2015年01月27日

ウソとゴマカシが溢れている漢方の世界

いつのまにか、世間に溢れているものはゴマカシのものばかりになっているような気がします。

スーパーなどは、いかにただの安物を高級なように見せかけて売るか?
この間も往年のポテロング(漢方家の癖に前は好きでした)にホタテ味が出ていたので「おっ好きな魚介系やん♪」と思って、つい買っちゃいました。

でもよくよく見てみたら、ホタテ「風」。
本物のホタテなんか入ってません。

騙される僕が悪いのでしょうが、最近のモノやサービスってこんなのばっかのような気がします。
メーカーからしたら「初めから本物なんて一言も言ってません」てなものでしょうが、ああいうのって、ニセモノはニセモノだけを置くコーナーを作ってほしいですね。

うちの嫁さんは昔、スーパーの関連の貿易の仕事をしていたので、食品メーカーの裏事情をよく知っていますが、食品メーカーさんが躍起になってるのってイイものを提供することではなく「いかに消費者の目をひいて買わせるか」だそうです。
だから健康志向が世間のトレンドだとしたら、健康っぽく思えるような偽の情報をパッケージにします。
経済観点から見たら、当たり前といったら当たり前なんですね。

リン酸塩という身体によくない添加物があるのですが、このリン酸塩って、いろいろな呼び名で、書かれています。なんで、1つの添加物が商品ごとに呼び名が変わっているかというと、よくわからないようにするためです。リン酸塩って、いいイメージがないからです。
こういう添加物の記事を書くと、人口添加物は健康を損なうほど含まれていないのだから、気にするのはおかしいとかいう人がいますが、僕はそもそも、単純に自然界にないものを好き好んで食べる必要がないと思っています。

例えば、自然にとれた野菜などを使った料理を作ってもらった時に、かならず人口添加物のふりかけをかけてお召し上がりくださいと言われて、かけて食べる人は、いるのでしょうか?
もし、わざわざ必要もないのにその、ふりかけをかける人がいるなら、本当のバカですよね。

要するに添加物は食品メーカーの運営等の都合で使われているだけで、健康とはなんの関係もないのです。
メーカーが考える食品の流通と儲け。それと健康とは切り離して考えなければいけません。
多くの社員を雇って、たくさん儲けないといけない企業が本当においしくて品質のいいものをつくって、儲かるわけがないのです。

チェーン系の回転寿司や焼肉の食べ放題などもそうですね。
本場、何々産マグロとか、和牛とか「嘘じゃないんだけど、まごころの精神で考えたら、みんながイメージしたようなイイモノではないはずなので、それって結局は嘘だよね」ってやつですよ。
お店側からしたら、こんなに安物でイイわけないじゃん。ってわかっていると思います。

広告は本来、商品やサービスの良さをわかってもらうためのものだったと思うのですが、それがいつのまにかいかに消費者を騙して買わせるかに変わっているようにみえます。

医療の世界でもこういう現象が当たり前のようにあります。
風邪での抗菌剤の処方などですね。
風邪自体を治療する薬はありません。

抗菌剤は、風邪の後の2次的に起こるかもしれない症状に対して予防的に処方しています。
風邪と全くの無関係ではないですが、ここでの問題は効果ではなく、風邪の治療に来た人に対して「風邪の治療はできないけど、2次的な予防的な治療はできるけど、どうする?」とちゃんと説明していないこと。

人によったら「2次的な治療だったら、またその時にお願いしますわ」って人もいると思います。
これも厳密にはゴマカシのサービスですよね。

そもそも、西洋医学の治療はほぼ、対処しかできないと思います。
慢性病治療で将来、廃薬していけるという確固たる理論をもって治療している人なんているのかな?

患者さんの目的は「薬を飲んだら治る → やめたら病気が復活する」なんて治療は望んでいません。
それに気づいていないのでしょうか?それとも気づかないふりをしているのでしょうか?

この辺りも、これからの時代、病院は、対症療法しかできないのなら「繰り返しの治療しかできない」もしくは
根本的に治せるのなら「根本的に治せる」と説明する義務があると思います。

漢方に至っては、業界自体がゴマカシで成り立っているといってもいいくらいです。
僕が偉そうに言う立場ではないかもしれませんが東洋医学的な証(体質)をたてて、東洋医学の治療方針で漢方薬を扱っているところなんて、ほぼ見たことがありません。

病院は証(東洋医学的体質)を分析しないし、大手製薬会社などの一般医薬品系の漢方薬を販売するところは「3、4個の症状が当てはまったら、当帰芍薬散があなたには合ってますよ。だから買いましょう」みたいな、ハナから体質の相談に乗る気もなく、今の安物食品系と一緒で、なんとかゴマカして売りたいという目的しか見えません。

大半の日本人女性に効くのが当帰芍薬散!?

サプリメントなどもそうですね。
「漢方の力」とかなんとかいってるサプリメントなどもあります。
厳密には漢方ではないのに、漢方って言ってるもの。

サプリメントのメーカーの中には生薬を使ったら漢方だと思っている人がいるみたいですが、漢方とは、治療の方法や概念の総称です。
手段として、漢方薬や鍼があるだけで、漢方とは、自然の流れに逆らわずに身体を調整する医学理論や方法論のことをいうのです。

大事なのは、生薬を使用しているかどうかよりも、東洋医学の自然治療の理念に基づいて「治療を考えているか」どうか。それが根本治療につながります。
病院の漢方薬や、製薬メーカーのセルフで買わされる漢方薬、サプリメントなどは、漢方ではなく漢方薬を使った、ただのモノを売ってるだけ。
モノだけ売るなら本質から離れて、消費者を騙したほうがよく売れます。
ちなみに広告や宣伝はモノ売りも「治療」のような顔をしていますからお気をつけください。

別にモノとしての漢方薬を買っちゃいけないということではないです。治療じゃなくモノとして漢方薬がほしい人もいるでしょうから。
ただ、治療として漢方薬を利用したいのであれば「漢方薬」ではなく「漢方」の医学理論や方法に重きをおいたほうがいいのではないかと思います。

ネットが普及するほど、本物がクローズアップされるようになってきました。
こういうニセモノ、ゴマカシサービスは、そのうち消えてなくなるのかもしれません。
posted by 華陀 at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月23日

大半の日本人女性の冷えに効くのが当帰芍薬散!?

うちで買ってる女性向けの健康雑誌に変な宣伝がありました。
当帰芍薬散を錠剤にしたものです。
それ自体は別におかしくないのですが、気にかかったのは宣伝の方法。

冷え症を改善する漢方処方として「加味逍遥散」「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」を4つ紹介して、その中の「当帰芍薬散」をW日本人女性に多いタイプWに合う漢方薬とし「日本人女性の冷えに効くのが当帰芍薬散なんだから、これ飲みなよ」って宣伝してるのです。

この広告には笑ってしまいました。
要はよくあるやつですね。製薬会社がセルフでポンポン売りたいから、本音では「体質でいちいち選んでられるかよ。安くするから、なんも言わんと買ってけ!!」って商品なんでしょうが、広告の構成が真剣に漢方をやっているお店にとって迷惑というか害だなと思って。

宣伝構成のヘンテコなところは、はじめに4つの処方を出しているところですよね。
冷え症のタイプに4つの処方だけって少なすぎるというのは置いといて漢方は体質ごとに選ぶんだよ。と言ってるんです。冷え症でも人によって4つのタイプがありますよって。

真剣に冷え症治すのなら漢方ではこんな感じじゃないかなっていう記事です。


ついでに漢方で冷え症は4つのタイプみたいにやってるけど、うちではこれくらいのタイプがいると考えてます。
当帰四逆湯、乾姜附子湯、人参湯、桂枝人参湯、呉莱東湯、大建中湯、帰牌湯、加美帰牌湯、桂萎薬草貰辛附湯
、苓甘萎昧辛夏仁湯、真武湯、温附湯、甘草乾姜湯、五積散、苓姜朮甘湯、四逆散、桂枝湯、参苓白朮散、小建中湯、加味遁造散、四君子湯、補中益気湯、八味丸、牛車腎気丸、当帰四逆加呉莱頁生萎湯、桂枝夜苓丸、温経湯、当帰有薬散、四物湯、十全大補湯、ベタな感じでこれくらい。まだあると思うけど・・・。

そう、漢方が西洋医学と違うところは、この宣伝の前半でもやってるようにココなんです。
一人一人に合わせる。というか、合わせないと意味がない。
「なんで漢方って2千年も経ってるのに未だに数百種類も漢方薬があるの?」って話ですよ。

この宣伝の後半の「大半の日本人女性の冷えには当帰芍薬散だから」という理屈が通るなら、冷えに使う薬は「冷え=当帰芍薬散」だけになっていて、現代に当帰芍薬散しか伝わっていないはずです。上にあった漢方薬はなくなってると思います。

でも、実際は、数百種類も漢方薬は伝わり残っています。
それは2千年前だろうが、現代だろうが、やっぱり、漢方薬は一人ずつの体質を判断してその一人のための漢方薬を選ばないといけないのです。
この宣伝のように「当帰芍薬散が合う人が多そうだから体質を見なくても当帰芍薬散、飲んでればいいよ」なんて理屈は漢方理論には1文字もありません。

平均的に多いタイプの体質に合う薬を飲むって、それって、まんま西洋医学ですやん!
西洋医学は一人一人に合わせませんよね。
ジュクジュクのアトピーだろうが、乾燥で血だらけのアトピーだろうが「日本人のアトピーに多いタイプに合う、お薬はステロイド!!」という平均的な考え方。
それがいいとか悪いじゃなくって、西洋医学の薬は山本さんとか、個人に効く薬じゃなく、日本人ですらなく、”人間というタイプ”に合わせたお薬です。動物じゃないタイプに効くお薬です。

漢方薬を飲みたいって思っている人って、西洋医学の薬が嫌だなぁ〜って思う人が多いと思うのですが、その人がこんなノリで漢方薬を飲んだって、根本が間違ってるから漢方薬飲む意味がないですね。
製薬会社がつくった漢方薬はやっぱり西洋医学の薬でした。

それをみてふと、思ったのは、逆に体質をみないで誰でも、それこそ日本人だったら誰でも飲んでもいい漢方薬ってあるのだろうかと。

ぱっと考えれば、答えはノー!ないです。
その人の体質に合わせるのが漢方薬だから。

例えばさっきの冷えに使う漢方薬を4つ出していましたが、桂枝茯苓丸の合うタイプと当帰芍薬散の合うタイプはざっくり簡単に現すと体質が正反対です。
つまり、もし当帰芍薬散が合う冷え症だったら桂枝茯苓丸を飲んじゃいけないし、桂枝茯苓丸が合う冷え症だったら当帰芍薬散を飲んではいけません。
どちらも副作用が出ます。ただ漢方薬の副作用って弱くて目立たずにじわじわと続いていく場合もあるので、処方した人間が気づかなければ、なかったことにしようと思ったらできるのです。
でも、その積み重ねは年月とともに大変な副作用に繋がっていきますが・・・。

そういった感じで、誰でも合う漢方薬となると難しいですね。
漢方の世界では「誰にでも合うものは誰にも効果がないもの」です。
良いも悪いも大きな変化を与えるから副作用も効果があるのです。「誰かにすごく効くものは、他人には、すごく悪いもの」なのです。

でも、そこをあえて追求していくと、あえて言うなら桂枝湯かな。
これだったら、風邪予防とか、胃腸や血と水の巡りを整えてくれるので、誰でも飲めそうです。
でも、治療はできませんね。あくまで、気つけのドリンク程度で考えてもらったほうがいいです。

だって、結局、漢方薬は「誰にでも合うものは誰にも効果がないもの」だから。
僕は病気ではないですが、それこど体調を整えるために毎日、漢方薬を飲んでいますが、短かったら3日。長くても2週間ごとに、その時の体質を自分でみて漢方薬の種類を変えていってます。

posted by 華陀 at 18:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月13日

インフルエンザ=麻黄湯 のエセ漢方理論の考察

少し前に漢方薬のことに関するテレビがやっていたらしいですね。

らしいですね。というのは、僕はテレビを見ませんので、僕は知りませんでした。
「その内容というのが、もう笑い話のレベル」だという話を漢方の詳しい人から聞きました。
その人がいうには「先生がもし見ていてたらテレビで医者がテキトーなこと言ってるからキレちゃってたんじゃないですか」みたいな内容だったらしいです。

僕自身は見てないので、その人から聞いた話になりますが、まーよくあるテレビの間違った知識シリーズですよね。
僕はそれを見ててもキレなかったと思います。
なぜなら、今までもテレビに出てくる医者が話している漢方の話で、まともなものって聞いたことがないから。
こっちにすれば、あれって漢方医学ではなく、あー言う、西洋医学風漢方という新ジャンル?といった感じですね。

テレビは見てませんが、どうせ「この病気だったら、この漢方薬」とか「この症状だったらこの漢方薬」みたいなお決まりの東洋医学的体質を理論的に診断することができない医者のよくある話なんでしょう。

さて、ネットなどでちらっと調べると西洋医学は引き算の医学で1つの原因を1つの成分まで精製された薬で対応し、漢方薬は足し算の医学で複数のいろいろな症状や病気に対応できるみたいなことの話だったみたいですね。
なにぶん見てないし見る気もないので違ってたらごめんなさい。

僕はいつも思うのですが医者って漢方に対する根元の考えが間違ってると思います。
こういう話を聞いていると西洋医学も漢方も同じ医学理論の属性の中で薬の使い方がちょっと違うみたいな印象を受けます。
漢方薬は一度にいろいろな症状に対応できるみたいな。

なんか治療(薬の使い方)だけが違うかのような話をしていることが多いですが、漢方はそもそも、病気に対する原因の考え方や症状の考え方、薬の対応の使い方まで何から何まで違います。
西洋、東洋と同じ「医学」という名前がついていますが、別ジャンルのものだと思ってもらっても差し支えないです。
例えれば、医者がパソコンのプログラムを組んでそれをうまく機能するように作成すること。それっくらい、違います。
医者は同じ医学だからと思っているようですが、僕は、実地で治療していると、それくらいの違いがあると思います。
だから、西洋医学の知識が全く役に立たないわけじゃないですが、逆に西洋医学がすごいから漢方でもすごくなれるとは限りません。

さっきの例でいけば西洋医学ですごい医者が途中から勉強して一流のプログラマーになれることなんて、そう、ないでしょう。
ここらあたりの感覚は一般常識がおかしいので、病院だから、医者だからという先入観は捨てたほうがいいです。

漢方医学はそもそも、西洋医学にあるような1つの原因を調べてそれに対応するという流れはありません。

西洋医学がなぜ原因を探し出してそれに対応する医学かというと、それは西洋医学は元は急性病や怪我などの外科的なもの、感染症などから始まっているからです。

これらは、調べていけば、原因が見つかります。
しかし、漢方が得意な慢性病はこれらの病気と違って、いくら調べても1つの原因なんかに行き当たらないと思います。

持って生まれた体質や長年の生活の中に無数の原因があって、それらが積み重なって病気ができあがっているのです。
だからアトピーなんかは、外から塗る治療であるステロイドしかありません。
抗ヒスタミン剤などもありますが、どちらも「その人」のアトピーの原因は突き止めていなし、その原因自体はなにも治療していません。
表面の最後の結果である湿疹を一時的に抑えるだけ。

なので、慢性病に関しては原因はありますが、その原因なんて、とてもじゃないけど特定できません。いくら調べていっても1つに絞り込むことができないのです。
いろいろ調べてわかるのは、原因が無数にからみ合っているということではないでしょうか。
漢方はそもそも、原因ごとに対応しているわけじゃないのです。

では漢方では原因は一切考えないのか?
そんなことはありません。

漢方では原因のことを病因と言います。
ただし、これ西洋医学と同じような感覚の病気の原因のことではありません。

西洋医学では病気が起こる詳しいメカニズムのことを原因と呼んでいますが、漢方で、病因というは、人間が病気になるかもしれない様々な法則のことをいいます。
季節ごとに起こりうる病因。
食事で起こりうる病因。などなど。

それらの理論を元にその人の体質と照らし合わせて、原因となるものをいろいろと考えていくのです。
しつこいようですが、この作業は原因を1つに絞るのではないですよ。
原因だと考えられるものを抜き出していくといった感じでしょうか。

そして、西洋医学なら、この原因をもとにそれに対応した薬を処方しますが、漢方ではいろいろな原因に対して薬を処方するのではありません。

原因から見るのは、体質の方向性です。
水の巡りが悪い水毒体質なのか、気が滞る気滞体質なのか、方向性を見ます。
そして、原因からだけで漢方薬は決定されません。

漢方では治療を決定するのに原因(病因)ともう一つ、その人の体質を知る必要があります。

この時に「体質」に対する誤解がありますが、体質はいろいろな症状のことではありません。
中には勘違いして、いくつかの症状が当てはまったら五苓散とか温清飲とかと安易に考える人がいますが、症状やさっきの原因(病因)などの情報をミックスして総合的に「体質」を考えます。

痛みがあったら芍薬甘草湯ではないのです。
ただ、テレビで言ってるような痛みがあれば芍薬甘草湯みたいな使い方も漢方ではします。
それは、慢性病でなく急性病の時。
急性であれば体質をみれなくても、病名やいくつかの症状だけをあてはめて効かすことができます。
しかし慢性病の場合は「この症状だったら、この漢方薬がすごく効く」という理論は通用しません。体質と病因を東洋医学的に考えていく必要があります。

医者がテレビなどで言ってるような「ある病名とある症状をあてはめる方法」は急性のわかりやすい状態の時しか通用しません。
でも、そんな急性の時なんかは僕は逆に西洋医学の薬の方が効果的なんじゃないかと思います。わかりにくい複雑な慢性病だからこそ、漢方に頼ったほうがいいのです。

そんな感じで結局、医者がやってる漢方薬って西洋医学的な急性病や感染症に使うような方法しかとれないんだなといつも思います。
こういった理論から「インフルエンザ=麻黄湯」なんて理論は漢方理論ではありえません。「インフルエンザに」ではなく「麻黄湯体質」のインフルエンザだったら中には適合する人もいるという逆の理論が漢方です。


posted by 華陀 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月09日

漢方薬の効果と副作用は隣り合わせ

漢方には治療に重要な原則があります。
それは「陰陽」です。

白と黒が1つの円の中に書かれているのは、正反対の事は常に隣合わせに存在していることを示しています。

taikyoku01.jpg

漢方は自然の流れや哲学など、医学のみの理論ではなく、いろいろな観念が関係しています。

なので、西洋医学のように、ただ●●病はこんなので、●●病の原因はこんなので、その原因には●●の薬の効果が効きます。
といったような、本に書いてあることをおぼえてやっていくものではありません。

漢方薬を治療に使おうと思ったら、東洋医学というよりも東洋思想の観念をしっかりと理解して、それから、病気や症状、漢方薬のことを勉強しなければ、思考がない状態で、ただ本のことを丸おぼえしても、びっくりするほど効果を発揮しません。

その考え方の中のもっとも原理的かつゆるぎないものが「陰陽」です。

これは、漢方ではどこにでも登場します。
意味は、その場面によっていろいろと変わりますが、要は、世の中は正反対のものでバランスがとれているということです。

熱さは寒さでバランスをとることができます。
緊張は緩和があるから存在しています。

熱さだけとか、緊張ばっかりというものはなく常に正反対のものでバランスをとって、ちょうど良い状態になっているのですね。

これは、漢方薬で治療する際に絶対にわかっていないといけない考え方です。

なぜかというとこの部分が実際の治療と副作用に関わってくるからです。
西洋医学と全く違う部分でもあります。

西洋医学では、薬には効果があって、そして副作用があります。
効果とは→良いもの。
で、副作用とは→悪いもの。というイメージがありません?

実際に西洋医学では、薬の大半は効果があるもので、副作用は滅多に起こらないものとして理解されています。

実際に副作用も、そうしょっちゅう起こらないし、西洋医学では、どんな人に副作用が起こるのかは、よほどの大病か状態の人でない限りわかりません。
ある種、副作用が起こるのはアンラッキー位の世界です。

不思議ですよね。あれだけ理論の世界に見えるのに、その人に明確な病気がなかったり、妊婦などの明確な特殊な状態でなければ、どんな人だったら副作用が起こるのかがわからないのです。ファンタジーの世界です。

漢方薬も「陰陽の思考」なく使うと、この新薬と同じように考えてしまうことになります。
「漢方薬は大体の人には効果があって、ごくたまに漢方薬でも副作用を起こす」みたいな。

ひどいイメージになると、漢方薬は自然のものでつくられているから、新薬よりもより副作用が少ない。みたいな、かなり乱暴なイメージで捉えられていることもあります。

でも、漢方薬は効果や副作用は、全く違う考え方なのです。

ここで登場するのが、西洋医学にはない陰陽の考え方。

漢方では、効果と副作用は隣り合わせです。
大半の人に対して効果があるものではなく、副作用もごくまれに起こるものでもありません。

漢方薬は常に体質に合わせて選んでいくものです。
ごくごく簡単に言えば、冷えている人には、温める漢方薬を。
熱がこもっている人には、冷やす漢方薬を使います。

この時に冷えている体質という判断があっていれば、温める漢方薬は冷えている人にとって良い効果になりますが、冷えている体質という判断が間違っていて、実は熱がこもっている体質(漢方ではよくある)に温める漢方薬を合わせるとどうなるのか?

症状はよりひどくなります。これは副作用です。
だから漢方薬は、効果も副作用も隣り合わせに一緒に存在しています。
効果が副作用にもなるし、副作用が効果にもなります。

漢方薬の副作用はごくたまに誰かに起こるものではなく、効果だと思っているものも、ある体質の人には副作用になるのです。
その効果や副作用に別れるのを決めているのは何か?

それは、処方する先生です。
西洋医学の薬は医者が処方していますが、医者は薬の効果も副作用も決めていません。
厳密には、その薬をつくった製薬会社が効果や副作用を決めています。
そのマニュアルを見て、処方しているのが病院ですね。

漢方の場合は先生が体質を判断して、それに対して先生が漢方薬を選びます。
効果や副作用を決めるというのは、ちょっと表現が違うかもしれませんが、ある人が本質的な体質は熱がこもっている人なのにその体質を冷えていると誤診して、温める薬を与えるのは、先生が初めから副作用を起こす漢方薬を渡しているので、効果と副作用を決めているようなものなのです。

漢方薬は効果や副作用ではなく、変化を与えるものですね。
だから、始めの体質を見誤ったらダメなのです。
ちなみに大半の病院は、東洋医学的な体質判断をしませんので「効果なのか?副作用なのか?」を理解する段階にすら達していません。

漢方薬は副作用が滅多に起こらない的に思われがちですが、なぜでしょうか?
それは、漢方薬を飲む前に東洋医学的な体質を判断していなければ、処方した先生も患者さんも、今、感じている症状が副作用なのかどうかが、認識できないからではないかと思います。

漢方薬は常に効果ではなく変化を与えながら調整していくもの。
変化を与えながらん調整なので、全部の症状が良くなるとは限りません。
その変化は良い方向に向かってるのかを判断する必要があります。
漢方薬は常に効果と副作用が隣り合わせに存在していることを意識されてみてください。


posted by 華陀 at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月07日

漢方薬の効果と病院の薬の効果の明らかな違い

病気の治療っていうと薬の服用。
漢方薬も服用して治します。

何で治るの?
薬には効果があるからです。

しかし漢方薬の場合は、ちょっと違います。
「効果があるから」という事だけが治る要素ではありません。

病院の薬は何かの病気や症状に対して効果があるお薬を使用します。

湿疹だったら、炎症を抑える効果のあるステロイド。
喘息だったら、気管支を拡張する効果のある気管支拡張剤。

でも、漢方薬はちょっと違います。

病院のお薬は、体質がどうであろうが効果は変わりません。
誰に使っても同じ効果です。
本当にその通り効くのか、どうかは別として。

漢方薬にも効果はありますが、漢方薬の場合は誰に使っても同じ効果ではありません。
ステロイドのように誰に使っても絶対に同じ効果を発揮するものではありません。

僕がやってるのは日本で最も長く治療されてきた日本漢方という流派ですが、日本漢方では漢方薬には方意というものがあり、ある程度、治療方法にいろいろな幅があるという考え方があります。

例えば、葛根湯は風邪によく使われますが蕁麻疹の治療にも使います。
他にもリウマチや神経痛、肩の関節炎、乳腺炎などにも使います。

病院で風邪の時に処方する薬は抗菌系、咳止め、痰がひっかからないようにする系のもの、それと解熱剤。
抗菌系は風邪の後に菌の影響で喉の痛みなどが起こらないように菌を排除する効果。
咳止めは咳を出す中枢神経系を抑えて咳を出なくする効果。
解熱剤は熱を下げる効果のものです。
ちなみに風邪の治療で処方してもらう薬に肝心の風邪の原因であるウィルスをやっつける効果のあるものは一切ありません。
全部、付随するか、するかもしれない症状を一時的に止めたりするだけです。

葛根湯の場合は、咳を止める効果でもなく、熱を下げる効果でもないです。
葛根湯の効果は「表の寒証の発表と温補」「表の水毒の利水」「表の実証の寛解」です。

「表の寒証の発表と温補」とは身体表面の冷えを温めて、発散させる効果です。
「表の水毒の利水」とは身体表面にたまった水を巡らせたり発散させます。
「表の実証の寛解」とは身体表面や首や肩などに溜まった気や水などエネルギーを発散させます。

葛根湯の効果はこんな効果です。
病院の先生にとっては残念なことですが、気管支を拡張するとか、アレルギー反応の物質をブロックするとか、そんなわかりやすい西洋医学的効果はありません。

なぜなら漢方薬は西洋医学とは何の関係もないからです。
現代の研究で現代風に漢方薬の効果を西洋医学的に解釈しようとしていますが、研究としては意義があると思いますが、その漢方薬を選ぶ前の診断も身体や病気の解釈も全て、2千年前の理論とセットになっているものなので、漢方薬の効果だけを現代風に研究しても、現場の治療では何の意味もないと思います。
そんな考え方は趣味の程度にしておいたほうがいいです。

ちょっと横道にそれましたが、葛根湯は「風邪」に効く効果があるわけではないのですね。
そして、このよくわからない東洋医学的効果。

病気と効果を合わせるのではなく、その人の体質によって、この効果がどう応用できるのかを考えなくてはいけないのです。

例えば、蕁麻疹の場合は、さっきの「表の寒証の発表と温補」「表の水毒の利水」
「表の実証の寛解」でどうやって治すのでしょう。

漢方の場合は蕁麻疹が、この3つの効果が合わさって治るのではありません。

このうちの「表の水毒の利水」「表の実証の寛解」の2つの効果を採用します。

このときに重要なのは、蕁麻疹だったら、この2つの効果で治るのではありません。
ここからが西洋医学と逆なところ。

身体表面に余分な水が溜まって、身体表面が実証といって、発散できない状態になっている体質の蕁麻疹なら、「表の水毒の利水」「表の実証の寛解」で治ります。

ここで間違ってはいけないのは、蕁麻疹全般に効くのではないのです。

西洋医学的には蕁麻疹は1種類の蕁麻疹と言う病気ですが、漢方的には、蕁麻疹を主とした体質をみなければいけません。

蕁麻疹を主とした体質だと、他にも蕁麻疹+胃腸が悪いとか、蕁麻疹+肝の臓の機能が弱いとか、いろいろな体質の人がいらっしゃいます。体質が変われば葛根湯でなく、他のぜーんぜんっ違う漢方薬になります。

なので、葛根湯が効くのは「蕁麻疹」にではなく、「表の水毒」と「表の実証」の体質の蕁麻疹に効くのです。
他の体質の蕁麻疹だったら、葛根湯は、ま〜〜〜たく効きません。

これが体質と漢方薬を合わせるということですね。
風邪に葛根湯とか、アトピーに消風散とか、不妊症に当帰芍薬散っていうのは、風邪+「何の体質だったか?」がスッポ抜けているのですね。そこに何の考えもないテキトー処方です。

ちなみに実際には蕁麻疹+漢方的な体質(証)以外に、その蕁麻疹の強さや時期、その人自身の体力等の強さなども含めて考えて、更に深く漢方薬を選んでいく必要があります。
蕁麻疹に葛根湯というのは、結構、強い作用を使った方法なので、一気に悪くなることもあるので、体質を見れない方は使わないほうが無難です。

風邪に葛根湯しか出せない、もしくは肩こりでもなんでも葛根湯を出す医者のことを葛根湯医者といって、漢方では、これはヤブ医者の代名詞になっています。


posted by 華陀 at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月30日

漢方薬が効いてくる期間の謎

漢方薬ってどれくらいで効いてくるか?
なぜか、世間一般的には「漢方薬は半年位かけてジワジワと効いてくる」みたいなデマが流れています。

なぜ、漢方薬の効いてくる期間が常識が、こんな風になっているのか不思議です。
というのも、漢方相談をするにあたって、いろいろな漢方の本を読みあさっていますが(古文レベルの古典も含めて)そんな事はどの書物にも一言も書いていない・・・。

この前なんて、病院で「冷え症を漢方薬で治すには1年位みないといけない」と言われたと言っておられる患者さんがいました。
ひどいデマですね。
「漢方薬」だと1年かかるんじゃなくて「僕が治療したら」1年かかってしまうと正確に言ってほしいものです。
お医者さんの立場で言っちゃったら、本当だと誤解しちゃうじゃないですか。
その人の体質ではなく、冷え症という病態に対して1年かかるとかいう言い方自体がが漢方をわかっていない証拠ですよ。
案の定、東洋医学的な問診を一切とらずにポッと漢方薬を渡されたと言っておられました。

これは僕の推測ですが、効果が出るのに半年もかかるというのは、病院辺りが漢方薬を正しく効かせる使い方ができないから「化学の薬は効果が早い!だから自然の薬である漢方薬は遅い!」みたいな単純な発想で広まったのかもしれません。わかりませんが・・・

それで、結局、漢方薬の効果って早いのか?遅いのか?
結論としては「どっちでもない」という、とんち問答のような答えになってしまいます。

漢方薬は体質に合わせて選びます。
その選んだ漢方薬の役割は、痛みを止める。鼻水を止める。などの特定の効果ではなく、身体全体の調整を行い、その結果、症状がなくなるといった流れです。

とは言っても、いつでもそのパターンではありません。
そもそも「昨日から突然、頭痛がある」「今日の朝から喉がイガイガして風邪っぽい」など、普段、全身症状で見れば対して何もないけど、昨日、今日、2、3の症状が出てきた!って場合は、西洋医学みたいな感じ対応します。

もちろん、漢方なので、西洋医学のように1つの症状に対して1つの効果(新薬1種類:効果1種類)ではないです。
いくつかの症状を組み合わせて、体質を判断し特に目立っている主な症状に漢方薬を合わせます。
それでも、その時は、いつもの漢方治療のように全身の症状くまなく聞いて、体質を分析して、それに見合った漢方薬を選ぶというパターンは踏みません。

急性の場合はそうやって西洋医学のように対応します。
昨日、今日の症状ですから、漢方薬でもこの時の治療期間は3日程。
早ければ1日です。
うちの息子なんて吐き気、頭痛、腹痛なんかはヘタしたら1服で終了。
風邪でも1日半以上飲んだことがないです。
家族も風邪や急性の症状なら、漢方薬を飲むのも3日位。

自分で言うのもなんですが、新薬よりも治るの早いんじゃないかと思います。

そしたら、漢方薬って治るのが早いかっていうとそうではない。
「3年以上前からだんだん症状が増えていって」とか、病気の期間が長くなってくると、やはりそこは治療に時間がかかります。
といっても「病気が完全に治る」ではなく「なんか良くなってきた」とか「なんかいい感じがわかる」とかなら、長年の慢性病の治療で漢方薬を飲み始めても早ければ「次の日〜長くて2ヶ月後」にはわかります。

平均すると2週間後あたりから変化がわかる感じでしょうか。
逆に2ヶ月以上経っても「な〜んにもわからない」場合は、体質と漢方薬が合ってません。
半年も待つのは無駄です。
合っていない漢方薬は、その後10年飲んだって、効果ありません。

何せ漢方薬は200種類以上あります。そんな状態になったら、さっさと処方した先生に体質を再検討してもらって、より合ったものに変えてくれとお願いしてください。

その時に「漢方は時間がかかるものだ」なんて言われたら「なぜ、変えないで続けたほうがいいのか」を聞いたほうがいいです。それで「東洋医学的」に説明できなかったら、そこは即、やめたほうがいいですよ。
東洋医学の理論から外れてます。

そういうことで漢方薬の効果が、わかる期間って早いわけでも遅いわけでもないのです。
そして、実はここからが本題ですが(前置きながっ)

本来なら漢方薬の効果がわかるまで時間がかかりそうな慢性病でも、飲み始めて3日とかで変化することがあります。

急激に気になってた症状が良くなります。
でも、こういう時って同時に悪くなるところも出てくる可能性が高いです。

なぜなら、漢方薬は西洋医学のお薬のように症状を遮断したり抑制したりするものではないからです。
身体の中の要素は互いの絶妙なバランスで成り立っています。
だから、どこかを強く引っ張れば、どこかの要素が引っ込みます。

強く引っ張った方は良くなった症状。
引っ込んだ方は症状が良くなったときに悪く出てきた症状。

急性の場合は、悪くなった部分が良くなるだけで済むのですが、慢性病になると、身体のあらゆる要素のバランスが崩れているので、どこかを強く引っ張ったって元の形には戻りません。

う〜ん、自分で書いてて、これはわけわからない説明かもしれませんね。
とにかく漢方治療って、慢性病の場合は、全体的に少しずつ整えていかないといけないのです。
だから、どこかがすごく良くなって、どこかが悪くなったら場合によったら、良くなった部分があった漢方薬だから名残惜しいですが、一から再検討し、その漢方薬自体を廃止して、考えなおさないといけない場合もあるのですね。

漢方薬の治療期間は早いし、遅いです。
ここが漢方の奥が深いところですね。


posted by 華陀 at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月28日

実は漢方薬のレシピは皆一緒だけど、そこには秘密が・・・

最近、病院と漢方専門店との違いみたいなネタの記事が続いていますが、今回もそんな感じです。

前は漢方専門店の漢方薬って質がいい感じに思われているみたいなことを書きました。
その時に漢方薬の品質は薬価との兼ね合いがあるので、病院の漢方薬はどうしても原料にいいものは使えないんじゃないかという話しをしました。

今回は、逆に病院も漢方専門店も一緒であると言う話しです。
何が一緒かというと漢方薬の種類です。

多分、漢方治療の経験がない一般の方って漢方専門店は、他の人が考えつかないオリジナルの処方ばかりで病院やドラッグなどは既存のものばかりみたいなイメージがあるようです。

あれは誤解です。
漢方薬って例えば葛根湯とかって葛根、桂枝、麻黄、芍薬、大棗、甘草、生姜って7つの生薬の配合でできています。

新薬やサプリメントと違うところは、これらの配合がミソでこれらの生薬の成分さえ入っていたらいいというものではなく、いわば、これってレシピなのですね。

基本的には病院の葛根湯だろうが、ドラッグの葛根湯だろうが、漢方専門店の葛根湯だろうが、レシピは一緒です。

でも、この生薬の質は変わってきます。
質は薬価の問題で病院の漢方薬は多分、あまり良い物ではないと考えられます。
ドラッグも利益を上げる形態が薄利多売なので、高くていいものは仕入れることができませんので、当然、質は落ちてくると考えられます。

だったら、質がよければ効果が高いのか?
これも厳密には違います。
漢方治療の基本は、体質に合わせる治療。
現在の体質とそれに見合った漢方薬を合わせるのです。
マッチングですね。

その種類は基本だけでも200種類以上です。
つまり、最低でも200パターンの体質と漢方薬があります。

つまり、質が世界最高品質でも体質を分析できずに合わせる漢方薬を外してりゃ、効果ないわけです。悲しいくらいに。

だから漢方の場合は、モノの善し悪しよりも大事なのは体質を分析する能力とその体質に漢方薬を合わせる能力が大事です。

僕は漢方を料理のように捉えることがあります。
例えば、カルボナーラというパスタのメニューがありますが、あれは大体、使う物も質を別としてレシピは大体一緒なわけですよ。

ところが、同じようなメニューだけど値段はピンからキリまで。
サイゼリアのカルボナーラと夜のコースだと1万円はするイタリアン専門店のカルボナーラ。
どっちもレシピは似たようなものですが、一緒のものだと思います?

まったく違います。
もちろん、使っている食材の違いはありますが、だったら、サイゼリアで良い食材を使わせたらイタリアン専門店と同じカルボナーラを作れるでしょうか。

そもそも、サイゼリアにはガスレンジも包丁もないので、つくることができません。
また、道具があったってそんな、おいしいものをつくれる技術がありません。

僕のイメージでは個人の体質の問診をとらないで漢方薬を処方している病院は簡単に言ったらサイゼリアですよ。「作り方とかよくわかんないけど、マニュアル通りになんとかやってる」みたいな。

僕ら専門店がやっているのは、漢方薬をつくるわけではないですが、体質を分析して選ぶというのは、専門的な料理の腕みたいなものだと思っています。

同じ、カルボナーラでも食材だけでなく、作り方などいろいろと違うわけですよ。
それにサイゼリアにイタリアで修行した人なんか、働いていないでしょうが、イタリアン専門店にはイタリアで修行した人なんかがシェフだったりするわけですね。

僕も大阪から福岡まで漢方の修行に行きましたが、漢方もそんな感じです。
やはり漢方は誰かに修行をつけてもらうのがよいと思います。

漢方薬のレシピは同じ。
しかし漢方の知識が専門的に深いと合方といって、既存の漢方薬と漢方薬を合わせて、新しい処方をつくったり、加減といって生薬を2、3付け加えて新しい処方にしたり、複数の漢方薬を飲む時間を変えて新しい組み合わせにしたりと専門店はオリジナルの治療のバリエーションが多いのも事実です。

それは、漢方薬の質の問題ではなく、先生自体の東洋医学の治療の腕が高い人が多いからです。
サイゼリアみたいにマニュアルだけで料理というか盛りつけするようなところにオリジナルの隠し味や料理方法があるわけがありません。

漢方薬のレシピは同じ。
でも漢方の治療で重要なのは、それをどう使いこなすのかが最も重要です。
プロの料理人のレシピ本を見ながら作っても、なぜかお店の味と違う・・・
漢方だってそんなものです。

東洋医学として理解して漢方薬を使いこなすのとメーカーのマニュアルや他の病院の治験などをみて処方する。ここには大きな違いがありますよ。
はっきり言って2千年の歴史がある医学は奥が深いです。


posted by 華陀 at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月24日

病院の漢方薬と本当の漢方治療

漢方治療は2、3症状を聞いて、それに合わせて処方すれば「ハイ終わり!」といった簡単なものではありません。
病院は症状すら聞かないで漢方薬の処方を簡単にやっているとこもありますが・・・。

漢方薬は「かゆみを止める」「痛みを止める」など直接的な効果で治療しません。
いろいろな症状や病気は本来持っているバランスが崩れるから起こっていると考えます。

ちょっと捉えにくいかもしれませんが、西洋医学は頭痛などの症状があって、それを止めるためのお薬を処方します。

頭痛 → 頭痛を止める作用で痛みを止める治療。
この場合は、病気や症状1つずつに対応していく必要があります。

頭痛を止める薬。胃痛を止める薬。血圧を下げる薬。などですね。
症状とその結果に対して対応します。

漢方の場合は、治療の根元の考え方が違います。
頭痛や血圧が高いなどの起こってしまった症状、1つずつに対して対応していくのではありません。

人間の身体は元々、自力で健康を保つ力を持っています。
いわゆる自然治癒力と呼んでいるものですね。

これは外界のいろいろな状況(暑いとか寒いとかストレスなど)に合わせて常にバランスをとっています。
毎日、毎日、いろいろな要因で崩れていますが、病気でない人はすぐにバランスを取り戻しています。

例えば冬が寒過ぎると本来のバランスの限界を越えて手足が冷えてしまいます。
それほど、きつい冷えでなければ、また元に戻ります。

一旦、バランスが崩れて冷えてしまうと今度は、なかなか元に戻れません。
この時に西洋医学的な発想だと手足の血流を流す(そんなものは西洋医学の薬にありませんが)という治療になります。
冷えた後の結果に対して対応するのですね。

漢方の場合は、なんのバランスが崩れてそうなったのか、元を考えます。
先程の西洋医学的な発想のように単純に温めるという治療方法をとることもありますが、この時に漢方の場合は全身の状態を見ますので手足の冷えと他の症状との関連がないのかをみていきます。

そうすると冷え始めてから耳鳴りがしていたとか、オシッコが頻繁になった。など全身様々な症状があることもわかります。

こういった症状を組み合わせて元々持ってる自然治癒力の何のバランスが崩れたのかをみていくのです。

外に出た症状から身体の中というか深い原因を探っていく感じですね。

そうやって他に存在する症状と手足の冷えを組み合わせて考えていくと、水の問題と胃腸と腎臓が関わっているとか、月経のリズムと血の巡りと肝臓が関わっているとか(本来はもっと複雑ですが)今のバランスを崩した体質がみえてくるのですね。

漢方には西洋医学のように目立った症状である手足の冷えを温める効果もありますが、結果に対応するのではありません。これでは西洋医学と同じです。

治療の本当の目的は冷えの本質的な問題である水の巡りと胃腸も同時に温めて整えたりと表に出ている症状から辿って身体の深い部分にある根本的な問題を探り、その根本的な問題を治すことによって、結果として手足の冷えが治ります。

全身の症状をみながら体質を探っていき、深い部分から治していくので、漢方の治り方は、気になっていた症状だけが治るのではありません。
その他、体質に関連した症状が全て調整されて治ってきます。

ここが西洋医学と違うところですね。
西洋医学は今の漢方的な見方から説明すれば、身体の深い部分から表に出て来た症状に対して対処するだけです。
だから、本質的なものが治りませんので、薬を永遠と飲み続けなければならないし、その他の症状は、また別に対応しない限り変わりません。

よく漢方と西洋医学の治療方法の違いを木に例えることがありますが、木の葉っぱに対する治療が西洋医学です。(外科などになってくると違ってくる場合もありますが)
葉っぱは無数にあるので、対応するのも大変です。

漢方は根や幹を治療します。
葉っぱが病気になっていても、所詮は枝葉末節。
一番、最後のところをいくらその都度対応しても治療が終わりません。

でも、葉っぱだって元は根や幹から生えているのです。
だから元の根や幹を治すのです。

根や幹は1本ですが、葉っぱは無数。
でもその1本を正していけば、そこから生えている葉っぱは自然に治っていきます。

西洋医学でずぅ〜っと治療しているけど、治らない人は、永遠と枯れていく葉っぱを治療して、それが生えてくる根元の幹や根に対しては何の治療もしていません。
だから、永遠と治療が終わらないのです。
薬も増えるばっかり!

また、悲しい事に病院の漢方は漢方薬を扱っていますが、この超基本的な漢方の概念を理解していませんので、漢方薬を葉っぱの治療に使っています。
1つ1つの病気や症状にあてはめて処方しているのです。

なんで、そんな変な使い方をするのか?
それは先程の身体の幹や根などにあたる体質を知ろうとしないからです。

体質は症状や症状を組み合わせたり、他のいろいろな状態を考えて「証」という形で診断します。
メインの訴えておられる症状に全身の症状を調べて、いろいろと組み合わせて体質を考えていきます。

だから、問診に時間がかかるし、当然、こんなのマニュアルでは不可能。
だって「手足の冷え」と1つの症状だけ見れば同じ感じの人がいても、それにプラスある人は頭痛があるとか、ある人は手がほてるとか、全身の症状を付け加えていったら一緒の人なんていなくなります。
その都度、その人のために考えるしかないのです。

病院で漢方医学的に治療しようとしないのは、そういった分析に時間がかかるからなのか、あるいは東洋医学の体質論を理解できないのか。
どちらかは知りませんが、どちらにしろ、2、3の症状だけとか西洋医学の病名だけで漢方薬を選ぶ事はできません。
2千年間も消えてこなかった医学はマニュアルでチャッチャとできるほど甘くはないのではないか僕は思うのですが。


posted by 華陀 at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月14日

「病院の漢方と漢方専門店の漢方との違い」に対する誤解

「病院のツムラの漢方薬と先生のところの漢方薬ってどう違うのですか?」
という質問。

うちに度々ある質問です。病院の漢方と漢方専門店との違いをうちのWebサイトや過去記事にも書いてありますが、この問題で一般の方には大きな誤解がありますので、今回はこんな複雑なタイトルになっております。

質問の前から皆さんがイメージしている答えは、品質や成分が違うんじゃないか。ということ。
なんとなく、漢方薬専門店の方がイイものを扱っているとか、成分が強くて良い。みたいなイメージがあるみたいですね。

これは、あながち間違いではないですが、正解ではありません。

本当かどうかはわかりませんが、漢方業界では、まことしやかに「ツムラの漢方薬は3倍量飲まないと効かない」なんて言われています。
なんせ、そのツムラの漢方薬を扱っている当の病院の先生が講演で言ってたこともある位なので、信憑性は高いのかもしれません。

保険適応で扱える漢方薬には薬価という問題があります。
(薬価とは国が保険適応になっている薬の値段を決めます。メーカーなどが勝手に定価を決めることができません)
自然の作物を使う漢方薬で利益を出そうと思っても薬価上、漢方薬の定価を上げることができないので、コストカットしか方法がありません。

漢方薬のコストカットとは、ようするに漢方薬の構成している生薬で安いものを使う事です。
現に昔は複数の漢方薬メーカーが保険適応の漢方薬を提供していましたが、今は病院相手では利益が出ないため、ほとんどが撤退しています。

そういったことで、確かに皆さんがイメージしているような、病院の漢方薬は粗悪で漢方薬専門店の漢方薬は上質のものっぽい。ということはあるかもしれません。

しかし、漢方治療においては、それよりも重要なことがあります。
それは漢方治療は漢方薬の成分よりもなによりも、その人の体質に合わせなければ効かないということです。
漢方は西洋医学とは理屈が違います。

僕は修行時代に一時期、ツムラの一般用漢方薬で治療していたことがありますが、確かに効きは弱い感じはありましたが、それなりに治していました。
効果が弱いものであっても、体質にちゃんと合わせてやれば、それなりに効くものです。

逆にものすごく品質の良い効果の高い漢方薬であっても、体質に合っていなければ漢方薬は効きません。
東洋医学の難しいところはココですね。

漢方薬の最も重要なポイントを優先度で並べると、
@その人の東洋医学的な体質を診断しているか。
A診断した体質に最適な漢方薬を選ぶ事ができているか。
B品質の良い漢方薬を使用しているか。

この3つが揃っているかどうかです。
先程もお話したように重要なのは@とAで、これがクリアできていたらBは大きな問題ではありません。品質が良いに越したことはないですが。

現状は悲しいことですが大半の病院と漢方専門と銘打っている店が@とAを実践できていません。
メーカーからもらったマニュアルで合わせているだけです。
それは実際に処方してもらっている感じから、患者さん自身が感じていると思います。

なので、病院と漢方専門店との比較というのは、ちょっとズレがあるかもしれません。
病院でも保険適応でなく実費でちゃんと漢方的な体質判断をして、それに適した漢方薬を処方しているところもあります。
逆に漢方薬専門店でも、専門店っぽくは見せていても、実際は漢方医学理論の五行論を一方的に説明するだけで、東洋医学的な問診もとれないし体質も診断できない店なんてゴロゴロあります。

厳密にみたら、病院と漢方専門店の違いを比較するのではなく、病院も専門店もひっくるめて治療医学としてやっているところなのか?
販売として適当にやっているところなのか?の違いをみることが重要です。
そういう意味では漢方薬は容易に治療から販売に変身します。

違いをみるポイントは、
@西洋医学の検査や診断でなく西洋医学とは別で東洋医学的な体質を診断するためにわざわざ問診をとっているか。
A西洋医学の診断の病名でなく東洋医学的な体質を診断しているか。

チェックするのは、この2点です。
これがなければ漢方薬を処方していても、そこはただの「漢方薬の販売」をしているだけで、例え病院であろうが東洋医学の治療ではありません。
西洋医学的な漢方薬の販売という複雑な新たなジャンルです。

あなたが西洋医学とは違う東洋医学の治療を求めているなら、これからは「病院か漢方専門のお店のどちらがいいのか?」ではなく、@とAをちゃんとまじめにやっているところか、どうかをみていったほうが、よいかと思います。



posted by 華陀 at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月07日

ユダヤ教の健康法と漢方

ユダヤの健康法という、変わったコラムを読みました。
実はうちで不妊治療の指導をしている方法は、元々、自分たちが不妊で悩んでいて、その時に漢方薬以外で他に妊娠を成功させる方法がないかを研究した結果、いきついたのがユダヤのニッダーの中にある妊娠法でした。

もちろん、その方法だけでなく漢方薬やら他の漢方養生もして赤ちゃんを授かったのですが、そんな訳で自分自身にゆかりのある感じの記事だったので気になって読みました。

そのコラムによるとユダヤ教の中には健康と医療、それに食べ物にまつわる情報が非常に多いらしいです。

書いてあるのは戒律という厳しいルール的な形で書いてあるらしいのですが、目的は病気を避けて健やかにすごす方法です。

どんなものは食べてもよいのか?
どんなものは食べてはいけないのか?
仕事と休息をコントロールする方法や親子や友人との関係性など。

生きていく全てにおいて事細かな指示が戒律という形で記されているとのこと。

これを読んで「これって漢方とそっくりだな」と感じました。

このユダヤ教が記されたのは4千年前らしいです。
漢方も4千年前。

漢方は宗教ではないので、守るべき戒律という形で記されていませんが、書かれていることは同じ感じのように思いました。
結局、古代に書かれた原点的なものって、どの国でも変わらないのですね。
文明的にも複雑でない分、原点的で最も真を突いているのかもしれません。

どちらも非常にいいものだと思います。

しかし、残念ながら現在の日本では漢方はこういった本質を理解されずに大きく誤解?されて理解されています。

漢方薬のイメージって新薬の化学合成物に対して自然のやさしいお薬ってイメージがありませんか?
こういうイメージがあるから、漢方薬はジワジワ効くとか、効くのに半年かかるといった、全くのデタラメが横行していると思うのですが、漢方の真髄は漢方薬治療ではありません。

今の日本では大半の医者が「漢方」を勘違いしているので、漢方には新薬(人工化合物)にはない新たな成分や効果があるんじゃないかと考えているようです。
だから、漢方薬を化学的に調べるという意味不明な研究者のオナニーのようなことをやっているのですが、漢方の真髄は先程のユダヤの戒律と同じです。

いかに自然に逆らわずに健康であり続けるか?
その健康を保つ途中で病気になった時に使うのが漢方薬であり、日々の食生活を正しくするためのものが薬膳です。他にも漢方の養生方法はたくさんあります。

漢方は薬の効果がどうたらこうたらで治すだけが目的ではないのです。

漢方のスゴイ!ところは一般的な「人間」に対しての健康法ではなく、一人一人の体質を分析し「その人の体質別」に漢方薬を処方したり、食べるものを選んだり、精神の在り方を指導するのです。

日本の漢方薬を扱っている大半の医者が勘違いしているのはココですね。

一人一人の体質を分析するための問診もとらないで漢方薬を処方するのは、漢方薬自体に何か新薬にはない成分や効果を期待しているという証拠です。発想自体が西洋医学から全く抜けていません。

漢方薬は別に新薬に変わるような画期的な成分や効果があるわけではありません。

元々の治す方法や考えが違うのです。
新たな成分で治すのではなく、体質のバランスをとることによって、自然治癒力をひきだすのです。

だから、漢方薬よりも、その人に眠っていた自然治癒力がすごいのです。
漢方薬でちょっと整えてあげれば、その人は、ものすごい治癒力を発揮するのです。

考えてみたら、自分の自然治癒力が一番、自分の身体のことをわかっています。
それを手助けするのが漢方薬。

でもその漢方薬はあくまで、その人の体質に合わせて処方できた時に発揮する力。
だから、漢方治療で重要なのは、いろいろな種類の漢方薬を処方することではなく、

「その人の現在の体質を東洋医学的に見極める!!」

これが漢方治療の7割、8割を担っているわけです。
とにかく徹底的に「その人独自の体質」を分析することにエネルギーを使います。
なので漢方薬を選ぶための問診をとらないで、西洋医学の病名だけで処方するのは、治療すら初めていない状態ですね。ラッキーで治ることはありますが、それは、その先生が治しているとは言えません。
飲んだ漢方薬が、たまたま当たっただけ。競馬などの賭け事レベル。

なんだったら、そういう処方の方法って漢方を医学的にバカにしているともいえます。
漢方薬を処方している先生が漢方医学理論をバカにしている。
なんとも皮肉な話しですね。

ちなみに漢方は漢方薬での治療の問題だけでなく食事や運動、精神の在り方なども、その人の現在の体質に合わせて指導します。
これも西洋医学とも違うところですね。
西洋医学は「1日1万歩歩きましょう」とか、人間全体に対する健康法を言ってるだけで、その人それぞれの体質に合わせて指導するわけではありません。

だれでも1万歩あるけるとは限らないのですよ。
漢方は漢方薬だけではありません。

その真髄は「現在のあなたの東洋医学的体質」を見極めることです。
posted by 華陀 at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月01日

漢方薬の治療と西洋医学の治療は大きく違う

日本というか、先進国は西洋医学こそが病気を治す唯一の方法だと本能にすりこまれてる部分があると思います。

かくいう僕もこれだけ漢方治療をしていても、最後は病院に行けば治るか!なんて反射的に思ってしまいます。実際に病院に行ってもどうにもこうにも治らないんですけどね。

というような感じで西洋医学こそが医療の基準!という概念が僕も皆さんも頭から離すことができないわけですよ。

なので、漢方のことも自然に西洋医学をベースに考えてしまいます。
「西洋医学をベースに考える」とはどういうことかと言うと、漢方薬を西洋医学的な生理学など西洋医学が考える病気や治療の考えでもって、漢方も考えてしまうということです。

これって、おかしいのですね。
漢方薬は古くからある医学なので、中には近代の西洋医学よりも、漢方は何もわかっていなかった時代の医学。と漢方と西洋医学を同じライン上で考えてしまう人がいますが(残念なことに医者にいます)そもそも、古臭い漢方が発展していって西洋医学になったわけではないのですね。

漢方は東洋医学として、アジアで発展し、西洋医学は西洋諸国で発展していて、どちらの医学も交わることはありませんでした。

だから、古い医学が漢方で新しい医学が西洋医学ではないのです。
どちらも同じ位に存在しています。

医者でたまに漢方は化学的でないという方がいらっしゃいますが、これも大きな誤解で漢方は化学を元としていないのです。

例えになってるかわかりませんが、人が人を「好きになる」感情を「好き」は化学的に解明できないから「好きになる」感情は「ウソだ!」って言ってるようなもので化学的に解明できなくても、この世の中に存在し、これほど確かなものはなかたっりするのですね。
こう言ってる医者だって、誰かを「好き」になってたりしますからね。

だから、漢方においては、化学で解明できるかどうか、なんて何の関係もないのです。
だから、これは僕の勝手な解釈ですが、おそらく西洋医学で優秀な先生ほど漢方の腕は反比例するのではないかと考えています。

そんなわけでは漢方は西洋医学の補助的な治療ではありません。
西洋医学は西洋医学。漢方の東洋医学は東洋医学なのです。

ちなみにわかりやすくするために漢方は古臭い医学として書いていますが、漢方は今も発展しています。
漢方は常に臨床の繰り返しなので、昔の知恵を活かしながら常に発展している新しい医学なのです。

漢方と西洋医学の治療の違いをもう少しわかりやすく例えてみましょう。
わかりやすくないかもしれませんが。

ある犯罪者チームが巣くう治安の悪い町があります。
その町自体が僕たちの身体だと思ってください。
犯罪者が病気の原因や症状だとお考えください。

西洋医学の考えは犯罪者一人、一人をしらみつぶしに探して、一人一人をやっつけていきます。
その間に犯罪者はチームなので、一人捕まったら、逃げ果せた誰かがまた犯罪を犯してとそれを繰り返します。治安の悪い町って得てしてそんな感じですね。
警察と犯罪者のイタチごっこです。その都度、細かな犯罪はなくなりますが、複数の犯罪者のチームがいるので、どこかのチームの親分が捕まったら、他の犯罪者のチームが相対的に強くなるということの繰り返しです。
犯罪者と警察が派手な撃ち合いなどしようものなら関係ない市民まで死んでしまったりします(薬の副作用)

身体の中(町)の病気や症状の細かな原因(犯罪者)を探して、その原因や症状1つ1つを治療(捕まえる)していく感じですね。
ある治療をしている間に薬の副作用で次の病気が増えたり、薬の種類がどんどんと増えていったり・・・

漢方の場合は、町全体の治安について考えます。
犯罪者を捕まえることも大切ですが、漢方の場合は、犯罪者が、のさばれない町を作ることを目的とします。
そのために根本的な原因を考えます。
なぜ、犯罪者が多いのか?
仕事のない人が多いからか、町に暗い部分が多いから、誰も他人を気にもとめていないから、住んでいる人が不用心だからか。

そして、これら原因を1つずつ選んで治していきません。
漢方の治療の場合は、できるだけ、これら全てに対処します。
できるだけ仕事につけるようにし、街頭を増やし夜でも明るくし、人と人が声を掛け合うようにします。戸締まりをきちんとするように奨励し、パトカーの巡回の数と頻度を増やします。
時間はかかりますが、やがて犯罪者が犯罪を働きにくくなる下地ができます。

そうなると犯罪者は自然にどこかに出て行きます。
結果、治安はよくなるのです。

この場合、すぐに病気や症状(犯罪)はとれないこともあります。
でも最終目的は症状(犯罪)と治療(捕まえる)のイタチごっこが目的ではありません。
最終的に薬や治療(警察)に頼らなくても症状や病気(犯罪者)に打ち克つ方法なのです。

漢方はそういった意味では症状の改善がはっきりとわからない場合もあるのですね。

でも、いきなり矛盾しますが、漢方の場合は外科的なことは無理ですが内科的ことなら西洋医学と同じことができます。
それは、根本的な治療を目指しているにも関わらずその都度、症状を取り去っていくこともできる便利なものなのです。

ただし、漢方の場合、その都度、すばやく症状をとっていこうとすると漢方薬の力ではなく、その都度、最適な漢方薬を選ぶ「漢方の腕」が全てになってきます。
ここも西洋医学と全く違うところ、同じ種類の漢方薬を持っていても、選び間違えたら、全く効かせることができないのです。

これが医者などに敬遠されるゆえんです。
再現性がどこまでいってもないのです。
スポーツや音楽や絵と似ています。その人の才能でしか効果を発揮できないのが漢方なんですね。
西洋医学は誰が処方しても同じ効果を期待できますが、本質的な漢方は病気や症状に対応したマニュアルが通用しませんので、先生自身が考えて処方しなければいけません。
だから体質の判断を間違えたり、漢方薬を選び間違えたら全く効かないどころか有害になることすらあるのですね。不思議な医学です。


posted by 華陀 at 15:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月26日

難病(後縦靭帯骨化症など)にも対応できる漢方薬

「漢方では、どんな病気が治せるのか?」こういった質問をよくされますが、病気(病名)というのは実は西洋医学特有のもので厳密には漢方とは関係ありません。

漢方では体質をみて身体全体を整えることが目的です。
なので本来の伝統的な漢方では、病名で漢方治療はしません。
というか、病名だけでは治療できません。
だから、漢方は病名でいろいろな判断はしません。

本来の漢方治療をやっていたら、病名ではなく、あなたの今の体質を診断します。
この現在の体質が西洋医学での病名のようなものですね。
西洋医学で、あなたは「アトピー性湿疹という病気です」というのは漢方では「●●の証です」という具合になります。

現在では、まず西洋医学の病院に行ってから病気の診断なりをされて、それから漢方の相談に・・・という形が多いので漢方でも病名を参考にしますが、あくまで西洋医学の病名を「参考」にするだけです。

参考にするというは、特にその西洋医学的な病名でなりやすい、いくつかの体質の傾向があり、その傾向にしたがって漢方薬を選ぶのに参考にするというもので「アトピー性湿疹なら●●漢方薬」とかといったマニュアル的な選び方は本来の漢方治療では存在しません。

ただ、病院では漢方の基礎的な医学理論を治療レベルに達するまで理解できていない人が多いので、漢方薬のメーカーなどから貰った「病名に対応した漢方薬」のマニュアルをみて、それを順にためしていくといった感じで処方していることが多いようです。

でもこれは、全くの間違い。
西洋医学の検査や診断、投薬で忙しい医者にとってはマニュアル的に簡単に漢方薬を処方できるので、医者にとっては良いでしょうが、西洋医学的な病名と直接的には一切、関係のない漢方治療では役に立ちませんので患者さんにとっては、良いことではありませんね。

で、なぜ、こんな話しを長々としたかというと漢方では病名と関係がなく、その人の今の体質自体の調整を目指しますので「どんな病気でも治せる」というようになります。

ただし、外科的な処置が必要な病気や心臓発作などの時間単位で病態が進む急性病などは、漢方では治せません。
これらは、西洋医学を治療を受けたほうがいいです。

また、漢方では治せるけど、病院に行ったほうがよい治療もあります。
それは、さっきなったばかりの急性病です。
頭痛とか、どこかに打った後の痛みとか、高熱とか、今、対処したら後は治りそうなもの。
慢性化しなさそうなものですね。
これは、西洋医学の本来の目的のその場しのぎの治療(対症療法)と合致します。
この場合は、漢方でも治せないことはないですが、漢方では急性病に合わせていくほど、体質の分析が難しくなりますので、その場をしのいでいけそうなら、新薬を飲んだほうが早いです。

その後になぜか症状が続いて慢性化してしまったら、その場しのぎの治療(対症療法)では難しくなってくるので、その時は漢方で考えればいいのじゃないかと思います。

うちでは実際に後縦靭帯骨化症の方やリベド血管炎の方、または病院で全くの原因不明の症状の方なども治療させてもらっています。

西洋医学で全くの原因不明なのになぜ治すことができるのか?
それは「西洋医学よりすごい!」とかそんなことではなく、治療の考え方が違うからです。

西洋医学ではいろいろな検査で原因を調べて、その原因に対して治療します。
こういった治療までの流れがあるので、西洋医学では、原因がわからない場合は、原因不明になってしまいます。

実は西洋医学では、病気の原因なんてほぼわかっていません。
例えば、高血圧に本態性高血圧というものがありますが、これって、言い方を変えれば、原因がはっきりしない高血圧です。あれだけ薬を出していても原因がわかっていないし、どうやったら根本的に治るのかも皆目、わかっていません。
ただ、その場しのぎに血圧を下げる薬を出しているだけです。

他にもアトピーも原因がわかっていませんし、慢性蕁麻疹や不妊症なんて、部分、部分、不妊になるかもしれない原因はわかっていますが、その人自身の何が原因で不妊なのかは「素人でもわかるわ!」っていうくらいのレベル(両方の卵管が閉塞など)でない限りは、ほとんどが原因が特定できません。

ちなみに風邪は原因が「風邪のウィルス」とハッキリとわかっていますが、治療する薬がありません。今、病院で風邪で処方しているのは、全ての薬が肝心の原因とは何の関係もないものばかりです。

ようするに慢性病は全部、「原因がわからない」というよりも、全身のいろいろな部分の原因が複雑に絡み合って、その病気をつくりだしているので、1つの原因に絞って治療しようとする事自体が無駄な行為なのです。

漢方でも病因といって原因を考えますが、西洋医学のように何が何でも原因を追求しません。
逆に原因なんか、わからなくってもいいくらいです。

ではどうするのかというと、漢方では現在の体質のアンバランスを身体全体から見て、元のバランスのとれた状態に戻すのです。
この表現は比喩ではなく本当にアンバランスを見つけて戻すだけ。
実に単純です。

だから、西洋医学的にどんな病気(病名)だろうが、今の体質が漢方的にどんな体質なのかを見さえすればいいのです。
今の体質をみれば、どの漢方薬で治療すれば元のバランスに戻るかがわかるから。

これが本来の漢方治療ですね。
だから、西洋医学の病名で漢方薬を選ぶのは、西洋医学側で勝手に設定したことなので、漢方治療とは何の関係もありません。
逆に正当に「東洋医学的な体質をみれない人」の誤摩化しですね。

漢方はありのままの身体の状態をみるだけなので、ちょっとした頭痛でも難病でも関係ないのですね。


posted by 華陀 at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月21日

漢方は師弟関係から学ぶのが望ましい。

日本にはいろいろな専門学校があります。
また、一流の企業に入社したければ、実質は高学歴でないと入れません。
ところが世界的机上のGoogleなどは、入社基準に学歴を考慮しなくしていくようです。
その理由が学歴と仕事の能力の高さに相関関係がないからだそうです。
世界レベルのデータを整理している企業の考えですから、信憑性が高いですね。

世界ではこんな状態になってきていますが、日本ではタテマエでは能力主義と言いながら、実際は学歴が高いかどうかが能力が高いかどうかと混同して考えてしまっています。

僕は、Webのデザインもやったりします。
お店自体のデザインも全て自分でしました。
お店のホームーページをだしているとよくホームページをつくる営業がうちにくるのですが、自分のところのホームページを自分でつくっていると言うと「かならず、漢方もされているのにIT系の専門学校にもいかれたのですね」と言われます。

Webのデザインも店舗のデザインも学校なんかに行ったことはありません。
全て独学と人脈を辿って、数人のその道のプロにその都度、実践で教えてもらいました。

本業の漢方でもよく聞かれます。
「漢方ってどこかの学校で教えてもらえるのですか?」

どこの大学も専門学校でも教えてもらえません。
薬学では、漢方というか生薬を学ぶ機会はありますが、その生薬も成分がどうとか、西洋医学的な方向性から見た漢方であって、東洋医学の漢方ではありません。

処方のことも学びますがそれも西洋医学的な方向性からみた効果であったりといった調子です。

医大では、漢方を教えてもらう時間はほぼないようです。
知り合いの医学生に聞いたところ、漢方をちゃんと勉強したいと教授に相談したら「勝手に自分でやりなさい」と言われたそうです。

僕が持ってる国際中医師になるためには、ある種、学校のような感じで漢方の講義を受けますが、あくまで試験に受かるための基礎的な知識で、国際中医師をもってる僕が言うのもなんですが、漢方をそれっぽく語るのには役立ちますが、その知識は実際の治療には1mmも役立ちません。
僕はないよりはあったほうがいいかなと言う程度で、国際中医師はもってようがもっていまいが、治療には良いも悪いも何の影響もありません。

僕はさっきのデザイン以外にもパソコンやギターやピアノ、スノーボードやサーフィン、料理、投資などをしますが、投資以外は学校に行った事がありません。

投資の学校もいわゆる専門学校ではなく、個人の会社がやっているような特殊な感じの学校でした。

インターネットなどでどんな情報にでもアクセスできる時代になんで、わざわざ、出来ない人も出来る人も押し並べて教える学校にいかなくちゃいけないのか、それが理解できません。

参考書に答えが載っているようなものは学校にいく方がいいのかもしれませんが、それ以外は、僕は人生経験上、師弟関係で学ぶのが一番良いのではないかと思います。

特に漢方は西洋医学みたいな体質を考えずに誰にでも同じような効果を求められる治療ではありません。

一人、一人の体質に対して、その都度、治療の方針をつくっていかなくちゃいけないのです。
漢方にだって、基礎的なことはありますが、本で学べるようなことをわざわざ、学校に行って教えてもらったってしょうがいないのです。

本で学べるような漢方治療のテクニカルな部分も大切ですが、それよりも東洋医学のマインドが重要だと思います。

師弟関係だと、このマインドが学べます。
師匠がその弟子との相性で独特の教え方をしてくれるのです。

学校だと全員を平等のカリキュラムの中で教育していきますので、基本的に個人差は生まれません。

でも漢方はその先生の独自の考えが確立されないと、いつまでも教科書に書いてあることをやっていたって、様々な体質の人は治せないのです。

マニュアルで治せるのは、マニュアル的で平均的な人だけです。
ちょっと変わった体質にあると、たちまち治せなくなるのが漢方です。

うちでは薬学生さんなんかに「漢方という医学をどう学べばいいですか?」と聞かれることがありますが、「誰か師匠を見つければいい」とアドバイスしています。

医者なんかに多いですが、漢方をやってる先生の講義にちょろっと顔を出したり、その先生の医院に数日行って、漢方を教えてもらったことを「漢方を叩き込まれた」みたいに言ってますが、本当に漢方で治療していこうと考えるのなら、自分の仕事を一旦棄てて、師弟の関係になるべきだと思います。

師匠である先生とプライベートもともにすごして、そのマインドも含めて学ぶべきです。
漢方治療にはそれが必要です。
教科書を記憶したって、それはGoogleのデータを変わりません。

そのデータを自分の思想と経験で加工して治療に役立てるべきだと思います。
だから僕は漢方に限らず、ギターもピアノもパソコンも師匠がいます。

師匠からマインドを学んで後は学校みたいに教えてもらうんではなく自分で調べてできることは、自分で調べればいいのです。

漢方のどんな修行をしたかも漢方治療の腕を知る指標になるかもしれませんね。
「漢方の●●先生に師事」と書いてあるのは、ただ単に数回、講義を聞いただけかもしれませのでそういう先生は要注意です。
posted by 華陀 at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月16日

漢方薬が効かない!効かせられない!人の法則

前にこどもと大人の治癒率の異常な差から、漢方薬が効く人と効かない人が出てくる可能性があるという記事を書きました。

効かない。効かせられない奥底には漢方治療が化学的で客観的な検査を元に治療するものではなく、患者さんの主観的な自覚症状と処方する先生の主観的な治療方法で進めるものである以上、コミュニケーションをうまくとれない関係の先生から処方された漢方薬は効かないという問題があると思います。

それ以外に一定の思考の持ち主は先生も患者さんも漢方薬が効かせられない、効かない。という事態も起こります。

ちなみに大半の病院の漢方薬を処方する方法はコミュニケーションを主体とする漢方の治療方法を一切無視して「西洋医学の病名」だけでマニュアル的にやってます。
こういった方法って残念ながら漢方治療の入り口にも立っていません。素人同然ですからね。

どんな思考だと漢方治療自体がうまく働かないかどうかの話しをすすめる前に漢方治療の絶対的な原則をお話しておきたいと思いますが、漢方の治療は基本的に効かせられないのは処方した人間の責任です。

処方した先生なら先生。自分で選んだのであれば自分。

西洋医学的な発想からいくと「漢方薬を飲んでみたけど漢方薬が効かない!これは漢方薬の質が悪いから効果が薄い!」などと考えられがちですけど漢方薬は効果が強いとか弱いとかの次元で考えません。

あくまでその人の今の状態(体質)に合っているのかどうか。
漢方薬にも強い効果のものもありますが【強い効果=治す力が強い】という法則は成り立ちません。

強い効果のものは、それなりの体力や症状も強い状態でないと「合いません」
体力なく、症状が強くないものに強い効果の漢方薬はかえって毒なのです。
漢方薬においての「治す力の強さ」は「漢方薬との相性の良さ」なのですね。
つまり、どれだけ体質分析を見誤らずになおかつ体質にあった漢方薬を選べるか。

しつこいようですがこういった法則から病院の病名で選ぶ漢方薬がどれだけ愚かな行為かがわかります。

それはおいといて、どんな思考であると漢方薬が効かない身体になるのでしょうか?
本題、おそッ!

これは患者さんだけでなく処方する側の先生にも言えることですが、簡単に言えば、西洋医学的な発想や考えが強い先生や患者さんほど漢方薬が効果的に働いてくれません。

西洋医学においての身体を治す考え方というのは、直接的な考え方です。
例えば、頭痛なら痛みの物質を止めれば痛みはなくなるはず。という考え方。
不妊症なら、ホルモンをたくさん足せばホルモンが活性化するという考え方。

直線的で直接的な考え方ですね。
わかりやすくいえば単純な発想。

ところが漢方治療は頭痛の痛みの物質を止める効果で頭痛をなくすわけじゃないのです。
頭痛でも人によって、水の巡りの悪さであったり、血の巡りの悪さであったり、気の巡りの悪さであったり(実際はもっと複雑にいろいろな要因が考えられます)があり頭痛に対して直接期に痛みを止めるわけじゃありません。

水毒という水の巡りが問題の頭痛であれば、頭痛から治らずにオシッコの回数や汗のかきかたなどから良くなった後、頭痛も良くなってくるなんてことは、漢方治療では、めずらいいことじゃありません。

これを「漢方薬も新薬と同じで頭痛の痛みを直接的に止めるもの」と単純に考えてしまうと「他に良くなったところがあるけど、頭痛は良くならない」と考えてしまい→「この漢方薬は効かない」と考えてしまうこともあるのです。

昨日や今日、発生した頭痛で無い限り、漢方治療は中長期で捉えて先を見据えた投資のように治療していかなければいけません。
ただし、なんでもかんでも少し長めに見た方がいいとは限りません。
直接的に良くならないいけない体質もあるし、逆に漢方薬を飲んで体調が悪くなったのであれば、すぐに変更を検討したほうがよい場合もあり個人の体質によってケースバイケースですね。
「どっちか」という狭いデジタル思考は漢方では危険です。

先を見据えた中長期な投資となると「いつ治るかわかんないのは嫌」だとなるかもしれませんが、皮肉なことに現場の傾向をみていると中長期的に先を見据えている人ほど、治るのが早かったりします。

また、思考的には中長期と言ってますが、実際の身体の変化は、そんなに時間はかかりませんし、時間がかかる場合は、処方した先生は漢方薬を見直したほうがいいと思います。
僕もそうしています。

だから漢方薬の場合は単純に自分の気になってる症状がどうなるか?だけを気にするのでなく身体全体の状態が「治る方向に向かっているのかどうか?」を常に考えていく必要があるのですね。

漢方の問診でたくさんの症状をお聞きするのは、そういった意味があるのです。

漢方治療を効果的にするためには処方する先生も処方される患者さんも西洋医学的な発想を棄てること。
(ただし、西洋医学の生理学や病態生理、検査、薬理は体質判断の参考にはなります)
そして漢方薬の効果を直接的、単純に考えない事。
飲んだらすぐに、わかりやすい部分がどうにかなる。と考えずに中長期的な少し先をみておくこと。

これが双方にとっての治療のコツだと漢方人生の中で思いました。
僕も治療する側として、いつもこの事を肝に命じています。

僕の勝手な考えではありますが、この考えからいくと西洋医学でバリバリやってる先生ほど【漢方治療をうまくできない】じゃないかなと思いますよ。


posted by 華陀 at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月02日

子供の治療から発見した漢方薬が効かないタイプ

以前に漢方薬が効かない体質はないという記事を書きました。
漢方薬自体は数百種類あり、何かしら、あなたに合う漢方薬はあります。

ただ、体質判断も、それに合わせる漢方薬も処方する先生が推測することなので、その根元の推測が間違っていれば、漢方薬は効いてくれませんので、あなたが「漢方薬が効かない体質」と考えてしまってもしょうがないんですね。

でも、それは実は処方した先生の責任なんですよ。
探せば、きっとあなたにあった漢方薬はあるはずなんです。

あなたに合った漢方薬は、かならず、ドコかに存在すると思うのですが、例え、漢方の達人が選んだ漢方薬でも、漢方薬が効かない体質。というよりも漢方治療自体に向いていないタイプというものはあります。

8年間、実際に相談してくると、どうやっても治せない人が出て来ます。
それらの方々の統計データをとっていくと、あるパターンが浮かび上がってくるのです。
(単純にあなたの腕が悪いと言われればそれまですが・・・)

漢方治療は、体質の推測、そして推測した体質から漢方薬を選ぶので、漢方薬が効くか効かないかは、漢方薬の効果よりも優先的に考えないといけないのは、選んだ先生の腕です。

ということは「あなたは漢方薬が合わない人」ということは、先生側からは決めることができないのです。
では、なぜ、漢方治療に向いていないタイプというのがわかるようになったのか?

それは、こどもの治療です。
うちでは、こどもの治療を結構、やってます。
アトピーや喘息、蕁麻疹やてんかん発作、慢性便秘など。
いろいろな、こどもの病気を漢方で治療しているのですが、過去2人を除いて、全部、治しています。(現在、治療中の方は除いてます。単純に僕の腕が悪くて治せてない人が今後は出てくる可能性もあります)

その2人のうち1人は遠隔地の方で直接お会いせず、お母さんと電話でお話するだけの状態。こどもさんも写真でしか見た事がありません。
その写真も湿疹の患部の写真です。

2人目は、苦くて飲めなかった人。これは飲んでいないので・・・漢方薬では治らないですね。

というわけで、こどもの治癒率は大人に比べて9割はいってんじゃないでしょうか。
この話し、別に「すごいでしょう!」という話しではありません。

何が不思議かって大人の治癒率とこどもの治癒率が異常に違うのです。
治癒率から考えると、大人とこどもという要素自体に何か、漢方薬が思うように効かないヒントがあるんじゃないかと思って、今も研究しています。

安易に考えれば、こどもの代謝と大人の代謝が違うとも言えますが、こどもの病気自体が様々で中には入退院を繰り返すほどの子供さんもいました。
このケースだと代謝が高いから。という理由は違うような感じです。

では、一体、どこに違いがあるのでしょうか?
正直、今も研究中ですが、現時点での考察を進めていきましょう。

西洋医学は客観的治療です。
問診で症状などを聞き取りする時もなるべく本人の主張よりも検査などの本人以外の他覚的な症状を尊重します。

患者さんが「よく微熱を感じる」と主張したとしても西洋医学では体温計で計った時に熱がなければ、その微熱は「気のせい」扱いですが、漢方では「上焦に熱がある」と捉えます。

西洋医学のお薬はお薬として病院などから処方される段階では、効果というものが決まっています。
この効果は漢方薬のように体質によって効果が変わる事はないのです。

そして、この薬を選ぶのも体質ではなく、できるだけ、検査数値などの自覚的でない客観的なデータに基づいて診断されて処方されます。

本人がどう思おうが薬の効果はあらかじめ決まっていて、その効果以外はありません。
人間である限り「設定した効果がある」ということが前提になっています。

ところが漢方薬を選ぶ際は検査数値や心電図などの客観的なデータはとりません。
最初から最後まで、患者さんの主張する自覚症状を元に体質を分析して、その体質を元に漢方薬を選びます。

だから自覚症状の意識や主張の表現が間違っていたら、体質分析する際の情報自体が間違っていることになります。
そのままいっちゃうと間違っているかもしれない体質を分析し、間違っているかもしれない漢方薬を処方することになります。

なので漢方薬が効かない体質なんてのはないですが、自覚症状の捉え方や表現の方法によっては、漢方治療が効果的でないという事態は起こることが考えられます。

どうも、ここら辺りが、こどもと大人の違いのような気がしてきました。

こどもは症状を聞いた時に思ったまま答えます。
わからなければ、わからないと。

そして、そのわからない部分はママが客観的にフォローしてくれます。
「私が見た感じでは・・・」と。

つまり、主観性と客観性が混ざっているのですね。
漢方治療ではめずらしい状態です。

漢方治療で体質を分析する際に本人の主張。
つまり自覚症状を元にしますが、100%の純度の自覚症状の情報が良いとは限りません。
なぜなら、例えば年配の人になるほど、また寂しい思いをしている人ほど、自分の自覚症状の主張が大袈裟になる傾向があります。

逆に男性なんかで、それなりに地位のある人や僕は見た目が若いので、それを見て「この先生、大丈夫かな?」なんて思ってしまう人は、強がって症状を過小に申告する傾向があったりします。

どちらも体質を分析する情報としては、曖昧で不安定になりがちな情報なんですね。

ところが、こどもは、そんな、しがらみなどは一切、関係ありません。
気にしているのは、漢方薬が苦いかどうかだけ!(笑)

それにママのフォローで客観的な症状も教えてもらえるのです。
だから、こどもの場合の問診は、主観性と客観性の入り交じった、バランスの良い情報です。

どうも心理学的な側面が診断などに影響してそうです。
大人はオトナの社会的な事情やらなんやらで、問診のコミュニケーションが誰もが同じようにとれないのが、ネックになっているのかもしれません。

そこから発展させて、どうも一定の思考の大人の人は、より漢方薬が効かないんじゃないかという考えも出てきました。
漢方薬が効かない一定の思考の大人の人の問題は、もう少し、研究してみて、後日、記事にしてみたいと思います。


posted by 華陀 at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月11日

漢方薬は長く続けても治らないこともある。

漢方薬って体質に合わせて処方します。この辺りは知ってる!知ってる!って感じですよね。
この「体質に合わせる」という意味が一般的には誤解されているようなので、漢方治療で体質に合わせていくとはどういうことなのかを詳しくみてみましょう。

「体質に合わせる」という意味合いは病院でも誤解されていることがあります。

どんな誤解かというと体質に合った漢方薬を飲み続けていけば、いつか自動的に治っていくんじゃないかということ。

だから、よく同じ種類の漢方薬を何ヶ月も飲み続けている人がいます。
で「飲んでいてどんな感じでしょうか?」って聞いてみても「よくわからない」という答えが返ってきます。何年も飲んでるのに。

病院などは漢方薬ってどれくらい飲み続けないといけないのかわかっていないことが多いので、ただ漠然と処方し続けているのです。

でも、いくら飲み続けても漢方薬ってダメな時はダメなことがあります。
これには2つのパターンがありますよ。

1つは単純に漢方薬と体質が合っていない。
病院などは最適な漢方薬を選ぶための体質診断をしませんので必然的に自分に合っている漢方薬を選んでもらう確率が非常に低くなります。

こうなると、もともとが合っていないので、いくら何年続けても良くならないものは良くならないのです。

漢方薬が効いてくるのに時間がかかることはありますが、あくまで体質と漢方薬が合っていればの話しです。
「合っていないものも時間をかければ、いつか効いてくる」なんて漢方薬はファンタージーに出てくる魔法の薬ではありません。
何百種類の中から、ピタッと体質に合ったものを選ばないといけないのです。

そんな超現実的な治療の漢方ですが初めに体質を分析していない方法(漢方的な問診をとらないで処方する)で処方しちゃうと、良くならなくっても次にどの漢方薬に変更していっていいか、ぶっちゃけ先生自身がわからなかったりするのですね。

こうなったら悲惨。
ただ、ただ、合ってるかどうかもわからない漢方薬を永遠と続けていくだけです。

今の漢方薬を続けてもダメなパターンの2つ目は、その漢方薬の治療範囲が終わっている場合。

ちゃんと漢方治療をするところは、全身の症状や状態をみて体質を分析し最適な漢方薬を選びます。

漢方は全身の症状などをお聞きしているので、治る時も1つの症状ではなく、いろいろな症状が良くなっていくことが多いです。

でも、漢方薬だからって、どれもが全身の症状の改善全てをカバーしているとは限らないのです。

漢方薬はその漢方薬が持っている治療の守備範囲というものがあります。
全ての症状を良くできるわけではないのですね。

ただし基本的には全身全ての症状が治るように漢方薬を選ぶようにはします。
でも漢方薬も万能ではないのです。

漢方薬ごとに特異な治療範囲や役割があるのですね。
この治療範囲はマニュアル的にはっきりとは決まっていません。

治療している中で漢方の先生が分析していくしかありません。
初めに劇的に腰の痛みが良くなった。
しかし、まだ4割位、腰の痛みが残っている。

この場合、単純に飲み続けていけば良くなることもありますが、そ具合の悪い状態と漢方薬の治療範囲が合っていなければ、どれだけ飲み続けても、初めに良くなったレベルから進まないのです。そこで治療終了。

この状態に陥ったら、今、飲んでいる漢方薬は直ちに変更しなければいけません。
ダラダラと治療の止まった漢方薬を飲み続けても事態は変わらないのです。

事態が変わらなければ、漢方薬事態を変更し、次のステージに治療を進めなければいけません。

一般的には漢方薬は長く続けないといけないと思われていますが、身体の様子をマメにチェックしながら、漢方薬はどんどん変更していく場合も必要なんですね。

漢方薬自体が持っている守備範囲。
自分の体調の変化がどこ辺りで止まってしまったか、チェックしてみてください。
posted by 華陀 at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月30日

粉末代替食品は不健康!の記事とサプリメント

サイエンス系の記事で粉末代替食品だけを食べていると不健康だというものがありました。

粉末のものだけで食事代わりになる「Soylent」などが近未来の食事として注目されていますが、栄養バランスのことを考えてつくられた粉末食材だけを食べたマウスは通常の食べ物を噛みながら食べたマウスよりも健康状態が悪いという結果です。

17週間後に両者を比べてみると粉末代替食品だけを食べていたマウスは血糖値や血圧、血液中のストレスを示すホルモンの値が増加していました。

その記事をみて、昔のある実験を思い出しました。
それはあるサプリメント会社の社長と募集した人たちで、サプリメントだけで健康を保てるかといったものを実験していました。
これはマウスではなく人間です。

サプリメントは牡蠣肉エキスです。
成分的にはビタミン、ミネラル、アミノ酸、グリコーゲンなどとサプリメント会社のやり手営業マンがお年寄りを騙す時の殺し文句のような成分が盛りだくさんです。

要は今回のマウスの実験と同じで理論的に健康を保つ為の必要な成分が含まれていますよ。といった感じですね。

何日、実験したか忘れましたが、結構な期間やってました。
結果、血圧や血糖などが特に病気に関わるような異常な数値にはなりませんでした。
逆にコレステロールや体重が下がっていました。激減。
いわゆる軽い栄養失調状態。

まー「検査系数値だけ」見れば、もう1回言うと「検査系数値だけ」を見れば、成功です。
人間として全体的にみれば失敗です。
この実験で何十年も前のものだったと記憶しているのですが、人間ってこりないなと思います。

未だにネズミで実験し理論的な栄養だけでなんとかなるのか検討しているのです。
到来するかもしれない食料問題を解決するなら簡易的な食事の開発ではなく農業を視野に入れた食品開発を考えればいいと思うのですが、人間は自然にかえっていくのが嫌なようです。

そもそも、この健康を保つために必要な栄養成分だと考えられているものは誰がモデルなのでしょうか?
まさか、老若男女、皆同じ成分と同じ分量が必要だとは考えづらいです。

そして、それが本当に健康を保つのに最適な成分なのかもわかりません。
西洋医学が現時点で勝手に健康であろう栄養成分を出しているだけですね。

元から全然的はずれのことも考えられます。
また、どう考えても、年齢、性別、体格、運動能力、生きている環境で人それぞれ、必要な栄養素や分量が微妙に違うように思います。

現にその西洋医学で、ひと昔前までガンに良いとかされていたβカロチンやビタミンEについて「不用意に飲まないでほしい。却ってガンを酷くする可能性があります」なんて、日新月歩で自分で自分の理論を否定して回っています。

また漢方では毒物のトリカブトはある体質の人にとって少量なら、とっても良い薬になるのですが分量を増やしていけば、誰でも死にます。

だから、絶対普遍の誰にでも良い成分と分量なんてないと思うのですよね。

サプリメントがこの粉末食品と同じようなものです。
●●成分が簡単にたくさん摂れます!みたいな。
サプリメントだって何かの成分をたくさん摂ったからって、その時だけ都合よく良いように働くわけがないのです。

いいとこ、身体にいらない分は身体が棄てているんじゃないでしょうか。
大量に。

うちでは、サプリメントなんか飲む必要ないっていってます。
だって漢方ではバランスを大切にしていますから。
だから、食事もバランスです。

サプリメントのように何かのエキスをたくさん摂れるということは、ものすごくバランスが崩れているとも言えるのです。

そんな偏ったものを摂り続けて身体がよくなるわけがありません。

誤解しないでもらいたいのですが、なんらかの効果がないってわけじゃないですよ。
むしろ、偏ったものなんだから効果があると思います。

良い効果かどうかはわかりませんが・・・
効果というのは良いとか悪いを選びませんから。
結果的に自分が良いととったか、悪いととったかです。

偏った成分のものなど、一時、良い感じの効果があったとしても、長い目でみれば、かならずバランスを崩すようになります。
だから、サプリメントとか、健康食品なんてやめたほうがいいです。
お金の無駄。

バランスの良い食事を心がけて、いつもよりもちょっと野菜の多い生活にしてみればいいのです。お金もサプリメントほどかかりません。

漢方薬はその時の体質に合わせて体質を調整します。
サプリメントや健康食品みたいに飲み続ければ良くなりますよってものではありません。

だから、体調が悪くなったらその時の体質をみてもらって、最適な漢方薬を合わせてもらいましょう・・・と最後はちょっと宣伝です。

posted by 華陀 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月27日

前に飲んで効かなかった漢方薬はもう効かないのか?

漢方相談をやっていると、
よく「過去にはこんな漢方薬を飲みました」「これこれの漢方薬は全然、効きませんでした」
と書いてくれています。

多分「以前に、これこれという漢方薬を飲んだから、今回はそれ以外で効くようなものを選んでほしい」ということで書いてくれているのだと思います。

「前に全然、効かなかったから、そりゃ違うのを飲まないと同じことをしても治らないだろう」
誰でもそう思いますよね。
しかし漢方薬では、そうとは限らないのです。

なんでか?

漢方薬では以前に飲んだけど何も変わらなかったものをもう一度飲んでよくなることがあります。

もちろん、ただやみくもにまた同じ漢方薬に再チャレンジすれば、よくなるといったものではありません。

再び、同じ漢方薬を選んで飲むケースにはいろいろな条件が必要です。

西洋医学のお薬は処方する先生によって効果に対する考え方が変わることがありません。
効果に対する考え方とはなんだと思います?

漢方薬は診断の方法や効果の考え方が西洋医学と根本的に違います。
例えば、西洋医学の頭痛などに使う鎮痛薬は誰が飲んでも痛みを止める効果です。
西洋医学では体質の違いを考えないので人間であれば、皆、同じ効果があるということになります。

漢方で頭痛を治療する場合は、おおまかに芍薬甘草湯、桂枝人参湯、五苓散などがあります。

頭痛だったらどれを飲んでも良いというわけではありません。
どんな体質の頭痛なのか?を分析することが重要です。
なぜなら、これらの処方は頭痛薬でも鎮痛効果でもないからです。

芍薬甘草湯は筋肉や気の緊張からくる頭痛に効果を発揮します。
桂枝人参湯はお腹から下の下半身が冷えて頭痛がある時に効果を発揮します。
五苓散はオシッコが出づらく汗が出過ぎているときの頭痛に効果を発揮します。

頭痛を治すための漢方薬は他にもいろいろありますが、これらのどれかを飲めば頭痛が治るというものではありません。

漢方の先生がどの漢方薬が合う体質かを考える必要があります。
つまり、同じ頭痛で悩んでいる患者さんでも漢方の先生によって診断する体質やそれに合わせる漢方薬が異なってくるのです。

だから漢方薬に対する効果が変わるとも言えます。
芍薬甘草湯は、筋肉や気の緊張を緩める効果です。
桂枝人参湯は下腹や下半身を温めて頭の気を降ろす効果です。
五苓散は水の巡りの悪さを整える効果です。

漢方では頭痛1つとっても体質によって原因や治し方が変わります。
漢方の先生が、患者さんをどの体質と判断するかで効果が変わるとも言えます。

ちなみに病院で体質から漢方薬を選べる先生ってほぼいないので、効果が変わることはないです。
西洋医学と同じような方式で頭痛に対してマニュアルで選んでいるので「効果が変わる」なんてことはありません。そのかわり、効いたと感じる人も少なくなります。だって、あてずっぽうみたいなものになりますからね。

で、ここから更に複雑になっていきますが漢方治療って1つの症状に対して1つの漢方薬を選んで治していくのではないのですね。

頭痛に限らず、冷えや胃もたれ、夜中に目が覚める、便秘などなど、身体全体の症状を総合的に考えて、できるだけ1つの漢方薬を選ぶわけです。

そうやって選んだ漢方薬が体質と合っていれば、いろいろと良くなってきます。
しかし、いろいろな症状が例えば1ヶ月後に一辺に全部良くなっていると思います?

残念ながら、そんな都合が良いわけがありません。
良くなった症状があったり、変わらない症状があったり、逆に悪くなった症状が新たに出てきたりとカオスな状態を示すこともあるのです。

その時に「いろいろあってややこしいから、この漢方薬は効いていない」としますか?
そういうわけにもいきません。
漢方の場合は1つ1つの症状がどうなったかなどをみていくのではなく、全体的に体質が良い方向に向かっているのかを漢方の先生が総合的に判断していくのです。

めっちゃ、前置きが長くて、すでに主題がなんだったのかすら危ういですが、だから、以前に飲んだ漢方薬は何がどう効いていなかったのかを体質から判断していかないと「ただ自分自身の気になる症状がよくならなかった」では、本当に自分にとって効かない漢方薬だったのかどうかがわからないのです。

また、飲む期間の問題もあります。
漢方薬はどれくらい飲んだら効いてくるなんて設定はありません。
それこそ体質によりけり。

どれくらい飲めば変化があるのか?ないのか?は、自分が勝手に1ヶ月とか3ヶ月とか決めるものではありません。

体質を判断した先生が設定して区切りを設けて、効いたか?効いていないか?をその都度、判断していきます。
これも病院は、そもそもが体質を判断しないでマニュアル処方しているので、一定の期間や区切りでみることができません。

ただ、ただ、いつか効いてくるのを待つか、「漢方薬はジワジワと穏やかに効いてくるから」と言い訳して逃げるかです。

漢方の先生の体質の判断によって、同じ漢方薬でも「どう効いたか?」の判断が違うのですね。

だから以前に効かなかった漢方薬も「どんな体質だと判断して」「それがどれくらいの期間でどう変化すると推測し」「結果、どれくらいの期間でどうなったのか?」これらのデータが全部ないと、本当に効いていなかったのかが判断できないのです。

以前に効かなかったからといって「もう、効かない」とは限らないのです。

ちなみに漢方薬の場合、前に効いたけど、今は効かなくなったというケースもありますよ。
posted by 華陀 at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月27日

漢方薬がなかなか効いてこない時はどうする?

漢方ほど誤解されて広く一般に知られているものってないんじゃないかなと思います。

本来なら、ロクに勉強もせずにとりかかることなどないはずの医者が実は漢方に関しては医学理論的にはほとんど知らずに漢方薬を処方していることが更に一般的に誤解を生み出すことに拍車をかけていますね。

その中で「漢方薬は半年位かけてジワジワ効いてくる」といったウソほど、それが当たり前のように通っているものはないんじゃないでしょうか。

「漢方薬は3ヶ月〜6ヶ月ほど経つとジワジワと効いてきますよ」というのは大ウソ!と言う話しはこのブログでよく書いていますが、具体的にそれがなぜウソと言えるのでしょうか?

そのことを説明したいと思います。

漢方薬は体質を分析しその体質に合わせて漢方薬を処方します。
病院のお薬は体質と関係ありません。

「人間」だったら後は病気が何かを判別するだけ。
そこに体質がどうだとか、こうだ、という条件はありません。

ボルタレンなどの鎮痛剤は頭痛がするなら「人間」であれば同じように効くようにつくられています。

だから病院の薬はいちいち体質なんかを判断する必要なありません。
その病気や症状さえ決めることができれば体格のよいスポーツマンのような人も病弱で、きゃしゃなおばちゃんも同じ薬が処方されます。

薬の効いてくる時間は「人間」であればどれくらいで効いてくるのかを製薬会社が実験して事前に調べてあります。
だから、病院のお薬で3ヶ月とか6ヶ月くらい飲み続ければジワジワ効いてくるなんてことはありえません。

漢方は薬を処方する前に体質を分析します。
当然ですが、みんなの顔が違うように体質もそれぞれ違うのですね。

そして体質が違うのだから、当然、選ぶ漢方薬も違ってきます。

病院の薬は「人間」であること「同じ病気や症状」であれば「同じお薬」が処方されますが、漢方の場合は病気が同じでも体質が違えばそれに合わせる漢方薬は違ってきます。
ちなみに漢方では「症状=体質」ではありません。症状は体質を考える上での1つのピースですね。

そして、ここからがミソ。
みんな体質が違い、それに合わせる漢方薬も違うので効いてくる時間も当然、変わってきます。

人それぞれ。
はい、終わり。

ってわけではありません。

体質には大まかに陽証と陰証というものがあります。
陽証とは充満した状態、体内のシステムがうまく噛み合ない状態。
充満した状態とは例えば便秘とか。アトピーも体質によっては毒の充満があります。

陰証とは不足の状態。体内のシステムが根本的に弱った状態。
下痢とか疲れやすいとか、弱った感じのものは陰証です。

そして、陽証は比較的、早く効果が現れます。
陰証は反対に時間がかかります。

で、この陽証か陰証かっていうのはその人の体質なので、僕や患者さんが選ぶものではありません。

今、現在の体質がそうなのです。
早く治りたいからといって陽証にしたいとかというのは無理。

体質が決めます。
僕らは体質に従うのですね。漢方は西洋医学のお薬と違って体質に従うことこそが根本的治癒への早道なのです。

ただ陰証だからって3ヶ月も半年もかかりません。
根本的に治るまでには体質によってそれなりの時間はかかるかもしれませんが、効果や変化は陰証の人でも1ヶ月くらいもすれば、なにかしら現れてきます。

1ヶ月してもなーーーーんにも効果や変化が感じられなかったら?
それは単純に漢方薬が合っていないのかも。

なにせ漢方薬は500種類以上もありますので、合ってなければ3ヶ月も6ヶ月も待たないで1ヶ月で漢方薬の種類をサッと変えてしまいましょう。

1つの処方を半年も飲んでたら、本当に合っている漢方薬にいつ出会えるかわかりませんから。
500種類目だったらとんでもない時間がかかっちゃいます。


posted by 華陀 at 18:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月25日

ナウシカと漢方治療の共通性

患者さんといろんな話しをしていて「ジブリの作品って漢方と考えが同じなんですよ」という話題になりました。

ジブリ作品と一緒?

自分でも昔からなんとなくそれは思っていました。

最近のジブリの作品って作品のテーマが変わってきたので、漢方と考えが一緒か?と言われるとそうとも言えませんが昔の作品は結構、漢方的テイストを含んでいると思います。

最近、病院で漢方が処方されるようになりましたが、ほとんどの病院は漢方薬の処方の方法というか、根本的な治療の考え方を理解せずに西洋医学の治療の考え方だけで最後に処方するのが新薬か漢方薬かの違い位しかありません。

そんなヘンテコな漢方治療の方法が一般的になっちゃってるのでそれを基準に考えると、この記事は「何言ってんだ?」的な感じになりますが、そもそも東洋医学と西洋医学は根本的な治療の思想からして違うということを念頭においていただいたら、なんとなーく漢方の考え方がお分かりいただけるのではないかと思います。

昔のジブリ作品は一貫したテーマがありました。

「自然を科学によってないがしろにするとロクなことにならない」
「自然に逆らってはいけない」

これが作品の底流に流れているテーマなんじゃないかと勝手に考えています。
コナン、ナウシカ、ラピュタ、宮崎駿作品の中では群を抜いて人気の作品です。

どれも近代的な発展やそこからの戦争によって文明が一旦滅びたという設定。

もののけ姫やトトロなんかも全く同じテーマではないですが「自然をないがしろにするとダメだよ」的なテーマがあると思います。

宮崎駿氏は、地球という大きな問題からこういったテーマにしていると思うのですが、これが漢方の考えと非常に似ていると思います。

医療の世界では近代文明や兵器、滅びた文明が西洋医学。

科学的で合理的な産物ですね。
現在もどんどん新しい薬の開発がすすんでいます。

西洋医学は自然の理とは逆行しています。
全面的に悪いものではありませんが身体の自然なメカニズムに沿って治療していこうとするものではありません。

どちらかというと科学(化学)の薬の力で強引に身体のメカニズムをねじ曲げて治療しようとします。
それが西洋医学も公言している対症療法の治療ですね。
(大半の西洋医学のお薬は対症療法とよばれる、その場の症状だけを取り除き根本的には治療できないものです)

大自然も人間の身体も自然に逆らった動きには反動があるのですね。
一旦、便利になった!よくなった!というものは自然の歪みに溜まったエネルギーで台無しにされます。

ジブリ作品なら科学的に強引に突っ走った結果、自然は失われ、当の科学文明自体が自分たちの行動によって滅びるのです。
で、結局「本当の救済は自然にあるじゃん!」みたいなメッセージを残して終わり。

科学的な産物は便利で合理的ですが、科学的に優秀であれば、あるほど自然には存在しない法則やモノになっていくのですね。

漢方治療の根本的な考えは、その人の自然治癒力を高めて治癒に向かわせること。
体質に合わせた漢方薬というのは、その人の身体の自然の営みを見つけて、それに漢方薬を沿わせるのですね。

決して「漢方薬を新薬の代わりに使う副作用のないもの」ではありません。

「その人の身体の自然の営み=体質」
東洋医学的に体質を判断しないで漢方薬を使用するのは一度も漢方治療がはじまっていないのです。
それは、あてずっぽうで新薬の代わりに漢方薬をただ、飲んでいるだけ。

ナウシカのトルメキア軍、ラピュタのムスカ大佐ですね。
結局、やっていることは同じ過ちの繰り返し。

漢方って言い換えれば自然治療そのものなのです。
そこには体質に合った漢方薬を飲む事だけでなく、自分の身体の自然の営みにあった生活をしないといけないことも含まれます。

ちょっと宗教じみていますが、漢方治療ってそういう側面もあるのですね。


posted by 華陀 at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする