2017年11月24日

サプリメントと漢方薬どっちがお得?

不妊症やアトピー、腸内環境や便秘などの問題、そして花粉症や高血圧など今、悩んでいる病気を治すためにたくさんの種類のサプリメントを飲んでいる人がいます。

また今、病気じゃないけど、漠然と免疫をアップしたいとか、ガン予防したいなどでサプリメントを飲んでいる人もいます。

うちで漢方治療する場合、基本的にはそれまで飲んでいたサプリメントはやめてもらっています。

なぜか?

それは意味がないから。

漢方薬局の中には、漢方相談と言いながら、その相談の中身は、ただいろいろなサプリメントを勧めているだけ。というところがあります。

漢方薬は生薬というもので構成されていますが、生薬を使っている商品だったら漢方薬ではありません。
漢方薬と説明しながら、実はある生薬をエキスにしただけという漢方もどきの健康食品は漢方薬局の中の商品に一杯あります。

これは、漢方薬の方がサプリメントよりも効果が高いとか、そういう問題ではなく、漢方薬を処方したら、それで「漢方」ではなく、漢方薬とサプリメント(漢方もどきの生薬サプリメント含む)との違いは、医学理論がしっかりとあるかどうかです。

言うまでもなくサプリメントには医学理論はありません。
効果などの研究データがあるじゃないかと思うかもしれないですが、あれは当のサプリを売っている会社が自分達で勝手に大学病院などにお金を出して良い効果のデータっぽいものを発表しているだけで公式のものではありません。

病院の薬は何十億円とかけて効果などを研究し、公式に効果が認められないと「薬」になれませんが、サプリメントは自分の会社のデータを勝手に出したもの勝ちで別に公式に認められなくても、そのデータを餌に販売できます。

本当は、そのサプリメントを売りたいと思っている当の会社が差し出した効果のデータを本物か偽物かを考えるのはあなた自身が考えなければいけません。

サプリメントの効果の研究データも病院の薬のような感じで、どんな有効成分があるのだとか、その有効成分にどんな科学的な効果があるのかの研究データとなり、考え方は病院の薬と同じですが、かけている研究費等は病院の薬と比べるとサプリメントは研究にお金をかけていないに等しいので、病院の薬の劣化版で廉価版ともいえます。

「あのサプリメントの効果は、こんなすごい大学の研究データがあるからすごいんだよ」みたいに話している人を見ると裏事情を知っている僕からすると「うわぁ〜しっかり騙されてるわ」と思います。

漢方薬も自然のものだから、副作用が少なく、それでいて効果があるので、サプリメントと近いようなイメージを持つ人が多いですが、全くの別物です。

先ほどもお話したように漢方は効果を比べるのではなく漢方には医学理論があります。
サプリメントは元々、医療的に治療目的で使うものではなく、いわば、ほとんどがただの食べ物。
医学理論は後からくっつけたような会社勝手なデータらしきものがあるだけ。

漢方は効果がどうとかではなく、漢方には体質診断や副作用に対する対応方法など、漢方薬を生かすための医学理論があります。

生薬をサプリメントにしているものとも違う点も正にここで、体質を診断し病的体質である証の調整方法を考えることが漢方の治療のミソであって、漢方薬自体の効果がどうたらこうたらと考えることではありません。

なので、生薬に血の巡りを促す効果があって・・・などは、漢方の医学理論に則っていないし、医学理論のない生薬は民間療法的なレベルで使うことになるので、その場合の生薬は漢方ではなく、ただのいい加減系サプリにもなりかねません。

うちでは、病院がやっているような漢方の医学理論を無視し自分たちの都合のよい病名マニュアルで漢方薬を処方するようなやり方はしていません。

漢方薬をできるだけ正しく使い、できるだけ本当の効果を引き出すために病的体質を分析、診断し、その病的体質をどう調整すれば治療できるか、東洋医学理論に則って治療方針を考え、最適な漢方薬を選んでいます。

効きそうな効果の漢方薬を選ぶのではなく、漢方は人それぞれの体質の分析から入らないと漢方治療として成立しません。

サプリメントはどんな体質の人に合うのか、そんな理論や情報は一切ないし、効果の研究も病院の薬と比べたら、ひどい劣化版で、その人の体質が良くなるのか?悪くなるのか?理論的に全くわからないので、よくわからないのであれば、お金を出してまで余計なことをする必要がなく、ゆえにうちで治療する場合は、サプリメントは全部やめてもらっても問題ないと言ってます。

またサプリメントは食べ物由来のものが多いので、だったら、食事を整えればいいだけです。
それができないからサプリなんだと言うのであれば、根本的な生活を改善できない人が根本的に治るわけがありません。所詮、付け焼き刃。

栄養素などはたくさん摂ったから良くなるわけでもなく、良くて体から無駄に捨ててるか、体質に合っていないものをたくさん摂って、より悪くなっていることもあります。

サプリメントは便利ですが、良いものかどうかは別です。ただ単に便利なだけですよ。

そうは言っても、もう一つ疑問が残ります。
では、漢方薬をサプリメントのように飲み続けてもいいのか?

答えはイエス!

しかし、条件があります。それは日々の体調に合わせた漢方薬を選ぶ必要があります。

漢方薬は栄養素ではなく薬ですので特定の効果が決まっている薬ではなく「病的体質を調整する薬」です。

ここでの病的というのは西洋医学の病気や病名ではありません。
特定の病気を診断されてなくても体のどこかに不調であれば、病的体質です。

漢方薬は大きな病気であろうと小さな1つの症状であろうと、その病的体質を調整して治療します。

漢方では病気を治すことと毎日の生活の中での不調や症状を治すこととは同じ治療方法です。
なので、体質をしっかり分析していれば、むしろ飲み続けたほうが、サプリメントのいるか、いらないかわからない栄養素の補給なんかよりも体のメンテナンス能力は段違いです。

病院のようなド素人でもできる病名マニュアル処方ではテキトーすぎて飲み続けるのはかえって危険ですが、体質を調整する目的での漢方薬なら飲み続けることができるし、サプリメントなんて目じゃないです。


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2017年11月17日

病院の薬と漢方薬の「副作用」という不都合な真実

病院の薬を続けたくないというのは誰でも思うところだと思います。
高齢の人で医療に対して無知で古臭い考えのままの人は「薬は治してくれるもの」と無条件に信じている人が多いようですが、今の若い人で普通の感覚の人はネットの情報のおかげもあるのか、病院の薬って無条件にいいものではないということは理解されているようです。

そういえば、医者の薬の処方の仕方をみていると、薬が「無条件に良い」的な感じに考えているように見えますが、医療の専門家でありながら、まさか薬に対して無知ではないと思うので、お金儲けのために無条件に薬は良いと信じているフリをしているのか、それとも、そのまさかで薬に対して実は無知だったりするのか・・・どっちに転んでも嫌ですね。

みんな病院の薬は嫌だと思います。
そして、その具体的な理由はなんでしょうか?

副作用があるから?
化学合成品だから?
効果が一時的でどうせ症状が再発するから?

多分、全部だと思いますが、今回は副作用のことを取り上げたいと思います。

「薬の副作用」
多分、あなたの感覚では「薬を飲んでいたら時々、運悪く起こる作用」と考えていません?
医療の専門家である医者も医療素人の方と同じようにそんな風に考えている節があります。

実は副作用というのは、もう一つのりっぱな効果なんです。

例えば鎮痛剤は@痛みを取る効果とA胃粘膜を荒らす効果の2つの効果があります。
鎮痛剤を飲んで胃痛などが起きれば、鎮痛剤はバッチリ効いているということ。

だから、鎮痛剤を処方する時は同時に胃腸薬も一緒に処方されますよね。

保険適応って安いからあまり深く考えずにお金を支払っていると思いますが、良く考えたら、これって変ですね。

治して欲しいとお願いしたら、鎮痛剤という商品を医者から提案されたわけですよ。
「治るのなら、それ頂戴!」となりますが、提案されたのは実は「痛みは取るけど胃を荒らす」という未完成の欠陥商品みたいなものだったのです。

おかしいと思うのはセット販売してくる胃腸薬が無料だったら納得いきますが、欠陥品を売っておいて、さらにそれをフォローするための胃腸薬という商品も買わせているところ。

普通の商品なら「イヤイヤ、そんな欠陥品はいらないから、痛みだけとるものをください!」となりますが、そうはいっても良い効果だけの薬なんてないのです。

抗菌剤とビオフェルミンのセットなんかもそうですね。
抗菌剤は悪い菌をやっつけるのではなく、菌を根絶やしにします。
菌は実は良いとか悪いとかなくて、僕らにとって「良い」という状態は簡単に説明すれば、良い菌と悪い菌と呼んでいるものが半々みたいな「バランスがとれている状態」が良いのです。

良い菌が多かったら良いではありません。
抗菌剤は悪いもクソも良い菌ごと殺しますから、腸内環境はバランスの崩れた最悪な状態になります。
そして下痢になるのですね。

だから、抗菌剤も2つの効果があります。
@悪い菌をやっつけてくれる。
A腸内菌を荒らして下痢になれる。

鎮痛剤や抗菌剤なんてまだマシですよ。
良い効果が1つと悪い効果が1つと1つずつで、胃腸薬やビオフェルミン(ビオフェルミンで下痢が簡単に治るのか疑問だが)などを被せて飲むくらいですが、なんとか悪い効果は消せます。

ステロイドなんて最悪。
@炎症反応を抑えるとA免疫抑制しアレルギー反応を抑える。の2つの良い効果に対して、10個位の悪い効果があります。
悪い効果は多すぎるので、またの機会に詳しく書きますね。

ついでに書くとAの作用はステロイドを長期間、使っていると免疫が低下して、言わばバリアのない丸裸状態になるので、菌やウィルスにやられやすく、自分の持っている日和見菌のバランスも崩れて、自爆感染みたいになりますので、Aの免疫抑制は良い効果でもあるし長期間使えば、悪い効果に変わります。

これだとステロイドは1個の良い作用に対して11個の悪い作用ですね。
たった1つの「かゆみ」を止めるために体をいろいろ犠牲にしすぎじゃね?って感じ。

残念ながら病院の薬は実はどれもトレードオフの商品なのです。
トレードオフというのは「一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態 byWiki」という意味。

難しい言い方をしましたが、要は「あちらを立てればこちらが立たず」というのが病院の薬の正体です。
シーソーゲーム。だから通院が長くなると、いつまで経っても治りません。

医療者側の薬の説明には、どの薬にも「薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。」という説明があります。

まるで株などの投資商品のような説明ですね。
「株などの投資は、かならずしも儲かるものではありません」みたいな。

薬はこういったものしか存在しないので薬が悪いというわけではなく、問題は医者の説明の仕方や印象のつけ方です。

副作用には「副」がついているから、なんとなく弱い方のたまに起こる一時的な作用のイメージになってしまっています。

しかし実際は悪い副作用だって、良い作用と同じくらいの強さの効果なんです。
薬の添付文書などの作用機序を薬理レベルでみればわかります。
だから、鎮痛剤の効果には「炎症と止める」だけでなく「胃を荒らす」ことも同じレベルで含まれます。

そこをしっかりと患者さんに誤解なきよう伝えるべきだと思います。

うちの患者さんで病院の薬が増えた人に対して問診をとった時に前よりもいろいろな不快な症状が増えていて「なんか最近、いろいろな症状が増えてきたのです。なぜでしょうか?」と聞かれました。

なぜって、病院の薬のもう一つの悪い効果がバッチリ効いているのですよ。
ステロイドを塗り続けていて、むくんでいるならバッチリ効いてますよ!

病院の薬はどれもこういったトレードオフのものです。

そして、この流れでいくと漢方薬は「安心してください。漢方薬は自然のもので副作用がありませんよ」的になると思いました?

違います。漢方薬だって良い効果と悪い効果があります。

体質と漢方薬によれば病院の薬よりシャレにならないくらい悪くなります。

漢方薬の副作用は、体質と漢方薬が合っていない場合。
これ、元々の体質診断が間違っているというパターンもありますよ。

実に単純に説明すれば、冷えている人に冷やす漢方薬を選んだ時は副作用的な悪い効果を発揮します。

この時に「普通、手足の冷えている人に冷やす漢方薬なんて選ばないだろ」と思うでしょ?

漢方の体質分析って、症状まんまで診るんじゃないのですよ。
手足の冷えも単純に寒証といって冷えとして診る時もあるし、同じ冷えを血の巡りが悪くなって起こっていて、しかも、その血の巡りの悪さは血熱といって血が余分な熱を持ったからと診る場合もあり、この場合は、足の冷えがあるのに冷やす漢方薬で治します。

症状も冷えだけでなく漢方は全身をみますから、この調子で「頭痛」やら「寝つきが悪い」など何十個の症状をみていきます。

だから、専門でやってる先生でも体質分析を見誤ることなんてめずらしくないです。
ちなみに保険適応の漢方薬なんて、病名あてはめるか、症状あてはめるか、朝のテレビ占いレベルみたいなことしかやってないので、良い効果も悪い効果もクソもありません。
処方している医者がわかってないですから。

漢方薬もトレードオフの薬です。
しかし病院の薬のような薬自体が欠陥品ではありません。漢方薬はよくできています。
漢方薬の場合は薬自体ではなく体質に対してのトレードオフです。

「温める漢方薬は冷やさないといけない体質の人には効かないし副作用になる」

漢方の潔いところは病院の薬のように「副」作用とかいって悪い効果を姑息に隠してません。
そもそも、陰陽の法則から「誰にでも良い効果があるものなんて、この世に存在しない」という考えなんです。

だから漢方では正式には副作用という概念はありません。
「ある体質が治った人の漢方薬は正反対の体質の人には合わない」という考えが常識なのです。

なので「私の漢方薬の副作用ってなんですか?」と聞かれることがありますが、病院の薬みたいに「胃痛になります」「下痢になります」なんてものはありません。

その人の体質と漢方薬が合っていないゆえの副作用が出るので「あなたの体質と、この漢方薬だったら、合っていない場合は、○○が考えられます」と同じ種類の漢方薬でも人によって出るかもしれない副作用も人それぞれなんですね。

もし「私の漢方薬の副作用ってなんですか?」って聞いて「あなたの体質であれば・・・」と言わずに「あっ、その漢方薬の副作用は・・・」と体質置き去りで説明しはじめたら、その先生は実は漢方ができないニセモノです。

病院の薬も漢方薬でさえも悪い効果がない薬はありません。
逆に悪い効果がないものがあれば、体を変化させることができないということなので、良い効果もありません。


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2017年11月09日

漢方の根本的な医学理論を無視した病院の漢方薬

僕が大尊敬している先生の著書の中で「漢方は正鵠を射ることが必要」というくだりがあります。

正鵠を射るとは弓で的の中心を射抜くことで、その様から急所や物事の要点を正確につく意味として使われている言葉です。

大先生は「漢方薬は人それぞれの体質に合わせて選ぶので、その人の持っている体質の的のど真ん中を射抜かないと治すことはできない」とおっしゃられています。

この話、かなり確信をついていると思ったのは、的を射抜かないといけないのは、もちろんなのですが、漢方は「治療の方意」という大きな方向性というものがあって東洋医学的な病的な体質である「証」の診断をちゃんとしていれば、的のど真ん中の100点に当たらなくても、80点とか、60点みたいなところに弓(漢方薬)が刺さることもあるのです。

この80点とか60点とはあくまで漢方薬を飲んでもらう前に「証」を診断しているから採点できるのであって、漢方薬を処方する先生が勝手に点数をつけるものではありません。

あくまで漢方薬を1ヶ月など飲んだ後に患者さんの体がどんな風に変化したか、証とその変化の成績をクロスして評価することによって点数をつけることができます。

よく誤解されますが、漢方薬と体質が合っていて治る場合、患者さん自身が気になっている症状が病院の薬を飲んだ時のように「いきなりなくなる」なんてことはないので、患者さんが気にしている症状がなくなるか、なくならないかのオンオフでは評価しません。

それだったら、0点か100点しかありませんよね。
それはただのギャンブルで知的に考えられた作業ではありません。

ギャンブルだったら誰でも適当にやろうと思えばできますが漢方はギャンブルではないのです。

漢方薬は体質に合わせますが「自分と他人の体質が違う」「人、それぞれ体質が違う」というのは何をもって分けられているのでしょうか。

簡単に言えば、人とは違った「情報量」です。

例えば、顔は客観的にみれば、目が2つ、鼻が1つ、口が1つ、耳が2つ、髪や頭、輪郭で構成されています。
これだけだと人間はみんな同じ顔のように思いますね。
ところが、実際は顔は人それぞれ違います。

では、実際は何が違うかというと、どのパーツも微妙な長さや大きさ、色などが変わって、無限に近いようなパータンにわかれていきます。

性格もそうですね。
性格診断に代表的なものが血液型診断。
A型は几帳面で、B型はわがままで、AB型は2重人格でO型は八方美人みたいなステレオタイプな性格診断があります。

もうちょっと、それぞれの血液型に性格を付け足したところで、どこかで聞いたようなステレオタイプな感じは変わりません。

では、この性格診断は正確なのか?というと、もし正確だったら、人間は4つの性格しかないことになります。

言うまでもなく、性格パターンがこんなに少ないわけがなく、実際は人それぞれ、みんな性格が違います。
これも無限に近いパターンがあります。

どちらも自分と他人を分けているのは、たくさんの情報量の違いです。

病院では西洋医学の病名で漢方薬を処方します。

漢方薬は2000年前に中国で発祥し治療方法として使われてきて、西洋医学は200年位前からヨーロッパやアメリカで今のような服薬の治療方法が使われてきています。歴史は一桁、違いますね。

両者には全く、つながりも共通点もありません。
つまり、今の病院が行なっている保険適応の漢方薬の方法は本来の漢方からすると間違った方法となります。

漢方の成り立ち、西洋医学の成り立ちから見ても西洋医学の病名と漢方が何の関係もないことは、十分にわかりますが、更に西洋医学の病名と漢方が関係ないことは先ほどの顔や性格の違いの話からもわかります。

あなただけの体質は顔や性格と同じです。
同じ体ですから。

顔や性格は人とは違うけど、体質はみんなと同じなんてことはありえません。

西洋医学の病名は、2,3の条件があてはまったら「○○病」という診断になります。
例えば、アトピーは「繰り返す湿疹」というたった1つの条件。
無月経は「月経が長期間、来ない」というたった1つの条件。
不妊症は「なかなか子供を授からない」というたった1つの条件。

つまり、病名で漢方薬を処方するということは「あなたと他人に体質の差はありません」と言ってるのと同じこと。

漢方治療の人それぞれの体質に合わせるという原理原則を根本から覆していますね。
血液型診断よりヒドイです。もはや素人レベル。

いや病名だけでなく2、3の症状もプラスして聞いているという医者も、ごくごくわずかにはいます。

でも、残念ながら症状も他人と分ける、あなただけの体質ではありません。
症状もさっきの顔のパーツと同じで、人間は誰しも似通ったような症状を持っているのです。

女性なら「足が冷える、月経痛がある、お腹が冷える、頭痛がする」なんて、誰でもあります。

症状も「あるか?ないか?」ではなく症状と症状の関連、症状が起こる時の条件、複数の症状が起こってきた順序、それに生活スタイルや精神状態をミックスして、その人、独自の「病的体質である証」が分液できて選ぶべき漢方薬を考えることができます。

無月経の人を漢方薬で治療するのに「長期間、月経がない」というたった1つの情報だけでは人とは違う体質を分析できるわけもなく、そこにほとんどの女性が感じているような「足が冷える、月経痛がある、お腹が冷える、頭痛がする」という症状を付け加えたところで、あなたと他人をわける体質の差を見出すことなんてできません。

逆からみれば子供のアトピーも30代の3年キャリアの男性のアトピーも生まれてから20年以上続く女性のアトピーも全部、同じ体質ということになります。そんなわけないですね。

情報のない状態(病名)で漢方薬を処方するのは、あてずっぽうで処方しているだけで、漢方薬の本来の効果を発揮させることはないので、体質と合っていない時に起こる静かな副作用におびえつつ、いつか治るかもしれないという幻想に近いラッキーを待つしかありません。

漢方薬を選ぶのは始めて合った人の性格をできるだけ正確にあてないといけないようなものです。
知識はもちろんのこと、それなりの相談時間、鋭い観察力や洞察力、分析力が必要です。

「マニュアルに書いてあるから、この漢方薬だー」なんてバカみたいな医学ではないのです。

医者は病名と症状という情報量の少ないマニュアルだけをあてはめて、病気が治せるって本気で思っているなら、お金が目的でなければ、どんな頭をしてるのか不思議です。


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2017年10月20日

漢方薬が効かない人。漢方治療が向いていない人

時々、患者さんから「私は漢方薬が効かない人でしょうか?」という質問があります。
漢方薬は西洋医学の病名に合わせるものではないので、病院で原因がわからなくても治療できますから漢方薬が効かない人というのは、ほとんどいません。

効かないのは、処方する先生の体質の分析判断が間違っているか、選ぶ漢方薬が間違っているか、その逆か、その両方が間違っているから、効かないので、僕も含めて処方した先生の腕の無さというのが漢方の非情な掟です。

ちなみに病院の保険適応の漢方薬は、そもそも東洋医学的な体質の判断もしていないので漢方治療自体が始まってもいません。

「ただ漢方薬を適当に飲んでいるだけ」という状況なので漢方薬が効く、効かない以前の問題です。

保険適応の漢方薬で、なおかつ証(体質)判断もなく病名のマニュアルだけで処方されている方は、効かないかどうかよりも医者と一緒にラッキーを待っててください。
どうせ治療理論も治療方針もありませんので、漢方治療を進めていく根拠がありませんので。

こういった条件を抜いて通常の漢方治療で考えても漢方薬が効かない人はいます。

それは病院の薬を年単位で続けている人で高齢(経験上70歳以上)の人。
風邪を引いた時とか、月経痛でたまに鎮痛剤を飲むのはかまいませんが、降圧剤や利尿剤などを長年続けてきた人は、漢方薬を使っての根本治療が難しくなります。

なぜなら、漢方というか人間の治療というのは、実は全部、自分自身の自然治癒力で治しているからです。

例えば、骨折しても周りから補助はできても、骨をつくってつなげるのは自分自身がやってるのです。

病院の鎮痛剤や湿布はその都度、一時的に痛みを和らげる役には立ちますが「折れた骨が治る」ことに関しては1mmも役立ちません。

西洋医学も漢方も実は、自分自身が治しやすいようにバックアップしているだけなのです。治療の主人公は医者ではなく常に自分自身の中にある自然治癒力。

(ただし病気の中には薬を飲み続けないと体内の正常な働きを保てない特殊な病態は除きます)

漢方は西洋医学の人工科学よりも人間の自然治癒力の活かし方に長けているのです。

そして、病院の薬は長年続けていると体内の働きを歪めます。
この話をすると「体内にまだ薬の成分が残っているのでしょうか?」と言われますが、安心してください。
薬の成分は2,3日もすれば体内から抜けていきます。

問題は長年、自分の本来の働きでない薬の成分の力で体内の働きを歪めていることです。
病院の薬で歪めて誤魔化した結果、症状は一時的になくなるのですが、本来の問題(本当の原因)を棚上げして、薬の成分だけで体内のシステムを変えちゃってきたことです。

例えば、アトピーに使うステロイド剤は長期間使うと副腎が萎縮します。
元々、ステロイドは副腎が少量ずつ他のホルモンとの連携を考えながら分泌調整しているのですが、それがストロイド剤が多量に体に入ってきて他のホルモンとのバランスなんて無視して体内で働くわけです。
勝手に暴れるといってもいいかも。

それが長期間続くと副腎はうまく働けなくなり、だんだんと動かなくなって萎縮します。

ステロイド剤に限らず病院の薬は大なり小なり、この問題を持っています。
なにせ、薬の薬理が「体のどこかの一部分だけの働きを強烈に変更する」となっているからです。
ところが、人間の体は全部つながっていて何かの成分やホルモンは他の何かに影響しています。

体は「えっ肌がかゆい。じゃあステロイド10倍位だしときゃいいよ。あっ待ってやっぱ念のため20倍位にしといて」なんてバカなことやってません。
すごく繊細に他のホルモンの様子も見ながら調整しているのです。
でもこのバカなことをやってるのが病院の薬。

ステロイドはかゆみを抑えるだけでなく他にもいろいろな働きに関わってます。
本来、体内では分泌するはずがない量を強制的に体内に入れるということは、他の部分や他のホルモンとの連携がむちゃくちゃになるともいえます。

人間の体はロボットではないので、1つのホルモンが、体のいろいろなところに関わっています。
だから、自分勝手な量(ステロイド剤など)を好き勝手な時間に使用されても困るわけです。

※ただしステロイド剤などは急性で治療として必要なことはあります。問題は慢性症状にダラダラと使っていることです。

糖尿病は糖分の取りすぎなどで発現する病気です。

では、糖尿病と診断されてから糖分を控えたら治ります?
治りません。

もう手遅れなんです。糖尿病と診断されたら、もうその時に膵臓とか、いろいろの働きが変わっちゃってるのです。

今更、過剰な糖分という成分を抜いても、すでに体内の働きは悪く変わってしまい、その変化は変えることができません。
ガラスが割れるようなもの。2度と元に戻せません。

誰にとっても人間全体にとっても生きていくために不可欠な糖分。
そんな、そこらにある普通の糖分でも食べ方を間違えたら2度と治らない病的な体になるのです。

それが薬となると・・・糖分なんて目じゃないですよね。

なので、成分が体に残っているかどうかなんてどうでもいいことです。
指の骨にずっと何かが当たっているとタコになる。
プロのスポーツ選手はそのスポーツの動きに合わせて体に特有の歪みなどが出てきます。

別に薬を飲まなくても外的な影響でも体は少しずつ歪んでいきます。

漢方は二千年前から存在し、二千年分の人体実験の結果が叡智となっている治療方法です。

ありとあらゆる体質の人や病気、症状を治してきています。
2千年もやってきているので、あらゆる治療経験が詰まっているのですね。

しかし、その中に「病院の化学薬で体の働きを変えてしまった人」を治す経験がありません。
経験値ゼロです。

このタイプの人を治すデータが存在しないのです。
なおかつ、高齢で自然治癒力が衰えているとダブルダメージで最早、漢方薬で根本治療できる余地が、ほとんどありません。

漢方の自然治療理念からいったら病的体質ではなく「科学薬によって作られた異常な体質」です。

病院の薬を何年か飲んでいても高齢でなければ、薬を徐々になくしていき、同時に漢方薬で治療していけば、病院の薬を全く使っていない人よりは時間はかかりますが、最終的には根本治療できます。

ただし、この場合も最終的に病院の薬を手放せないのあれば根本治療は難しいです。
本当にかなりの時間がかかると思います。

うちの義理のおばあちゃんは90歳の頃から99歳の亡くなるまでに何度かうちの漢方薬で治療しましたが、どの病態も2、3週間で完治。最後は何の問題もなく老衰です。
病院の薬を続けて飲んでいた経験はありませんでした。

一方、何年と病院のいろいろな薬を飲まれてきて相談に来られた70代のおばあちゃんは、うちで漢方薬で治療を始めたら、たった2服目位から副作用のオンパレード。

うちは体質を分析判断してから、漢方薬を選びますので飲んだ後に「どんな風に良くなるか」「副作用があるとすればどんな風に出てくるか」を事前に予測しています。

しかし、こういった方は漢方理論がどれもあてはまらないような予期せぬ、副作用がジャンジャン出てきます。

だったらと薬性を一気に落として通常なら1、2ヶ月でジワジワと効いてくる穏やかな漢方薬に変更しても、1、2服で「なんでそんな副作用が!!」みたいな予期せぬ副作用が出てくるのです。あとはこれの繰り返し。

漢方は普通の体質の病気は大概のものを治せますが、長年の病院の薬の服用と高齢が重なると、どう治療してよいのかわからなくなるのです。

ちなみに病院の薬はどれも1回毎に飲んだごとに効くエビエンスがあるだけで、長期間、飲み続ければ、根本的に治るエビデンスなんか存在しません。
病院の薬は慢性病を飲み続けて治すように作られていないのです。

ましてや複数の薬との飲み合わせなると、もはや、良くなるのか?悪くなるのか?医者どころか作った製薬会社も未知すぎて分からないのです。

特にステロイドと心療内科系の薬の長期間の使用は歪な体質になっている人が多いです。
なので、うちでは廃薬ペースはその人のペースでいいですが根本治療したいなら最終的には病院の薬は廃薬が前提です。

これ、若い人だといいのですが、70歳以上になってくると、すでに病院の薬をやめられないところまできていることが多いのです。
簡単に言えば、病院の治療を続けた人は漢方薬で根本治療するには手遅れ。

ですから、うちでは70歳以上で病院の同じ薬を年単位で飲んできた人には、漢方薬での治療は、かなーーーーーーーーーーーーり難しいですよ。と説明しています。

これから、うちの患者さんには病院の薬を飲み続けないといけなくなった場合、「かならず最初に教えてほしい」と言っていこうと思います。
本当にその病院の薬を飲み続ける必要があるかどうかを検討する必要があるからです。

でないと、病院の薬の服用が長くなるほど、僕は治しにくくなりますので。

追記:いろいろ誤解もあったようなので追記です。
単に高齢だったらダメというわけではありません。病院の薬を飲んでいても先々で廃止する覚悟があれば、根本治療は可能です。
僕は西洋医学は好きですが、病院の薬と漢方治療ってものすごく相性が悪いのです。


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ラベル:漢方薬 病院の薬
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2017年10月13日

保険適応の漢方薬と実費の漢方薬の違い

ここで書いているブログは個人的な考えや思いもありますが、元のネタは病院や医者やネットの漢方情報に対する実際の患者さんの疑問だったりです。

年に二人もいない位レアですが、たまにトチ狂った医者か、病院や西洋医学の大ファンの人がブログに文句をつけてきますが、むしろ元ネタは患者さんが現場で体験し、心の中で思った真実を僕が代弁しているようなものなのでキツイことを書いているというよりも「王様、すっぱだかですよ!!」と親切に言ってるつもりなのですが、ごくごく一部の人には届かないようです。

うちによくある質問です。
「保険適応の漢方薬と実費の漢方薬ってどう違うのですか?」という質問の時に、ほとんどの人が「多分、漢方薬の質が違うんだろう」みたいに思いながら質問してこられるのですが・・・

これは当たっているようで的ハズレというか・・・

多分、サプリメントのノリで「品質がよければ、それだけ効きがいい!!」という感覚を漢方薬も同じノリで考えてしまっているんじゃないかと思います。

実際のサプリって中国から汚ったないコンテナで運んできた原料を「〇〇県産の上質のエキスが・・・」みたいに宣伝して売るのですが。

確かに品質の良し悪しは間違ってはいないのですが、重要度でいうと2番手です。

漢方薬において重要なのは品質よりも「体質と漢方薬が合っているかどうか」が最も重要です。
「体質と漢方薬が合っているかどうか」が最も重要です。本当に大事なので2回言っときます。

最も重要な「体質と漢方薬を合わせる」が重要度ランキング1位としたら、2位の「品質が良い」とは結構、離れています。

言い方を変えれば、最悪、漢方薬の品質が悪くても「体質と漢方薬が合ってたらそこそこイケる」ということ。

その絶対に外しちゃいけない漢方治療の重要なこと「1位 体質に合わせる」、「2位 品質が重要」を軽々とスルーしているのが、保険適応のツムラの漢方です。

体質は漢方とは何の関係もない西洋医学の病名マニュアルで処方する。
病院の悪しき漢方の習慣である病名漢方についてはこちらから ツムラが国民を欺いた「漢方」の大嘘Vol.1

品質、効果に至っても去年の週刊新潮で生薬の農薬管理を徹底していると言いながら現実は管理ができていなくてツムラの社員が自分の家族にツムラの漢方薬を飲ませたくないほど、農薬まみれになっているという記事がありました。

品質に関しては、現実にはわかりませんが、漢方業界では何十年も前から、ツムラの漢方薬が薄いと言われています。

友人で漢方相談と調剤薬局もやっている先生も自分で飲んでみても味というか効果は1/3位に思うとのことでした。

どれも個人の見解ですが、真剣に漢方相談している先生にツムラの漢方のことを聞けば普通に「効きが薄いよね」って申し合わせたようにいいます。そしてなぜか「みんな1/3位の感じ」と言います。

実は昔に堺市のツムラの勉強会で講師の医者が「ツムラの漢方薬は効きが薄いから重い病気は多めに使ったほうがいい」と言っていました。その時もなぜか「3倍量」でした。

そして、僕は実際、どうなのかを試したことがあります。
患者さんにスパイと臨床をしてもらったのですが、過去3人の患者さんで頭痛や鼻水、副鼻腔炎による鼻詰まりなど、わかりやすく治しやすい病気で、うちの漢方薬で症状が良くなったのを確認した後に5日ほど放ったらかしにして症状を再発させて、その後に病院に行ってもらい、ツムラの漢方薬を2倍量、3倍量と増やして飲んでもらったら、3人ともに「3倍量で先生のところの漢方薬の80%位の効果感がある」とのこと。

「80%って何?残りの20%の悪さって何なの?」とお聞きすると、効き始めるまでの時間とか、持続時間が、なんか頼りない感じだから、総合で20%引かせていただきました。とのこと。

そして、更にその後にまた漢方薬を飲まないで症状を再発させて、うちの漢方薬を飲んで、どう効いていたかという確認も行いました。

本当はどうなのかわかりませんが、実際にはこんな感じでした。
ツムラの漢方の品質に関してのブログはこちら ツムラの漢方薬は、なぜ効かないと言われるのか? その1

その時に患者さんが「もし、本気で漢方薬で治療したかったら結局、3倍量を出してもらって、漢方としての診察はナシに等しく、飲む苦痛も3倍、金額も3倍かかるから保険適応の意味がないっすね」って言っておられました。

思わず漢方薬の品質のくだりが長くなりましたが、漢方薬の場合は西洋医学の薬のように薬のある有効成分が何かの症状を抑えるのではないので、薬の力が強いかどうかが、良いかどうかとは関係がありません。

むしろ、漢方薬の効果の強さは、あなたの体質の漢方薬を受け入れられる強さとも合わせないといけないので「効果が高い=治る」にはなりません。

薬性と効果が強い薬はあなたの受け止める体質が弱く、漢方薬と体質のバランスがとれていなければ、漢方薬は毒薬と化します。

漢方薬はごく単純にいえば、冷えている人に温める漢方薬。
余分な熱がある人に冷やす漢方薬を合わせれば、体がニュートラルになって症状や病気が治るという仕組みです。

現実はやっかいなことに冷えているだけの人とか余分な熱があふれているだけの人なんて単純な人はいません。

実際は、足は冷えて頭はのぼせて、肝臓は熱をもって気は胸で滞り、水が下半身で溜まっているけど、首から上は水が不足しているみたいな複雑な体質で、しかも「冷えている」という判断も「足が冷たいから→冷え体質」にならず、実際の温度で判断するわけでもありません。

例えば「胃もたれ」でも「余分な熱が胃にこもっている」とか「胃が冷えている」とか「胃の気が停滞し機能が停止に近い状態になっている」など、いろいろな診断があり、しかもこの診断は処方した漢方薬で症状が治れば診断が合っていたことになるし、症状が治らなければ診断が間違っていた。という風に考えます。

だから、漢方と何の関係もない病名マニュアルで漢方薬を合わせたって意味がないわけです。

漢方薬は全種類、どれも良いもので悪いものです。
要は冷えている人に冷やす漢方薬を与えれば、それは毒なのです。
そのまま、それを体の余分な熱で困っている人に渡せば薬になります。

その診断が病的体質である「証」をみるということ。

さっきの漢方薬の品質としての良さと体質をみて漢方薬を合わせるというのは、料理が全くできない人に最高級の野菜などの食材を与えて料理してもらうのと、最高の腕を持ったシェフに最高級ではない普通の食材で料理してもらった場合、どっちのものを食べたいですか?ということ。

保険適応の病名マニュアルで処方している医者の漢方薬は言うまでもなく、料理が全くできない人。「切る→焼く→味付けする」ということしか書いてないアホみたいなレシピで料理したものです。

一方、食材が普通でも最高の腕を持ったシェフなら、めっちゃ美味しい料理をつくることができるのです。

だから、よく皆さん「やっぱり保険適応の漢方薬は品質が悪いですか?」とお聞きになりますが、問題はそこじゃなく、相談に1時間位かけてもらって東洋医学的な体質を診断するための問診も書いたかどうかが重要です。

品質なんてさっきの料理の話からいったら二の次。品質が悪くても体質をちゃんと診断して治療方針を考えて治療していれば、若干、時間がかかっても治ります。

実際、僕も昔に漢方薬局をお手伝いしていた時分に、時間はかかりましたが、ツムラの漢方薬でリウマチを治したこともあります。効果が弱いせいか時間はかかりましたが。

漢方薬の品質に関して「ドラッグのものはどうですか?」と聞かれたのでついでに説明します。
これも真実はわかりませんが、僕は昔、営業時代にドラッグさんと値段交渉していた経験がありますが、ドラッグは徹底して薄利多売で利益を出します。

なので経営上、高級なものを置けません。
また、ドラッグさんが想定しているお客さんも富裕層とかではなく、どちらかというと安いものを求めて来られる方が大半ですので店を存続させるマーケティング上「良くて高いもの」を置くと、在庫として、かえって弊害になります。セグメントが違うのです。

漢方薬は体質と合っていないと副作用になります。
つまり、どの漢方薬も良い効果があるし副作用にもなるので、東洋医学的な体質も診断できないし、東洋医学的治療を説明できない人の処方する漢方薬であれば「いっそ飲まない方が治療になります」と説明しています。


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2017年09月29日

ツムラが国民を欺いた「漢方」の大嘘Vol.2について

・週刊新潮 2017年09月14日号 40P〜  こちらでは”医者が漢方薬を処方していても実はその医師自体は漢方薬や漢方医学理論のことには詳しくなくツムラが売らんがためにつくった病名マニュアルで漢方薬を処方している。”といったことが書かれていました。

この記事の内容にあるように実際に保険適応の漢方薬を処方しているほとんどの医者はメーカーのつくったマニュアルで処方しています。

こちらの記事では本来の漢方治療では漢方と何の接点もない西洋医学の病名で漢方薬を処方する道理はないということを ツムラが国民を欺いた「漢方」の大嘘Vol.1について に詳しく書きました。

この週刊新潮の記事は以下の第2弾も出ています。

・週刊新潮 2017年09月21日号 44P〜  こちらでは”ツムラがいかに自社の儲けのために本来の日本の漢方を歪めていったかが書かれています。
漢方薬が保険適応になった当時は漢方の講義は行われていなかったようで教習所がないのに車が売り出された状態と例えられています。

実は医大では漢方教育は行われておらず漢方薬を売っている当のツムラが教育していたことや、その勉強会に参加した際に本格的に漢方を行なっている先生がツムラの勉強会で講師をしていた大病院の副院長に鋭い質問(方証相対の事)を投げかたところ、講師の先生が口ごもってしまい(文面からは恥をかかせた感じ)、その後、質問した先生はツムラの社員に「なんてことをしてくれたんだ、漢方界で食えなくしてやるぞ」と脅されたらしいです。

この「方証相対」については、質問した漢方専門の先生もツムラの勉強会の講師である大病院の副院長もどっちもどっちだなと疑問に思うくだりです。

「方証相対」は難しい概念なので、また別で書きたいと思います。

その後、ツムラによって役に立たない漢方専門医という地位が認定制度によって作られたのですが、これは審査も実力もクソもなく要はツムラにお金を払えば認定医になれるという粗いものらしいです。

ツムラの営業にお金を払ってまかせておけば、事務手続きみたいな感じでなれるということが詳細に書かれていました。

ツムラは大学にも次々に自社の儲けを寄付して、寄附講座というものを設けていき、お金を巧みに使いながら医学界に侵食していったとのこと。”

ざっと記事の内容はこんな感じ。

ツムラが自社が儲けるための病名マニュアル漢方薬処方の普及のために自前の都合の良い勉強会を全国で展開し、その結果、歪んだ漢方自体が常識になってしまったのかもしれません。

現に今も、医者は西洋医学の病名だけで漢方薬を選ぶための本来の問診もとらず、体質も分析せずに何のおかしさも感じずにツムラの漢方薬を処方していると思います。

患者さんも「なぜ漢方薬を選ぶための問診をとらないのか?」「体質の説明なんて一言も聞いた事がないけど?」と思ったとしても、まさか「医者」が実は漢方独自の診断方法や治療の考え方など何も知らずにメーカーのマニュアルだけみて漢方薬を処方しているとは夢にも思わないでしょう。

しかし、現実は週刊新潮の記事にある通り、ド素人でもできる「病名のマニュアルだけみて漢方薬を処方する」という漢方的にみたらウソみたいなことを平気でやってます。

自分が実は知らないのに知っているように見せかけて、売ってるって・・・いいのでしょうか。
(ちなみにこのツムラのマニュアル、僕は持ってますので、うちの患者さんで見たい人いれば、見せますよ)

医者は「国民だけでなく僕もツムラに騙されたんだ!」っていうかもしれないですが、普通の感覚だったら、漢方と西洋医学は違うものって気づくと思うのです。

「西洋医学の病名と漢方薬は関係ないじゃないか!!」と医者自身がツムラに文句言ってもいいくらいです。

でも、そこはスルーで「ツムラ自前の勉強会で勉強しているぞ!」と言うかもしれません。
薬を売るためのメーカーであるツムラの勉強会にです。

実は僕は実際にツムラの漢方の勉強会に何度か潜り込んだことがあります。
言うまでもなく「〇〇の病気には□□の漢方薬を使います」と記事にあったように権威のありそうな先生が、話していて、それを聞きにきた医者が必死でメモってました。

それが終わるとると次はある漢方薬の成分が化学的にどんな成分が含まれているかを化学式や数値のデータで説明します。

西洋医学の病名漢方薬の科学成分もどっちも本来の漢方理論とは何の関係もないアサッテの方向の勉強会。

これに参加したからってどうなの?って感じ。

ちなみに僕自身は漢方専門店に修行に行って、毎日、毎日、実際の漢方治療をしながら、その臨床とともに勉強させてもらいました。

自論になりますが、漢方は机の上の勉強じゃなくスポーツや楽器と一緒で実地と理論を一緒に勉強しないといけないものだと思います。

ツムラの勉強会といっても毎日やってるわけではありません。
あっても3ヶ月に1度くらいでしょう。実際はそんなにもないんじゃないかな。
これが勉強?しかも、講義は漢方と関係のない病名と漢方薬マニュアルのこと、化学成分と漢方薬のこと。

ツムラでない他の漢方専門の勉強会にも参加していましたが、正直、どこも漢方の本を説明しているか、どこかの先生が治療した経験を語っているかです。

漢方の治療という考え方、診断方法、病名や症状を当てはめるようなものでない東洋医学的な選び方などを教えてくれる勉強会はなかったです。
それっぽいことはやってるのですが、なんというか、本のことばっかりやって、いかにも机上論なんです。

サッカーやサーフィン、ピアノやギターを本だけ読んでうまくなれ!みたいな感じです。

ツムラでないもう少し専門的な勉強会にしろ、そうそう回数はありません。
いろいろなところを探したって月2回、参加できたらいい方じゃないですか。

この手の勉強会って聞いている時はわかった風に思えるでのすが、実際の現場では「どうやって体質を診断するんだー」って感じ。
日本ってこういう試験ありきのような暗記型の方式が好きですね。
サプリの勉強会は毎週ありますけれど。

僕も実際に治療させてもらいながらの修行(勉強)でなければ、西洋医学の病名で漢方薬を処方していたかもしれません。

あッでも僕は医者じゃないので、医者のように何も突っ込まれずになんとなくで誤魔化して押し通せるオイシイ状況がつくれないから、漢方専門ですって宣伝して、病名だけ聞いて「はい、〇〇漢方薬」って医者と同じようにやってたら3ヶ月で潰れてますね。

人間の体を根本的に治すのに西洋医学でやっているような一時しのぎの西洋薬を処方する病名マニュアルの方法を「漢方薬」に振り替えただけで根本治療になると思うのはあまりに考えがお気楽すぎないかと思います。

根本治療がそんな甘いわけがない!
西洋医学が200年(新薬系の歴史)かけて、いろいろと科学の力も使い、結局、一時しのぎの対症療法の薬しかできなかったじゃないですか。

西洋医学においては根本治療は未だ何もできていないのです。
なのに「一時しのぎの治療方法で漢方薬を処方する」こんなおかしな方法はありません。

ツムラのつくった病名漢方マニュアル以前にその人のことを何も知らないで病名マニュアルと2,3の症状を聞いて漢方薬を処方し続けていれば、いつか根本的に治るとそんな簡単に思っているなら、それはちょっと・・・お花畑すぎやしませんかと思う。
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2017年09月20日

ツムラが国民を欺いた「漢方」の大嘘Vol.1について

普段、雑誌、テレビなんか見ないのですが、患者さんから「先生、ツムラのあの保険適応の漢方薬の話って何なのですか?」なんて何人からも聞かれたので早速、雑誌を買いました。

週刊新潮 2017年09月14日号 40P〜
週刊新潮 2017年09月21日号 44P〜

正直、週刊新潮の「ツムラが国民を欺いた!!「漢方」の大嘘」という見出しを見た時、本来なら「そうだ!そうだ!それが真実だ!」と喜ぶところですが、なんか複雑でした。

なぜなら、僕は漢方を始めた当初から「医者は漢方のことは、ほぼ何も知らず、マニュアルでやっているだけ」と、このブログでも散々言い続けてきたからです。

僕が言い続けてきたと言っても「医者が西洋医学の病名や症状でマニュアル的に漢方薬を処方する」というのは、実は昔から真面目に漢方をやっている先生界隈では当たり前に知っていることでした。

医者に限らず、漢方薬局でも病名や症状だけを当てはめてマニュアル的に処方している先生の漢方を「病名漢方」「症状漢方」と呼び、こういう方法しかとれない先生の漢方のことを「なんちゃって漢方」と呼ぶのは僕ら的には半ば常識でした。

それどころか、昭和初期の昔の漢方の専門書籍の文中にも「病名漢方の誤治による弊害で・・・」なんて文も出てきたりで、昔からマニュアルでしかできない、どうしようもない先生というのはいるのだなと知っていました。

ちなみに「誤治とは誤った体質判断で間違った漢方薬を選ぶこと」ですが、西洋医学の病名や2、3の症状をあてはめて漢方薬を処方している医者や、なんちゃって漢方薬局は東洋医学的な体質判断すらしていないので、誤治にもならない、ある意味、無敵(気の毒な意味で)だと思います。

新潮の記事の内容を要約すると、一般の人は病院で漢方薬を処方してもらったら、誰でも「医者は、ちゃんと考えて処方してくれているだろう」と考えるかもしれないが、実は漢方のことなんて1mmも知らないでツムラから渡されたマニュアルをみるだけで処方していますよ。というもの。
(これって大げさな表現でなく本当に素人と医者に何の違いもありません)

それはレアケースではなく、そんな異常な状態にしたのはツムラであると。
ツムラは一時、倒産寸前までなりましたが、保険適応の漢方薬である医療用医薬品のシェアを獲得し、売り上げは回復します。

ツムラ復活の鍵になったのが、マニュアルだけで漢方薬が処方できるという方法です。
漢方の医学理論や漢方薬の薬学理論の知識を持たない医者でも簡単にマニュアルをみるだけで漢方薬を処方できるようにしたのです。

こんな方法は「歪んだ漢方」そのもので、ツムラ曰くはこの漢方を「日本独自に発展した漢方」と主張していて、北里大学にもツムラの宣伝が行き届いているのか、同じことをパンフレットに書いてあります。

本来、一人一人の体質に合わせる漢方薬を既製品化し、診断や処方の方法もマニュアル化し、それを日本独自と主張するとは嗤うしかない状態である。

というような内容で、この記事はゴシップでもなんでもなく、漢方という難しい分野をよく調べてあって問題の核心に切り込まれていると思います。

この記事のよいところは、ちゃんとツムラにもこの問題点について、細かく指摘した取材依頼書を送ったのですが、当のツムラからは<弊社は「自然と健康を科学する」という経営理念のもと、高品質な・・・」とパンフレットに書いてある宣伝文句の回答が送り返されただけらしいのです。

つまり、ツムラは逃げた → 書かれている問題点にしっかりした反論はできません。ということですよね。

この後は漢方薬の副作用のことが書いてあるのですが、これはVol.2にも書いてあるので、まとめてツッコンでみたいと思います。

さてさて、実は業界では昔から言われてきたことですが、実はこの問題って僕は漢方薬やツムラに限らない問題ではないかと思い、次の問題提起をしたいと思います。

そもそも、普通で考えれば、西洋医学と漢方は場所も時代も全く違うところで活躍している医学なのです。
なので、西洋医学の病名で漢方薬を処方する道理なんてありません。

では、なぜ、そんな意味不明な方法が医者にウケたのか?

実は僕もド素人で漢方を勉強したての頃は、体質診断なんて訳がわからないし、できないので、最初は西洋医学の病名では、どんな漢方薬を使うのかと勉強し始めました。

だって、その方が楽ですやん!
風邪→葛根湯とか、アトピー→消風散とか、不妊症→当帰芍薬散とか。

でも、さすがにそこまでお花畑脳じゃないので、一通り「病名=漢方薬」を覚えた時に「いや、そもそも漢方と西洋医学って関係ないじゃん!」って嫌でも気づきます。

漢方家でなくとも「漢方は人それぞれの体質に合わせるもの」みたいなことは最初からモヤ〜と知ってるので実は病名で漢方薬を選んでいる時も「いや、西洋医学の病名は、その人の体質じゃないし」って思っていました。

そして、漢方の治療概念や考え方、診断方法の勉強を進めていくと、どんどん、西洋医学から離れていっちゃって、勉強すればするほど、西洋医学とは似ても似つかないものになっていきます。

しかし、漢方治療の第一歩である体質診断は、マニュアルがあってできるようなものではなく、漢方理論を全部、駆使して診断していかないといけないようなものなので、病名漢方の次は、症状漢方に逃げました。

症状が、一人一人違う体質を表しているから症状に当てはめたら体質で漢方薬を選んだことになるよね。と勝手に思い込んで。
しかし、これも結局、病名でマニュアル的に選ぶことと根元の方法が変わらないのです。
そこに漢方独特の根本的な治療していく治療方針が欠落していたのです。

そこからは漢方修行中、実践で治療経験を積み重ね、自分や家族、今のお店で患者さんの治療経験を積み重ねながら、体質である「証」を分析し根本的に治療していく治療方針をつくることができるようになりました。

何が言いたいかというと、ツムラから西洋医学の病名で漢方薬を処方できるマニュアルを教えてもらっても、普通の感覚だったら「いや、西洋医学の病名と漢方薬、関係ないしょっ!」ってなるわけです。

ちょっと漢方の本に手をのばせば、西洋医学から見たら、意味不明、訳がわからないことで埋め尽くされていることに、当時のお花畑脳の僕でも気づいたのです。
医療のド素人の人が読んでも、西洋医学とは全く違うって最初の5ページで気づきますよ。

実際に真面目に漢方をやっている先生はそうやって病名・症状マニュアル漢方から離れて、その訳のわからない理論の勉強に突入していき、病名漢方をやっているのは「漢方家として恥ずかしいこと」とう認識に変わっていきます。

なのに、副作用があろうが、西洋医学の病名で漢方薬の処方することを続けられるのは、医者の元の性質もあるんじゃないかと思うのです。

来る日も来る日もアトピーにステロイド。工夫したってランクが変わるくらい。
花粉症や鼻炎、蕁麻疹にアレロック。
不妊症にクロミッド、HCG注射、ルトラール、ソフィアA。
無月経や月経困難症にバカみたいにピル。
ちょっと困った自体に陥ったら「手術しかないです」

普段の西洋医学の治療もマニュアルなんですよ。見事に。
僕が漢方家だから言ってるのではなく、僕も僕の家族もマニュアル以外の治療をしてもらったことがありません。

僕は医学知識があり、西洋医学の治療のガイドラインを知っているので、どこの病院に行ってもバリバリのマニュアルでやっているのがモロバレ。

そして、ガイドラインの流れのようにいかなくなったら、初回の自信満々、上から目線の説明が急に萎んで、ひたすら効くかどうかも分からない薬を出し続けて、漫然と薬の種類を増やしていくか、「手術しかないですね」の一言。

ちなみに僕は、1度、死にかけて、1度指の関節が曲がらなくなったことがありますが、どちらも病院の見解は「死にかけている原因がわかりません」「指は治りません」ということは自信たっぷりに宣言していただけました。

40年以上、生きていますが、今のところは医者に助けてもらった記憶が一度もありません。(救急、外科手術、歯科、産科には助けてもらっています)

病院の薬に関しては医者に処方されるまでもなく、事前に何を使えばいいのか、どんな作用機序なのか、わかっていますので、薬でよくなったことはありますが、病院(市役所)で処方箋という事務手続きをしてもらったようなものですね。

「マニュアルで治療」は言わば、医者の十八番。
ツムラは復活のために、見事にそこにマーケティング的に漬け込んだのでしょう。
いいかげんなマニュアル漢方処方になる下地は実は医者自身が昔から持っていたと思います。

ツムラも昔は部会によっては、地道に体質診断して治療方針を打ち立てて、漢方薬を選んでいくという勉強会をやっているところもありました。

でも、うちの相談もそうですが、実際に真剣に相談となると問診だけで書いてもらうのに20分かかることもあります。
そこから更に症状の1つ1つの状態を詳しく聞いていきます。
要は一人一人の体質に本気で合わせてたら、めっちゃ時間がかかります。

なので、漢方薬局業界でもそうですが、本当に漢方薬のみの治療だと滅多にちゃんとやっていけるほど売り上げは上がりません。
現に漢方薬局も専門とか言いながら、乳酸菌とか、深海ザメエキスとか、かき肉エキスなどのサプリを漢方とか漢方薬の補助とかいって、無理やりくっつけて売り上げを膨らませないとやっていけないところも多いのです。

医は仁術。聞こえはいいですが、実際はイバラの道。
ましてや上場会社のツムラの最も優先すべき目的な「売り上げ」です。
どれだけキレイ事を並べようが上場会社は立派な目標よりも、とにかく株主のために「売り上げ」を何がなんでもあげないといけないのです。

そういった背景もあるのか、昔の地道な勉強会もなくなっていきました。

残念ながら、人を治すことと商売は矛盾するのです。
だから倒産を回避するためとか売り上げ倍増を目的とすると治療はうまくいきません。
手前味噌にはなりますが、漢方は昔から宮廷系のお金を気にしないでよい位置づけか、町の個人の漢方でないと成り立たないのだと思います。

もちろん、うちでも存続のための売り上げは必要ですが、それ以前に患者さんから「漢方マニアの変態」と言われるほど、漢方が好きじゃないとダメじゃないかと思います。


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2017年09月01日

「先生のような漢方ブログはなぜないのか?」について

東京漢方相談会でいろいろと質問があり、僕も意外に思った質問があったので紹介してみようと思います。

タイトルにあるように「先生のような漢方ブログはなぜないのか?」という質問。

これ、自分でこんなこと言っちゃったら「俺様のブログすげーだろ!」って言っているように聞こえますが、あくまで患者さんからの質問で僕自身も「漢方に関するブログなんて、うちに限らず腐る程あるじゃん!」と不思議に思いました。
一応、お断りしておくと調子をぶっこいて、こんな記事を書いているのではありません。

質問の方は東京在住の方で、最初は僕のブログを読んでブログを読んだ後にネット相談してもらい、その後、わざわざ東京から大阪の堺の店まで来ていただいた。といった流れで、最初はうちのブログがきっかけなのです。

で、僕自身は他の人の漢方のブログなんて興味もないし、わざわざ他人のブログを調べることもないので「漢方」に関するブログなんていくらでもあるという漠然としたイメージしかありませんでした。

でも時々、漢方でわからないことがあるとネットで調べたりするのですが、そんな時にネットサーフィンの時にチラチラと他の漢方に関するブログを読むことはありました。

ネットで漢方のことを調べるとブログに限らず、大体のWebサイトが漢方の本の丸パクリみたいな記事や情報、あとは行きすぎちゃって気功系みたいなのと漢方が一緒くたになっている怪しげなものなどが、よく見られます。

時には「あっこのブログの記事、あの本の○ページの文、丸ぱくりじゃん!」なんてことに気づくこともあります。

よくあるのが「夏は五行論では長夏とよび、脾の臓が影響を受けやすく冷たい飲み物を飲みすぎたり・・・夏バテには補中益気湯や清暑益気湯が良く効きます」みたいな記事。

確かに改めて、こう質問されると「先生自身の漢方に対する考え」「先生自身の根本治療に対する考え」を書いているブログは、ほとんど読んだことがないので患者さんが、「他に先生のような漢方ブログはないのですか?」と聞かれるのもしょうがないのかもしれないと思いました。

逆にごくたまにバーっと本だらけの店内の写真をあえて見せて「漢方ってこうだぜ!どや!どや!」って、むしろ宗教的な怖さを感じる位に書き綴っている漢方ブログは見かけますが、あれはあれで怖いです。
(人のこと言えないかもしれないですが)

患者さんがおっしゃってたのは「先生自身の漢方や治療に対する意見や考えを書いているブログがない」という意味だったのですね。

なぜ、漢方では教科書丸パクリっぽいブログばっかりなのでしょう。
もちろん、その真意は僕にはわかりませんが漢方薬の効果のことを書いてあるものやその効果を詳しく書いているブログはいくらでも見つかるのですが、根本治療に対する考えや漢方に対する思いを書いている人は、あまりいません。

そこで勝手になぜ、漢方ブログがないのか?を考えてみました。

漢方には厳密には3つの派閥があります。
「古方」「日本漢方」「中医学」というものです。

3つの派閥があるとはいえ、病院の先生やサプリ売りの漢方薬局さんなんかは、自分が何の流派の漢方をやっているのか、ヘタすると漢方に3つの派閥があることすら知らないかもしれません。

この3つの派閥って何の派閥かというとそれぞれ、治療の考え方や体質診断の方法、漢方薬の選び方、漢方薬の効果に対する考え方が、それぞれ違います。

ただ「日本漢方」は「古方」を基にし「古方」の形をあまり崩さないように発展してきた派閥なので、日本漢方と古方は似ています。

しかし、中医学は別物です。中医学は古方、日本漢方とは似通っている部分もありますが、治療の考え方、体質診断の方法、漢方薬の選び方、漢方薬の効果の考え方、どれもが違います。

そして日本では、ほとんどの人が意識もないかもしれないですが「漢方薬を処方している方は中医学というか、なんちゃって中医学派」だと思います。

なぜ、日本の漢方のほとんどが中医学派になっているかというと、中医学は別名「学校漢方」とも言われていて、学びやすい感じなのです。

中医学がなぜ「学校漢方」と言われるかは、その歴史を紐解いていくとわかるのですが、それは今度の機会にでも説明したいと思います。

古方や日本漢方となると一貫して順に学んでいける統一された書籍や方法がなく、僕の経験では、漢方の本を3,4冊、いっぺんに広げながら、それぞれの本の内容をつなぎ合わせていかないと1mmも理解できない感じなのです。

ある本で説明している用語を違う本で訳して理解したり、何冊か読んでいると、しょっちゅう、矛盾点が出てくるので、それを自分の治療経験に照らし合わせて解釈の理由を考えたりと日本によくいるお利口さんのように本のことを暗記しても、それは治療には役立たないという難作業なのです。

その点、中医学が学びやすいのは西洋医学的に融合させようとしているので、漢方を無理やり西洋医学的な解釈にしている感じがあり、それが医者や薬局の先生にかえって、とっつきやすいのではないかと考えています。
また中医学が発足された時の狙いもそこです。

日本漢方は自由な部分があり自分で証分析(体質分析)や治療戦略、治療方針を立てて漢方薬を使います。
反対に中医学はどちらかというと西洋医学の病名や症状にマニュアル的に合わせて漢方薬を選ぶ感じの傾向があります。
この「マニュアル」的なものも医療関連の人は大好きですよね。

ほとんどん人の漢方は中医学というよりも日本独特のなんちゃって中医学だと思います。
ごくごく一部の本格的に中医学に取り組んでいている「中医学派です」と言い切れる先生は、また別かもしれないです。

そのなんちゃって中医学は治療理論の建て方というか考え方というのが、西洋医学的です。

日本漢方が考える「治療とは体全体のバランス調整である」というよりは、西洋医学の病気のように体のどこかに悪い部分があり、その部分を改善するための効果のある漢方薬を選ぶといった感じです。

だから、アトピーに効く漢方薬とか、頭痛に効く漢方薬というような病名、症状で選ぶマニュアル漢方に陥りがちに思います。
そもそも、中医学というよりは流派のポリシーも持たずに「なんちゃって」でやっていることが問題かもしれないですが・・・

なので、ブログに漢方のことを書くとなると「マニュアルを参照して・・・」という傾向になるのかもしれません。それで漢方の本の丸パクリみたいなブログが増えていくのかな?

僕もかつて、とっつきやすい中医学から勉強しはじめて、国際中医師という中国政府が認めた「漢方の先生ですよ」という資格みたいなものをを取りましたが、僕は中医学では具体的にどうやって東洋医学的な診断をして漢方薬を選ぶのかが遂にわかりませんでしたので、中医学は昔にやめました。

ただし中医学は学校漢方と言われているくらいなので、一般の漢方の知識のない方には説明はしやすいです。

僕は中医学で具体的にどうやって治したらよいかはわからないですが、説明には使わせてもらっています。

日本漢方は、もちろん治療理念や診断、漢方薬を選ぶ際の最低限の基準の理論はありますが、経験によって自分で判断し、自分の考えで治療方針をたてて漢方薬を選ぶという傾向があります。

患者さんを治療するたびに新たな漢方薬の使い方や治療の考え方が思いつくのでマニュアル漢方から離れてやっていると、自然に「こうやって考えたら根本治療にならないだろうか?」みたいなことをしょっちゅう考える癖がつきます。

そのことをブログに書いていくと「僕の根本治療や漢方に対する考え」みたいなのが記事になってしまうので「漢方の本、丸パクリ系」のものを書く暇がなくなってきます

しかし、僕も黒歴史がありブログの書き始めの方は漢方の治療経験も少ないので、今、読み返してみると漢方薬や生薬、食べ物のこと、五行論など、漢方の本の丸パクリに近いですね・・・おハズカシイ。


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2017年08月25日

漢方、健康食品の体験談は危険です!

今まで好き放題に暴れまわっていた健康商品にメスが入ることになりました。
それがこの記事。

健康食品の体験談広告、厳しい規制へ

記事内容を要約するとサイトなどによくある「打ち消し表示は許さない」ということです。

「打ち消し表示」というのは、例えばダイエットに良いとされる健康食品の紹介で「この健康食品を飲んで、たった1ヶ月で5kgも痩せました!!」という紹介はよくあると思いますが、こういった体験談の下に小さい字で「個人の感想であり〜」とか「効果には個人差があります」とか「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」と書いてあるものです。

健康食品を売ってる業者からしたら、たった一人がたまたま良くなっても紹介している場合がありますが、当然、売っている当人も、それが誰にでも効くわけがないとはわかっているので「打ち消し表示」を書いているわけです。

そうすれば、効かなかった人に「個人差がある」と書いてあるじゃないですか。と逃げることができるわけです。

こういった方法が当たり前になっていましたが、ある実験をしたところ、ほとんどの人が「効果には個人差があります」などの打ち消し表示は見落としていました。

そもそも、ダイエットなんかでは「飲むだけで痩せる!!」という宣伝文句がババーン!と目に飛びこんできて、打ち消し表示なんかは小さい字だったり、意図的に目立たなくしているので見落としやすいのです。

これからは、ごく一部の人に効果があったという体験談に言い訳がましく「打ち消し表示」としている健康食品を販売している業者は景品表示法違反として厳正に対処されます。

この内容を詳しく考えてみると、つまり、消費者にとって、いいかげんな体験談やそれとセットになっている打ち消し表示は騙しの詐欺行為に近いわけです。

実際、健康食品の売る秘訣は「体験談」です。
医学知識が乏しい薬局や健康食品の販売業者などは、まともな医療相談ができないので、体験談こそ命なのです。

そして、漢方薬局の体験談なんかを見てたら、実際にその体験談は盛られていたりします。

ものすごい悪い状態から、そこの漢方薬を飲んだら良くなったみたいな、
ご丁寧にどれくらいの金額を払えば治るか、みたいに書いているところもあります。

「体験談」は一瞬で「自分も治るかも」と錯覚させます。

でも、現実は当たり前ですが、誰でにも同じ効果を発揮するものなんて世の中にありません。
あるとすれば、病院の薬です。

でも病院の薬は何百億円というお金と化学の達人である人を集めて、厳密な条件を設定して科学的に「どんな効果があったか?」「どんな副作用があったか?」などを数百人規模で一度に行います。

薬が病院などで使われ始めた後も市販後調査というものが義務付けられていて、実際にたくさんの人が飲んでから、どんな副作用があったのかなどを調べないといけません。

こういったことも含めて健康食品や漢方薬まがいの体験談をみると、そういった体験談って、ものすごくチープなものです。

僕は昔の仕事柄、漢方薬局などの内情を知っていますが、ある健康食品を飲んで効果があったなどの体験談を教えてくれたら、他のサプリメントなどをプレゼントするなどのことを薬局側がやっていました。

こうなると、本当に良くなったかどうかが疑わしくなってきます。
特に怪しい体験談は、年齢、性別、病気、症状がちょこちょこっと書いてある位で「2、3ヶ月後には、いろいろ良くなって病気も治りました」みたいな体験談。

「その人の病気」が、なぜ良くなったのかなどの医学的根拠は何も書いていなくて直筆の手紙をもらったなど「嘘ついてないですよ」アピールの方が必死で、逆に「後ろめたいのかよ!」って思ったりします。

ここで断言できますが、漢方治療においての体験談は「あなたのアトピーも治るかも!」というものは成り立ちません。

うちも数少ないですが、体験談を書いていますが「アトピーやメニエルが治った人がいるから、あなたも治るよ」とうものではなく、漢方治療とはどういった風に調整されていくのかが伝わればいいと思って書いています。(大昔の記事は稚拙なままですが、書き直します)

29年間続くアトピー性皮膚炎

なので治療途中で悪くなったことも医療的根拠も書いています。
どちらかというと漢方薬はどんな医療根拠で治療に望んでいるかを知ってもらえたらと思って書いています。

漢方薬は何ヶ月か飲み続けていたら、ある日、治っているというものではありません。

体質に合っていなければ、何十年飲んでも治らないし、体質分析が間違っていたり、選んだ漢方薬が間違っていたら、逆に誤治、壊病といって新たな病気が増える可能性もあります。

副作用なんて目じゃないですね。
誤治、壊病になった場合、今、飲んでいる漢方薬をやめたとしても一向に治らず、誤治、壊病で増えてしまった病気を打ち消し治す漢方薬が必要な場合もあります。

ケースによっては漢方薬が体質と合っていなくて、体質、治療方針等を再検討して新たな治療方針、新たな漢方薬で治療することもあります。

良かったり、悪かったりと紆余曲折を経て、最後に治ったというところに行き着けるのです。

もちろん、漢方薬でもそのまま、ストレートにどんどん良くなっていくこともありますが、だいたいは微調整を加えながら最終的に良くなるといった感じです。

なので東洋医学的な医療根拠も書かずに、ただ、ただ「何ヶ月か頑張って飲んでたら治りました!直筆のお手紙ももらいました!」なんてファンタジーは漢方の世界にはありません。

そして漢方薬の治療において最も重要なのは、他人の体験談はあなたには何の関係もないということです。

西洋医学的な病名と東洋医学の体質は何の関係もありません。
人それぞれの体質要素が100(体格、冷える冷えない、胃腸が弱い、便秘など)あったとしたら、アトピーという病名は100要素のうちの1つが共通しているだけです。

つまり、アトピーという病名が一緒でも後の99要素は体験談の人とあなたは違うわけです。99要素違うとなったら、相当、違いますよね。
体質とはそういうことです。

病院が体質を分析しないで病名や症状だけで漢方薬を処方することが、なぜ、おかしい方法なのかもこういう理由です。

1/100の要素であるアトピーという病名だけであなたの体質を語られても困りますよね。

漢方治療に関しては、体験談は「自分も良くなるかも」といった期待をものではなく、その薬局は「どんな治療方針や治療方法をとっているのか」を見るものです。

そこに証(体質)のことや良いも悪いもどんな風に体質が変化したかを書いてなければ「なんとなくなんかの受け売りで良さそうな漢方薬を飲んでもらったら良くなった」ということが書いてあるだけだと思ったほうがいいと思います。


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2017年08月17日

ネット通販などでベストな漢方薬を選ぶ方法の実際

「こういう漢方薬って置いていますか?」とネットにある、どこかのメーカーの漢方薬を見せて、質問に来る方が時々います。

例えば「肝炎に○○という漢方薬が良いとネットで調べたのですが、店にその漢方薬はありますか?」という感じ。

これって病院で処方する時に医者がやってる病名だけでマニュアル的に漢方薬を処方する病名漢方と一緒なんですよ。

ネットで調べたら◯◯病に効くと書いてある漢方薬。
いろいろなメーカーから、いろいろなパッケージの漢方薬があります。

おそらく、そのいろいろある中から「これは効きそう!」「これは良さそう!」というものを選ばれて質問に来られたのでしょうが、病名で漢方薬の種類を選ぶのであれば、正直、どこのメーカーさんのどの漢方薬でもいいと思います。

なぜなら、漢方薬は病名では選ばないから。
漢方薬は一人一人違った体質に合わせて選びます。

西洋医学の病名を体質を分析する際の「参考」にすることはあっても、病名で直接、漢方薬を選ぶ道理は漢方の医学理論にはありません。

「でもネット通販やドラッグで◯◯病に効く漢方薬としていろいろと売っているじゃないですか?」

そうですね。ネット通販やドラッグは基本、深い相談はせずに販売します。

うちでは体質を分析するための問診ととりますが、項目で55項目、チェック欄は大体200箇所あります。

入力するだけで早い人で10分。じっくり長い人だと20分はかかります。
何も無駄にいろいろと聞いているわけではありません。
実はこれでも、かなりまとめて絞った質問数なのです。

当たり前です。一人一人違う体質を分析するわけです。
ちょっとの間、無口だったという1つの事だけで「暗い人」なんて決めつけられるの嫌ですよね。
いろいろ時間をかけて、相手の事を知っていけば、いろいろな考えや複雑な性質をもっているのだとわかるかもしれません。

問診でこれだけの項目がありますが、これで終わりではありません。
次はこの問診票だけでは詳細がわかりませんので、より細かくチェックされた症状のことや血縁の方の病気、普段の生活はどんな感じか、精神的な状態はどうかをお聞かせいただきます。

ネット通販やドラッグでこんな手間はかけられません。
こういったところの基本ルールは書いてある良さそうな宣伝文句でテンション上げて勝手に買って帰ってくれというのが言わば、買い物マナーです。

相談を受けたとしても・・・
あなた 「これって肝炎に効きますか?」
店員さん 「箱にそう書いてあるので効くんじゃないですか?」

漢方の専門家ではありませんから、箱に書いてあるまま説明するしかありません。
つまり、この場合、質問、相談しても無意味。
ネットや箱に書いてある宣伝文句を信じるしかありません。

ところが、この宣伝文句。これが問題。
しつこいかもしれませんが、漢方は西洋医学とは別物の医学なので、西洋医学の病名とは直接関係がありません。

病名は体質分析の参考にするだけで病名で漢方薬を選ぶ道理がないのです。
つまり、宣伝文句自体が僕から見たら嘘なんです。

なので、宣伝文句を信じて買うしかないとは言いましたが、それを信じるのもおかしいのです。

例えば、風邪によく使うといわれている葛根湯。
あなたは風邪だと思い漢方薬を飲みたかったら、葛根湯を買うかもしれません。

では葛根湯は風邪薬なのか?
はい、今ままでの流れからわかりますよね。当然、違います。

葛根湯は【太陽病 実証】【表の寒証、表の実証(麻黄湯よりも下の実証)、脾胃の虚証】という体質をもっている人に使うものです。

病名を参考にした場合、どんな病気の人に使うのかというと、
『風邪、肺炎、麻疹、副鼻腔炎、慢性頭痛、高血圧症、破傷風、小児のひきつけ、肩関節周囲炎、リウマチ、神経痛、鼻炎、乳腺炎、打撲、蕁麻疹、湿疹、大腸炎』 などの人に使います。

僕自身は葛根湯で蜂窩織炎を治したことがあります。

この時に絶対に勘違してはいけないのは葛根湯がこれらの病気に、どれでもで使えるのではなく、こういった病気で【太陽病 実証】【表の寒証、表の実証(麻黄湯よりも下の実証)、脾胃の虚証】という体質だった場合は、「葛根湯が使えるかもよ」ということ。

僕が蜂窩織炎に使ったのは、どの本をみても蜂窩織炎に葛根湯を使うことなんて書いていませんが、漢方薬はあくまで『体質』に合わせて選ぶもので、『病名』に対して選ばないからです。

なので、蜂窩織炎の人の体質が葛根湯証(葛根湯が合うと推測される体質条件)だったので、どの本にも書いてありませんでしたが、自分で治療方針を策定し応用治療をしました。

一般的な考えと漢方は逆なんです。
体質ありき。風邪だから葛根湯ではなく【太陽病 実証】【表の寒証、表の実証(麻黄湯よりも下の実証)、脾胃の虚証】という体質で蕁麻疹だから葛根湯が合うかもしれないと考えるのが漢方。

ちなみに風邪という病気だった場合、漢方薬では以下の処方が考えられます。

風邪でよく使われる漢方薬群
『桂枝湯、麻黄湯、葛根湯、桂麻各半湯、桂枝二麻黄一湯、桂枝二越婢一湯、越婢加朮湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、五苓散、麦門冬湯、参蘇飲、麻黄附子細辛湯、人参湯、真附湯』などです。

インフルエンザに麻黄湯。そんなマニュアルで選べるような低レベルな方法で選ぶわけがありません。
もしこんな選び方をしていたら漢方をバカにしているか、本当に何もわかっていないかです。
(バカにしながら患者さんに処方するのもどうかと思います)

今回は割愛しますが、それぞれの処方に葛根湯の【太陽病 実証】【表の寒証、表の実証(麻黄湯よりも下の実証)、脾胃の虚証】のような体質タイプの条件設定があります。

風邪だったら、風邪の漢方薬群の中のどの体質が当てはまるのかを1つずつ考えるのです。
だから、先に体質判断が必要なのです。

漢方薬は体質に合わせないと、ちゃんと効いてくれませんが病名で適当に選んでも宝くじみたいに当たることもあります。

ネット通販やドラッグなんかで買える漢方薬でも、ラッキーで効果が出ることもあります。
漢方薬はどれも良いものですから。

でも、あくまで運です。
病院の病名で選んでいるマニュアル漢方薬と同じ。

どっちみち漢方薬を正しく選ぶためのルールに則っておらず、宣伝文句や説明を書いている人も専門的に体質を分析できる人でないと思います。

そんな人がコピーライティングのテクニックで「なんか、治りそう」的に説明しているだけなので「◯◯病に良い漢方薬」のどれかを選ぶなら、その説明をみて自分がテンション上がったやつを信じることにすればいいと思います。

「僕に聞きにきても、体質も分析しないで飲んでも無駄ですよ」とテンション落ちることを言われるだけです。

漢方薬を体質診断しないで選ぶなら、別にどれでもいいと思います。


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2017年07月21日

ウソにまみれた漢方業界の正体

最近、ネットもフェイクニュースやら嘘の情報が溢れていて、かなりのネットリテラシーを持って情報を見ないと真実かどうかも疑わしくなってきています。

リテラシーとはWikiによると「情報を自己の目的に適合するように使用できる能力のこと」となっていますが簡単に言えば、調べる対象の基礎知識を網羅していない状態では、ウソかどうかを判別することすらできないということです。

もうすぐ、誰もが安心して情報として活用できるのは時刻表位になるかもしれません。

どんな情報でも理解するためには基礎知識が必要だと思いますが、その中でも高レベルなのは医療情報だと思います。

医療情報の難しいところはガイドラインが絶対的に正しいわけじゃないということ。
最近、ネットでは医療に携わっていない人が「こんな運動したら妊娠した」みたいな記事を書いて、それを医者から「エビデンス」がないと突っ込まれていることがありますが、あれも微妙です。

もちろん、あまりにいいかげんなものは、アウトだと思いますが、ではエビデンスがあれば、いいのかというと、西洋医学で病気を調べると慢性病なんて、ほぼ「原因不明」だったりします。

エビデンスと言ってるもののほとんどは、急性的な症状に対して、一時しのぎできる対症療法の薬に関してなので、結局、慢性病に対してはエビデンスなしで治療してるじゃん!って思ったりして、そんな記事を見た時は「どっちもどっちじゃないの、よけ変わらんわ」と。

普段から明確な原因の説明も治療方針も説明できない医者が「エビデンスがない」と文句つけても、説得力が・・・

ちなみに僕と僕の家族は病院で「これが原因でこの治療方針で治る!」なんて説明を一度も受けたことがなく、なんか「ごにょごにょ」説明されて煮え切らない説明がよくわからないので、それに対してガンガン質問していくと最後に逆ギレされて終了!というのが最近のスタンダードです。

漢方には西洋医学的なエビデンス(科学的根拠)はありません。
なぜなら、科学に基づいて発達した医学ではないからです。
しかし、広義のエビデンスとしては理論や根拠はあります。東洋医学として。

漢方を西洋医学のルールや理論から翻訳しようとしていることが多いですが、漢方は中国で2千年前にすでに医療理論が確立している医学で、西洋医学の今の投薬で治療する理論は、漢方の発祥の1800年後、今からたかだか200年前あたりから発達してきたものです。漢方とゼロが一桁違いますね。

そもそも2千年前の時点で「観察・検査の方法」「診断方法」「治療方法」が決まっているのに、今更、科学の力で分析する必要がないのです。

何よりも滑稽なのは、科学の力で翻訳しようとしながら、その元の東洋医学の「観察・検査の方法」「診断方法」「治療方法」を理解していないのに、科学で理解しようとしているところ。

なんか、東洋医学思想が難解でわからないから逃げているようにしか見えません。
科学で漢方を分析してもいいと思いますが、それならせめて東洋医学の「観察・検査の方法」「診断方法」「治療方法」を完璧に理解し使用した結果、こんな壁にぶち当たった。位までやってほしいところです。

まとめると医療情報は一般の方の知りたいところかも知れないですが、せめて生理学と薬理学の基礎知識を知らないと自分にとって、どの情報が良くなくてどれが良いのかすら判別できないということと、実は西洋医学のガイドラインもあくまで参考にするものであって絶対ではないのです。

前置きが長くなりましが、本題はここからです。
漢方には実はガイドラインがありません。一応、70年前くらいに中国で再編された中医学は現在の漢方のガイドラインと言えばガイドラインですが、理論に偏りすぎて実践的でないというのが僕の意見です。

中医学派の他にも古方派、日本漢方派というジャンルが漢方にはあります。
古方と日本漢方は親戚同士みたいなものですが、中医学は、治療の考え方や診断方法は全く違います。別ジャンルの医学といってもいいくらいです。

ちなみに僕は日本漢方派です。これは室町時代から明治初期まで日本で医療として使われてきた医療です。
江戸後期に蘭学(西洋医学)が入ってくるまでは宮廷医も御典医も漢方でした。

漢方にガイドラインがないのは、マニュアル的にできないからです。
ただガイドラインがないといっても、最低限、守らないといけない原則や方法はあります。

それは『体質を分析し、体質に合わせた漢方薬を処方すること』
これはどの流派も絶対です。
間違っても不妊症に当帰芍薬散とか頭痛に五苓散など西洋医学の病名で漢方薬を選びません。

体質は東洋医学的体質のことで病名や症状を並べ立てることではなく、生活環境や生活リズム、体全体の症状を総合的に判断して導き出した答えが体質です。

現時点で日本で漢方治療しようと思ったらどんな機関があるのか、その特徴を書き出してみます。

■一般の病院の漢方薬
東洋医学としての知識はゼロに近いです。ツムラさんなどは西洋医学の病名に対して、どんな漢方薬を処方すれば良いのかというようなマニュアルを配っていて、営業さんは西洋医学的に「何人かにある漢方薬を飲んでもらったら、こんないい結果が出た」みたいなサプリの口コミみたいな資料をもっていって、医者はそのデータを根拠にしています。

もちろん、体質も診断せずに西洋医学の同じ病名の人に飲んでもらったデータは漢方的には何の役にも立ちません。
データを取る前に「体質を診断してデータをとり直そう!」って感じですが、そもそも漢方のルールで体質を診断できないので、はじめることができません。

処方の方法は、皆さんご存知のように病名のマニュアルで漢方薬を選んでいます。
実は医大でも漢方ってほぼ勉強していないので、素人の方とそれほど変わらないのです。

■漢方専門薬局
一般病院と違って、ここはやっぱり専門家に!と思うかもしれませんが、実は漢方専門と言いながら、ほとんどの店が専門と言えるレベルではありません。
なぜ、そんなことが言えるかというと、実際に昔に僕は漢方専門薬局さんをお仕事で関わっていたからです。

裏事情を知っているどころではありません。
ご本人たちから「漢方はよく分からないから教えて」なんて言われたこともあります。
ちなみにそこも看板は漢方専門です。

一般の病院よりはマシで、ほとんどのところは体質はみることができませんが、一応、2,3の症状を聞いて漢方薬を合わせたりします。
仕事上で会った先生は全国400人は越えていますが体質を分析できている先生には師匠以外では会ったことがないです。

瘀血タイプとか水毒タイプなどでわけて漢方薬を処方することが多く、症状ごとに1つづつ漢方薬を合わせる先生も多いです。結局、ものすごく漢方薬の種類が多くなってたりします。

説明は大体、五行論で、僕自身は五行論のみで体質分析できるとは考えていません。

よくあるパターンは「漢方薬だけでは効かないから」といって、サプリメントを加えたり、サプリメントも漢方薬かのように説明して、すすめていることがあります。

僕は漢方薬局さん対象に何度か勉強会をしたことがありますが、東洋医学的に体質を分析できる人は1人しか会ったことがないです。
あとは病名と症状を複合的にあてはめて漢方薬を選んでいた人がほとんどでした。

■ドラッグ・ネット通販
箱に書いてある「適応症状」や「病名」をみて自分で選んで買うこといなりますね。
ドラッグもネット通販も根幹は「売る」ことが目的ですので、店員さんや通販に問い合わせや相談をしても無駄です。

ある意味、病院の病名や症状だけをあてはめてマニュアル的に選んでいる感じと一緒なので東洋医学的な問診をとらず体質もみれない一般的な病院で漢方薬を処方してもらうなら、ドラッグやネット通販で買っても同じだと思います。

ネット上にある説明は全く当てになりません。
良さそうに書いていても『漢方の大原則が体質に合わせて漢方薬を選ぶこと』であって、主観的に効きそうなものを選ぶことではありません。

そもそも「効く」のは体質に合っている漢方薬であって体質は人それぞれ違うので、体質を診断しないで説明だけの時点で最早、漢方ではないです。

手前味噌で調子にのっていると思われるかもしれませんが、ちゃんと治療として漢方薬を使いたいのであれば、自分で体質判断して漢方薬を選ばないといけないので3年位は東洋医学を勉強して基礎を身につけたほうがいいです。

医者も東洋医学的に理解できていない東洋医学理論はそんな簡単なものではないです。

漢方薬自体は、いいものなのでラッキーで当たって治ることもありますが、ラッキーだけに頼るのであれば、体質と合っていなければえらい目に合うこともあるので無理して漢方でなくてもいいようにも思います。

■鍼灸医院
これは僕もびっくりしましたが、実際の鍼灸の先生の話を聞くまでは漢方薬とは異なりますが、鍼灸部門の東洋医学には詳しいのかと思いましたが、ほとんどの鍼灸医さんが用語やらを知っているだけで治療に役立てるレベルでは知らない先生がほとんどだそうです。

体質を東洋医学では「証」といいますが、証を分析して治療できる先生は、ほぼいないくらいのレアらしいです。
ちなみに鍼灸の先生で漢方薬のことをアドバイスする人がいますが、あれも怪しいです。
学校で勉強するのは、さわりだけ。ましてや漢方薬は臨床ありき。
毎回、処方していない人が漢方のことを知ることはできません。

僕も最初は皆さんと一緒で漢方を全く知らず、逆に怪しいとさえ思っていたところからスタートし、勉強すればするほど、びっくりしたのは、この業界はとにかく「証」という東洋医学的な体質を分析せずに漢方薬を選んでいることです。

結局、病名か症状にあてはめて、遊びの占いのノリで漢方薬を処方している間違った方法が、まかり通っているのが、この業界の裏事情です。

僕は、なんで漢方業界がこんなひどいことになっちゃってるのか悲しいです。
漢方の本質的な部分である自然治療の医療として復活させたいと思っています。


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2017年06月01日

漢方薬を飲んで悪くなることは良くないこと?

西洋医学と東洋医学は、どちらも「医学」という名前がついていますが、全くの別物です。

西洋医学の今のような治療が確立したのは2百年位前で、言うまでもなく発達したのはフランスなどのヨーロッパやアメリカです。何せ「西洋」医学ですから。

東洋医学が治療として確立したのは2千年位前、西洋医学と一桁、違います。場所は言うまでもなく中国。
東洋医学、西洋医学は、なんとなく、ひとまとめ的になっていますが、西洋医学は東洋医学の1800年後に今のような治療体系ができているのです。

つまり、西洋医学と東洋医学は何の関係もありません。

ところが、現在は、西洋医学の病名で漢方薬を処方するという、僕からみたら暴挙に見えるような方法がとられています。
漢方薬は、そもそも方証相対という「漢方薬=体質」⇄「体質=漢方薬」という考えが2千年前から、すでにあり、その時から漢方薬を選ぶために必要な体質の診断方法もあったわけですから、2000年前から存在する漢方薬を当時の体質診断方法は無視して1800年後の西洋医学の診断でマニュアル処方するというのは最早、コントの域です。
※漢方の体質判断や治療方針を立てるのは非常に難解なため、初心者の頃に西洋医学の生理学や病理学、病名を参考にしながら漢方薬の処方を勉強するのは有効だとは思います。ただし、あくまで初級、初心者の頃の話です。

これくらい、西洋医学と東洋医学は別物です。
違っている点は、診断や処方する薬が違うということに留まらず、そもそも「人間の体を治す方法」自体が違います。

西洋医学の薬は有効成分とよばれる人工的な化学成分を体内に入れて、その有効成分で、強制的に体内の働きを変えてしまいます。
有効成分が痛みの発痛物質を抑えて痛みを止めたり、胃酸を出す物質を抑えて胃酸を止めたり、血圧を強制的に拡げて血圧を下げたり。

いずれにしろ、薬の有効成分が強制的に働いて、体内の働きを変えて、症状を抑制したり、体内の働きを遮断したりして症状をなくします。

そして、これらの薬の副作用は、たくさんの人に飲んでもらった実験の結果によって「吐き気が発生する」「動悸が発生する」などと統計的にはザックリとわかっていますが、西洋医学は体質をみてから薬を処方するわけではないので「どんな体質の人に、どんな副作用が起こるのか?」は厳密にはわかっていません。
よほど特殊な薬でない限り副作用が起こる人は、どんな人なのか?どんな場合には起こるのか?がメカニズム的にわからないのです。

一方、漢方薬は、一人一人の体質を分析し、その体質にあった漢方薬を合わせて治療します。
西洋医学のように漢方薬に有効成分があって、その成分が直接「頭痛を止める」といったものではありません。

そもそも漢方では「症状」自体の考え方が健康を保っている体内要素のバランスが崩れることによって、発生したもの。と考えるので、症状自体を直接止めにいくことが治療だとは考えていません。

なぜなら「症状」は所詮、体内要素のバランスが崩れた状態を知らせる警告サインなので、症状だけを直接止めることに意味がないからです。

車のエンジンオイルの警告灯(症状)が点いている状態で、その警告灯(症状)だけを切ってしまうことに意味がありません。警告灯(症状)を切ってしまっても、エンジンが焼けてしまうという結果は避けられないからです。
病院がやっている対症療法とは、こういったものです。
人間の場合は、警告灯(症状)が点くこと自体に不快感が伴うので、ケースによっては、その警告灯(症状)を一時的に消すことは、良いことでもありますが、結局、問題の先送りに変わりありません。

そんなわけで、漢方薬は、症状を直接、消すために使うのではなく「症状」を体内の健康を保っているバランスを見るための情報として利用しています。
病名や症状を2,3あてはめて漢方薬を処方することは漢方ではないのはこういった理由です。

漢方は、症状を体内分析の情報として利用し、そこから体質を読み取り、体質と漢方薬が合って入れば、漢方薬で体内に「変化」を与えて最終的には不快だった症状はなくなります。
漢方薬とは体内に「変化」を与えるもので、症状を「消す」ものではありません。

なので漢方においては、症状は単純に即座に消すべき悪いものとは考えません。
漢方では「選んだ漢方薬で良くなっている」と判断するのは診断した体質と漢方薬が合っていたと判断できた時で、あくまで漢方薬を飲まれた後の体の変化からわかります。

例えば、漢方では二便の水の巡りといってオシッコと便の2つを組み合わせて診ていくことを重要視しますが、体質や漢方薬の種類によっては、治療しはじめるとオシッコが少なくなったり、便秘や逆に下痢になったりします。

これらは二便の水の巡りのバランスが悪くなっている状態を漢方薬によって水の巡りを変えようとした結果、起こったりします。
漢方では体質と漢方薬が合っていなければ副作用になりますので、これらの現象の原因として、単純に体質と合っていないので副作用として現れていたり、もう一つ、重要なのは、二便の水の巡りをなんとか整えようとして、巡りを動かした結果、便秘になったり下痢になったりしている場合があります。

どちらなのかは、体質や選んだ漢方薬によって異なりますので、その都度、患者さんと話し合って、状況を聞きながら判断するしかありません。

漢方薬を使っての治療とは、常に「良くなる効果」と「悪くなる副作用」が共存している感じなのです。
これは例え、世界一の漢方治療の腕を持っている先生だったとしても漢方治療自体の性質、法則なのです。
西洋医学のように「統計的に副作用が出る人もいるかも!?」みたいなものではないです。

僕は、漢方薬のこういった性質も十分に理解しておりますので、当店では、副作用のあった時点で相談していただいて「副作用=悪いこと」とは考えないので、今後をどうしていくかを話し合いながら治療を進めていきます。

漢方薬を飲んで状態が悪くなることは、かならずしも悪いこととは言えないということですね。


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2017年05月12日

漢方治療を紹介したいが怪しがられる。

うちの店の患者さんから良く、「先生のお店を紹介したいのですが、どう説明したらいいのかわからない」と言われます。
非常にありがたいです。

そして、なんとか紹介してもらっても「あやしげでよくわからない」とか「効き目が遅い、効かなさそう」とかで、一蹴されることも多いようです。

家族間でさえ、そんな感じです。
漢方が、ある種の宗教みたいな感じに捉えられていることもあります。

例えば「漢方治療のみで治してやる!」っていうことで根治まで、がんばる人って、どんな人だと思いますか。

実は、こういった方々には、1つの共通点があります。
「病院や医者、病院の薬が嫌い」というのも、ありますが、それよりも、もっと大きな思いを持って、漢方治療を続けられる方が、いらっしゃいます。

それは・・・

「何箇所もの病院で思うような結果を得られなかった人」
「何箇所のもの病院で曖昧な対応しかされなかった人」

要は、いろいろな病院に何箇所、行っても治らなかった人です。
はい、僕もその1人です。それで、漢方の道に入ったとも言えます。

アトピーでステロイドを塗り続けた人が皮膚科の医者に「いつになったらステロイドなしで再発しなくなるのですか?」という質問をしたら「ステロイドなんて一生、塗り続けないといけない」と答えられたり。

不妊症でホルモン剤を飲んでいた人が「ホルモン剤を飲んでからの方が月経リズムがおかしくなっているのですが、なぜですか?」と質問すると「卵子の老化です」といきなり、歯切れの悪い老化論を持ち出してきたり。

僕の場合は、もっとストレートで40℃オーバーの高熱、幻覚、全身の激痛(数値的には関節リウマチの痛みのある人の27倍)、検査数値のほとんどが異常値となり、死にかけた時に医者が「原因不明です。治し方もわかりません」と言われたり。

この場合は、ある意味、親切でいい医者です。
モゴモゴ、ごまかさずに「治せません!」って言ってくれましたから。

もう一つ、事故で人差し指の関節が60℃以上曲がらなくなった時に、これも診察のしょっぱなから「一生、治りません!」って言われました。その前に「なんで、こんなになるまで放ってたの?」と言われたのですが、「ここに来るまで5件の病院(専門の大病院含む)に行きました」と説明したのに、もはや日本語も通じない・・・と悲しくなりました。
(両方ともに漢方と鍼灸で治っています)

「病院なんて、大して治してくれるところじゃない」
ということを自分の体でもって、知っている人は、漢方薬を根気よく続けて、根治までがんばっておられます。
(この場合の漢方薬の治療は、病名でマニュアル的に適当に処方している漢方薬ではなく、ちゃんと証(体質)をみて治療するケース)

それでも「いえ、病院でも治ります」という、絶大な病院ファンな人もいます。
でも、それは大きな勘違いがあります。

そもそも、病院で処方したり、処置することには、即効性があります。
西洋医学は対症療法なので、すぐに効いたり、良くなってきたりするからです。

しかし、西洋医学の場合は、薬の効果時間が切れたりするとまた、再発します。
あくまで一時的な効果なのです。

だから、その場だけ、治るか、治らないかで見れば、病院は治せます。一時的には。
しかし、一生、薬に頼る、器具に頼る、それが治ったことになるでしょうか?
それは治療ではなく一時的な「処置」です。

この一時的な処置をダラダラと続けていれば、いつか治ると信じている人がいます。
また、なぜか、不思議なのですが、薬は一時しのぎである対症療法という効果やADME(吸収・分布・代謝・排泄)という薬の効果のある成分は最後には排泄されるというエビデンスを知りながら、薬を長期間、出し続ける医者がいます。

科学的に一時しのぎで効かせると証明されているもので、慢性病をどうやって治すのか?僕は、そのメカニズムがわかりません。
昔に西洋医学の天才である医者の師匠に、このことを聞いたら、「対症療法の薬で根本的に治るエビデンスなんてあるわけないじゃん!」ってアッサリ言われました。

ちょっと、話が逸れ気味になりましたが、僕が自分でこんなことを書くのも宣伝みたいで変ですが、漢方を信じていない人に漢方治療に取り組んでもらおうと思ったら、説得ではなく、何軒か、病院に行ってもらえばいいのです。

ただ、漠然と病院に行くと対症療法は、その場は、いい感じの効果が一時的に出ますので、何も考えずに病院に通うと「通っているとそれなりに、調子いい」と麻薬漬け患者みたいになっちゃうので、

「根本的に治るまで、どれくらいの見通しか?」
「どういう風に治療して根本治療につながっていくと考えているのか?」
この2点を医者に聞いてもらうようにしてください。

ポイントは「根本治療」です。

この場合、「根本治療なんてできない」と開き直るケースが多いので、
「対症療法の治療はどれくらいの期間、続けるべきか?エビデンスとともに教えてください」これも聞いた方がいいです。
エビデンスは医者自体が「エビデンスが必要だ!!!」と言っておられますので。

ついでに、こういう質問をすると「治るかどうかなんて保証もできないし、誰にも分からない」と話をすり替えてきます。
そうしたら、
「根本治療を保証してもらいたいわけではないです。クレームをつけるつもりもないです。先生の知識と経験からの独自の見解を治療方針として、お聞きしたいだけ、信用し納得して治療したいだけです」と言ってください。

【病院に行く】→【ちゃんと質問をする】

これをすると「西洋医学って意外と何も治せないんだな」となって、その時に「漢方」っていう手もあるよ。とお話いただければと思います。

この時に気をつけていただきたいのは、個人の「証」(体質)分析をせず、東洋医学的な診断を出さない漢方処方は、これまた、対症療法みたいになりかねないのでお気をつけください。

もちろん、医者から明確な返事がなくても病院に通い続けて、根本的に治れば、それはそれでいいと思います。

ちなみに、うちの家族は、病院に行くたびに、この質問をしますが、毎回、互いに無言になり、未だ、明確な見解をいただいたことがありません・・・


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2017年04月19日

サプリメントと病院の薬の決定的な問題!

最近は「サプリメントも安易に飲むのは危険!」的な記事がチラホラと目立つようになりました。

実は僕は昔は、漢方薬局さんの店主さんや販売員さんに向けてのサプリメント講習の講師をしたり、サプリメントを製造するのに関わったこともあります。

うちの店も昔は漢方以外でも一部、サプリメントを置いていたのですが、今は置いてません。

最近でも時々、湿疹で悩んでいる患者さんから「青汁って飲んだほうがいいですか?」とか「マカって妊活してるなら飲んだほうがいいですか?」と聞かれます。
僕は必要ないとお答えしています。

実はサプリメントには決定的な問題が1つあります。
この問題は病院の薬も同じ問題を抱えています。

ほとんどのサプリメントは「体に必要で役にたつと言われている成分をたくさん補い元気になりましょう!」というのが目的です。

病院の薬は、症状を緩和したり無くしてくれる成分で不快症状を治したり、PMSや不妊症だったら、女性ホルモンを補ったりして、ホルモンを整えようするのが目的です。

どちらも共通した問題は、ここで「良い」とされている成分には、もう一つのとても、とても重要な条件が欠けています。

それは、体に良い成分があなたにどれくらい必要なのか?
また、どんな種類の組みあわせが必要なのか?

砂糖や果糖などの糖分は人間が生きて行く上で根本的に必要なエネルギー源になります。
しかし、糖分が良いものだからといって、どんどん食べていったらどうなるでしょうか?

そう、糖尿病です。
人間の体に必要なエネルギーを取りすぎることによって、病気になるのです。

サプリメントはどれも、エキスによってたくさんの成分が手軽にとれることをウリにしてます。
つまり、サプリだとあっという間に糖尿病になるかもしれないということ。

不妊治療で使用されている女性ホルモン剤は、量の問題を最も考えないといけないものです。
体内のホルモンは、そのほとんどが、量的に少なくなっているから体がおかしくなっているとは限りません。
体内のホルモンは複数の種類のホルモンをミックスさせて調整しています。
黄体ホルモンが増えたら、エストロゲンが減ったり、何かのホルモンが減ったら、何かのホルモンが増えたり減ったりと脳が微調整しています。

月経リズムだったら、同じホルモンでも低温期や排卵期、高温期と、いろいろな種類のホルモンの分泌量は異なり、またホルモンは、どれも微量に分泌されるので、体内で分量自体が不足しているなんてことは、まずないと思います。

分泌量が少ないのは体内のホルモン量が少ないのではなく、ホルモンとホルモンの組み合わせやバランスがとれていないという原因があるのです。

でも、不妊症、月経不順、子宮筋腫などのホルモン療法はホルモンの物量を足すだけ。
量を増やして強くするだけです。

西洋医学の薬やサプリメントの世界では「良い成分の量が多ければ良い!」みたいな子どものような発想ですが、漢方の世界では、治療で重要なのは「バランスと個人差を考える」です。

どれだけ良い成分でも、その人によって必要な量や組み合わせ、バランスがあります。
良いものだったら、なんでもかんでも、取ればいいなんて考えがありません。

ホルモン剤以外の病院の薬は、体内の働きを騙す成分を取り入れることによって、症状が起きないようにするものが多いです。
痛み止めなどは、痛みを発する物質に薬の成分が取りついて、痛みが出ないようにしますが、体内の痛みを発する物質は同時に胃粘膜を作り胃を保護しますので、薬の成分は、痛みを止めてはくれるでしょうが、胃の状態は悪くなります。だから鎮痛剤と胃腸薬を一緒に処方します。
本当に体にいれて良いものかどうかは、メカニズムから考えると疑問ですよね。

そもそも「痛み」という症状も体内の何かの危険を知らせる警告なので、車で言えば、オバーヒートのランプ(症状)の配線を切って(薬)、警告ランプが点灯しなかったことにしても、やがてエンジンが動かなくなることからは逃れられないのです。

病院の薬はドラッグで売っているものよりも、濃度が濃いものが多いです。
この発想は、まるっきりサプリメントですね。
量が多いと、よく治るという子どもじみた発想です。

これらは漢方の考えからいくとヘンテコです。
漢方が目指すのは、強くも弱くもない多くも少なくもない、今のあなたにとっての丁度の世界。

病院の「良い成分」というのは「一時的に一定の時間だけ症状をごまかす」場合には、良い成分ですが、「根本的に治りたい」場合には、バランスの悪い、ただの人工化合物です。

現在、新しい良い成分だと「なんとなく良さそう」的にサプリメントも病院の薬も手軽に使われますが、それが体内のバランスを崩すものだったら、全然、良いものではなく、かえって悪い成分をわざわざとっていることもあります。

バランスを整えることを考えた場合、良い成分とされているものも、その時のその人の体質では良いものかどうかわからないので、一人一人の体質もみていく必要があります。

運動でエネルギーを失っている人に砂糖たっぷりのジュースは良いエネルギーとなりますが、糖尿病の人にとっては、更に体を悪くする毒にしかなりません。

自分の体を根本的に治そうと思ったら、良いと思われる成分だけを追い求めても無駄です。
どんな成分が、「どれくらい必要なのか?」
「どんな組み合わせ」だとうまく働いてくれるのか?
「どれくらいの間」、その成分は役立ってくれるのか?
などなど、いろいろと考えないといけないのです。

良いと言われる成分だったら、誰が、どれだけとってもいいというノリは、まるでバクチです。
西洋医学やサプリメントはエビデンスを出して、しっかりしたデータに基づいたものですよとアピールしますが、治療の本質から考えると個人差も見ないので僕的にはバクチに近いような感じがします。

漢方治療で重要なのは、個人差、ひとりひとりの体質。
漢方薬は何百種類と、たくさんの種類がありますが、それぞれ、全く違う成分や効果ではなく、よく似た生薬の組み合わせや、ちょっとした効果の強さの違いなどで種類がわかれています。

それは、人ぞれぞれ、必要な量の違い、効果の強さの違いが微妙にあるから、漢方薬は2千年経った、今でもたくさんの種類があるのですね。
なので、その微妙な調整ができる漢方薬を一人一人の体質を見ないで病名だけでマニュアル処方している人は、そもそも漢方薬を使う必要があるのか?と思ったりします。


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2017年01月19日

良い漢方の先生を選ぶのがカオスすぎるワケ

「同じ病気や症状を伝えているのに、次の漢方のお店では前に処方してもらった漢方薬とは違うものが処方されました。なぜ一緒じゃないのですか?」

これは、うちによくある質問です。

答えは簡単です。
漢方薬は西洋医学と違うから!

すみません。これじゃあ、答えになっていませんね。
ちゃんと説明すると西洋医学には、治療のガイドラインというものがあります。
簡単に言えばマニュアルです。

西洋医学では、感じている症状が同じであれば、大体、どこの病院にいっても同じような薬が処方されます。

アトピーの人がそうですよね。
アトピーの人の薬って?
医者じゃなくても即座に「ステロイド!」って答えられますね。
むしろ、最近の皮膚科は「これしか治療方法知らないんじゃないか?」と疑うほど、ステロイドです。
たまに抗アレルギー剤、抗菌剤。

「えっでも、行く病院によって、いろいろな名前の薬を処方されますよ」

それは製薬メーカーさんの違いで名前が違うか作用の強弱位、それに抗菌の作用が加わる位。
基本的に「ステロイドで無理やり炎症抑える」という治療の考え方は1パターンです。
いろいろなな名前の薬がありますが、やってることは、大して変わらないということです。

西洋医学の治療のガイドラインには、
「この病気にはこんな薬を使います」「その時に最初に処方するのはこの薬。2番目に処方する場合は、この薬」というマニュアルみたいなものがあります。

病気に対する考え方も、「検査がこうだったら、この病気」と、これも流れ作業のように決まっています。
常にすでにうまくいったことが証明されたものをマニュアル的になぞって治療するようになっています。

何年か前に指の怪我で7つの別々の病院で治療を受けましたが、どこもやることは判を押したように同じでした。

@レントゲンを撮る。
Aレントゲンを撮りながら「骨折じゃないけど、捻挫かな?」と話す。
Bなんとなく鎮痛剤を処方する。

どの病院でも痛みは耐えられるし、鎮痛剤は1mmも根本治療に役立たないと思っているので、全部の病院で「鎮痛剤はいりません」と話しますが、そこは華麗にスルーして、治療した気になってる感じでした。
このケースでも治療?パターンは「鎮痛剤で一時的に痛みを止める」これだけですね。

7つの病院とも全部一緒。
この実体験から僕は、よほどの専門の病院でない限りは、病院はチェーン店の餃子の王将みたいなものだと思いました。

たまに患者さんから「どこか良い病院ないですか?」と聞かれますが、僕からしたら、堺市内の王将も大阪市内の王将もほぼ、メニューは同じ。
ほんのちょびっと、地域性のメニューの違いがあるくらい。

なので、こっちの王将(病院)だろうが、あっちの王将(病院)だろうが、どっちに行っても同じでしょ!と思うわけです。どうせ、処方する薬は同じです。

対して、漢方は西洋医学とは全く異なるものです。
漢方には西洋医学とは全く異なる点が2つあります。

@漢方は病気を診断するのではなく体質を診断する。
病院では、アトピーの人は、3歳の子のアトピーだろうが、40歳の大人のアトピーだろうが、アトピーはアトピーとしてひとくくり。どちらも治療方法はバカの1つおぼえではなく・・・得意のステロイド!

東洋医学には基本、病名診断がありません。
病名診断がないというか、病名に対して漢方薬を選んでいく考え自体がありません。

病院で病名や症状だけで漢方薬を合わせている先生がいますが、東洋医学には、そんな方法は一切書いていません。
そもそも、2千年前から中国で独自の診断方法や治療方法を持っていた漢方と200年位前からヨーロッパ周辺で発展した西洋医学との間に何の接点もないわけで、西洋医学の病名(病院で診断された病名)で漢方薬を合わせるなんてルールが存在するわけありません。

A漢方は治療のガイドラインがない。
「検査でここが異常だったら○○病」「アトピーにはステロイド」
漢方には決まったガイドラインはありません。
それどころか、治療の考え方の違いで「古法派」「日本漢方派」「中医学派」などにわかれます。

ガイドラインどころじゃないですね。
派閥が変わると体質の診断方法も使用する漢方薬の種類なども微妙に変わってきますので。
ちなみに僕は日本漢方派で、世間一般の先生方は中医学派が漢方の全てだと勘違いし、派閥の違いで診断方法や使用する漢方薬が変わることも知らない人が多いです。

漢方の診断は、血液検査などの客観的な化学的検査はありません。
患者さんの体質は先生自身がその場で考え出します。

一般の人で、自分のいろいろな症状を順に占いみたいに当てはめて、当てはまる項目が多いものが、自分に合った漢方薬だと思っている人がいますが、漢方は症状を当てはめるのではなく、ちゃんと症状から東洋医学的体質を診断します。

その診断に基づいて、最適な漢方薬を選びます。

なので、病院で診断された病名や自分の症状を同じように伝えても、漢方の先生によって体質の診断も、選ぶ漢方薬も変わってしまうわけです。

その漢方の先生の派閥、診断基準、使用する漢方薬に対する捉え方。
いろいろな条件でそれぞれの治療方針が考えだされます。
いわば、その人だけにコンサルティングするような感じです。

では、どの先生を選べばいいのか?
それは、徹底的に東洋医学的体質のことや選んだ漢方薬だと、その体質がどう調整されて、良くなっていくのかを聞くことです。
まともな漢方の先生は体質を判断し、それに最適な漢方薬を選んでいるので、スッと淀みなく説明できるはずです。

説明が五行論を持ち出してきて煙に巻こうとしたり、私が選んだのだから飲みなさいと説明がなかったり、なんか納得いかず、通ってないな〜と感覚的に感じた先生はやめたほうがいいです。

また、それ以前に病名にあてはめる、症状があてはまるからなどで漢方薬を選んでいる先生は、もう言うまでもなく・・・論外です。東洋医学としては、あまりにレベルが低すぎるので先生も患者さんも治ったらラッキー位に思っておいたほうがいいかもしれません。


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2016年09月14日

予防医学って実際はどうなのだろう

これからは予防医学!というのが次のトレンドのように言われいますね。
具体的にどんなことが予防なのかは、今は予防医学という言葉だけが走っている状態のようにも思います。

病気じゃなくても検査をしておくことや血圧や心拍、血糖などの日々のバイタルサインを見ていくことが予防と考えられていたり、単にサプリメントを飲むことが予防だったりと考えられていたりするようです。他にもいろいろあるかもしれませんが・・・

病気になる前に病気にならないように防いでいく。
漢方を始める前は、僕自身も現在の予防医学の感覚が重要だと考えていました。

しかし、漢方治療を本格的にやればやるほど、1つの意外なことがわかってきました。

漢方では、未病という考え方があります。
未だ病気にならざる時に治してしまう。

正に予防医学じゃないか!と思っていたのですが、治療をやっていくうちに、その解釈も微妙に違うんじゃないかという感じがしてきました。

漢方では、その時点の体質を見ます。
一般的なイメージでは、おそらく、人それぞれの生まれつきの体質があって、その生まれつきの体質を根本的に治してくれる漢方薬があって、それを飲み続けたら根本的に治る・・・みたいなイメージだと思います。

半分は正解かなと考えているのですが、半分は不正解という感じ。

僕が現場で治療している感じでは、誰しも生まれつきの弱点的体質があるというのは、合っていると思うのですが、別に、それだけで病気になっているわけじゃない。

どちらかというと、現時点の環境(仕事、ストレス、食事、睡眠、住まいの環境など)の影響を受けて病的体質になるといったほうが割合が大きいと考えています。

その時に生まれつき、もしくは家系が継いできた体質の傾向の病気に傾いていく。といった感じですね。

生まれつきの素因的病的体質が20%位あって、残りの80%は後天的な環境等によって作られ発病する感じ。

西洋医学では健康か病気かという、ある種、デジタル的な捉え方をしますが、本来の漢方では西洋医学のようなはっきりとした病気の概念がありません。
病院は何を勘違いしているのか、西洋医学の病名で漢方薬を選ぶマニュアル処方をしていますが・・・

西洋医学だと、検査でひっかからなければ、病気でないイメージですが、漢方は全身の働き(例えば血液循環、筋肉の働き、消化器の働き)の調和がとれているかどうかをみていくので、このラインから向こうは病気。という概念がありません。

病院の検査でひっかからず、病気も何も言われていなくても、雨の前日にかならず頭痛になるのは、漢方的には全身の調和が崩れた結果、起こっていると考えるので、それは明確に病気なんですね。

だから、漢方薬も生まれつきの体質に絶対的に合うものなんかはないし、現在の体質も季節の影響を受けて変化したり、仕事で、ものすごいストレスを受けて体調が変われば、それも体質が変わっていくことになります。

つまり、漢方では、よほどでない限り、本当に健康な人は、なかなか存在しません。
特に現在の環境は、健康になろうと頑張っても体に優しい自然な生活ができない時代なので、「本当の意味で長期間、健康な状態」を保つのは至難の技です。

だから、僕も検査数値は悪くないし、病気の診断を受けたこともないですが、毎日、全力、全開で元気か?と問われると何かしら、不調がところが見つかるので、その時の自分の体質を判断して一定期間で種類を変えながら漢方薬を飲んだり、週に1回、バランスをとるために鍼治療も受けています。

いわば、東洋医学的に考える本当の健康とは楽器のチューニングが合っている状態ですね。
楽器をやっている方なら常識ですが、使った途端に少なからず、チューニングは狂っていきます。
また、終わったらチューニングを行い健康な状態にするわけですね。

だから、漢方の未病を治すというのは、何かの病気になる前に治すというよりも、常に病気になる恐れがあるので、それを漢方薬や自分の体質に合った養生で毎日、チューニングしておくことだと思うわけです。

今、騒がれている予防医学も日々、事前に検査をしたり、毎日のバイタルサインを調べておけば、大きな病気は予防できると思いますが、現実から考えると、大きな病気だけをざっくりと防ぐという感じで、それはそれで重要だと思いますが、日々の辛さを防いで病気にならないようにするには、ちょっと遠いですね。

本当の予防は、やたら検査をしたり、体質に合っているかどうかもわからないサプリメントを漠然とした予防で飲むのではなく、現時点の自分の体質を知り、弱点を知り、日々のチューニング(体質にあった生活方法やメンタルセット)を知り、それを実践することが、具体的で実践的な予防ではないかと思います。

なので、予防は、その人の体質や環境で人それぞれ、方法が変わるということですね。


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2015年11月10日

5分診療では漢方治療が不可能な理由

漢方治療の歴史は剥き出しの表現をすれば、人体実験の歴史です。
そして、現実の漢方治療も人体実験の繰り返し。とも言えます。
僕はマッドじゃないですよ。人体実験というと拷問的なイメージをしてしまいがちですがそういったものではありません。

漢方薬は様々な生薬で構成されています。
生薬の中には様々なものがあり、中には石なんかも生薬としてあります。
ちなみに石の生薬としての役割は清熱といって体の中の余分な熱をしずめてくれます。

食べ物や生薬などは最初に神農さんという漢方の神様みたいな人が、自然界にあるあらゆるものを食べて、時には1日に何度も毒にあたりながら解明してきたとされています。
実際は一人の人間ではなく、何人もの人間がなが〜い年月をかけて「この葉っぱは体が冷える」とか「この根は体が温まる」とか組織だってそんなことをやってきたのでしょう。
どちらにせよ人体実験が漢方の始まりでもあり、治療の原則とも言えるのですね。

人体実験が治療原則?
なんか嫌な感じですよね。
でも、とても理にかなっているのです。

漢方薬はその人、個人の現在の体質に合わせて選びます。
体質は個人個人、違います。またその体質も普遍ではありません。

一般的には「最初に自分の体質を知って、後は、その体質に合った漢方薬をずっと飲み続ける」といったイメージがあるようですが、これは誤解です。

ある程度、その家系の持っている体質の傾向というものはありますが、その体質も季節や生活環境の変化によって、どんどんと変わっていきます。

一人一人の体質も違うし、その時々でも体質は変化していきます。
非常に流動的なのですね。
だから「同じような症状なのに前に治った漢方薬で治らない」なんてことも漢方では不思議ではありません。

人の体質というのはこんな具合なので漢方薬は「こんな病気だったら、この漢方薬で決まり!」ということができないのです。

毎回、毎回、体質をチェックして漢方薬を検討していく必要があります。

西洋医学は漢方とは全くの逆です。
たまに西洋医学は化学の強い薬を使うもので漢方薬は自然の穏やかな薬を使うみたいなザーッとした分け方をしている方がいらっしゃいますが、治療の根本的な考え、概念が違います。

漢方と西洋医学は互いに異質な医学なのです。
(発祥した場所も年代も違うので当たり前ですが)

西洋医学は、体質をみません。体質ごとに治療する考え自体が存在しません。
実際は顔や体格、性格のように皆それぞれ、体質も違いますが、西洋医学は体の働きは皆一緒!のはず。と見て、一律、「人間」に効く薬を開発しそれを治療に使います。

病院のお薬は「人間」を研究し「人間」に効果のある薬を開発します。
なので、あらかじめ、どんな病気や症状に使う薬かが決まっています。薬の効果も決まっています。
そういう効果を発揮するようにあらかじめ研究し開発しているので。

だから病院のお薬は、どんな人にでも効くようにできています。
そして、副作用も事前にわかっています。

一方、漢方は、現在の体質がどんななのか?
それは誰にもわからないのです。
それを僕は東洋医学理論でもって推測します。
そして現在の体質を割り出し、最適であろう漢方薬を合わせるわけです。

体質も漢方薬の効果もあらかじめ決まっているわけではないので、時には体質の推測がズレていたり、選んだ漢方薬がズレていたりすると全然、治らなかったり、逆に症状がひどくなることもあります。

漢方医の仕事は、どっかのメーカーのマニュアルや漢方の本を見ながら、病名や症状で漢方薬を選ぶことではなく、体質とそれに合わせる漢方薬をズレないように調整することが仕事です。

漢方のすごいところは、ズレるかもしれないことが折り込み済みなことで、ズレた場合は、漢方薬を飲んでからの変化をみて、漢方薬を変更しながら調整できることです。

「流動的な一人一人違う体質に初めから合わせることができるマニュアルなんかない」ということが前提になっているのです。
体質が決まっていないゆえにマニュアル的に合わせることができないのです。

病院の薬の利点は、体質を考えなくても誰でも効くことが事前にわかっていることです。
欠点は、個人の体質に合わせていないゆえの強制的な効果でその場だけの治療になってしまうこと。ステロイドやホルモン剤のように元の体の機能がおかしくなることもあります。
そして、あらかじめ理論的に効くことが前提になっているので、薬の説明通りに効かなかったら、もうどうしようもないです。
「効くはず」のゴリ押しで通すしかありません。
薬は理論的に「絶対に効くはず」という独特な傲慢ルールで成り立っているので、その薬が効かなかったら「ストレス、気のせい」などで心療内科行きです。

一方、漢方薬は元々「体質は未知である」という前提になっているので、効かなかったり、悪くなったりしたら、その結果をふまえて次の治療を考えていくことができること。
おまけに病院のお薬と違って、自然のものなので病院の薬ほどの強制的な効果でないので失敗しても取り返しのつかない状態になりません。
まさに良い意味で人体実験なのです。

病院のお薬は人工化学合成物で作用も強いので、取り返しのつかないことになることもあるので「病院の薬でいろいろと試していく」なんてことはできません。
それこそ、マッドサイエンティストの狂気の人体実験です。

漢方薬を病院のお薬のように病名や症状だけで選んではいけないのはこういった理由です。

うちの患者さんはこういった概念を理解されていますので、ごくたまに「先生、今回の漢方薬はダメっぽいかも」なんて報告してもらいながら、患者さんと毎回話し合いながら治療をすすめます。だから5分診療では漢方治療は不可能なのです。


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2015年11月05日

未だに横行している症状漢方

「元々、とある京都の漢方薬局で漢方薬を飲んできたけど、なかなか良くならないので」ということで、うちに相談に来られました。

うちでは「今まで、どんな漢方薬を飲んできて、どんな変化があったのか?」をお聞きするのですが、その漢方薬局で大量に漢方薬を飲んでおられたので、最早、何が効いていて何が効いていないのかがわからない状態でした。ご本人も、途中で飲まなくなったものもあり、むちゃくちゃになっていて収集がつかないと困っている状態。

一番、最近での飲まれているのが、漢方薬10種類、サプリメント7種類、生薬系サプリメントが4種類。
これがなんと1日分。
1ヶ月で何十万円にもなります。

このケースはかなり高額ですが、実はこういう風な方法を漢方治療だといって漢方薬やサプリメントを抱き合わせで販売している漢方薬局は結構あります。
残念なことに、こういう薬局って人気があったりするのですね。

相談時のことをお聞きすると詳しく聞くまでもなく症状漢方というもの。

漢方薬がまともに扱えない人用の方法に病名漢方、症状漢方というものがあります。

漢方は東洋医学の理論を元に体質を分析し、その体質に合わせて漢方薬を選びます。
初学の頃はいきなり東洋医学的な体質診断なんてできないので、どうしても、ある病名の時によく使う漢方薬をマニュアルを見て選んだり、漢方薬の適応症状として書いてある症状を勝手にあてはめて症状ごとに漢方薬を選んだりとするしかありません。

僕も漢方の修行し始めの、どシロウトの頃は恥ずかしながら病名漢方や症状漢方の方法で、病名=ある漢方薬(例えばアトピーに消風散や不妊症に当帰芍薬散など)で漢方薬を選んだり、その方法からちょっと毛が生えてきた頃に症状ごとに漢方薬をあわせる症状=ある漢方薬(むくみに五苓散や胃痛、胃もたれに六君子湯など)で漢方薬を選んだりしていました。

今回のこの漢方薬局の選び方は、患者さんの話をお聞きしているとモロ、症状漢方。
頭痛には香蘇散、イライラには黄連解毒湯、むくみに五苓散などなど。
こんな漢方薬の選び方で治るわけがないと思います。

順をおって説明したいと思いますが、この漢方薬局のケースではないですが、病院のやっている病名で漢方薬を選ぶ病名漢方も本来の漢方治療の方法ではありません。

僕も素人同然の頃はやっていたので、言い訳がましくなるかもしれませんが、まず、西洋医学の病名と漢方薬は何の関係もありません。
西洋医学は新薬を使用して治療する医学で、診断も血液検査など化学的な検査を行って病名を診断します。
漢方は2千年前に確立された医学で、西洋医学は200年ほど前、両者には1800年以上の開きと中国とヨーロッパという地政学的な違いがあります。

では、なぜ、病名漢方があるかというと、東洋医学は難解なので、漢方を知らない人間が、いきなり東洋医学的な体質を診断するのは不可能なのです。
ちなみに大学で教えている漢方は素人に毛が生えた程度で、診断方法などは何も教えていないので、医者も薬剤師も一般の方もスタートは何ら変わりません。
みんな平等に「漢方は理論的に知らない」というところから始まります。

そんな状況で、なんとか漢方薬を処方しようと思ったら「ある病名でよく使われる漢方薬」というマニュアルでもないとスタートすることもできないのです。
だから、最初の素人同然の頃は、本来は東洋医学的な体質である証に合わせて漢方薬を選ぶ必要がありますが、アトピーに消風散や不妊症に当帰芍薬散ってなっちゃうのですね。

そういったマニュアル処方を経験していると「同じ病気でも、みんな体質が違うんだな」ということに気づきます。
ただ、この時も「同じ病気でも体質が違う」ということには気づくのですが、かといって、その体質ってどんなのか?は、まだ分析できないのです。

だから、今度は、症状で漢方薬を選んでいこうとします。
ど素人からちょっと毛が生えましたね。

漢方は「漢方薬=体質」という考え方です。
西洋医学は、いろいろな検査で原因を追求してその原因を治すべく薬を選びますが、漢方薬は体質にあわせるので、漢方薬自体がその体質を表しているし、体質はある漢方薬を示しているのです。
ややこしくなってきました。

漢方薬には適応症状といって、その漢方薬を使ってもよい条件的な症状が設定されています。
清上防風湯にはニキビという症状が条件であったり、人参湯だったら下痢という症状が条件であったり。

ここで絶対に勘違いしてはいけないのは、その症状にあてはまったら、その漢方薬というわけではありません。
漢方薬に設定されている「症状」は体質を示すごく一部の条件であって、それがあてはまったらその漢方薬が合っているというわけではないのです。

それによく考えてみてください。
症状なんて、そんなバリエーション豊かにありません。
頭痛や冷えなど、人間の症状なんて、そこそこしかないのです。
でも漢方薬は何百種類とあります。

症状漢方の間違いは、症状をあてはめて漢方薬を選ぶということ。
漢方薬を選ぶ際には、体質を診断する必要があります。
体質は症状だけでなく病位や虚実など他のいろいろな条件を考えあわせて分析した上で導き出すのです。

ギャル向けの軽いノリの占いや血液型診断じゃないんだから、冷えと月経不順があったら当帰芍薬散なんて、そんな軽いバカな世界ではありません。

説明が長くなりましたが、1つの漢方薬にはいろいろな症状が設定されています。
なので、症状ごとに漢方薬をあてはめている今回のケースは、体質を分析できていない証拠ともいえます。

サプリメントを一緒に販売しているのも意味不明です。
漢方薬は何種類かの生薬で構成されています。
1つの漢方薬で8種類等のサプリメントがバランス良く詰まっているようなものなのです。

漢方薬やサプリメントを何種類も出すということは効果のある生薬や食べ物だらけになって、何が効いていて、何が悪さをしているのかわかるわけがないですよね。

ということで、こんな方法は僕は漢方ではないと思います。
多分、儲けで大量に漢方薬を売ってるだけですね。

ちなみにうちでは、なるべく1種類の漢方薬を考えぬきます。
自分の出した漢方薬がどんな方向にいくのかを見極めないといけないので、他の漢方薬やサプリメントは全部やめてもらいます。
つまり1種類の漢方薬だけで、あらゆる症状を治療しようとします。
今のところは、うまくいっていると思います。

病名漢方や症状漢方は合っているとか間違っているではなく「素人臭すぎる」この一言ですね。


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2015年10月28日

漢方薬は早く効くものか?ゆっくり効くものなのか?

漢方薬はゆっくりと何ヶ月もかけて効いてくるのか?

ブログの中では漢方薬の効果は遅いのでも早いのでもないと説明してきましたが、なんか自分自身でもしっくりこない感じでした。

病院が言い始めたのか?
某漢方薬メーカーが言い始めたのか?

「漢方薬を飲んでいたら、どれくらいで良くなるのか」というテーマに対して、はっきりと言い切れることは、一般に思われているような、「漢方薬の効果が現れるのに3ヶ月ほどかかる」というのは全くのデタラメです。

そんな理屈は、どの漢方薬の本にも書いていません。
素人向けの漢方の本は知りませんが、僕らが治療のために勉強する専門書には、どの専門書にもそんなことは一言も書いていません。

それどころか、昭和の初期のバリバリの日本漢方の達人が残した書には「10日間で◯◯の症状は良くなったけど◯◯の症状は逆に悪くなったので、違う漢方薬に変更した」というようなことが普通に書いてあります。
この頃、真剣に漢方治療をしていた先生方は、10日間という短い期間の中で治療勝負していたのですね、

それが「効くのに3ヶ月かかる」とか、もしこれを医者や薬剤師などの治療のプロ側の人間が説明しているのなら恥ずかしすぎます。

で、結局、早く効くのか?ゆっくり効くのか?

答えはどっちもなんですよ。
漢方薬は早く効く場合もあるし、ゆっくりと効いてくるときもあります。
はい、おしまい。

これだったら、いつもと同じようなざっくりととした説明ですね、
この部分を理論的に説明します。

漢方薬の効果の期間は「治療目標」「その人の体質」「選択する漢方薬」の3つの掛け合わせで決まります。

基本的には漢方薬は早く効くものからゆっくり効くものまでバリエーション豊かにあります。

漢方薬はいくつかの生薬というものから構成されていますが、例えば半夏厚朴湯に使用されている半夏という生薬は飲んでしばらくしたら、喉が首を絞められたように苦しくなります。
この締めつけ感も生姜を飲めば、しばらくすればなくなります。
ほんの10分ほどの間に副作用のような変化を起こさせて、その後、それを消しさることができます。

たとえば、フリスクなどのスーッとする効果はハッカなどの効果ですね。
ハッカも漢方薬を構成する生薬の1つですが、ハッカなんて、食べてる時から効きますよね。
どれくらいで効くの?と聞かれたら「瞬間」ですよ。

「漢方薬は効くのに3ヶ月もかかる」と説明している人は漢方の勉強を一からやり直したほうが良さそうです。

とまぁ、かなり早く効くものもあるのですが、早く効けばいいというものではありません。
早く効かせないといけない病態とゆっくりと効かせないといけない病態があるのですね。
これが「治療目標」です。

例えば「風邪」の治療に何週間もかけていてはいけません。当たり前!
何週間もかかるのなら、もはや、漢方薬で治ったのか?自然に治ったのか?がわかりませんよね。

風邪の「治療目標」は1日単位で考えます。
できれば1袋単位です。風邪は次々に体質を変えていきます。
漢方薬は体質に合わせないといけないので、それに合わせて漢方薬も変更しないといけないのです。

たまに病院で風邪のための漢方薬で1週間分とか処方しているのを耳にしますが、意味がわからない!
「本当に漢方薬で治療する気ある?」と聞きたいです。

慢性病は細かく紐解いていけば、いろいろな体の細かい不具合が時間が経って重なって、複雑な感じの病態にしているものです。
ですから、慢性病を治療する場合は、1つ1つこんがらがった紐を解くように元に戻していくような治療をします。

絡まった糸くずを早くほどかなくちゃいけないとばかりにぐちゃぐちゃと急いでやっても余計に絡まるだけなのです。

慢性病の場合は、その人の回復力に合わせて慎重に時間をかけて治さないといけないのです。物の修復のようにそれぞれの体質によって修復できる時間が違うのですね。

次に「体質」です。
漢方薬は強く効かせるものもありますが「強く効くもの=良い効果」ではありません。
強い効果は強い変化を体に与えるので、体質に合っていけなければ強い変化が悪くて強い変化になることもあるのです。

強い効果の漢方薬はそれなりに体力のある体質でないと活かせないのです。
元の体質が弱ければ残念ながら穏やかな漢方薬を選ぶありません。
体質に合っていない漢方薬は毒になりますから。

最後に「選択する漢方薬」
これはある種、さっきの体質と同じともいえます。
体質に合った漢方薬を選ぶのが漢方なので。
しかし、あえて早く治すために体質より高レベルのものを選んだり、逆に体質よりもゆっくりしたペースで効かせるために体質よりも下のレベルのものを選ぶこともあります。
これで効いてくる期間も変わってくるのですね。

こういった具合で、漢方薬が効いてくる速度というか期間は「治療目標」「その人の体質」「選択する漢方薬」の3つの要素を掛け合わせ考えた上ではじき出されるのですね。

ちなみに東洋医学的な体質を診断せずに体質と合っていない漢方薬を飲んでいる場合・・・永遠に効きません。
体質判断せずに処方してもらった漢方薬が効いているのは、ただのラッキーです。処方した人間もなぜ効いているのか東洋医学的理屈がわかっていないと思います。


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2015年10月13日

漢方薬の効果に対する大いなる誤解

漢方薬は東洋医学を基に考え、処方しますが、その東洋医学が西洋医学とは全く違う異質なものなので謎な感じが多く、漢方はいろいろと誤解されて理解されています。

実は知っていてなのか、知らないのかはわかりませんが、医者ですら東洋医学の考えで漢方薬を使用せず、西洋医学の考えから漢方薬を使用しているので、意味不明な漢方処方の方法をとっている病院が多いようです。

そういった状態がより「漢方っていうのは実のところよくわからない」というようにしてしまっているのでしょう。

もっとも、大きな誤解は「効果」に対するもの。
効果とか作用とか。
なんでもいいのですが、要するに自分の身体が「良くなる」「治る」という概念が漢方は西洋医学とは全く違います。

うちに相談に来られる場合、大体、僕のブログに共鳴して来られる方が多いので、なんとなーく「漢方の治療は西洋医学の治療とは全く違うものなんだ」と思いながらこられる方が多いのですが、時々、「先生、私の病気が良くなる漢方薬はないですか?」と割合、病院と同じノリで来られる方もいらっしゃいます。

西洋医学は体質全体を整えていくことが目的ではりません。
西洋医学の薬は、ダイレクトに成分が効いて症状が良くなるようになっています。
基本的には1つの症状に対して1つの薬が効きます。

症状1つに対して1つの効果みたいなものなので「効いたか」「効かないか」はすぐに答えが出ます。判断は◯×ですね。

漢方でも、風邪や下痢など急性の病気に効かせる方法もあるので、急性の病気の場合だったら、病院の薬と同じように短期間で「効く」「効かない」の判断で処方しますが、慢性病になると、これがガラッと違ってきます。

急性の病気の場合は、気になる症状は風邪の咳と鼻水だったり、下痢だったり、頭痛だったりと、病院の治療と同じように単体の症状を治す目的のことが多いです。

漢方の場合は、急性でも、いろいろと身体の他の状態もお聞きしますが、基本的には1つの気になる症状を目標にして、うまく治らなかったら、急性の場合は、1日ごとに漢方薬の種類を変更していったりします。

ある種、どの漢方薬が良く効くか?効かないか?みたいな側面もあります。
ところが、慢性病になってきた場合、効くか?効かないか?ではなく体質を変えていくことが目的となるので治療の考え自体が変わってきます。

慢性病の場合は、全身の症状や状態、今の住んでいる環境など、その人の事を詳しくお聞きして分析します。
なので、問診はかなり細かく、お聞きする問診項目もかなり多くなります。

症状をいろいろお聞きするのは、症状の1つ1つを漢方薬の条件にあてはめていくわけではなく、たくさんの症状や状態、状況をお聞きして総合的に考え「東洋医学的な体質」を分析するためです。

「東洋医学的な体質」を分析したら、次にその体質をどの方向にもっていけば、全体のバランスがとれるか?を考えます。
1つ1つの症状に対して「効いたか?」「効かなかったか?」ではなく、治る方向性に体質が順調に向かっているかをみます。

「良くさせる」のではなく身体を良い方向へ「変化」させるのです。

漢方薬は身体に変化を与えながら調整していきますので、中には「悪いような変化」を感じる場合もあります。

例えば、血虚、瘀血という血が足りなくて血の巡りが悪い体質の人は漢方薬を飲み始めた初期に血がグルグル回るので、めまいや立ちくらみという症状が出てきたりする場合があります。

この場合、症状だけで見たら、新たにめまいと立ちくらみが増えてしまっていますが、東洋医学的に見たら、血が巡っている途中だから起こっている場合もあるのです。

この場合は、しばらく続けてもらい血の巡りが良くなる方向として続けば、自然にその症状は治まってきます。

西洋医学的に見れば、新たな症状が増えるのは「副作用」でしかないかもしれませんが、漢方治療は「良くする」のは結果論であって、漢方治療でやっていくことは「身体に変化を与えて調整する」ことが目的なので、新たな症状が増えることも身体が治ろうと動き出した結果かもしれないのです。

「病院で処方してもらった漢方薬を3ヶ月飲んでるけど、一向に良くならない」と言ってる方がいらっしゃいますが、そもそも漢方薬は気になる症状がダイレクトに治っていくのかどうかではなく、気になる症状がなくなるように身体が動いているかをみていくものです。
一向に良くならず、身体の「変化(良いも悪いも含めて)」もないのであれば、漢方薬を変更してもらったほうがいいですよ。
もちろん、最初に書いた東洋医学的な問診に基づいてですが。

漢方薬が直接、ステロイドみたいにかゆみを止めたり、痛みを止めたりするものではありません。

漢方では不快な症状は体質のいろいろな要素のバランスが崩れることによって、起こると考えますので、治療の目的もバランスを整えることになります。

そのバランスが整うことによって、結果的にバランスの崩れで起こっていた症状がなくなっていくということになります。

なので、東洋医学の理論で漢方薬を使う勉強をしてきた僕から見ると、病院で漢方専門の問診をとらないで体質も判断しない漢方薬の処方は、治療が始まってすらいないと思っています。

だって、漢方はダイレクトに薬の成分で効かせるものではなく体質に変化を与えて、症状がなくなるように身体を調整しますので、現在の体質がわかっていなければ、漢方薬が変化を与えることができたかどうかがわからないですよね。
よって、東洋医学的な問診をとらない漢方薬の処方は漢方薬を治療としては使っていないことになると思うのですよ。

漢方は西洋医学とは全く別の医学なので症状に対して効いたか?効かないか?ではなく、いろいろな身体の変化が良い方向に向かっているかどうかで考えましょう。


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