一人の人に3つ、4つの証が存在し、これら、全部を合わせて1つの体質になります。
そして、漢方薬はこの体質に対して、その体質の各証を調整する漢方薬を1つだけ厳選して選びます。

なぜ、体質を形作る体質の各要素のことを証と言うのか?
この証は証明の証なのです。

だから、漢方薬は、体質を分析し、体質を診断し、調整目標が決まり、その調整目標通りに治った時に証が証明されたことになり、その時に初めて、「その漢方薬が効いた」ことになります。

だから「おかしいな、治るはずなのに・・・」というセリフが出るはずがないのです。
もちろん、僕も治すつもりで体質を分析し、その体質を調整し、病気や症状を治してくれる漢方薬を全力で選びますが、漢方薬は方針通りに良くなって初めて「治った」と証明されるので、実際に飲んでみて治らないこともあります。

その時は「治るはずなのにおかしい」のではなく、漢方薬を処方する側の先生の最初の体質分析自体が間違っていたか、それに対して選んだ漢方薬が間違っていたか、その両方か、患者さんの急激な環境変化があったのか、治っているんだけど、その調整過程で悪いように見えるのか。

漢方薬が効かない理由なんていくらでもあるので、処方した後に治らなかったら「おかしいな、治るはずなのに・・・」なんてセリフどころか考えすら思い浮かばないはずです。

全然、治っていないなら、いろいろと見直さないといけないのです。
下手したら、最初の体質の見立てから。

東京で相談会に来られる方からは、漢方の病院でそう言われたということをよく聞きます。

「おかしいな、治るはずなのに・・・」
こういう発想が出ること自体、治療の方法が西洋医学の発想と一緒で、漢方薬も新薬のように製薬会社が事前に証明した、誰にでも効く決まった固有の効果があると勘違いしているのではないかと思います。

でも、現在は症状、病名に漢方薬を対応させたメーカーのマニャルやネットの漢方情報があるので、何千年も前から良いとされている医学が、そんなアホで単純なわけないと思うのですが。

理論の本だけでも膨大にあるんですよ。
体質を診断していくために勉強する本だけでも何年でも勉強できます。

そもそも最初の体質の分析だって、飲み終わるまで先生も患者さんも、わからないわけだから「おかしいな、治るはずなのに・・・」ってセリフは絶対に出てこないのです。

病名や症状に合わせて処方する漢方薬とか、症状や病名だけ見て、証を判断しないで処方する漢方薬とか、ひどいのは漢方薬を選ぶための問診すら特別にとらない漢方とか、こういう明らかに東洋医学にないウソの漢方治療でウソの漢方の常識を広めるのは、やめてほしいと願います。

特に東京で名前の通った大学病院なんだから、腕のあるなしでなく普通の東洋医学をしましょうよ。


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2016年04月06日

良い漢方相談の条件を考えてみた。

「漢方相談してみたい!」と思っても、どこに相談すればいいのか迷いますよね。

漢方相談というと街の薬局さんという感じがしますね。

漢方相談とう看板自体は、調剤専門かドラッグでない場合は、大概の薬局さんが揚げていたりしますので、何も考えなければ、そこらで漢方相談を受けようと思ったら可能なわけです。

ところが、ところがですよ。

現実は、どこの薬局も「薬局=漢方相談可能」みたいに見えますが、実はほとんどの薬局さんは、漢方相談ではなく漢方薬を医薬品として取り扱っているだけで東洋医学としての相談はできないというのが悲しい現状です。

薬局以外で漢方相談となれば、次に思い浮かぶのは病院ですが、正直、記事に書くまでもなく論外です。

病院は東洋医学の問診もとらないし、相談の時間も取らないし、漢方相談の根本的な基本もやってないので、良いとか悪いとかの判断のしようがないというのが僕の見解。
良いか悪いか以前に漢方として始まってもいない感じ。

例え、病院で漢方治療の才能がある医師がいたとしても、あの時間のとれない環境じゃ、能力が全然、発揮できないでしょうね。
結局、本気で漢方をしている医者は保険適応でないのが、それを現しているように思います。

といった具合に、実は漢方の治療を受けてみようと思っても、初歩的な東洋医学としての漢方をやっているところすら、ほぼないのが現実です。

相談の実際の中身は素人の方にはわからないので、店が朝鮮人参の瓶がおいてあるいかにもなところや、認定漢方医や国際中医師みたいな、どうでもいいような飾りっぽいバッジを指標にして選ぶしかなくなります。

今は、僕のようなブログを書く人もいますのでブログの記事が良い店か、悪い店かの判断材料になるかと思いますが、それもこの業界では大半の人は、人のよさげな記事を平気でパクったり、漢方の専門書をほぼ丸写しみたいなことをやってます。

要するに言ったもん勝ちみたいなダメな業界なのです。
そういう僕も、言ったもん勝ちみたいな記事になっちゃってますが、自分自身では、伝統的な手法を踏襲して、体質を判断し、漢方薬を合わせているつもりです。
病名や症状に合わせて漢方薬を処方するような詐欺占い師みたいなことはしてません。

現実はそんな状況で、漢方や東洋医学の治療ってわかりやすく説明するとなんだろうと考えたのです・・・

いろいろな漢方薬を知ってること。
いろいろな病院の薬を知ってること。
いろいろな病気や検査のことを知ってること。

どれも必要だと思うし、どれも治療者としては必須ですが、漢方医に最も必要なことではないような・・・

僕は漢方医に最も必要なのは、情報整理能力だと気づきました。

漢方は化学的な検査をしません。
漢方薬を選ぶ際には、体質を判断しますが、その体質は、患者さんの自覚症状という情報を材料にして分析します。

この唯一の情報である自覚症状という情報が間違っていたら・・・実はちゃんとした漢方薬は、選べないわけです。

もし足が冷えている。というのが嘘だったら・・・

漢方薬はざっくりと説明すると冷えている人には温める薬でプラマイゼロにして治療するわけです。

冷えているというのが嘘だったら、冷えてない人に温める薬を体内に入れるわけですから、余計な熱のせいで、のぼせたり頭痛が発生したりと副作用が起こります。
漢方薬の副作用は、体質と合っていないと起こるのです。

病院の薬みたいに、たまたま起こる人もいる。みたいな感じではありません。

「でも、治してほしい患者さんが自分の症状について嘘をつくはずないじゃない!」

そりゃそうです。嘘はつきません。
でも、以外とみんな自分の症状には曖昧なんです。
それほど、細かく認識してないし覚えてません。

今朝、すごく冷えこみが強かったら、その晩に足が冷えてますか?と聞かれると、しょっちゅう冷えていますと答えちゃうのです。
嘘をつくつもりはないのですが、性格によって、他のマイナスイメージに引きづられて症状を言ってみたり、ほぼ意識していないけど、質問されたから答えてみたりと、結構、曖昧な部分も多かったりするのです。

でも、漢方薬は、冷えるのなら、この漢方薬。熱があるなら、この漢方薬。みたいな、わかりやすい二択ではありません。

冷えでも「足も手も冷えて、身体全体も寒気を感じやすい」とか「足しか冷えない」とか「足は冷えるけど、ある条件で回復する」とか、冷えや痛みなども何段階も何種類もあり、漢方は素晴らしいことに、何段階もある冷え、何種類もある冷えごとに対応しています。

逆に言えば、冷え一つとっても細かく調べる必要があります。

だから、自覚症状はなるべく正確に細かくとる必要があるのです。
冷えも、今の時期は寒暖の差があるので「前の冷えこんだ寒かった時はどうだった?」「温くなり始めた今はどう?」など、その変化と詳細を分析する必要があるのです。

そこから僕が考える漢方相談に必要な最初の第一の重要な能力は患者さんと一緒に自覚症状を整理する能力が重要だと考えます。

自覚症状を正確に把握し、その情報を元に漢方の知識や経験で体質を判断していけばよいのですが、漢方薬を選ぶための正確な問診がとれなかったら、漢方相談は始まりもしないのです。
それができないと漢方医の治ると思い込んでる処方を押し付けることになります。

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2016年03月23日

漢方は食べ物、西洋医学は覚せい剤!?

世の中の身体を良くする手段として病院の手術や薬、漢方薬、薬膳、サプリメントなどが代表的ですね。

これらの治療手段は、それぞれ、どう違うのか?
よく、うちの患者さんから質問されます。

これらの違いを化学的だったり、観念的だったりといろいろな方面の理屈をこねくりまわしてお話できるのですが、一般の人が治療として考える場合は、どういう属性のものかをスパッとわかるのがよいと思います。

そこで本当に簡単に説明すると西洋医学の薬は覚せい剤。
漢方薬は食べ物です。
そして、薬膳は当然、食べ物に入りますが、サプリメントは効果の考え方が西洋医学の劣化版といった感じです。

西洋医学の薬が覚せい剤?と疑問に思うかもしれませんが、治療の考え方が覚せい剤と同じなんです。
というか、病院の薬は治療の考え方も作り方も方向性は覚せい剤と同じです。

治療の考え方としては、覚せい剤は、実際はどんな感じになるのかやったことないからわかりませんが、薬学理論的に考えていくと、自分の意思とは無関係に気分が高揚したり、疲れを感じにくくなったりするわけです。

自分の意思とは関係なくというのがミソで薬自体が身体の働きを強制的に変えることができますので、いわゆるラリっている状態に変貌するわけですね。

これは、病院の薬も原点の考えは同じです。
西洋医学の薬は、基本的にその人の持っている体内の自然な働きを無視して、人工的に作り出した薬の力で身体の働きを変えてしまうわけですね。

だから、逆に言えば「どんな体質の人にでも、すぐに効く」わけです。

鎮痛剤は、薬の強制的な力で痛みを伝えようとする物質を働けなくして痛みを緩和します。
アレルギー剤は、薬の強制的な力で免疫反応を起こそうとする反応をカットして免疫反応が起こらないようにします。

覚せい剤と共通するキーワードは、どちらも人工的に個人差を考えずに無理やり身体の働きを変えるという点です。

そして、薬の材料は、人工的に精製したもの。
実は覚せい剤は、漢方薬の生薬である麻黄の中のメタンフェタミンという物質から抽出されたエフェドリンという物質をさらに化学合成したものです。

病院の薬も元は自然界の植物などから成分を抽出し、それを化学合成しています。
だから、考え方としては病院の薬も覚せい剤も同じなんですね。

サプリメントは食べ物を原料にしていますが、考えは覚せい剤や病院の薬とよく似ています。
食べ物の中の効果のある主成分だと思われるものを抽出しエキス化しています。

病院の薬もサプリメントも主成分だけを濃くしていけば、強くなって治してくれるという発想です。
それが本当なら、サプリメントだけで食生活が事足りすはずなのですが、サプリメントだけでは生きていけません(昔に1ヶ月間、サプリメントだけで生活した実験がありましたが、病気にはなりませんでしたが、衰弱していました。おそらく年単位では健康を保てないでしょう)

漢方薬と食べ物、薬膳は、覚せい剤の発想とは真逆です。
そもそも、麻黄を麻黄のままで使っている時点で真逆ですね。

漢方では、自然界のものには無駄がないと考えます。
ですので、食べ物も自然界から得たものをそのまま使います。

西洋医学で「主成分」と定義しているものは、あくまで現時点の分析技術で勝手に決めたもので、時代が進み、研究が進めば、あれは毒だったなんて話は、西洋医学の薬の世界ではめずらしくもありません。

だから漢方薬、食べ物、薬膳は真っ向勝負。
何千年と良いと確認されてきたものをそのまま使います。

どれが主成分でどれがいらないものなんて、そんな傲慢な考えで勝手に取捨選択しません。
全てが必要なもの。

その上で、どうやったら効果的に治せるかを考えられてきたのが、漢方薬です。
漢方薬は、強制的に変えることのできる強い効果で体内の働き自体を変えようとは考えていません。

その人の体内の働きのクセ(それが体質)を分析し、そのクセに沿って、その人の自然治癒力が働きやすいように調整、応援します。

それゆえに西洋医学の薬のように効果が明確ではありません。
体質を無視して効いたり、すぐに効かせるのも難しいです(急性病は体質と漢方薬が合えばすぐに効きますが)

それは当たり前なんです。
漢方は人工的な強い効果で体内の働きを無理やり変える気がないからです。

漢方薬で効果を見る場合は「効いたか?」「効かなかった?」ではなく、体質に沿って、良い方向性に進んでいるかどうかを身体の症状全体から判断していきます。

なので、病院がやってるような病名や特定の症状だけにスポットを合わせて漢方薬を処方している方法は本来の漢方から見たら間違いです。
そんな治療方法は漢方、東洋医学には存在しません。

考えが違いますので、漢方薬で治療する場合は、根元の考え方から変えていかないと漢方薬は、まともに扱えません。

食べ物は言うまでもなく生きていくために絶対に必要なもの。
薬膳は、食べ物と漢方薬の間のような感じですね。
それに薬効の強い生薬や食べ物で構成されているのが薬膳です。
治療の側面もありますが、食べ物と治療が半々な感じです。

なんか生薬が入ってたら薬膳ではなく、基本的には漢方薬と同じで薬膳も体質に合わせます。

漢方薬は薬効のある生薬だけで構成されたもので、積極的な治療が目的です。
体質を見誤ったり、漢方薬を合わせ損なったりすれば、副作用を起こしたり、悪い方向に体質を変えてしまうというリスクも出てきます。

だから、しつこいようですが、病名や症状だけで漢方薬を合わせてはいけません。

うちではこんな感じで患者さんに説明しています。


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2016年03月08日

漢方薬にはエビデンスがないのか!?

本当にごくたまに、このブログに「あなた、医学のことを何もわかってないよね」的なコメントが来ることがあります。

おそらく医者のコメントの感じですが、どうも大きな勘違いされているようなので、ちょっと説明しようと思います。

僕は別にこのブログで正しい医学についての論議がしたいと思っておりません。
そもそも、絶対的な正しいなんて誰が決めてるんだという話ですが。

自分の病気の治療や漢方に対する思いを綴って、それに共感してくれた人が、うちの相談に訪れてくれたら、嬉しいなと思って書いています。

そんな文句や揶揄っぽいものの中に「漢方ってやっぱ、怪しいよね。なんで効くのかよくわからないもん」みたいなのもよくあります。

これもコメント欄だけで説明しようと思っても物理や化学の観点からだけでは説明できないので、コメントでは僕は返信しません。
そもそも、ブログの目的からいけば説明する必要も感じていないのですが。

確かに漢方薬に西洋医学でいうところのエビデンスというものがありません。
漢方は何千年の結果論を体系化したものなので、化学的に成分的にどうたら、こうたらというものが治療上、必要ないからです。

人間の身体は人それぞれですが、それでも延々と皆、それぞれ体質が違うということはなく、いろいろな種類の体質はありますが、似た様な体質のグループというものは存在するわけですね。

それらを東洋医学理論的にまとめて、診断したり、処方したりしたのが、漢方です。

アメダスとか温度系とかで明日は雨です。と予報しているのは科学的な根拠です。
仮に過去4千年間の日本の天気の結果のデータがあり、そこから、今日の要素をインプット→その要素を考慮して経験値から明日の予報をするのが漢方みたいなものです。

みなさん、ご存知のようにアメダスなどの人工衛星とかの科学データとか引っ張り出しても結局、なんだかんだハズします。

お薬もそうですね。
添付文書には化学的臨床によって、理論的に証明が書かれています。
こんな効果がある!と断言されていて、化学的にはっきりしているから一見、間違いないように見えますが、結局、思ったような効果を感じない人もいますし、そんな風に治ってほしいんじゃない!と思っている人もいます。
真の結果は容赦なく残酷です。

何よりも副作用です。
エビデンスがしっかりしているとか言いながら、どんな人だったら副作用になるというのは推測できないのです。
推測できるのは素人でもわかりそうな肝臓の悪い人とか、他の大病を患っている人とか、
「そんなのおまえじゃなくてもなんとなくわかるわ!」みたいな感じ。

余談になりますが、お湯が沸いたらピーッ!ってなるケトル。
あの音がなるメカニズムって、この最近、科学的な理屈がわかったんですよ。
なんと100年以上も理屈を説明できなかったのです。
要するにエビデンスは、なかったけど「便利だから使ってた」のですね。

なんか漢方っぽい。
漢方は自然思想理論からの根拠は説明できますけどね。

病院はエビデンス、エビデンスと言いますが、皆さんが使用しているもので、一見、科学的に見えているものも「実は、なぜそうなるのか、かわからない」ってものは多いのです。

病院のお薬から1つ紹介しておこうと思います。

サラゾピリンというお薬です。
潰瘍性大腸炎なんかに使われるお薬です。

メーカーの添付文書はこちら。

このお薬のエビデンスは・・・
不明。効果不明。
潰瘍性大腸炎の原因も不明だし、効果も不明。
(これ、僕が言ってるのでなくて薬の添付文書です。
3Pに書いてあります)

でも、良い結果も得られるから使ってる。

潰瘍性大腸炎で最近、使われているのはペンタサです。
ペンタサは化学的メカニズムがはっきりしているのか?
していません。
簡単に言えば、サラゾピリンの副作用が少ない版です。

実は、このお薬だけが特別でなく、効果が化学的→生理学的にはっきりとわかっていない
薬は結構あります。
しかも、わかっていないけど、なんだか結果を得られるから使われています。

これもなんか漢方っぽいですね。
ただし、漢方は、そもそも西洋医学と効果の考え方が違うし、三陰三陽、気血水弁証、臓腑弁証、その他モロモロで、ちゃんと診断すれば、自然科学的理論的には説明がつきます。
東洋医学的な問診をとらないで、マニュアルだけで漢方薬を処方していたら説明できないと思いますが。
だって、誰かがデタラメに近いようなマニュアルを受け売りでやってるだけだから。


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2016年02月24日

増加!?しているインフルエンザ患者さん

今年のインフルエンザってキツいらしいですね。
こんな記事がありました。

インフルエンザ患者 過去10年で2番目に多い

職業柄、風邪やインフルエンザの方も相談に来られますが、体感的に確かに今年は多い感じだし、年々、増えているような気がします。

ちなみにうちは「インフルエンザ→麻黄湯」のようなベタな単純マニュアル処方ではありませんよ。

で、過去10年で2番目に多いという内容に少し違和感をおぼえました。
僕が子供の頃は学級閉鎖なんて、小学校6年間で何回もありませんでしたし、インフルエンザにかかること自体がちょっとめずらしい感じでした。

「3年前に1回、インフルエンザになったけどキツかったわ〜」みたいな会話をしていたように思います。

ところが、最近は、子供がかかったら家族全滅とか、学校の話を聞いていると冬の学級閉鎖や冬はクラスで複数の人が常に休んでるなんて半ば、当たり前な感じです。

何が違和感って、昔はインフルエンザの予防注射は、ほとんどやってなかったのに、今は誰もがインフルエンザの予防注射をする時代。
なのにインフルエンザになる人は増えている感じ。

誤解されるといけないので、僕は「予防注射は体に悪い」とか思っている派ではありません。
単純にインフルエンザの予防注射が当たり前になってきているのにインフルエンザの患者は増えているんだなと思った次第です。

もちろん、昔は病院を受診する人が少なかったから、表の数字として見えなかっただけかもしれないし、インフルエンザだと診断する技術も低かったからかもしれない。ただ単に見え方の問題だったのかも。

でも、予防注射が当たり前になって、インフルエンザになる人も当たり前になってるのもなんとも皮肉だなと思います。

予防注射もインフルエンザの型、全部に対応できるわけじゃないから、型を外せば、なるときはなるでしょうから、予防注射とインフルエンザ患者さんが増えている感じとは関係ないかもしれません。

まー実数を調べても今も昔も本当の患者さん達の実数は確認できないでしょうから、あくまで体感の感想です。

ちなみに僕は予防注射はしません。
なぜなら、ただ単に針が嫌いだから。

それに漢方薬でなんとでもできますので。
この6年か、もっと前からインフルエンザになった記憶がありません。
もしかしたらなった時もあるかもしれませんが、漢方薬を投入しまくるので、ただの風邪だと思っていたのがインフルエンザだったかもしれません。

しつこいようですが、麻黄湯だけで治しませんよ。

それで、うちによく「インフルエンザにならないようにするにはどうしたらいいですか?」という質問があるのですが、予防をしようと思ったら、実に地味で単純なことを忘れないように実行するしかありません。

感染症なので、とにかく「うつらないようにする」こと。

他人がいるところでは、マスクは、かならずすること。
それもドラッグの特売で売ってそうなハンカチのような薄っぺらいのではなく、しっかりしたもの。

ショッピングモールや電気屋さんなどは気をつけたほうがいいです。
なぜか、子供の持ってるウィルスは、なぜか強い感じがあるので、特に子供がたくさんいるモール系は気をつけたほうがいいですね。

手洗いとうがいも必須です。
手を洗った後は、できたら鼻の表面もさっと水で流したほうがいいです。
鼻うがいまでは必要ないです。
後、うがい薬は使わないほうがいいと思います。
日本の水は塩素がたくさん入っているので、出したばっかりの水なら、それで十分です。
うがい薬まで使うとかえって悪くなることもあります。

ここまでは普通に奨励されていることですが、この普通のことを徹底しないとつけこまれますよ。

漢方的には2つすることがあります。
1つは首にタオルをひっかける。
風門と言うツボを温めるのですね。
この時は夜遅くに外にいないようにすることも大事です。

もう1つは消化器を大事にしないと一気にやられます。
風邪やインフルエンザになる前って気づけないくらいの微妙なだるさや疲れがあるはずなのですが、その時点から気をつけて、油ものや味の濃いもの、生ものを食べないことです。

西洋医学では胃腸の不調って軽いレベルに捉えられていますが、漢方では消化器を脾とよんで、胃腸のダメージをかなり重要視します。

食欲があると回復できるチャンスはありますが、ここがやられると全部がガタガタになりますので「なんか、ちょっとしんどいかも・・・」という時から食べるものやアルコールなど、身体の負担になるものに気をつけましょう。

後、水分を普段よりも少し多めにとって、オシッコにいくようにしましょう。
漢方ではインフルエンザを治す方法として発汗によってウィルスを追い出しますが、体力がない場合は、利水としてオシッコを出させることによって治す方法をとることもあります。
そこは漢方なので「体質によって」ですね。

麻黄湯は発汗法を使うもので、体力のあるタイプに使いますが、麻黄湯で発汗法を使うとかえって悪くなる体力のないタイプないし体力のない時には利水方法でオシッコをたくさん出させる漢方薬を使います。

もうすぐ春ですが、最後に風邪をひかないように養生しましょう!


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2016年02月19日

鍼灸師の漢方薬のアドバイスはアテになるのか!?

最近、鍼灸師について奇妙な話を2件、聞きました。

1件は、電話でのお問い合わせで、その方は、ずっと前から鍼灸治療してもらっている先生に小柴胡湯を飲んだ方がいいと言われ「ドラッグなど方々を探し回ったが、どこも売ってなくて、漢方専門の先生のところだったら売ってますか」というもの。

もちろん、柴胡剤の基本剤である小柴胡湯は売ってますが、うちは基本、体質を総合的に判断して最適な漢方薬をお選びしています。
漢方薬名指定でもお売りはしますが、どうせ、買うのであれば、体質を専門的に見ないで買ってしまうのは、もったいないのでは・・・と話しましたが、鍼灸の先生には、小柴胡湯を飲めと指示されたとのことでした。

小柴胡湯ならツムラでもなんでもいいんですか?と聞いたら、鍼灸の先生からは特にどこのものの漢方薬でないとダメという指定はなかったようです。

小柴胡湯と指定した割には、良い品質のものを買ったほうがいいという指示はなし。
漢方薬は西洋医学のような人口化学物質ではないので、品質の差は、都会のスーパーの特売の魚とキレイな海辺でとれた魚ほどの差があります。

なので、漢方薬を処方する際は、名前さえあっていれば、どこの漢方薬でいいということはありえません。
東洋医学的な体質を分析し最適な漢方薬を選ぶことと同じくらい、どの品質の生薬や漢方薬を使うかも漢方治療に含まれる重要なポイントです。

もう1件の方は、鍼灸治療している先生から「補中益気湯をすすめられたけど、その方が、防已黄耆湯だとダメですか?」と聞いたら手の平返したように僕にはわからないので、漢方の専門の先生に相談してくれ」とのこと。

じゃあ、最初の補中益気湯なんなんだよ。って感じですね。

どちらも漢方に対してテキトーすぎますよね。

実は僕はずっと鍼灸治療は否定していました。
否定していたのは鍼灸治療自体がダメだというわけではなく、家族が家の周辺の鍼灸治療を実際に受けたり、うちの患者さん達の数々の鍼灸治療の経験、長年、鍼灸治療院の受付をしていた人がうちの患者さんだったりしていたので、そういった方々からいろいろ聞いて、東洋医学として、まともに治療してる人いないじゃん!というのが僕の結論でした。

しかし、以前に指を怪我し、有名な整形外科で一生治らないと言われたものを知り合いの鍼灸の先生に治してもらいました。

正直、鍼灸ってすごい!と思いました。
しかし、その先生に鍼灸業界のことをお聞きするとやっぱり前と同じ結果でした。

鍼灸治療はすごいけど、まともにできる人はほとんどいない。
僕らの漢方業界と同じで漢方薬局をしているお店、鍼灸治療をしているお店は一杯あるけど、東洋医学として本格的に治療できる人はほとんどいない・・・

実はその鍼灸の先生とは今、一緒にコラボして治療をしています。
その先生とは、東洋医学の専門用語そのままで、こちらから患者さんの体質を伝えても理解されるので連携治療がスムーズです。

悲しい現実ですが、何十年と漢方薬局をやってる先生でも証(東洋医学的体質)を専門用語で話すと理解できないのが現状です。

実は先生と僕が知り合ったのは、先生が漢方薬のことを知りたくて、うちに来たのがきっかけでした。
それから、鍼灸と漢方の勉強を互いに教えあっているのですが、お互いにわかったのは、基礎知識として把握はできるが、それぞれ、治療レベルでは到底理解に及ばないということ。

それで、鍼灸が必要な場合は先生のところで、漢方薬が必要な場合は僕のところで、それぞれの専門を生かしてコラボ治療をしましょうということになりました。

同じ東洋医学なので、ある程度、鍼灸にも漢方にも共通する証は分析できますが、実は微妙に違いがあります。

鍼灸だけの証(体質)の分析で漢方薬を処方するための証(体質)の分析はできないのです。逆もしかり。
だから、僕たちは、治療自体は別々にしています。
僕は鍼灸のことに口出ししないし、先生も漢方薬のことには口出ししない。

でも、冒頭のお問い合わせの方の鍼灸師達は、自分1人で漢方薬の処方も決めています。

そこで、その先生に鍼灸師が漢方薬のことをすすめているらしいんだけど、鍼灸師が漢方薬の事ってわかるの?とお聞きしました。
先生に聞いてみると、鍼灸学校の時にちょこっとだけ、漢方薬のことを学ぶらしいからです。

もちろん、治療レベルじゃないですよ。
本読みレベルらしいです。
先生曰くは、おぼえた知識だけで「適当に漢方薬のこと言ってんでしょ」との話。
日本人の好きな机上の理論、知識だけ。ですね。

でも、これ東洋医学だと非常に危険。
なぜなら、漢方薬は「○○の効果で治す」というものではありません。
実際に漢方薬を処方していると体質と漢方薬が合っていなくて副作用が出たり、いろいろな経験を経て体質と処方の経験値や勘どころを養って治療精度を上げていきます。

それは、同じ東洋医学の鍼灸だって同じ。
いろいろな体質の方の治療経験から治療精度を上げていくのです。

東洋医学というのは、どちらも経験を糧に腕をあげていくのですね。

なので、漢方薬と鍼灸のそれぞれの専門を尊重し、コラボしてやっている僕たちとしては漢方薬のための証(体質)を分析せず、自分自身で選んだ漢方薬も渡さずに漢方薬のこと指示している鍼灸師は、東洋医学の捉え方がお勉強スタイルなのかな?
そうなると漢方薬の方だけでなく鍼灸の方も危ういんじゃないかと思ったりします。

うちの患者さんでまともな鍼灸治療を受けたいという方は、ぜひ、お問い合わせください。
僕らは、よくある売り上げ的な業務提携ではなく治療提携でやっていますので。


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2016年02月05日

ひとりひとりに合わせた漢方薬と英語学習

「英語が苦手」は脳の部位同士のつながりのせいかも
http://www.gizmodo.jp/2016/01/post_663872.html

英語の上達はその人の脳のクセ(個人差)によって変わる。
英語習得には一人一人違う、自分にあった学習方法が必要かもといった内容ですが、
記事を見た時に英語を勉強している身としては一瞬「そうなんだッ!」と思いましたが、次の瞬間、考えてみたら当たり前といえば当たり前じゃん!と思いました。

日本の学歴社会って、なんか机の上でやる勉強だけは、みんな同じ方法で努力すれば、うまくいくみたいなイメージがありますよね。
だから「英語の上達度は脳の個人差だよ」みたいな記事が珍しいネタの記事として成立するのでしょうが、考えてみたスポーツや音楽なんて、最初から個人差ありきですよね。

プロ野球選手、プロのギタリスト、プロの料理人・・・
勉強はみんな同じような勉強をして、努力次第でいい大学にも行けるというイメージが定着していますが、プロ野球選手なんて、物心ついた歳なら、ほとんどんの人は最初からなれると思ってないと思いますよ。

それは、個人差を知ってるから。
選ばれた人間がなれるのです。
まーこれ認めちゃうと身も蓋もないですが。

だから英語の学習も一緒ですよね。
「その人の脳のクセで上達できる人が決まってる」と言われてもなんら不思議ではありません。

脳には個人差があって、脳も人間の体の中の臓器の一部です。
その臓器に個人差があるわけですから、当然、他の臓器にだって個人差があるわけです。
だから、治療にしたって、この英語学習と同じで、一人一人のその人にあった治療方法が必要なわけです。

この記事からいくと僕のイメージでは、西洋医学は学校の英語の授業です。
しかし、英語習得には脳の個人差があるわけですから、学校で平均的に教えてもダメなわけです。

学校の授業で習得できる人もいるし、習得できない人もいる。
現状の日本人の英語の実務能力からいくと、どうも学校の英語の授業は、ほとんどの人が学習方法と脳が合っていないようですね。

結局、勉強も治療も人間は、その人の独自に合わせたものでないと成果を得ることができないということですね。

では、なぜ、学校という形をとるのか?
当たり前ですが、一人一人の脳の状態に合わせたレッスンなんてやってる時間がないからです。
理想は一人一人に合わせること。
だから、僕は漢方治療は理想の治療じゃないかと思います。すみません。漢方オタクなもので。

だから、プライベートレッスンはどんな分野でも高額で価値あるものになります。

西洋医学の薬は個人の体質に合わせてるわけじゃありません。
学校と一緒で平均的に成果が上がるであろうと考えられる部分をとってるわけです。
学校の英語の授業。

そこから考えれば、漢方はいわば、プライベートレッスンです。
たまに西洋医学は人工化学薬で漢方は自然でやさしい薬とポワンとしたイメージを持っている方やひどいのになるとそう考えている先生がいますが、

漢方は脳の個人差じゃないですが、その人の体のクセ、その人だけの体質を見て、治療方法を決めるわけです。

だから漢方薬は体質に合わせて選びます。
また、根本的に治るためには日々の生活で気をつけることや逆に率先してやったほうがいいことなどもあります。

それも個人差。どこまでいっても個人差。
個人差に合わせて総合的に治るアドバイスをし薬を処方するのが漢方なので、正にプライベートレッスンですね。

なので、東洋医学の問診をとらないで漢方薬を処方するのは、個人差を一切、考えない英語学習と同じで、現実の結果を見ていると、あまり成果が上がりそうにありませんね。


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2016年01月06日

慢性病では自分に100%合う漢方薬は存在しない

新年なので「お屠蘇は東洋医学では・・・」と書いてしまいたいところですが、そんな、どこにでもありそうなコピペを書いてもしょうがないので、平常通りでいきたいと思います。

今回は、うちの患者さんからよくある質問に対しての答えを書きたいと思います。

漢方薬は体質に合わせるものです。
このあたりは、一般的にもだんだん浸透していますね。

実はこの「漢方薬と体質合わせる」というものは、非常に深い意味があります。

大半の病院や漢方薬局の現状は、一般的には某漢方薬メーカーさんからもらったマニュアルに従って「病名(西洋医学)」に合わせて漢方薬を処方しています。

ちなみに本来、漢方薬と西洋医学の病名は何の関係もございません。
先生方が簡単に漢方薬を処方しやすいようにするため、西洋医学の病名と漢方薬を結びつけているだけです。

ちょっと漢方理論をかじっていたとしても「体質」の意味を取り違えているのか、「症状」をいくつかあてはめて「この漢方薬が合っているんじゃないか」と「漢方薬を合わせて?います」

症状は確かに、あなたの体質に、つながるものですが、症状はあなたの体質を形づくる情報の1つでしかないのですね。
全身のいろいろな症状や生活環境、ストレス、過去の既往歴、血縁の方の病気など、いろいろな、あなたの情報を教えていただいて、その情報を東洋医学理論で加工したのが、漢方で言うところの「体質」となります。

「風邪」に葛根湯とか、不妊症に「当帰芍薬散」などの単純な世界ではないのです。

病院ですら、体質のことを誤解しているようなので、世間ではもっと誤解されている感じがあります。

一般的には自分の体質に合う漢方薬がどこかに存在していて、それを見つければ後は、何ヶ月か続ければ症状がドンドン治っていく。
そんなイメージがあるようです。

しかし、これは間違いではないのですが、現実は少し違います。

ここで先ほどの病院などの漢方薬の選び方に戻りますが「風邪」とか「頭痛」とか単一の症状だと確かに、その状態にピッタリと合う漢方薬はあります。
基本的に単純な症状で急性病な感じですね。

ところが慢性病になってくると漢方では1つ、1つの病気や症状に漢方薬を1つずつあてはめていくものではなく、病気、症状、状況、状態をすべて総合的に考え体質を診断して、原則は1つの漢方薬を選びます。1つの漢方薬を合わせるといってもいいでしょうか。

この時に漢方の場合は、全身の症状をお聞きしていますので、すべての症状にあてはまる漢方薬なんてものは存在しません。
体質は個人の顔のように皆違うからです。
単一の1つの症状だと漢方薬を合わせやすいのは、1つの症状だけが治るかどうかを見ていればいいのですが慢性病はそうはいきません。

だから、漢方では転方というものがあります。
要するに漢方薬を一定期間で変更していくことです。

この時に僕なんかは最初から100%ピッタリの漢方薬が現実には、なかなか存在しないことを知っているので、どの部分から治していかないといけないかを考えます。
身体と病気のパズルみたいなものですね。

漢方薬は新薬と違って、1つの漢方薬がいろいろな方向性の効果を持っていますので、その方向性のうちのどれが特に有効に効いていくのかは結果が出るまで、わからないのです。
なぜなら、漢方薬の効果の方向性は、あなたの体質との相性で決定されるからです。
ですので、漢方薬を飲まれる前に体質を分析し、何から治すべきか、何から治していけば最短になるか、治療方針を考えます。

そして、実際に漢方薬を飲んでもらいます。
そして、その結果を細かく教えてもらいます。
「あの症状はこうなった」「この症状はああなった」と事細かに。

この時に現実では、アトピーの方が湿疹がましになってきて、食欲は増したけど頭痛が出てきたなど、良くなった部分と悪くなった部分が、ちぐはぐに出てくることが多いです。現実は。

くどいようですが、1つの症状だけに注目していれば、例えば頭痛なら、その頭痛がなくなったかどうか、0か1ですが、漢方は全身の症状をお聞きして診断しますので、皮肉な話ですが、詳しくお聞きして本格的に漢方理論で治療しようとすればするほど、漢方薬を飲んだ結果、矛盾した症状が現れてくるのですね。

普通の反応はこういう状態が多いのですが良くなった部分と悪くなった部分がいろいろあると、その漢方薬は果たして体質と合っているのでしょうか?合っていないのでしょうか?

長年の経験から僕が出した答えは、慢性病に関しては、元から100%ぴったりと体質に合う漢方薬なんて、まずないということです。
おそらく、そんなものを探していたら永遠に病気は治りません。

ですから、漢方薬と体質と合っているかどうかの条件は、一般の考えとは異なります。

漢方薬と体質が合っているかどうかの条件は、
@事前に体質を元に立てた治療方針の方向性に進んでいるかどうか。
A今の漢方薬で全身、全く変化がないか、どんどん悪くなっていないかどうか。

あなたが一番、悩んでいる症状が治るのは絶対条件ですが、漢方は新薬のように、その症状を一時的に緩和したり、なくしたりと一時的にしのぐことが目的ではありません。
その症状と繋がっている根本的な問題を引きずり出さないといけないのですね。
そのためには、その時、その時に悩んでいる症状がなくなったどうかだけでなく、他の全身の症状の変化とのバランスをみていく必要があります。

漢方治療の大原則は、一時的な症状の抑制ではなく、全身のバランスを整えて結果、細かな症状をなくしていくことですから。

自分が悩んでいる症状が治っているから、その漢方薬が自分に合っている場合もありますが、他の部分の他の症状が出てきていたらバランスを崩しているわけです。

ただし、急性の病気の場合は、症状が少なく体質も複雑になっていないので、体質と漢方薬をピッタリと合わせることができますよ。
病態によって、まちまちではありますが、僕の経験では2ヶ月位前から始まった病気や症状なら、状態も単純なので、漢方薬と体質がピッタリと合い、すぐに治ります。
これより前から病気が続いていると、そうはいかなくなりますね。

後、100%合っていないと治らないのではありません。
ある漢方薬で40%、次の漢方薬で20%と漢方薬を変更している途中も治療になっているのが漢方です。

ちゃんとした漢方の治療をしたい場合は、自分の気になる症状だけが消えるかどうかでは考えないほうが結果的には早く治ると思います。
posted by 華陀 at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする