ようこそ漢方相談室にお越しいただきありがとうございます。
漢方薬の働きや病気・症状の原因を徹底解剖!
あなたの悩みにお答えします。

このブログではあらゆる流派の漢方医学を勉強しサプリメントや病院などの業界の裏側を見てきた経験や知識を活かし私の独断と偏見で思ったことを書いています。 漢方マニアの本音としてお読みください。

※専門家に対して漢方の情報提供をしているつもりはありませんので、漢方を処方する側の人(医師や薬剤師などで特に病名や症状だけで漢方薬を処方している人)は不快な気分になる可能性があるので、読まないでください。

本ブログの目次はコチラから本

漢方相談室

2017年02月08日

瞑眩や漢方薬の副作用。

瞑眩って聞いたことがあるかと思います。
漢方の先生がよく「乱用」しているようび思います。

瞑眩とは、ある漢方薬を飲んで2日以内に不快な症状がドッと出て、その後にスーッと治っていくことを言います。

漢方薬は病名や症状に合わせてマニュアル的に選ぶものではなく、体質に合わせて選ぶものです。
体質はみなさん、違いますので、同じ病名の人でも身長、体重、全体の体の状態なんかを細かくみていくと全然、違う「病気(体質)」だったりするわけです。

なので、以前にアトピーの人に対して劇的に聞いた漢方薬も、次のアトピーの人に効くとは限りません。
なぜなら、病名は体質ではないからです。

漢方薬は体質に合わせるものですが、その体質を漢方薬が合っているというのは、一定期間、飲み終えて、いろいろと良くなっていれば、その時に初めて「その漢方薬は、その人の体質に合っていた」と判断できます。

あくまで飲んだ後の結果論なのです。
いくらアトピーの人を1000人、治しても、次の人は新たに「体質」を考え、一定期間、飲んでもらって
漢方薬と体質が合っているかどうかを答え合わせしていかなっければいけません。

そんなわけで、漢方薬は処方した時に合っているかどうかは、処方した先生も患者さんもわからないわけです。

漢方の先生も患者さんも「治る」と思って飲み始めた漢方薬。 
思いには反して漢方薬を2,3回飲み始めると湿疹がひどくなったり、下痢したり・・・
いろいろな悪い症状が出てくることがあります。

これを瞑眩とよんで「良くなる前の悪い症状」と説明する先生がいらっしゃいますが、実は瞑眩なんてものは滅多に出てきません。

僕は10年の漢方人生の中で2,3人。それも急性病の方のみ。
慢性病に至っては記憶にありません。
漢方のいろいろな名著を残された日本漢方の大家の先生の言葉では「40年の治療経験の中で数例にもみたない」と書いておられました。

そんなすごい先生でも、ほぼ、瞑眩というものは存在しないのです。

なのに、患者さんからは前の漢方の先生から「瞑眩反応」だと言われたという話を良く聞きます。
それはあまりに瞑眩という不渡り手形を乱発しすぎです。

それって、体質と漢方薬が合っていないから、ただ単に副作用なんじゃないの?
と思います。
漢方薬の副作用は「体質と漢方薬が合っていない」場合は全て副作用につながるからです。

瞑眩って説明してしまうと聞こえはいいですが、瞑眩だろうが、副作用だろうが、その時は「漢方薬を飲み始めて悪い症状が出てきた」という状態です。

この時に瞑眩だから「もうちょっと飲んだら良くなるから飲んでみて」と、言うのは簡単ですが、漢方の大家の先生の経験や僕の見解では瞑眩は「ほぼない反応」なのです。
つまり、その時は「体質と漢方薬が合っていないための副作用」と考えるか「調整途中で体が大きく動きはじめた結果の悪い反応」の2つを同時に考えます。

瞑眩の考え方と似ていますが、瞑眩は僕のイメージでは予期せぬ感じで悪い症状がドバーと出てきてスーッと劇的に良くなっていく感じ。

一方、僕が考える「調整途中で体が大きく動いた結果の悪い反応」というものは、バランスの崩れた体質が治っていこうとする時に起こりうる悪く見える症状です。

僕は漢方薬を選ぶ際に体質を分析し、漢方薬の調整がどんな風に進んでいくのかの予測を立てますが、その予測の範囲内で起こる副作用的な「悪い」症状を想定しています。

そして、漢方薬を飲み始めて「先生、なんか悪くなってきているので漢方薬を変えてもらったほうがいいでしょうか?」という相談がよくありますが、その際は、悪くなるかもしれない想定をしているとはいえ、常に「ただ単に体質を漢方薬が合っていないか?」「良くなるための調整か?」の正反対の2つに1つの決断を強いられます。
2つに1つといっても正反対の現象です。

経験上は、どちらもあるのですが、単純には決められないので、詳しくいろいろとお聞きして「良くなるための調整途中」だと判断した場合は、「耐えられない症状でなければ、もう少し続けてほしい」とお願いします。漢方薬を飲み始めて悪くなっているのに、更に僕が決めた一定期間(それほど長くない)を続けてもらうわけです。

そうすると、悪い症状が出ていたのに、何日かすると、その症状もなくなって、だんだんと良い感じになってきます。

患者さんには後から「実は続けてと言われた時は大丈夫なのか?と思いました」と言われることもあります。

再度、言いますが、これは瞑眩ではないように思います。なぜなら、僕は東洋医学理論に基づいて、理論的に分析して、続ければ治るという予測がある上で「続けてください」と決断しているから。
未来からみれば、ただの治る時の変化です。
もちろん、一定期間、続けてもらった後「漢方薬が合っていなかった」なんてこともあります。

最近、ご自身で漢方薬を選ばれる人がいますが、漢方治療にはこういったことも治療の中に含まれます。
飲んでみたけど「悪くなってきた」ことを理由にすぐに「漢方薬が合っていない」と判断しないほうがいいです。
全身の状態の変化を分析して、一定の期間で止めるべきか、また続けるべきかを検討しないと、基本的に、飲み始めて悪い症状が起こり、その薬を止めてしまうと、その薬を2度飲むことはなくなるので、下手すると一生、治せる漢方薬に出会えない可能性があります。
だって、その止めようとしている漢方薬こそが最高に合っている薬かもしれないですから。


posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の選び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月02日

漢方薬はマニュアルで選んでも治らない

みんなの家庭の医学というテレビ番組で漢方の事をやっていたらしいですね。
(僕はテレビを見ませんので僕は番組を見ていません)
治療提携している鍼灸の先生から、先生にブログのネタを提供しますよ。と話を聞きました。

なんでも冷えの女性が出てきて、千葉大学の漢方の先生が、いろいろと診察して、その冷えの原因を「ストレス!」と言ったらしいです。

正直、この話を聞いた時、少し悲しかったです。
千葉大学といえば、日本漢方の大先生の母校です。
バリバリの超優秀な日本漢方医がいた大学の漢方の先生の見立てが「ストレス」って、そこらのサプリを売ってる怪しい販売員じゃないんだから、嘘でも、もうちょっと漢方医らしく「証」(東洋医学的な病的体質の要素)を診断して「証」とは何かをズバッ!と説明してほしかったですね。

更におかしな話を聞いたのが、その先生、漢方のガイドラインをつくっている先生とのこと。
???
漢方のガイドライン・・・漢方は個人、個人のその時の「証」を診断して、その証と治療戦略に基づいて漢方薬を選びます。
先生ごとに分析方法や証も治療戦略も変わるので、ガイドラインで漢方なんかできません。
もし、なんらかのガイドラインがないと漢方ができないというのであれば、それは、ただの勉強不足の人です。

厚生省の役所仕事で、ガイドラインやマニュアルをつくって、どの医者も漢方ができるようになる基準を作りたい気持ちはわからないでもないですが、漢方は個人の体質を調整する治療方法なので、ガイドラインを決めること自体、漢方薬を漢方らしく使えなくしているのと同じことです。

このガイドライン、どういう意味合いでのガイドラインか詳しくは知りませんが、おそらく、西洋医学の病名や症状をあてはめて、マニュアル的に漢方薬を選んでいくような今の病院がやってるファンタジーな方法を突き詰めていく感じなんじゃないかと勝手に推測します。

例えば、漢方では、治療の考え方の違いで中医学、古方、日本漢方と大きく3種類の方法があります。
この方法論は、どれが良いとかどれが優れているというような優劣などは、誰も決める事ができません。
どれも体質の診断の理屈や診断方法、漢方薬の選び方などが違い「それぞれの治療の考えがある」といった感じ。

この方法論。漢方では派閥と言いますが、この派閥のどれかを基準にするというのなら、まだわからなくもないです。
例えば「病院は中医学を漢方の基準医療の方法とする」などです。
ただ、中医学をガイドラインにしたところで、自分の考え方で、体質を分析し、漢方薬を選び、治療戦略を策定するというのは、変わりません。

やっぱり、西洋医学の病名や症状からあてはめて、漢方薬を選ぶという本来の漢方には一切ないファンタジー理論をガイドラインにするのは東洋医学的に異常なので、そんなガイドラインをつくったところで、診察する先生自身が一人一人、治療方針をつくらないといけないことに変わりないわけです。

西洋医学は、平均の医学で、個人の体質などは考えません。
小さな子供も、体格の良いアスリートも病弱で年老いているおばあちゃんも「頭痛」を治すのは、みんな同じ鎮痛剤を使います。
個人差を一切、考えないで、「頭痛」という症状だけに対して、一時的に治る薬を処方します。
時には効かないタイプもいますが、個人差を考えず「人間」だったら「効くはず」という前提で話がすすんでいきますので、効かなかった人は「なぜ効かなかったか?」の理由はわかりません。
「おかしいな・・・効くはずなんだけど・・・」で終わり。

漢方は西洋医学とは全くの逆で、一人一人、体質が違うと考えます。
顔や体つきと同じです。全く同じ人なんていませんよね。
小さな子供、体格の良いアスリート、病弱で年老いたおばあちゃんの「頭痛」を治すのは、全部、違う漢方薬になる可能性が高いです。

頭痛だったら呉茱萸湯とか、五苓散というのは、呉茱萸や五苓散が直接、痛みをとる働きなら、効くのですが、呉茱萸や五苓散もそういった効果ではないし、漢方は直接的に症状をとるために飲むものではないからです。

漢方は、頭痛そのものを直接的に治すものではありません。
漢方において「症状」とは体の健康を保つ要素のバランスが崩れた結果、出てくる警告音のようなものだとみます。
症状はあくまで警告音なので、警告音を直接切って、音をなくしても(症状をなくす)根本的な問題は何も解決しないのです。

体の中のいろいろな要素のバランスが崩れて症状が出ているので、全身の状態をみて、なぜ、頭痛という症状が出てきたのかを分析します。
それは、気の滞りと上焦部位(肩から上の部位)の水の滞り、それに寒証(冷え)という病的な体質(証)から出てきた症状かもしれません。
証を分析をする際は、全身の症状や生活状態などを調べていきます。
例え、不快な症状が「頭痛」だけであっても、食欲、胃腸の状態、睡眠に関すること、オシッコや便など、全身の状態をかならず調べる必要があります。

この場合、頭痛は、気滞の証、上焦の水毒の証、寒証という3つの証の組み合わせによって、現れていると考え、これらの3つの証を全部調整できる漢方薬を選びます。
ちなみに、これは僕がやってる日本漢方の分析です。

頭痛に効きそうな漢方薬を順に試していくのではありません。
漢方の初心者の頃は、どうしてもレベルが低いので、病名や症状にあてはめるところから、始めますが、あくまで初心者の頃の方法なので、そんな方法でやってていいのは、せいぜい6ヶ月位じゃないでしょうか。どんなものでもそうですが、いつまでも初心者レベルでやってちゃダメですから。

そして、肝心なのはここから。
本格的な漢方のマニュアルでも頭痛によく使われる漢方薬というものはあります。
ツムラのマニュアルを見ても7つ以上の候補があります。

今のガイドラインがどんなものか知りませんが、普段は、この候補から、いくらか書いてある頭痛以外の症状があてはまるかどうかを探していくのでしょうが、ここに書いてある症状は、あくまで例です。

その証拠に他の漢方薬の本を何冊も見比べてみてください。
漢方薬に適応症と書いてある症状は、本によって微妙に違うものが書いてあるはずです。
そうなったら、どの本をマニュアルにしますか?
ひょっとしたら、この「病名・症状=漢方薬」というマニュアルを標準化して、ガイドラインにするのでしょうか?

そもそも、現実には適応症状の全部の症状が一致することなんて、ありません。
「この症状はあるけど、この症状はないな・・・」
悲しいかな、詳しく見ていけば、見ていくほど一致しません。

そうしたら、どうするか?
「多分、大体合ってるから、これでいいか!」って急にテキトーになります。
でも、それっておかしいですよね。
症状を合わせるのであれば、全一致じゃないと「どれでもいい」になってしまいます。
これが、実は、漢方の勉強を始めて、本格的に勉強しようとした時に出会う大きな壁です。

最初は病名や代表的な症状だけをマニュアル的にあてはめて、処方しているのですが、その方法は、あくまで初心者用の方法で、当然、何ヶ月か経ったら、そのド素人の方法から抜け出さなきゃいけません。

そして、その次に、漢方薬の適応症状も見て、この適応症状が、あてはまるものを選べば、効く可能性が高いんじゃないかと思いはじめるのですが、皮肉な話、勉強すればするほど、その漢方薬に合う適応症状が増えて「あてはまる症状だったり、あてはまらない症状だったりが、ごちゃごちゃになって、どれがどれだかわかんない→どれでもいいや」状態になり、そのまま、レベルの低い占いのような病名・症状漢方を続けるか、漢方をやめるかという岐路に立たされた人は大勢います。

どんなガイドラインをつくっているのか知りませんが、ガイドラインをつくるのであれば、処方マニュアルではなく、中医学、古方、日本漢方の派閥をいずれかに設定し、どの診断基準を使うのか?で設定すればいいのではないかと思います。

ちなみに「漢方は気・血・水で診る!」みたいな、これまたファンタジーな話が一般的ですが、例えば日本漢方なら「気・血・水」「八綱弁証」「五臓六腑」「五行」「六経」「病因(外因・内因)」「八法」「治法」などの分析ツールを使って証(体質)を分析します。

「気・血・水」は体質分析ツールの1つにすぎませんので、もし体質分析を「気・血・水」だけでやってるなら、そういう先生は大丈夫かな?という感じです。


posted by 華陀 at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月19日

良い漢方の先生を選ぶのがカオスすぎるワケ

「同じ病気や症状を伝えているのに、次の漢方のお店では前に処方してもらった漢方薬とは違うものが処方されました。なぜ一緒じゃないのですか?」

これは、うちによくある質問です。

答えは簡単です。
漢方薬は西洋医学と違うから!

すみません。これじゃあ、答えになっていませんね。
ちゃんと説明すると西洋医学には、治療のガイドラインというものがあります。
簡単に言えばマニュアルです。

西洋医学では、感じている症状が同じであれば、大体、どこの病院にいっても同じような薬が処方されます。

アトピーの人がそうですよね。
アトピーの人の薬って?
医者じゃなくても即座に「ステロイド!」って答えられますね。
むしろ、最近の皮膚科は「これしか治療方法知らないんじゃないか?」と疑うほど、ステロイドです。
たまに抗アレルギー剤、抗菌剤。

「えっでも、行く病院によって、いろいろな名前の薬を処方されますよ」

それは製薬メーカーさんの違いで名前が違うか作用の強弱位、それに抗菌の作用が加わる位。
基本的に「ステロイドで無理やり炎症抑える」という治療の考え方は1パターンです。
いろいろなな名前の薬がありますが、やってることは、大して変わらないということです。

西洋医学の治療のガイドラインには、
「この病気にはこんな薬を使います」「その時に最初に処方するのはこの薬。2番目に処方する場合は、この薬」というマニュアルみたいなものがあります。

病気に対する考え方も、「検査がこうだったら、この病気」と、これも流れ作業のように決まっています。
常にすでにうまくいったことが証明されたものをマニュアル的になぞって治療するようになっています。

何年か前に指の怪我で7つの別々の病院で治療を受けましたが、どこもやることは判を押したように同じでした。

@レントゲンを撮る。
Aレントゲンを撮りながら「骨折じゃないけど、捻挫かな?」と話す。
Bなんとなく鎮痛剤を処方する。

どの病院でも痛みは耐えられるし、鎮痛剤は1mmも根本治療に役立たないと思っているので、全部の病院で「鎮痛剤はいりません」と話しますが、そこは華麗にスルーして、治療した気になってる感じでした。
このケースでも治療?パターンは「鎮痛剤で一時的に痛みを止める」これだけですね。

7つの病院とも全部一緒。
この実体験から僕は、よほどの専門の病院でない限りは、病院はチェーン店の餃子の王将みたいなものだと思いました。

たまに患者さんから「どこか良い病院ないですか?」と聞かれますが、僕からしたら、堺市内の王将も大阪市内の王将もほぼ、メニューは同じ。
ほんのちょびっと、地域性のメニューの違いがあるくらい。

なので、こっちの王将(病院)だろうが、あっちの王将(病院)だろうが、どっちに行っても同じでしょ!と思うわけです。どうせ、処方する薬は同じです。

対して、漢方は西洋医学とは全く異なるものです。
漢方には西洋医学とは全く異なる点が2つあります。

@漢方は病気を診断するのではなく体質を診断する。
病院では、アトピーの人は、3歳の子のアトピーだろうが、40歳の大人のアトピーだろうが、アトピーはアトピーとしてひとくくり。どちらも治療方法はバカの1つおぼえではなく・・・得意のステロイド!

東洋医学には基本、病名診断がありません。
病名診断がないというか、病名に対して漢方薬を選んでいく考え自体がありません。

病院で病名や症状だけで漢方薬を合わせている先生がいますが、東洋医学には、そんな方法は一切書いていません。
そもそも、2千年前から中国で独自の診断方法や治療方法を持っていた漢方と200年位前からヨーロッパ周辺で発展した西洋医学との間に何の接点もないわけで、西洋医学の病名(病院で診断された病名)で漢方薬を合わせるなんてルールが存在するわけありません。

A漢方は治療のガイドラインがない。
「検査でここが異常だったら○○病」「アトピーにはステロイド」
漢方には決まったガイドラインはありません。
それどころか、治療の考え方の違いで「古法派」「日本漢方派」「中医学派」などにわかれます。

ガイドラインどころじゃないですね。
派閥が変わると体質の診断方法も使用する漢方薬の種類なども微妙に変わってきますので。
ちなみに僕は日本漢方派で、世間一般の先生方は中医学派が漢方の全てだと勘違いし、派閥の違いで診断方法や使用する漢方薬が変わることも知らない人が多いです。

漢方の診断は、血液検査などの客観的な化学的検査はありません。
患者さんの体質は先生自身がその場で考え出します。

一般の人で、自分のいろいろな症状を順に占いみたいに当てはめて、当てはまる項目が多いものが、自分に合った漢方薬だと思っている人がいますが、漢方は症状を当てはめるのではなく、ちゃんと症状から東洋医学的体質を診断します。

その診断に基づいて、最適な漢方薬を選びます。

なので、病院で診断された病名や自分の症状を同じように伝えても、漢方の先生によって体質の診断も、選ぶ漢方薬も変わってしまうわけです。

その漢方の先生の派閥、診断基準、使用する漢方薬に対する捉え方。
いろいろな条件でそれぞれの治療方針が考えだされます。
いわば、その人だけにコンサルティングするような感じです。

では、どの先生を選べばいいのか?
それは、徹底的に東洋医学的体質のことや選んだ漢方薬だと、その体質がどう調整されて、良くなっていくのかを聞くことです。
まともな漢方の先生は体質を判断し、それに最適な漢方薬を選んでいるので、スッと淀みなく説明できるはずです。

説明が五行論を持ち出してきて煙に巻こうとしたり、私が選んだのだから飲みなさいと説明がなかったり、なんか納得いかず、通ってないな〜と感覚的に感じた先生はやめたほうがいいです。

また、それ以前に病名にあてはめる、症状があてはまるからなどで漢方薬を選んでいる先生は、もう言うまでもなく・・・論外です。東洋医学としては、あまりにレベルが低すぎるので先生も患者さんも治ったらラッキー位に思っておいたほうがいいかもしれません。


posted by 華陀 at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月13日

ネットの闇。Web検索の上位表示はアテにならない!?

ちょっと調べもので堺の漢方専門の店のことをネットで検索をしていて、変なサイトを見つけました。
http://www.o-kinikanpou.com/

一般の人が見れば「良くあるオススメランキングサイトじゃないか」と思うかもしれないですが、僕は、自分でWebサイトを製作したりもするので、内部構造などをよく知っているので、あることが気になりました。

1つは右側の「大阪版おすすめの漢方薬局」の下にある「コンテンツ一覧」その下に「トップページ」のリンクがあり、その下にある「【大阪編】真心の漢方薬局15選」というテキスト。

普通は「【大阪編】おすすめの漢方薬局15選」でいいと思うのです。
タイトルの「厳選の漢方薬局ガイド」を使うとか、単純に「おすすめの漢方薬局」とかでいいのに、なぜか「真心」という言葉が入ってます。

うちは「まごころ漢方」なので、店の名前を考えた時もそうですが、普通、「まごころ」を表現するときって、「真心」とは書きません。
なんか仏壇とかイメージしてしまいそうです。

しかも、あまり、こういう場合に使わないし、明らかにそぐわない。
それで、最初は、うちのファンが勝手に作ってくれたのかな・・・なんてお気楽なこと考えましたが、それだと、うちが3位以内に入っていないのがおかしい。
1位は漢方の葵堂薬局となっています。

でも、大阪の15選の中にはうちが入っています。

なんかおかしいと思い、漢方家から完全にWeb製作者の目に切り替えて、このサイトを分析していくと、1位葵堂漢方薬局となっていますが、そもそも、何によって1位に選ばれたのかがわかりません。

一般の人の投票か、他の何か?かとサイトをくまなく調べても、何で1位に選ばれたかもわからないし、一般の患者さんが投票しようとしても、どういった機関が、このサイトを作ったかも書いてないし、電話、メールなどの連絡先がないので連絡のしようがない。
つくりっぱなしの出入り口がないサイトなんです。

おまけに「【大阪編】真心の漢方薬局15選」と書いてあるのに、京都も東京もないのです。
うーん、調べれば調べるほど、うちのことも宣伝してくれてはいますが、うさん臭い・・・

そして、違うことで、ちょっと調べものをしていて、他のサイトを見つけたことによって、このサイトのカラクリがわかりました。

違うサイトというのはこちら。
http://xn--ickk0b6382czzwa.com/index.html

ここも先ほどのサイトと同じで、どれだけの種類の牡蠣肉エキス商材から選んだランキングなのか、誰に投票してもらったのか?全く不明。
6位に至っては、なんの基準で6位なのか意味不明。
こちらも一見、連絡先があるようにしていますが、外部のメールサービスを利用していて、やはり誰が責任者なのかわからなくしてあります。

こういうサイトって、Web業界では、いわゆるLPとか衛星サイトとよばれるもので、Webサイトって、他のWebサイトから自分のサイトにリンクを貼ってもらう数が多いほど上位に表示されやすいという法則があるのです。

本来は、「他のサイトの持ち主から良い評価されているからリンクを貼ってくれるので、そのサイトは良いサイトのはず」ということで検索で上位に表示する。という考えなのですが、それを「悪用」して自作自演するわけです。ステマの一種ですね。
自分たちで作って、自分のメインのサイトにリンクを貼るわけですね。

なぜ、そんなに詳しいかって?
なぜなら、恥ずかしながら、僕も昔に宣伝のために、この手法を業者さんに頼んで悪用したことがあるから。

でも、当時は、悪用のつもりはなかったのです(言い訳)。こういったサイトって大概が漢方薬局の先生ではなくWeb業者さんに製作を丸投げするのですが、Web業者さんは、医療や漢方のことなんか、良く分からないから、うちのサイトや他の漢方薬局のサイトから説明などをパクってきて製作、量産します。
だから、医療のド素人で「治す」ということに対してポリシーもクソもない人が部外者が、つくるので、非常に粗悪な紹介サイトが出来上がるのです。

ちなみにこういうのに類似した記事の作り方に関する問題が最近、社会問題にもなりました。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/08/welq-kuchiki-seiichiro_n_13510758.html
これも医療の専門家でない人間にお金を使って記事を作らせた結果、起こった問題です。

うちは「とにかく検索上位に上がって、薬がモノとして売れさえすればいい」という商売だけでやっているわけではないので、この手のサイトを作るのは一切、やめました。

今回の大阪の漢方薬局を紹介するサイトの場合、誰がつくったのでしょう?
目立っている人かな?はたまた、ウチ以外のここに掲載されている薬局が連合して作ったのでしょうか?

なぜか、うちだけのリンクがうちのメインのサイトでなく、ブログサイトだったり、なぜ、真心の漢方薬局15選という「真心」という言葉を使ったのかの謎は解けましたが、ここでは長くなるので割愛します。

もし、このサイトから、うちのリンクが外れたら、僕の予想は的中ということになります。
リンクから外された場合は、その謎解きの答えを記事にしたいと思います。
どうなるか、皆さん見ていてください。

未だに検索上位にあるのが「優良なお店」と思う人なんて、まさか、いないと思いますが、もはや、検索サイトは、こういう悪用がシステム化、ビジネス化していますので、治療のような重要なことを調べる場合は、むしろ、SNSやその薬局のサイトではなく、ブログ記事をしっかりと読み込んで、嘘かどうかを考えたほうがいいかもしれません。
ブログ記事もウェルクのように丸パクリはできますが、複数の記事を読んでいけば整合性が合わなかったり、矛盾点が見えてきます。

また、サイトを精査する際には、どこの誰がやっているのか?を真っ先に調べてください。
「このサイトの管理者」「どこの店、会社」「どんな立場の人」などをまず探してください。
それと「電話」「メール』「住所」の連絡先。これがないと、店や会社はテキストだけで騙せます。
なぜ、真っ先に調べないといけないかというと、ネット上では匿名のサイトは無責任になんでもやりたい放題なので、「どこの誰か」がわからない場合、匿名になるほど内容の信頼性が落ちます。

とりあえず、最近の検索ランクについては、何のアテにもならないし、有害で末期だなと感じます。


posted by 華陀 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月11日

東京漢方相談会のお知らせ

お店の宣伝です。
まごころ漢方は全国からの漢方相談をお受けしていますが、
特に関東の方が多いため、定期的に東京で漢方相談会を行っています。

漢方相談は都内の浜松町で行いますので、
関東方面で漢方相談を受けてみたいという方がいらっしゃいましたら、
ぜひ、ご予約ください。

ご相談当日は漢方薬はお渡しできません。病気などの相談のみです。
他で受けられた漢方相談での疑問や不安。

漢方薬の事だけでなく、
現在の病院の検査や治療、薬などの疑問や不安。
現在、飲まれている健康食品のことなど、

気になることは、なんでもご相談ください。
相談は無料で相談だけでもOKです。
事前の完全予約制です。

僕自身、元々、話好きなので、お気軽にお申し込みいただけたらと思います。

【日時】
・2017年 02/04(土) 11:10〜19:00(最終受付18:00)
・2016年 02/05(日) 09:00〜19:00(最終受付18:00)
・2016年 02/06(月) 14:30〜16:30(最終受付15:30) 
※いずれか、ご希望の「日」をお知らせください。予約可能時間枠をメールいたします。
そちらからお選びください。(相談時間は最長で50分位です)

【場所】
浜松町(詳しい場所は連絡をいただいた方にメールにてご連絡します)

ご希望の方は、こちらからご連絡ください。

(予約はコチラから)

(ネットでのご相談はコチラから)

ぜひ、お待ちしております。
※予約は一杯になり次第締め切ります。連絡を頂いた際には、
すでに予約がとれない状況もありますがご了承ください。
posted by 華陀 at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月16日

不眠症の漢方薬(酸棗仁湯)から再確認したこと

「あー漢方薬って、やっぱりそうなんだな」と思うところがありました。

漢方薬は基本的な治療手順としては、全身の症状、生活環境、過去の病気などから総合的に判断して、現在の「体質」を分析します。

病院で言えば、触診、血液検査、胃カメラなど、いろいろな検査を参考に病気を診断するような感じですね。

病院の漢方は、漢方薬を選ぶための問診をとらないので、西洋医学的に言えば、何もせずに適当に薬を選んでいる状態ですね。

漢方薬は病院の薬のような有効成分の効果で症状を抑えたりするものではありません。
冷えている人には温める漢方薬を選んで体をニュートラルな状態になるように持っていって不快な症状が出ないようにします。

漢方治療の基本は大体がこの方法です。
体の中のバランスを崩しているアンバランスな要素を全て探し出して、そのアンバランスの要素を打ち消す働きの漢方薬を選びます。

この方法は最も重要でスタンダードな方法ですが、漢方治療は自分のアイディアでいろいろと展開できるので、時には病院の治療のように、ある症状だけに絞って、それだけを治療する方法をとることもあります。

ただ、こういった方法は滅多にとりません。
どんな時にとるかというと、あまりにいろいろな病気や症状が混ざってしまっている時や病院の薬を長期間、飲みすぎて体内の働きがいびつになってしまっている時です。

特に病院の薬の長期間の影響で体内の働きがいびつになってしまっている時は、全身の状態から体質を分析し、漢方薬を選んでも、予想した通りに調整されないことがよくあります。

なぜ、こんなことが起こるかというと、おそらく病院の薬は体に強い影響を与え、その強い薬の影響で体内の働きを変えて、症状を抑えたりしますが、その影響が長期間続くことによって、体内の機能が変わってしまうのだと思います。

製薬会社からしたら、そんなものはないというかもしれませんが、実際に製薬会社でも10年単位の長期間の連続服用の影響の臨床データなんてありません。
また、そういった場合の現場では、1つの種類の薬だけでなく、複合的にいろいろな製薬会社の薬を混ぜて長期間飲んでいることになっているので、こんな複雑なデータは存在しないのです。

そもそも、こんな難しく考えなくとも、糖尿病を考えれば、糖尿病は砂糖を長期間、とり続けることによって、膵臓などの働きがいびつになった状態をいいます。
つまり、見方を変えれば、砂糖を長期間とることによって病気になっているのです。
誰でも普通に食べている砂糖ですら、こんなことになりますから、もっと影響のある薬なんかを長期間、飲み続けて病気にならないと考えるほうが、おかしいですよね。

そんなわけで、複数の薬を長期間、飲まれてきた方は今、悩んでいる病気以外に「なんかよくわからない病院につくられた病的体質」になっていて、漢方薬が理論通りに効かない。なんてことがあるのです。

こういう状態だと病院の薬の中毒状態を治すことが最優先になります。

病院の薬の中毒状態を治して、体を更生させて、そこから始めて漢方薬の正当な治療を始められるといった感じ。

もちろん、中毒状態を治していく時も、ただ単に病院の薬を突然やめたら、禁断症状みたいなものが出る可能性があるので、薬を減らしていくことと、漢方薬で体を補助していく折衷案的な治療をしていきます。これはうちではアトピーの方向けにも使います。

実はここまでが、ものすごく長い前置きなのですが、うちの患者さんで不眠症の患者さんがいらっしゃいます。

この方は睡眠導入剤系だけでなく、心療内科系の薬もたくさん、長期間、飲み続けてきました。
今では、病院の薬も気休めレベル。

そして、漢方治療はしても、体がいわば、病院の薬の中毒状態のようなものなので、漢方薬の効果がストレートに効かない感じ。
いろいろと漢方薬を変えても、常に病院の人工化合物である薬に漢方治療が邪魔される感じです。

そこで、一度、3日間だけでいいので、スッパリと病院の薬をやめて、漢方薬のみにしてみようということになりました。

今回は、あえて一時的な治療措置として調整する症状をあえて「眠れない」だけに絞って、病院のマニュアル漢方みたいに漢方薬で睡眠薬とよばれている酸棗仁湯にしました。
しかも効果がシャープな煎じ薬。

しかし、酸棗仁湯の煎じ薬が、すぐになかったので、とりあえず、3日間だけ違う漢方薬を病院の断薬のお供にしました。

その時の漢方薬は、僕が初回の体質分析時に通常通りの方法で選んだもの。
ただし、こちらは粉薬。
なおかつ初回から2ヶ月間であまり効果がなかったもの。

3日間は、これですごしてもらい、結果を聞きました。
すると、こちらは「病院の薬の断薬+酸棗仁湯」の前座みたいなものだったのですが、なんとこれで、何年かぶりに病院の薬を一切飲まないで、3日間、ぐっすりと眠れました。
これ以外にも家の中で一つ実行されたことがあったのですが、これは内緒。誰にでも無料でできることです。

とにかく眠れた。
酸棗仁湯はどうしよう・・・でも、この3日間でお渡しした漢方薬は、初回の2ヶ月間であまり成績が良くなかったもの。
だったら、不眠に絞り、なおかつ効果がシャープな酸棗仁湯の煎じ薬で変えてみようということで変更。

そこから1週間後・・・煎じ薬に変えた途端、全く眠れず不眠症に逆戻り。
しょうがいないので、これの前の粉薬に戻しました。

そうしたら、結局、すぐに眠れるようになりました。

病院の薬の中毒体質だといびつな体質だと考え、「不眠症」だけに絞って、病院の好きな病名だけのマニュアル漢方にしてみましたが、見事に撃沈。

結局、元の全身状態から選んだ漢方薬が一番よかったことになります。
この結果は、普段から病名や症状で合わせる漢方薬はニセモノだと考えている僕にとっては嬉しいことです。

もしかしたら、病院の薬の断薬も同時に行ったので、体が自然な状態になり、漢方薬が素直に効く体になっていたのかもしれません。
posted by 華陀 at 18:05| Comment(1) | TrackBack(0) | 漢方治療例(症例) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月07日

麻黄湯は取り扱いの難しい漢方薬

そろそろ、インフルエンザが流行ってきている時期ですね。

この時期になると毎年、麻黄湯とインフルエンザについて書いているような気がします。

インフルエンザが流行り始めると、よく聞かれるのが、「先生はインフルエンザワクチンを打っているのですか?」という質問。

僕はワクチンを打っていません。
別に放射脳的にワクチンは危ない!とか考えている派でもなんでもありません。
全種類のインフルエンザを100%防げるのであれば、打ちますが、そんな万能でもないというのが1つの理由。

もう一つは、病院と医者が嫌いなので、わざわざ行くのがめんどくさいし嫌。という本音。

そして、漢方ではインフルエンザという病名は存在せず、ただ強くて進行の早い傷寒(風邪)なだけなので、どうせ、自分の漢方薬で治すからという理由です。

ちなみに皮肉なことにインフルエンザワクチンを打った、お店を始めた初年度に1度インフルエンザにかかり、それ以降は、ワクチンを打ってませんが、インフルエンザには1度もかかっていません。

でも、毎年、インフルエンザになっている人、なっていた人が相談に訪れ、うちのチビも7年間で2回、インフルエンザをもらってきていますが、インフルエンザにはなっていないのは、漢方薬のおかげですね。

ここからが本題ですが、医者の記事やブログでインフルエンザには麻黄湯とか、言ってますが、あれは完全な間違った使い方。

漢方は体質に合わせるもので、そもそも、2000年前にほぼ、治療理論が確立していた漢方の世界にその約1800年後に始まる西洋医学の病名などはなんの関係もないので、漢方の世界に「インフルエンザ」という言葉も診断もないので、インフルエンザに麻黄湯を使うという概念自体が存在しません。

風邪の漢方治療は実は一番、難しいです。
なぜなら、漢方は、体質に合わせるもので、体質は「全身の症状」「生活環境」「過去の既往歴」などから総合的に診断していきますが、インフルエンザや風邪の場合は、熱、頭痛、咳、鼻水、喉の痛み、関節の痛み、食欲不振、胃腸障害くらいしかないのです。

そのくせ、風邪というざっくりした病名だけで、候補になる漢方薬を考え始めると「桂枝湯」「麻黄湯」「桂麻各半湯」「桂枝二麻黄一湯」「香蘇散」「柴胡桂枝湯」「葛根湯」「葛根湯加川芎辛夷」と絞っても8種類が考えられます。

8種類も候補として考えられる漢方薬があるのに、症状は、それほどの違いがない。
だから選択が非常に難しいのです。
なので高度な治療になるのですね。

こんな話「風邪→葛根湯」「インフルエンザ→麻黄湯」というようなマニュアルでしか処方していない病院には何の関係もないでしょうが・・・
僕もこんなド素人でもできそうな、お手軽な漢方処方だったら楽だろうなと時々、魔が指すように考えることがあります。

でも、こんなテキトーな漢方薬の選択方法では、治るかどうかが「ラッキー」に頼るだけという、これまたド素人臭いことになってしまうので、決してやりませんが。

漢方薬は、なぜ、そこまで細かく体質を分析して、体質と合っているものを選んでいけないかというと、副作用が病院の薬のような「ごくたまに少数の人が副作用になる」みたいな、ざっくり曖昧な薬ではないからです。

漢方薬の副作用は、至ってシンプルで、「体質と合っていない漢方薬を飲むと副作用となる」です。
これは、漢方治療の原理原則の物事には裏と表があるという陰陽の考え方からきています。
僕はこの陰陽の考え方がカッケー!なんて思いながら漢方をやってます。

漢方薬には、大きくざっくりと説明すると、ここに温める漢方薬と冷やす漢方薬があります。
冷えている人に温める漢方薬を与えれば、ニュートラルになり、治ります。
逆に余分な熱を持っている人に冷やす漢方薬を与えればニュートラルになり、治ります。

で、これを逆にして、冷えている人に冷やす漢方薬を与えると、余計冷えて、病状は悪化。
これは副作用です。

この例えだと、冷え体質か熱体質かを簡単に言ってますが、実際は、体温が高いから「熱体質」とかではありません。ここでは割愛しますが、もっと複雑に診断しないと分析できません。

肝心の麻黄湯の話ですが、麻黄湯は強く汗を出させる漢方薬です。
無汗(汗が出た後、ひく)になったら中止するものです。
そして、漢方薬にも裏表があります。

麻黄湯は、胃にダメージを与えやすいものです。
そして、漢方では、胃腸は脾の臓といって、体内のエネルギーを得るところとしてものすごく重要視しています。

風邪の時に気をつけなければいけないのは、胃腸のコンディションなのです。

そして、麻黄湯は、胃にダメージを与えやすいという特徴があります。
これは副作用ではないですよ。ややこしいですが、漢方では、良い効果、悪い効果の概念はありません。変化を与えているだけです。
副作用は、合わなかった結果論で考えます。
誰でも麻黄湯で胃にダメージが受けるわけではないです。

そして、漢方薬が体質に合っていたというのは、該当する漢方薬を飲んだ後に目標の症状等が治っていれば「漢方薬と証(体質)が合っていた」となります。

ここに麻黄湯とは対をなす桂枝湯があります。
桂枝湯は麻黄湯と反対の役割で、汗の出すぎを調整します。
こちらは胃の障害ではなく、胃が弱っていたり胃の調整が良くない人の消化器を強めてくれます。

さて、ここでリアルに風邪になる時を考えてみましょう。

風邪、ないしインフルエンザの本当の初期は、なんとなくだるく、鼻水と咳がちょこっとといった感じ。胃腸風邪というものもあるので、この後、胃が悪くなるかもしれないし、まだどう転んでいくのかわかりません。

この時に、頭空っぽでマニュアルだけで麻黄湯を選んだとします。
この後に、胃も悪くなり、下痢も出てくるような体質やパターンだと、風邪、インフルエンザは一気に悪くなります。

この場合、風邪やインフルエンザが悪化したのではなく、麻黄湯の「効果」で悪化させられたのです。
麻黄湯を処方した病院に悪化させられたと言ってもいいかもしれません。

こういった事態が起こるのが漢方薬なので、漢方で証(体質)を分析しないで漢方薬を処方してはいけないと思います。

漢方薬には薬性の強さのランクがあるのですが「強い=強い良い効果」ではなく「強い=強い変化を与えるもの」です。
したがって、体質と合っていなければ、強い副作用ともなります。
漢方薬は常に諸刃の剣です。

こういった風邪やインフルエンザの場面では、薬性の弱い方である桂枝湯から処方するのが体質と合っていなくても副作用が軽くなるので無難なのですが、薬性が穏やかであるということは同時に「速攻で効きづらい」とも言えます。
ちなみに薬性が穏やかな桂枝湯でも体質が合っていれば、速攻で効いてくれます。

なので、結局は、その人にその時の体質にピッタリの漢方薬を選ぶしか治療の道はないので「副作用を出さないように無難な漢方薬で・・・」とやると「副作用はないけど治せない」ということになってしまいます。
これはこれで、漢方医として、くやしい思いをしないといけないのです。

病院がやってる意味不明なマニュアル漢方の麻黄湯は、どうなのかは知りませんが、東洋医学から見たら、麻黄湯は決してインフルエンザ用の薬ではなく、悪化もさせる可能性のある、扱いが非常に難しい漢方薬ということですね。

posted by 華陀 at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月18日

漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(後編)

ブログを前編、後編とあまり分けたくなかったのですが、なんかまとめるのも難しくて、前編、後編と分けました。

漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(前編)はコチラから

東京で行った相談会でのやりとりです。
相談に来られた方と漢方のことをいろいろと話していて、漢方が、全面的に保険適応になっても良いのではないかと言っていただきました。

しかし、これには僕は賛成できません。
僕自身は、漢方薬が、うちのような店も含めて全面的に保険適応になったとしても「うちは保険適応ではやりません」

何も漢方薬を高く売りつけたいわけじゃありません。
患者さんにとっては漢方薬が安くなってお得だと思いますが、治療者側の僕から見ると「商売的」には患者さんが増えていいことですが「根本的な治療」という観点からみると最悪です。
また患者さんが「根本的治療」を目的とするなら、保険適応の漢方は良いことではないようにも思います。

まず、保険適応の薬には薬価というものがあります。
これは普通の商品でいったら、定価が国によって決められているといったもの。
保険適応というのは医療の大半の料金を税金から、まかなっているわけですから、お店が勝手に決めた定価の7割を負担するとなると、最初の定価を高額するやからも出てきます。

なので、保険適応の薬は定価があらかじめ決まっていて、しかも、その定価は年々下がっています。
ここで病院の薬(化学薬品)と漢方薬の決定的な違いが問題になります。
漢方薬はレシピがあれば、工場で大量生産できる化学薬品とは違い、自然のものなので、高級野菜みたいなものです。

高級野菜みたいなものなので、今、野菜が高騰しているように漢方薬の生薬も値段の変動があります。しかも生薬は中国産が多いので近年の中国の発展で金銭価値が上がり、日本との差が縮んできていますので、簡単にいうと薬の原料である生薬の仕入れ額は高くなり、漢方薬の定価はどんどん下げられているので、漢方薬をつくるメーカーさんとしては、想像するに仕入れの額を下げるしか手がなくなるのです。

漢方薬で仕入れの率を下げるとは、それは幸いなのかどうかわかりませんが、生薬も野菜と同じようなものなので、ものの良さはピンからキリなので、ゴミのような値段の生薬も手に入るということです。
マクドナルドが世界中から最も安い肉を探して仕入れているのと同じですね。
そんな安い生薬が手にはいれば、定価を上げることができなくても、会社としての利益はなんとかなるのです。
保険適応の某メーカーさんは、苦労されていることだと思います。

僕はそんな商売的な方に偏った漢方薬で治療をしたいとは思いません。
野菜でいったら、どこの産地かわからない激安の野菜よりも、産地やしっかりした生産者がつくった北海道のアスパラやじゃがいもを使って料理(治療)をしたいのです。
なので保険適応になったって、僕は保険適応にはしません。

もう一つの問題は、保険適応になると患者さんの負担が大幅に減るので、たくさんの人が相談にくることです。
保険適応になると治療拒否はできません。
そうなると病院のように毎日、たくさんの人がきます。

そうなると、いくら自分の治療の理想スタイルがあっても、今の病院のように3分診療のマニュアル治療でベルトコンベアのように患者さんを捌いていくしかなくなります。

漢方治療の本質は、病気にならない体質を作り上げることで、ただ単に漢方薬を飲み続ければ治るものではありません。
先ほどの問診を書くだけでも時間がかかるのです。
保険適応になれば、問診も書かせないか、かなりコンパクトなものにせざるえません。
先生も患者さんも一手間が必要なのが漢方治療なのです。

だから、保険適応になれば、いろいろな人に漢方治療をしてもらえるかもしれませんが、
広がった分、内容がうすーーーくなってしますので、それは最早、ただの漢方体験だけであって漢方治療ではなくなってしまうと思います。
posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月15日

漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(前編)

先日、東京での漢方相談会でのお話。
漢方相談会での目的は、もちろん、うちの漢方治療を受けていただける方を増やしたいことが目的ですが、それ以外に病気で困っている人に正しく「漢方」を理解してもらいたいという目的もあります。

日本ではこれだけ漢方が普及していて、全く正しく理解されていません。
誰が理解していないかって、漢方薬を処方する当の医者や漢方薬局の先生が表面的にしか漢方を理解していないのが現状です。

それが、なんでこうなったのかわかりませんが、表面的で素人臭い漢方の方が常識になってしまっています。
ここで誤解されると困るのですが、僕の方が漢方を知っているというわけではなく、いろいろな漢方の本を読んだ結果、冷静に漢方の治療思想や漢方の診断方法、養生のアドバイスの仕方などが何ひとつ漢方らしく理解されずに西洋医学ナイズされたアニュアル漢方として常識になっていると感じているという話です。

うちはただ単に漢方薬を漢方らしく扱っているだけですね。

その相談会で、すでに病院で漢方薬を処方されているが、その医者の漢方は、なんかおかしく思うので、僕の相談会に参加して、いろいろと漢方に対する疑問をぶつけたいという方がいらっしゃいました。

その質問の中で一言、シンプルな質問がありました。
「ちゃんとした漢方をやっているかどうかを見分ける方法を1つだけあげるとしたらなんですか?」

1つだけ・・・答えは簡単です。

「東洋医学的な体質を判断する問診表を書いてもらってから診察しているか?」

1つだけあげるならこれです。
うちでいったら、ネットでもあげている150項目以上の全身の症状や現在の生活環境等を問う質問。

病院で最初に書かされる「今までにアレルギーのあった薬はありますか?」とかではないですよ。あれは漢方とは何の関係もありません。

漢方はその人独自の体質を判断しますので、全身いろいろな状態を聞く必要があります。
うちの問診もじっくり考えて書けば、20分はかかります。

これが最初にないのは、偽物漢方と言い切ってもいいくらい。
また、問診をとらずに先生が質問だけで漢方薬を決めようとするのも危険だと思ってもらってもいいです。

漢方薬自体は効果の高い、良いものなので、病名だけや症状だけを占いのようにあてはめて処方しても効くことはありますが、根本的に治そうと思ったら、同じ種類の漢方薬だけを飲み続けていてもなんともなりません。その場合は中途半端に治療は頓挫すると思います。

東洋医学的な体質は全身の症状やその症状の組み合わせから分析しますが、問診票に書いてもらわずに互いに質問だけのやりとりで行うと、処方する先生は自分の好きな処方や治すのが得意だと思っている漢方薬に合わせようと偏って分析し、患者さんの方は自分が最も悩んでいることを躍起になって主張しようとします。

漢方薬は特定の症状だけを抑制や緩和する対症療法のお薬ではなく、全身のバランスを整えながら治療するものなので、目立った症状だけを捉えようとせずに、全身くまなく症状や状態を冷静に捉えていく必要があるのですね。
先生も患者さんも主観は最も危険なものとなります。
それをちゃんと調整してくれるのが、体質を知るための問診票ですね。

その他にも、その方からの質問をいろいろとお聞きしていると、大阪でもそうですが、やはり東京でも漢方は大きく誤解されていると感じました。
しかも、悲しいことに名だたる大学病院での漢方がデタラメに近いような印象です。

いろいろとお話している中で「そんな素晴らしい医学だったら、うちのような店も含めて全面的に漢方を保険適応にするべき!」と言っていただきました。

しかし、これには賛成できません。
仮に、うちのような店も含めて漢方薬が全面的に保険適応になっても「うちは保険適応ではやりません」キッパリと答えました。

続きの 漢方治療は全面的に保険適応になるべき?(後編)はこちらから
posted by 華陀 at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月02日

漢方治療は単純に効果だけで治すわけではない

こんな記事を見かけました。
「偽薬」とわかっていても、プラシーボ効果が得られることが判明:研究結果

記事の内容は、タイトル通りなのですが、昔から精神的な考えやエネルギーも薬などの物理的な効果があるのではないかと考えていました。

漢方を初めてから、年月が経つほど、その考えは、強くなっていきました。
なんか、こういう話をすると、「病も気から」という言葉を宗教的に捉えているんじゃないの?」と思われそうですが、「信じれば救われる」というような宗教的なそんな漠然としたものではありません。

漢方を勉強し始めの頃は「漢方薬自体がよくわからない」(もちろん知識としてはおぼえているが、体に落ちていない状態)状態で、言わば、本の受け売りな感じでした。
「当帰芍薬散の効果はこんな効果」「葛根湯はこんな効果」
本に書いてあることをそのまんま、効果をただ単純に理解して、その効果を単に知ってるだけといった状態で、漢方の場合は、知識と知ってる状態だけだと、「その漢方薬が効いたか?効かないか?」と言うイチかゼロという極端で意味のない状態でしか扱えませんでした。

漢方薬を選ぶための体質判断の問診をとらない大半の病院は、多分、この状態で止まっているのだと思います。

その後、勉強を進めるうちに漢方薬を「ある症状に対して効いたか?効いていないか?」だけで扱うと、対して治せないし、なによりも根本的に治せないことに気づきます。

その治せない原因が何かを考えた時、漢方薬は、西洋医学の薬のようにある症状や状態を抑制したり、遮断して失くしてしまったりすることではないことに気づきました。

考えてみたら、当たり前ですね。
西洋医学と東洋医学は違うのだから。
当時、漢方の勉強を始めた頃は、東洋医学のことがよくわかっていないので、今の漢方を扱っている医者と同じように病名や症状に当てはめた漢方薬を飲めば、症状がなくなったりして、更にそれを続ければ、いつか自動で治っていく。という非常に都合の良いファンタジーな感じで考えていたのです。

そこから、病院の薬の飲んでる時だけ治す対症療法ってなんだ?根本治療ってなんだ?対症療法と根本治療は何が違うんだ?と深く深く考えていくうちに、漢方治療は少しずつ、少しずつバランスをとっていくことだということに気づきました。

で、その少しずつバランスをとっていくというのは、具体的には表に現れている症状も少しずつ変わっていくということなんだという結論に至りました。
ゆえに漢方薬は病院の薬のように「症状がなくなったか?なくなっていないか?」では、効果を確認できないのです。

これに気づいてから、昔から読んできた漢方の本を読み返してみたら、ちゃんと「少しずつバランスをとっていくんだよ」ってことが書いてあるのです。
漢方って不思議な理論のもので、自分の気づきが増えてから、過去に読んだものをもう一度、読み返してみると以前に分かったつもりだったものが、実は解釈を間違えていたことに気づいたりします。

漢方薬は「どの症状がどれくらい変化したか?」
これを常に観察していく必要があります。

なぜ、漢方は単純に「症状が良くなったかどうか?」だけを見ていくわけではないのか?
それは漢方薬が「その人によって良い薬となった。体質に合っていた」と判断できるのは、ある程度の期間、漢方薬を飲み終わった結果からしかわからないからです。

そして、漢方薬の副作用は体質と漢方薬が合っていない場合に起こりますので、漢方薬は「先生が良いと思って処方しても結果的に体質と合っていない場合もある」ということです。

なので、「どの症状がどれくらい変化したか?」を見ていきます。
漢方薬を飲むことによっていろいろと悪くなることもあり、その場合は、結果的に体質と漢方薬が合っていなかったか、体質の分析自体が間違っていたか、が確認できます。

つまり、漢方薬の治療を進めていくには、常に観察が必要になり、ある症状がなくなったかどうかのオンオフだけでは判断できません。

治療2回目に漢方薬が体質と合っていて、良いものかどうかを見ていく時に非常に微妙な質問や患者さんんからの答えなどのやり取りがないとその漢方薬を飲み続けても良いかどうかすらわからないのです。

漢方は部分的な症状ではなく、常に全身をみていく治療なので「頭痛は感じなくなってきたけど、同時に夜中にまでオシッコに行くようになった」なんて、良い部分と悪い部分が混ざって同時に出てくることなんてザラにあります。

漢方相談は「医者→患者さん」みたいな一方通行のやり取りではなく「漢方医と患者さんが同じ研究チームの同僚として、一緒に問題を検証する」といった感じが理想です。
患者さんがフィールドワークで実際の調査をし、その調査結果(自分が飲んだ結果の症状や変化など)を漢方医が聞かせてもらって、そのデータを元に専門的に次の手(治療方針)を考えていくといった共同作業です。
だから、漢方には、「おかしいなこの漢方薬で良くなるはずなのに・・・」という、ひとりよがりな世界は存在しません。

記事の研究では偽薬とわかっていて効果を感じることができるのは、医師や看護師とのコミュニケーションや何かを飲むという行為が体を治そうと働きはじめる。と書かれています。

西洋医学の偽の薬でも実際に効果があるようですが、漢方では、効果を確かめる際により細やかに患者さんの状態の変化を調査する必要があるので、漢方医とのコミニュケーションがもっと現実的に、治るかどうかに関わってきますので、漢方本来の治療で治したいと思うのであれば、漢方医との相性や治療の説明やアドバイスの受け入れ安さ、先生が疑問にちゃんと答えてくれて、不信感が残っていないかなどを確認したほうがいいですね。
病気が治るかどうかに深く関わってきますよ。


posted by 華陀 at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする