ようこそ漢方相談室にお越しいただきありがとうございます。
漢方薬の働きや病気・症状の原因を徹底解剖!
あなたの悩みにお答えします。

このブログではあらゆる流派の漢方医学を勉強しサプリメントや病院などの業界の裏側を見てきた経験や知識を活かし私の独断と偏見で思ったことを書いています。 漢方マニアの本音としてお読みください。

※専門家に対して漢方の情報提供をしているつもりはありませんので、漢方を処方する側の人(医師や薬剤師などで特に病名や症状だけで漢方薬を処方している人)は不快な気分になる可能性があるので、読まないでください。

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漢方相談室

2016年07月21日

失敗しない良い漢方薬局を選ぶチェックポイント

うちは、店頭でもネットでも相談をさせてもらっていますが、最近、ネット相談で、「何日か前に、とある漢方薬局(もしくは東洋医学内科)で漢方薬を購入したのですが・・・でも私の体質って、どんなものでしょうか?」的な感じでのネット相談が増えています。

漢方は、処方する先生ごとに治療方針や選ぶ漢方薬が変わるものなので、別にさっきどこかで漢方薬を買ったばかりで、そこからうちに相談に来られても全然、かまわないのですが、どこかの漢方薬局、病院で漢方薬を処方したもらったばかりで、うちのネット相談を希望するということは、つまりは「処方してもらったものの、本当に大丈夫なのかな?」と思っている部分があるのではないかと勝手に推察します。

そこで、漢方薬を購入する前、病院で処方される前に「実は漢方をよくわかっていない先生」にひっかからないように僕が「漢方ってこんなだよ」というものを自分勝手に説明したいと思います。

ちなみに僕は、今の仕事の前は病気の相談を受けつける相談薬局さんを相手に営業をしていまして、山梨と沖縄以外の都道府県に出張もしていましたので、全国の薬局さんの内情をそれこそ、店によれば、そこの家族構成レベルまで知っていました。
要は裏のことを知ってるということです。

父親も相談薬局をやっていまして、そういった病気の相談を受け付ける専門薬局の方向けの勉強会合などで講師をしていましたので、相談の受け方や売り方なんかの裏も知ってます。

何が言いたいかというと、他のお店のことを勝手な想像で言ってるのではないということですね。

まず、近くで探す必要はないです。
というか、近くの漢方薬局が本格的とは限らないです。

うちが全国向けにネット相談をしていますので「自分とこに来て欲しいからじゃないの〜」と思われるかもしれませんが、以前の仕事で全国400店以上の薬局を知っていますが、漢方治療レベルで漢方の医学理論を理解している人は、全相談薬局の数パーセントしかいませんでした。

僕が大阪からわざわざ福岡まで漢方修行に行ったのはそのためです。

友達の鍼灸の先生も以前に漢方薬局さん向けの営業をされていたことがありますが、その先生も何百件と営業周りされていましたが、漢方を東洋医学の治療レベルで理解している先生はゼロだったそうです。

残念ながら9割以上の店が、五行論などの治療には直接役に立たない(僕はそう考えてる)東洋医学イメージ的なものを不可思議にうまく説明できる程度で、実際は西洋医学の病名や症状に当てはめてマニュアル的に処方するだけです。

病院は直接、裏を知りませんが、うちに来られる患者さんが病院で漢方を処方された経緯や説明を聞いていると漢方薬局よりも、はるかにひどいです。
病名と症状にあてはめるマニュアルをおぼえているだけで、良くても、それにプラス、漢方治療にとっては何の関係もない病院における西洋医学的な漢方治療の臨床を人よりも知ってるくらい。
病院なんかは、まともに東洋医学レベルで考えられる人なんて1%もいないんじゃないのか?という印象です。

医学なので、机でお勉強して、ものおぼえのいい人が良い先生みたいに思いがちですが、漢方の場合は、感覚やセンスの方が重要だと思いますので、すぐれた音楽家や絵を書く人を探すような感じです。

そんな人、大都会ならまだしも、自分で歩ける範囲なんかにそう都合良くいません。

なので、通って治療するのがベストですが、自分の近くにいるとは考えないほうがいいです。

次にお店の見た目。
古臭い、瓶詰めの高麗人参とか蛇がおいてあると本格的に見えますが、治療の腕とは何の関係もないです。
厳密には60歳以上の先生の店だったら、当時はそんな作りが当たり前でしたが、先生が60歳以下で新しい店なのに、いかにも漢方っぽい店にしているところは、大概、腕がない人が多かったです。

外観がどうであれ、相談のためのプライベートスペースをとっていないところもアウトだと思います。
サプリメントが山積みになってる横に、ついでのように椅子と机がおいてあるようなところですね。
やはり、オープンスペースの片隅で相談をしているところは、看板に専門って書いてても本格的ではない店が多かったです。

本格的なところは、他の患者さんが一切見えない基本1:1的スペースをとれているところですね。

つぎに問診。
これだけで、そこの漢方が本物か偽物かがわかります。
漢方は東洋医学的な体質を分析して、その体質(証)に合わせて漢方薬を選びます。
病名や症状をチョコチョコと聞いて選びません。

ちなみにうちの問診は、全身150項目をお聞きします。

問診の項目が多ければいいというものではないですが、うちは、何年も検証して、それをシステム化して、お聞きしている項目に無駄がないようにしてきた結果です。
これだけ、絞ってきても結構な項目です。

漢方は病気や症状にマニュアル的に合わせるわけじゃないので、例えお聞きする項目が少なくても東洋医学的体質を判断するための問診は必要です。
そういう意味では、この時点でほとんどの病院はアウトかなと思います。

問診からは体質(証)がわかります。
証から治療方針が考えられます。

つまり、漢方薬を選ぶ前に証と治療方針があるはずです。
なので、この2つを聞くようにしてください。
「私の体質(証)はどんな証ですか?」「今後はどういう治療方針ですか?」

治療方針を考えていない先生は「今後はどういう治療方針ですか?」って聞かれても「いや、マニュアル(本)に、これがいいって書いてあるから」というのが本音なので、今後どうなるか?なんて推測はたっていません。
これも一発で偽物かどうかわかると思います。

まとめると、

@いい腕の漢方薬局や病院が自分の家の近くにあるとは限らない。
まず、遠方にいかないといけないかもと考えたほうが良い出会いがある。と思う。

A店の見た目は治療の腕と何の関係もない。ついでに病院の肩書き(漢方的な肩書き含む)も漢方治療の腕とは何の関係もない。

B問診は絶対に必要。東洋医学的な問診をとらないのは論外。
問診が重要なので、コミュ障っぽい先生もアウト!「いや、そうじゃないんだけどな」と思うのであれば、治療は運だめしになります。

C体質(証)と治療方針は絶対に説明できます。

この4つのポイントを購入する前に確認してみてください。
そして、最初に「相談だけでもいいですか?」と言ってください。
大体、この時点でダメな先生はチラッと嫌な顔をします。

ネット時代ですから、ネットできない人はしょうがいないですが、ネットができるなら、すぐに購入しないで、うちみたいなところを2,3件、相談してみてください。
そこから考えてもいいと思います。

ご参考になればと思います。


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2016年07月13日

冷やすと温める漢方薬のいろいろな使い分け

今時は、かなりレベルの低い漢方の考え方だと思いますが、それでも、未だに「温めれば病気は治る」「女性は冷えているので温めないといけない」などが漢方の考えであるかのように主張しているものがあります。

でも、今の時期なんかは、皆さん、いかがですか?
冬は寒くて仕方がなかった人も今は、それほど、冷えで悩んでないんじゃないでしょうか?

漢方治療では冷えと温めるは、実は複雑な使い分けがあります。

確かに特に女性は、冷えを感じることが多いですが漢方では「冷え」というのは、医者などが「冷えますか?」と聞いた時に「冷えます」と答えたら、イコール「体が冷えている」というような、そんな単純な考え方はしません。

東洋医学は、やや摩訶不思議なところがあるかのような説明をする人がいますが、あれは、おそらく東洋医学を理論的に理解できない人が、ごく少ない、わかった部分だけで漢方を説明しようとするので、その人のよくわからない部分が怪しげな感じになってしまっているのだと思います。

確かに漢方は科学的ではないですが、かといって、理屈のない、いい加減なものではなく、非常に理論的な医学です。

ちょっと例えが違うかもしれませんが、西洋医学が物質的な科学だとすれば、漢方は天気や感情などの自然科学みたいな感じです。

それは、さておき「冷えているから温めればよい」のような本当にいい加減なざっくりしすぎている考えの先生がいますが、漢方では冷えにも何種類かの体質があると考えます。

一般的によくある考え方である「冷えていたら温めればよい」という体質は、陰証の虚寒証とよばれる体質で、華奢で体力がなく、手足が冷え、体感的にも寒がりで、内も冷えやすいので、冷たいものなどを飲むと、すぐに下痢をしたりします。

こういった方は、冬の方がより冷えますが、夏も冷えやすく、エアコンなどで、すぐに冷えます。
冬などは眠る時に体が冷たくで寝つけないこともあります。

こういった方は、一般的なイメージ通りに体全体を温める力が強い漢方薬を使用します。
体全体を温めるといっても、なんとなくボワーンと体全体を温めますよ〜みたいな詐欺っぽいモヤモヤしたものではなく、体全体が冷えていても、熱とよばれる強さの働きと体力と気を補って、3つの働きで強く温めたり、血や気の通り道を押し開き、その巡りを活性化することによって、体のすみずみまで血と気を行きわたらせて温めたりと、強く温める場合も、その人の体質によって、微妙に治療の方法が分かれてきます。

実は、このような一般的に「冷えている」と思われているタイプは少なく、女性で多い冷えは、上熱下寒とよばれる部分的冷えや血虚系の冷えです。

上熱下寒とは体の上半身は暑かったりするけど、膝からしたなどは、すごく冷えるといった感じの体質です。

こういった方は、手は冷えません。
なので、漢方治療で問診をとる時に「冷えますか?」とざっくり聞くのではなく「手は冷えますか?」「足は冷えますか?」と別々に聞くことは重要です。

こういった証の方は、上半身の気と熱は降ろして、下半身に熱を促すようなイメージの治療になり、そういった役割の漢方薬を使用します。

血虚系の冷えというのは体で使用する血と体で消費する血のバランスが取れずに血が不足している方が血の不足から冷えを起こしている状態を指します。

漢方では、血は肉体的な活動だけでなく、思考など、体のあらゆる活動で使用すると考えられています。

ですから、西洋医学にあるような、成人の人なら「これくらいの血液量が入りますよ」というような液体の容積と平均値を比べるだけのものではありません。
西洋医学の検査で見ているのは、平均値と比べて、あるか、ないかだけですね。

漢方の場合は、悩んだり、激しく疲れたりすると血を消耗し、なくなった分を製造できなければ、不足するので、その状態を血虚とよびます。

熱を巡らせる血が不足している状態なので、冷えになってくるのですね。
この場合は、一般的にあるような温めることが治療のメインではありませんね、
血を増やすことがメインになります。
血を増やし、それから温めることによって、血の活動を活発にして、冷えを取り除きます。

その他にも、「気」の乱れ、現代の医学でいえば、ストレスなどで自律神経の調整がうまくいかなくて、一定の条件で手足だけが異常に冷えるなどの冷えがあり、この場合は、気の調整をすることによって冷えを取り除きます。
温めるわけではありませんね。

あと、体に余分な水がたまっていて、それが濡れた衣服のように体を冷やすという体質など、いろいろな体質があるので、漢方ではそれらのバランスをとるようにして温めます。

漢方で「温める」というのは、暖房にように、ただ単に「温める」というわけではないのです。

その人の体質に合わせて結果的に温まるようにもっていくということですね。

漢方は「陰陽」の法則が大原則になっています。
なので、どんな体質の人にでも良い薬というものはありません。
温める力を強い熱の漢方薬は、熱証とよばれる熱の調整がうまくいなかにタイプには毒になります。
なぜなら、そんな人を温めると熱が体の中にこもって悪さをするからです。
ちなみに僕はこの熱がこもりやすいタイプです。

体質に合わせる漢方薬というのは、こういうことですね。
誰でも温めれば、治るというものではないし、温め方にもいろいろとあるということですね。

特にこの時期は要注意です。
冬に冷えで悩んでいた人だって、今は暑くてしょうがいないのです。
でも、詳しく聞いていくと「足先は冷える」「お腹は冷える」「手はほてる」「首から上は暑くて汗ダラダラ」のように冷えと熱が混在しています。

そんな時は、足先が冷えているからといって、ただ単に温める漢方薬を使うべきじゃないですね。

温めるとか冷やすとか、そんな単純なものではなく、どう冷えと熱のコントロールをするか。
それが漢方治療です。


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2016年07月04日

東京漢方相談会のお知らせ

まごころ漢方の東京相談会のお知らせです。(お店の宣伝です)

まごころ漢方では、定期的に関東方面の方向けに東京で漢方相談会を行っています。
今回で7回目です。

漢方薬の事だけでなく現在の病院の治療のことや処方されている薬などの疑問。
飲まれているサプリメントのことなど、
身体や薬のことで気になることは、なんでもご相談ください。
どんな相談であっても相談は無料です。
小さなお子様の相談も受け付けています。
漢方薬は1歳から飲めます。
事前の完全予約制です。

僕自身、元々、話好きなので、お気軽にお申し込みいただけたらと思います。

相談場所は浜松町です。

(日時)
・07/09(土) 
10:30〜19:00(12:00〜13:00除く)
※19:00〜20:00が最終枠です。

・07/10(日) 
10:00〜19:00(12:00〜13:00除く)
※19:00〜20:00が最終枠です。

・07/11(月) 
15:00〜17:00
※16:00〜17:00が最終枠です。

・相談時間は50分です。

漢方相談会の予約は、こちらからご連絡ください。
若干名、予約に空きがあります。

(予約)
http://www.magocoro-kanpou.com/contact/index.html

ネットでのご相談はコチラから。
(ネット漢方相談)
http://www.magocoro-kanpou.com/counsel/index.html

ぜひ、ご参加をお待ちしております。
※予約は一杯になり次第締め切ります。連絡を頂いた際には、
すでに予約がとれない状況もありますがご了承ください。


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2016年06月29日

漢方薬と病院の薬は全く違う世界のものです

病院の薬と漢方薬は実は全然違うものです。世界そのものが違います。

病院の薬は人工化学合成物で漢方薬は食べ物のような自然のもの。というようなありきたりの違いを話してもしょうがないので、治療目的の違いを話してみたいと思います。

病院のお薬には有効成分というものがあります。
鎮痛剤だったら、痛みは最初は体内の痛みを発する物質が痛みを発する指令書となって脳に向かうのですが、痛みを発する物質は痛みを発する指令書になるまでに何回か、レセプターという物質とくっついたり変化して、痛みを発する指令書に変わっていきます。

鎮痛剤は、この痛みを発する物質の手前の状態のものに偽物のレセプター的成分をかまして、痛みの指令書になる前に潰してしまいます。

簡単に言えば、体内の働きを薬の成分そのもので無理やり変えて体の働きを騙すのです。
もちろん、薬によって有効成分の働きは違いますが、根本的な考えとしては人工化合物を体内にいれて、体内の正常な働きを騙すというものです。

痛みや発熱、血圧が高くなるなど、病気や不快な症状とよばれているものの正体は、何も体が嫌がらせでやっているわけではなく、体内のどこかの組織や機能がうまくいってないので、そのうまくいってない状態を「痛み」や「かゆみ」「吐き気」などで知らせているのです。
ただ、この体内の不調のお知らせは非常に不快で何がどう悪いのかが、僕たちにはよくわからないのです。

痛みなどはわかりやすいですね。
骨を折った時に「痛み」という不快な症状が全くなかったら、折れたまま、無茶しますので、下手したら一生、治らない傷になったりします。
「痛い」からジッとする。安静にするから治癒を促すことができるのです。

西洋医学の薬の役割は、こういった不快な症状を一時的にせよ、なくしてごまかすことです。
病院の薬が対症療法や姑息療法と呼ばれているのは、こういった一時的な措置だからです。

よく考えてみたら「病院の薬を飲んでこなかったから病気になった」わけじゃないですね。
だから、あなたの病気の原因は「病院の薬を飲んで来なかったこと」ではないのです。

そこから考えれば、根本的な病気の原因は他にあるわけです。
他にあるけれども、今、この瞬間の症状を無くしたい場合は、病院の薬は即効性もあり、個人の体質は関係なく平均的に効きますので「とりあえず症状を止めておく」場合は非常に有効的です。

逆にダメな使い方は、根本的に治そうとして長期間、飲み続けたり、説明されているほど効いてないの、しつこく飲み続けたり・・・(いくら、平均的に効くとはいえ、100%誰にでも効くものではありません)こういった飲み方は無駄ですね。
老人はこういう飲み方をよくしていますが、これは健康保険が毎年大赤字のことを考えると税金の無駄使いだと思います。

病院の薬は、基本的には1つの薬に1つの有効成分があり、その1つの有効成分が1つの効果を表します。
鎮痛剤だと痛みを止める効果です。

漢方薬は1種類の漢方薬の中に複数の生薬とよばれる食べ物に近いけれども薬のような強い効果を発するものが含まれています。

例えば、葛根湯なら7つの生薬が含まれています。
7つの生薬はそれぞれ独自の効果を持っています。

医者は病院の薬と同じ発想で1つの漢方薬は1つの働きみたいに考えて処方したりしていますが、漢方薬には2つの効果の考え方があって、生薬それぞれの効果と、それらが合わさった時の漢方薬としての効果という大小2つの効果を考えなくてはいけません。

葛根湯は風邪薬とか、五苓散は頭痛薬とか、そんな単純なものではないのですね。

病院の薬で例えれば、葛根湯には7種類の薬を一辺に処方したような感じです。
でも、ここでも大きな違いがあります。

病院の総合感冒薬は、解熱効果の成分、咳止めの成分、痰を出しやすくする成分と、それぞれ効果が決まっている成分が単純に足し算的に混ぜられているだけですが、漢方薬の場合は、そもそもが生薬自体が「鎮痛」とか「咳止め」といった直接的にわかりやすい効果ではないのです。

漢方薬を構成している生薬は、それぞれ、
・どこの内臓(西洋医学の内臓とは異なる)に有効か?
・その人の体に対してどれくらいの負担を与えるか?
・冷やすのか?温めるのか?
・気や血、水を巡らせるのか?

など、基本的な効果は、西洋医学には存在すらしない効果となっています。
1つずつの生薬にこういった細かな設定があって、それらが合わさって1つの大きな治療の方向性を生み出します。

なので、西洋医学は「頭痛=痛みを発する物質を邪魔する成分の薬を使う」と非常に直線的で単純ですが、東洋医学はその反対になります。
なんだか、よくわからない温めるとか、冷やすとか、巡らせるといった、ちょっとモヤモヤした効果を組み合わせて治します。

なぜ、東洋医学はそんな、わかりやすい単純な思考じゃないかというと「東洋医学は全身のバランスをとらないと治らない」と考えるからです。

病気は1つの原因だけで成り立っていることはありません。
1つの原因のみで成り立っているのは、急性の時だけだったりします。
慢性化している場合は、大概、無数の要素が絡み合って、体内のいろいろな箇所を邪魔しているのです。

その場合も無数にある全部の要素を究明していけば、治せるかもしれませんが、今の科学力では、無数にある原因を全部、解明することができません。

漢方は、最初から無数にある原因を事細かに調べても調べられないことがわかっていたので、全身をみて、どのバランスが崩れているかをみるようにしたのです。
だから、どんな病気だろうが「頭痛」とか一部分の症状だけをみないで全身の状態をみて体質を判断するようになっているのです。

漢方薬が複数のそれぞれのバラバラの効果のある生薬で構成されているのも、複数の要素に一度に働きかけないと「あっちを押せばこっちがひっこむ」で永遠に病気が治らないからです。

ざっくり、モヤモヤな感じに見える東洋医学ですが、実は、非常に理論的なのです。
ただ、使う人間が西洋医学と同じように単純で直線的な方法で処方するから、疑わしい感じになってしまっているのです。

漢方薬が治るか治らないか怪しいものではなく、体質をみないで処方している人が漢方薬をまともに使えてないから「怪しい」のですね。

その怪しい使い方というのは西洋医学と同じ発想で「病名」と「症状」だけで漢方薬を処方する人ですね。

漢方薬は、成分が直接的に働くわけではなく、体の大きな流れを変えていくので、根本的な治療になります。
でも、漢方でも漢方薬という薬のみで根本治療になるとは考えていません。

そもそも、漢方というのは「漢方薬を使用する」ことではなく、漢方の考えでもって、漢方薬を使用することです。
漢方の考えとは、体質に合わせて、病気にならない生活を送ること。
これをアドバイスするのも漢方薬を処方するのと同等です。
病気の始まりは生まれつきの持ってるクセとその後の生活のクセの積み重ねでなることが多いので、そのクセを体質に合わせた方法で正しい道に戻してやれば、健康になっていくのですね。


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2016年06月22日

漢方薬を3年飲み続ければ根本的に治るというデタラメ

病院の漢方薬を飲まれている人が、時々、医者から説明されていることで「それ、ちょっと違うんじゃないの?」と思うことがあります。

病院でツムラなどの漢方薬をある程度の期間、飲まれている人がよく説明されるようで、漢方薬を飲んでいるけど、症状が一進一退な状態の時に「体質から変えようと思ったら3年位は飲み続けないと体質は変わらない」と言われたそうです。
ひどい人になると10年はかかると言われていました。

確かに体質を変えようと思ったら一朝一夕で変わることはありません。
時間のかかるものです。
だから、一見、まともなことを言ってるように聞こえますが、僕からすると全くのデタラメです。

デタラメは2つあります。

病院の薬は、効果時間が決まっていて、効果時間が切れれば、慢性病の場合は、大体、元通りに症状は再発します。
これはお薬自体の成分が体の働きを強制的に変えているので、その成分が体内にとどまっている間は、体の働きが変わり、症状を感じなくなったりします。
でも、その成分もやがては代謝されていくので、薬効成分が体内からなくなると、効果もなくなるからです。それゆえに、その場しのぎの対症療法とよばれているのですね。

対して、漢方薬は、人工合成物ではなく食べ物と同じように自然の生薬でつくられた薬で、その効果は体の働きを強制的に変えることではなく、それとなくバックアップ的に体の複数のいろいろな働きをバランスもとりながら調整していくことです。

それゆえに漢方薬の効果が切れても病院の薬のような自然界にない人工的で強制的な働きでないので、自分で体内のバランスのくずれた機能を調整していってくれます。
確かにこういった漢方薬の治療の方向性からすると、長く飲めば、飲むほど、体内の働きを調整してくれるので、体質から根本的に変わっていくことができます。

でも、これには落とし穴があります。

漢方は、不快な症状を遮断して感じなくしたり、オシッコを無理やり出るようにするものでもありません。
「治療」というよりは「調整」
西洋医学は健康な状態と病気の状態のどっちか?みたいな極論な考え方ですが、漢方では厳密には病気か?健康か?どちらかにわける考え方はありません。

便宜上、漢方でも治療と説明しますが、漢方は調整をするものです。
病名がつかなくても、日々のだるさや昨日は頭痛があったけど、今日は頭痛がない。でも体がだるい。など、体は良い部分があったり、悪い部分があったりで、バランスがとれていて健康な時もあれば、バランスがとれずに悪い時もあるわけです。

漢方では、ここからが病気で、ここからは健康という明確な線はありません。
漢方は「病気」を「体質」で考えます。

そして、体質には2種類の考え方があります。
1つは血縁から受け継いだ、うまれつきの体質。
多分、医者も含めてほとんどの人が認識している「体質」です。
母親が筋腫だと娘さんも筋腫になりやすかったり、父親が胃痛、胃もたれで胃が弱いと息子さんも弱かったり。
血縁の中の病気って、潜在的に持っている感じは誰しもが思い当たるところではないでしょうか。

「漢方薬を長いこと飲んでいれば治る」と言っているのは、この部分のことを言ってるのだと思います。
確かに体質がこれしかなければ、最初の体質分析がちゃんとされていて、処方した漢方薬が当たっていれば長く飲みつづければ治ります。しかし体質にはもう一つやっかいなのがあります。

そのやっかいな体質が後天的な体質です。
これは季節や環境でどんどん変わります。
雪の降ってる時期の手足の冷え、梅雨の時期の湿疹、夏の汗、秋の胃の不調。
体質的に言えば別人になります。

漢方は体質を見る際にうまれつきの体質と現在の体質を合わせて考えます。
生まれつきの体質だけにスポットを当てても治すことはできません。

現実の治療の際は現在の体質の方がウェイトが高いです。
今の季節の今の環境の体質ですね。
環境は例えば、北海道から沖縄に引っ越したり、昼に働いていた人が夜勤になったり、管理職になって、悩みが倍増したりなどなどです。

現実は、日々、外からの影響で体質も変わるので、これを調整していかなければいけません。
ほとんど体質が動かない人でも、さすがに真夏と真冬は変わったりします。
当たり前ですね。正反対なんですから。

となると、そもそも「3年間、同じ漢方薬を飲み続ける」なんてことはありえないのです。
毎回、体質判断して、結果的にそうなることはあっても、最初から決めつけて「飲み続けたら・・・」なんてことはありえません、
それは逆に「季節の変動やあなたの今の環境なんて、全く考慮にいれて漢方薬を考えません」と高らかに宣言しているのと同じ。
それは最早「漢方薬を使用している」だけで「漢方治療」ではないですね。
誰が医者の役割をやってもいいんじゃないですか。

もう一つのデタラメは病気の捉え方の問題。
漢方薬は陰陽の法則で体の不調をみます。
西洋医学だと「病気=悪い」みたいな概念でみますが、漢方では冒頭でも話しましたが、病気か健康かではみません。

漢方は冷えもなく、さりとて余分な熱もこもっていない真ん中のみが健康だとみます。
なので、例えば、始めにものすごく体が冷えている人が温める漢方薬を飲んで何ヶ月かで治ってきたら、冷えがなくなるわけです。
西洋医学の発想では、治療に成功した漢方薬なので飲み続ければ・・・と思うかもしれませんが、東洋医学では、ただ単に冷えた人を温めたら治っただけです。

そして、冷えがなくなった人が、そこから更に同じ体を温める漢方薬を飲み続けたらどうなるでしょうか?
そう、体に余分な熱がこもって、冷えから熱の体質に変わってしまうのです。
これを誤治、壊病といいます。
だから、3年間飲み続けて体質を変えるなんてありえないのです。

えっ、「それだけ治療に時間がかかるかもしれないじゃないか」って、それはありませんよ。
10年間、漢方治療している経験や過去の数々の書物から、全く同じ漢方薬でそれだけの時間がかかるとは思いえないし、もっと早くに治せる漢方薬が別に存在するはずです。
何せ、バリエーションを含めれば漢方薬は500種類以上あるんですから。

多分、東洋医学的な体質を一切みないで漢方薬を使おうとするから、そんなデタラメくさい発想になるんじゃないかと勝手に思う次第です。


posted by 華陀 at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月15日

漢方のネット情報は要注意!

うちではネット相談が多く、ネット相談のみで会ったことがないけれど、妊娠されたり、アトピーが治ったりした患者さんがたくさんいる中で、こんな話をするのも変な話ですが、ネットは高度な扱う能力がなければ、同時に危険なものでもあると思います。

最近は、最早、ネットやPCが苦手な人にとって有益な情報なのか?と感じることが多いです。

ちょっとネットの歴史をサラッとお浚いし、インターネットとはどういうものか、把握していただけたら、本当に良いサイトに辿りつけるのではないかと思いますので、ちょっと聞いてください。

ネットの黎明期は、Yahoo!に稚拙な情報が載り始めたり、反対に本当に専門家しか理解できない超専門的なものがGoogleの検索でひっかかってきたり、もしくは、対して良い情報でもないのに目端のきく人が先に書いたものが、まるで正しいかのように誤解された情報が載っていました。

それが、だんだんと情報が増え、結構、専門家の人がわかりやすく書いてくれている無料で有益な情報なども増えるようになってきました。

そのうち、インターネットの情報が商売に使えるようになるとわかると、まがいものの情報は一気に増えました。
それは企業がお金をかけて参入してきたからです。
企業の第一の目的は本当にいい情報を提供することが目的ではなく、自分達の商品を売りさばくための情報を提供すること。

企業の情報は巧妙でモロに売り込みにすると余計に嫌われることをよくわかっているので、あの手この手で、無料で有益な情報のようなフリをしてバラまくようになりました。

その後、ブログなどが登場し、素人の人もネットに積極的に参加してくるようになりました。
僕もその1人ですね。
ブログも最初は、本人が書いた本物の経験が載っていたのですが、それも商売に利用出来るとわかると、企業系はブログをモロに商売に利用するにようになりました。

「素人のフリをして、体験談などを書く」といったものですね。
もちろん、今も僕のブログのように本人が書いているというものもありますが、ブログの世界もお金を出して代行で書いてもらうというシステムが完全に出来上がっています。

うちでもたまに患者さんから誰かの不妊症の体験談ブログで「こうこう、こういう風に書いておられましたよ」って話される方がいらっしゃいますが、そもそも、それが、本当にその人の体験談なのか、どこかの企業が商売で素人演出のブログを書かせているのか、それを調べたほうがいいと思うことがあります。
こういう系のブログはサプリメントの会社がよくやってます。

「ブログ 代行」で検索してみてください。
「ブログ 代行 求人」など、宣伝のための素人のフリをしたブログを書くことは今やお仕事の1ジャンルです。

出会い系サイトのサクラの仕事が一つの仕事として成り立っているのと同じです。

僕は医療ジャンルなら、専門なので、そのブログが本当に素人の方の情報なのか、商売で書いているのかは大体、判別がつきます。
たくさんの病気で悩んでいる人の相談を受けてきた経験で、その方々が使わないであろう文脈や単語を使っているから、すぐにわかるのです。
でも、ネットに慣れてなかったり医学系の知識が苦手だと見抜けないかもしれません。

話が飛びましたが、要はインターネットは昔は専門的な知識がなくても、専門的なことを知ることができる便利なツールだったのですが、今は専門的な知識のフリをした、まがいものの情報を知ることができるツールになりつつあります。

現在のネット情報は真実の情報に触れようと思ったら、真実かどうかを見極めるための基礎知識がないと真偽の判断ができないのです。

医療系だとせめて基礎生理学や薬理、臨床データの読み方などが、わかっていないと、そのサイトで言ってることが本当なのかどうかが判断つかないんじゃないかな・・・

特に漢方系は、医者や薬剤師の医療系の専門家の中でもネットがなかった昔から超高度で全然、理解されてこなかったジャンルです。

高額な漢方の講演会に通っていても、ちんぷんかんぷんというのが当たり前だったので、漢方系のネットの情報は今も教科書の丸パクリか、漢方薬メーカーに言われたことそのまま書いている。という、先程の商売的な宣伝に近いような情報が圧倒的に多いように思います。

教科書といっても、漢方はその先生の思考と経験で治療方法が生み出されていくものなので、漢方の場合は教科書というよりも本当に参考にする程度の「参考書」なので、それが合っているとは限りません。

もちろん、僕のこのブログで話していることも正しいとか、そういうことではなく、漢方自体が、ある程度の基礎的な東洋医学の基礎的考えがあって、それを先生自身がどう捉えて、どう考え、どう処方し、治ったとか、悪くなったとか、どんな経験を積んできたかが、漢方であって「参考書となっている知識を知っている」ことが正しいわけでもなく、そこに答えもありません。

東洋医学の基礎理論自体も複数の考え方と流派があり、何種類かの考え方や解釈の仕方があったりします。
そこも、どれが正解ではなく、その漢方の先生がどの解釈を選択し、どの考えで治療するかです。
ちなみに僕は、日本漢方と古方を支持し、折衷派という流派を支持し、その理論に基づいてい体質を診断し、漢方薬を選びます。

一般的には中医学という考えが主流ですが、これは僕の考えでは「学校漢方」で学んだり、理解はしやすいとは思いますが、治せない。と思いましたので昔に勉強してやめました。
ただ、学校漢方だけあって、漢方という情報がキレイにまとめられているので、この理論では僕は治せないですが、患者さんに対する説明はしやすいので便利です。

ところで、病院は医療のトップなので、漢方もトップのように勘違いされますが、多分、医療業界で一番、漢方をわかってないし、西洋医学の思考方法は漢方から一番、遠い思考方法ではないかと僕は考えています。

病院や漢方薬局、漢方崩れのサプリメントを売りたい会社などが漢方のことをネットに書いていますが、ほとんどが教科書丸パクリの実践的でないものが多いと僕は感じています。

また、素人の漢方体験なども、
「東洋医学的な体質を見てもらって→治療方針を立て→その治療方針に沿って、漢方薬を選び→飲んだ後の検証をする」という東洋医学の基本ステップを踏まず、ただ病名や症状だけをあてはめて考えられたものを飲まされているケースが多いようなので、素人の方の漢方薬体験記も役に立つものが少ないように思います。

またネット上の漢方薬の話って「漢方薬のモノがいいかどうか」ということが、良く書かれていますが、実践で漢方治療している僕としては、漢方薬のモノがいいかどうかよりも、自分の体質をちゃんと分析してもらっているかどうか、その体質に合わせた漢方薬を選んでもらっているどうか。を気にしたほうがいいと思います。

@ 東洋医学的な体質は分析しないけど、漢方薬の品質は世界一。
(一般的によくある病名や症状だけあてはめて漢方薬を選ぶ方法で漢方薬のモノがいい場合)

A 東洋医学的な体質をみて、そこそこの品質の漢方薬を選びだす。

だったら、絶対に治療したいならAです。

理想は「東洋医学的な体質に合わせて品質の良い漢方薬を選ぶ」ですけどね。


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2016年05月31日

薬を薬でかぶせて治そうするのは愚策じゃない!?(肝炎)

もともと、昔に、うちの患者さんだった人が、新たな相談で久しぶりに来られました。

以前に来られた時とは違う症状で、突然、肝臓の数値がものすごく上がったとのこと。

GOT、GPTが通常の8倍〜9倍に跳ね上がり、異様なだるさ、食欲不振、吐き気、ゲップ、胸の熱感や上半身ののぼせ感など。黄疸はありませんでしたが、かつてないほどの最悪状態。

年齢は30代前半の女性で、アルコールは一切飲まず、昔からの持病も一切なし。

普通で考えたら急性肝炎ですが、病院のエコーの診断結果を見たら「急性肝炎らしくない」との診断。
かといって「何」ということもなく、得意の不明という診断。

病院の治療はおきまりの「なんとなくウルソの投薬」
この辺のマニュアル治療はさすがですね。
勉強のエリートは絶対に一般的なマニュアルを外しません。

ウルソを飲み始めてから肝数値は、ほんの気持ち程度、下がったが、とにかく、異様なだるさ、吐き気、ゲップ、熱感などの自覚症状は1mmも変わらず。

検査数値も重要だとは思いますが、患者さんは「とにかく症状をとっておくれ」といった感じだったそうです。

その後、病院の「検査→ウルソ→検査」の繰り返しで「病院は詰んでるみたい・・・」と感じられたようで、一旦は近くの漢方薬局に相談に行かれたようです。

そこで処方されたのは「牛黄清心丸」
出たー!といった感じ。

漢方薬局と言いながら、牛黄清心丸と鹿茸でなんでも治ると思っているサプリメントノリの店ってあるんですね。

こういう店って、大体この2つにプラス田七などの血をサラサラにするものしか処方しません。
最近は更に腸をキレイにするものプラス!

どんな病気でも血をサラサラにする田七と牛黄清心丸みたいな。

漢方ってサプリじゃないですからー

牛黄清心丸といえば、思い出しますが、僕の西洋医学の師匠は上海人で、西洋医学はもちろんのこと、漢方のことも、よくご存知で、日本に来られた時に驚いたのが「なんで日本の薬局はどこも牛黄清心丸が山積みなの?」と言っておられました。

なぜ、そんな質問をされるかというと、牛黄清心丸って漢方の理論から言ったら、譫言、痙攣、高熱、病気で行ったら脳梗塞の直後みたいな時に使うものなのです。

その滅多に使わなさそうな処方が店に山積み!
師匠からしたら、日本はそんなヤバイ人があちこちに一杯いるのか?という素朴な疑問です。

でも、師匠、違うのです。
日本では勝手に「体力がつく」とか「元気になる」とかひどいのになったら「風邪がすぐに治る」みたいな漢方理論そっちのけで売ってるのです。

なので、今回の症状に効くはずもなく。
患者さん自身もその漢方薬局の説明に怪しさを感じたらしく、ほぼ飲まない状態で、うちに相談に来られました。

うちでは病院と関わり出してからの経緯を順に詳細に全部、聞きました。
そうすると、ある事情で一時期だけ、降圧剤をのみ、その後、ステロイド、不安感があるので、心療内科系の薬。その後も、やれ、吐き気にこの薬だ。食欲不振にこの薬だと。

薬のオンパレード。
時間経過と検査数値を並行してみていくと、どんどん、どんどん、肝臓が壊れている感じ。
そりゃ、肝数値も悪くなります。

一応、師匠に相談したら「薬は全部肝臓で処理するんだから、次々、薬を使ったら、肝臓がへばるに決まってるでしょ!生理学と薬理学の基本だよ!」

「はい、それはちゃんと理解し、おぼえています。師匠」
僕は漢方専門なので、一応、西洋医学の専門の師匠に確認しました。

で、トドメに牛黄清心丸。
漢方薬って、その人のその時の体質にも合わせる必要があるのですが、牛黄清心丸って、かなり強い負担を与える薬なんです。
その方は、虚証とよばれる体質なので、当然、そんなもの弱ってるところに放りこまれたらよけいに疲れます。

病名漢方のマニュアルからいくと、肝炎ってインチンコウ湯とか、大柴胡湯を使います。
肝臓に強く効かせる生薬が含まれる漢方薬を使用するのですね。

うちは、病名や症状ではなく、証(体全体の状態)をみて、漢方薬を選びますので、インチンコウ湯とか、大柴胡湯なんて選択肢は、弱っている虚証の患者さんに使うなんてありえません。
この辺の漢方薬を使ったら、更に悪化するのは目に見えています。
それは「証」が教えてくれています。

次に治療の方向性を考えていく上で、肝臓系のトラブルは柴胡剤とよばれるものを使うのがセオリーなのですが、治療の1段階としてやらないといけないのは「肝炎」を治すかどうかではなく「食事がまともに食べられるようにすること」

肝炎という「病気だけ」で見ると大柴胡湯とか患者さんの体力とか状況を一切無視したような処方をしかねません。
とにかく今は食べて、体力をつけるためには上焦(肩から上の部分)に熱がたまりすぎているので、それを降ろす必要があるため、上焦の熱をコントロールする漢方薬を選びました。

漢方薬名はあえて言いませんよ。
だって、この業界って、こういったブログを読むと「肝炎には○○の漢方薬がいいんだ!」とすぐに単純なマニュアルにしようとする人が多いので。(ちなみに同業や専門家は読まないでと注意していますが)

漢方薬を選ぶ時は「肝炎に○○の漢方薬」と直結で稚拙な選び方ではなく、「肝炎の□△の体質の人に○◇の漢方薬」を選ぶのです。漢方では肝炎の次に「□△な体質」という診断が必須なのです。

病名が同じ肝炎でも○○の体質だと選ぶ漢方薬も□△の体質の人の漢方薬とは種類が変わってくるのですね。
□とか△とか訳がわからなくなってきましたが。

その後、狙い通りに熱がひいて食欲が戻り、ゲップが少なくなり・・・と次々に落ち着いてきました。
もちろん、この時も漢方薬を渡すだけでなく、その人の体質に合わせた食事の摂り方をアドバイスしました。一般健康論でないやつね。

まとめ的には、具合が悪くなった時に体に負担を与える病院の薬を次々にかぶせて治そうとするのは、愚策ではないかと思う次第です。


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2016年05月18日

漢方は教科書的なガイドラインは一切通用しない世界

いつも、最低限、いろいろなジャンルのニュースやコラムを読むようにしていて、その中で興味深い記事がありました。

「同率勝算の規則」に学ぶ。多作が才能に勝つ理由 | http://bit.ly/1NxVgxF

小難しいタイトルになっていますが、要は「仕事や人生や芸術で確実に成功する方法は絶対になく、その中で成功するためには、とにかくたくさんやること」とありました。
ハーバードの心理学者もこう言っているようです。

僕は常々、漢方は医学というよりも、音楽などの芸術や料理をつくる分野の方だと考えているので、この記事の「芸術で成功するためには・・・」の一節に惹かれたわけです。(医学は医学ですが)

この成功法則は、何も芸術や仕事だけでなく「根本的に治る」という「成功」も含まれると思います。
どんな事も「困難な問題」があり、それを「克服」し「成功」へと至るわけです。
「困難な問題」はアトピーや不妊症だったりするわけです。
「克服」は漢方薬による治療や治るための養生ですね。
「成功」は言うまでもなく「根本的に治った」ということです。

西洋医学は化学的に分析され、臨床データもあり、理論的にもしっかりしているように聞こえるので、病院の薬の説明などを聞いていると、いかにも治りそうな気がしてきます。

でも、実際は、薬の効果は1つの症状だけに限定されていたり、その効果も薬を飲んでいる間だけだったり。
また、実際の病気は、複合的に病気や多数の症状が重なっているので、単体の症状や病気にしか対応できていない病院の薬は一時しのぎにしかならなかったりします。

現実は、そんなもので、単純な構造の機械の故障すら、簡単には治せません。
僕はパソコンを一からつくったり、簡単な機械だったら修理しますが、結局、修理といっても大概が、部品の交換だったりします。

ところが人間の体は交換ができないのです。
交換せずして治さなければいけません。
単純な構造の機械でも、交換なしでは治せないのに、もっと複雑な構造の人間の体を部品交換なしで治すなんて、本当はかなり難しいことなのです。

西洋医学は、最初から「この薬はこんな効果があるから治るはず」という前提から治療にはいります。
そんな甘くないはずなのに。

漢方の場合は、最初から「この漢方薬はこんな効果があります」という設定はありません。
病院は漢方薬の処方をマニュアルでやってるので、新薬と同じように考えていますが大きな勘違いです。

「漢方薬が効いた!」と確認できるのは、相談に来られた時に、その人の体質を分析し、その体質を元に最適な漢方薬を選び、更にそれを飲まれた患者さんが良くなった時にはじめて「処方した漢方薬が合っていた。効果があった」と言えます。

つまり、漢方治療は「この漢方薬ならどんな体質の人の頭痛でも消えますよ」という概念自体がないので、未来の治療が成功するかどうかは常に未知なのです。

だから、漢方薬の参考情報にある「こんな病気に使うリスト」みたいなものをおりこうさんにおぼえても、何の役にも立たないこともあります。
何せ体質はその都度、未知ですから。

この辺が医学というよりも、音楽、芸術に近いと思うところですね。

西洋医学に慣れている人や西洋医学が病気を治してくれると信じている人は「私の病気はどんな漢方薬で治りますか?」と質問されますが、伝統的な本来の漢方治療では、全体の体質を見る前や病名や2、3の症状だけでは、どんな漢方薬が合うのかは皆目わからないわけです。

そんな風に漢方薬を処方している病院がほとんどですが、よくあんな少ない情報で漢方薬が処方できるなと思います。「本や勉強会でおぼえたことをマニュアル的にやってるだけだから」と言われたら、それまでですが・・・

漢方は様々な情報から、なるべく、その人の体質に合っているものを考え出しますが、結局、成功(根本的な治癒)させるためには、いろいろなことをチャレンジしたほうが、より成功に近づくわけです。

なので、うちでは、根本的治療というものを舐めていません。
教科書で勉強して物知りだったら治るとは思っていません。

患者さんごとに最初から、どうトライしていくかを毎回、毎回、考えていかないといけません。
「この病気だったら、この漢方薬」「この症状だったら、この漢方薬」というノリは本来の漢方治療には通じませんので、なるべくたくさんチャレンジできる治療方針のアイディアを考えなくてはいけません。

この法則からいくと「漢方薬は徐々に効いてくるもの」なんてデタラメを信じて治療なんてやってられません。
漢方薬は何百種類とありますので。

漢方は病名や症状をあてはめて漢方薬を選んでも治せないのです。
成功の鍵は未知の体質をピタッと当てることができるか。

もちろん、やみくもに数ある漢方薬を片っ端からためしていくことが「たくさんトライしていくこと」ではありません。
治療のアプローチを「たくさん考えること」これが、いろいろとチャレンジすることにつながります。

東洋医学の分析理論を駆使しますが、どんどんトライしていく、「とにかくたくさんやること」も大切なのです。

それが、成功(赤ちゃんを授かる、湿疹のないキレイな肌になる、痛みのない体)を手に入れる近道ではないかと思うのです。

なので、この記事に書いてあることは、非常に漢方治療に通じるなと思いました。


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2016年05月12日

病院の漢方薬に対する、おーーーきな勘違い

先日、わざわざ、うちのメールに「あなたのブログは不快だ」というクレームメールが医者からあったので、一つ、注意喚起をしておきたいと思うのですが、このブログは、漢方薬を処方する側の人(医者や薬剤師など)に向けて書いてません。
えらそうに情報提供しているつもりもありません。

僕が考える伝統的な漢方のこと、僕が本質的だと考える漢方のことをただ自分勝手に書いています。
共鳴してくれる病気で悩んでいる人に読んでもらいたいと思っています。
はっきりいって、漢方薬を処方する側の人で伝統的、本質的な漢方を目指していない人や病院で病気を根本的に治してもらえると思っている人が読んだら不快なだけなので、漢方薬を処方する側の人(医者や薬剤師など)やビョウイン信者さんは【絶対に読まないでください】

さて、その医者からのクレームメールを読んでいて、その医者がどうこうというよりも、医者の考える治療や漢方に対する姿勢がよく表れているなと思ったので、その点を書いてみたいと思います。
患者さんには知っておいてもらいたいことです。

その医者曰く、漢方と西洋医学が診断方法や治療の視点が違うことは、どの医師も分かっているとのこと。だけど、漢方薬のほうが人工化学合成物である新薬よりも患者さんの身体的負担も少なくて、なおかつ効果のある症例がある。
だから、自分たちの知識が乏しいことは、よくわかっているけど、少しでも患者さんの改善につながればと思い、皆セミナーや勉強会で勉強している。とのこと。

これは、多分、僕が普段から、このブログで病院の漢方は、西洋医学の病名や症状だけでマニュアル的にあてはめて漢方薬を選んでいる。と口を酸っぱくして言ってるので、それに対する感想だと思いますが、

この中の「漢方薬のほうが人工化学合成物である新薬よりも患者さんの身体的負担も少なくて、なおかつ効果のある症例がある」という考えは、他の漢方をやってる病院紹介の雑誌のコメント欄などでもよく見かけます。

これは、大きな勘違いだと僕は思います。

おそらく「病院の薬は人工化学合成物で体の負担が強く、漢方薬は自然のものだから体にやさしい。だから漢方薬はいい!」みたいに考えているのでしょうが、漢方薬は穏やかで、やさしい薬じゃないですから。
八味丸なんて、一般的にも有名な毒が入ってますからね。そもそも自然にも致死性の毒はたくさんあります。
新薬のはじまりも麻痺性の毒を持った葉じゃなかったっけ。

確かに体の弱った患者さんの体質に合わせた穏やかな漢方薬は存在しますが、漢方薬というジャンル全体が穏やかな薬ではなく、漢方薬は、穏やかなものから、キツイのまで、いろいろ揃っているというだけです。

漢方薬がキツイ薬になるのも、穏やかな薬になるのも、それは患者さんの体質とその体質を分析し、その体質に合わせて選ぶ、漢方医の腕しだい。

漢方薬はどこまでいっても、病名や症状に合わせるのではなく「体質」に合わせるのです。

体が弱っている患者さんには、穏やかな薬を合わせ、病気の反応性が強い人には、キツイ漢方薬を合わせます。

だから、漢方薬全般的に「身体的負担が少ない」ことはないです。
体質と合っていない漢方薬を飲めば、例え穏やかな分類の漢方薬でも、その人にとっては、キツイのです。

漢方の医学理論には「誤治」「壊病」という言葉があります。
「誤治」は誤った治療。「壊病」は誤った治療で新たな病気になること。
そして、漢方では誤治、壊病を起こした場合に、どういった治療でフォローすれば良いのかのノウハウまであります。

漢方薬が、その人にとって、穏やかなものになるか、キツイものになるかは「処方する先生の腕に左右される」ということです。
漢方薬自体ではありません。
ここが大きな勘違い。

病院の新薬は、個々の「体質」ではなく人間としての一般的機能に対して変化を与え、効果を現します。
個人差は全く考慮されていません。
その薬を臨床で、たくさんの人に使用してもらい、多数の人が良ければ薬として認められます。

ごく簡単に言ってしまえば、多数の人からの平均をとって、良かったものを薬にしている感じですね。

漢方薬は、これと全く逆で、多数の人に共通して効くものなんてありません。
どんな時も、その人独自の体質を分析し、その人にとって今、必要な漢方薬を選びます。

ところが、医者は漢方薬を選ぶ時に「多数の人に使ったら、効果があった」という、新薬と同じノリで漢方薬を使います。例えば、イレウスの人に大建中湯とか。

ちなみに「イレウス」なんて「体質」はないですから。
イレウスは西洋医学の病名であって東洋医学の「体質」ではありません。
漢方薬を選ぶ場合は、イレウス→大建中湯ではなく、イレウスAさんは、どんな体質なのか?
当然、イレウスBさんは、体質的には全く違う可能性があるので、選ぶ漢方薬も変わるはずです。

漢方の診断は、イレウスで終わりではありません。
イレウスは1つの情報として、そこから、その方の「体質」を分析します。ここから漢方のはじまり。

ただ、漢方薬のモノ自体は悪いモノじゃないので、イレウスの人の体質をロクに見ないでも多数の人に使い続ければ、中には、たまたま体質とあって、良くなる人も出てきます。
でも、これは、ただのラッキーであって、医学に基づいた治療ではありません。
新薬の場合は、薬理を分析してあるので、OKですが、薬理が不明の漢方薬でこれをやっちゃいけません。
医学は、一か八かではなく、治療方針の理論的根拠が必要なのです。
漢方は多数決でも占いでもないですから。

そういえば、何かで「多数決は真実の答えを隠す最も醜い方法」とか言ってるのあったな。

漢方は多数の臨床結果(たくさんの人に良い結果が出た)を元に選びません。
その選び方は、漢方とは真逆の選び方になってしまいます。
漢方は、同じ病名の人でも毎回、毎回、一人、一人、新たに分析していかなくちゃいけない、非常に手間のかかる医学なのですね。

漢方は西洋医学お得意のガイドラインが全く役に立たない医学です。

わざわざ「自分たちは漢方をよくわかってません。でも良さそうだから使ってるんです。そして、わかってないことをわかってますが、勉強してます」

って、うちの小学生のチビの勉強じゃないんだから「よくわかってないけど、がんばってるから!」って言われて、なおかつクレームつけられても・・・と思いました。

だから「漢方薬が良さそうだから、よくわかってないけど、勉強しながら使ってます」って言うんなら、お金を貰ってるプロなんだから、自分の中で確実に「わかった!」という自信がついてから漢方をやれば。と返事しました。いろんなセミナーに出席して勉強!勉強!じゃなくて、そこは講師レベルになれたら治療で使えばいいでしょ。

「勉強、がんばってるからっ!」て言われても、知識が乏しいという自覚があるのであれば、それは患者さんにとっては大迷惑ですよ。その場合は、趣味の研究として、やったほうがいいかも・・・


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2016年05月06日

漢方の核心である証はいつも誤魔化される

休みの日に体調を崩して、何かをできる状態じゃなかったので、おとなしく本でも読んでようと思い、久しぶりに近所の図書館に行ってきました。

そこで漢方のことを書いた子供向けのマンガを見つけました。
マンガといっても「本当のことをマンガを通して勉強する」みたいなの。

昔は、漢方の本といったら、ほぼプロ向けの手加減なしの専門用語で構成される専門書しかなかったのですが、今は、こども向けに漢方を教える漫画まであるのですね。

漢方という文化が徐々に廃れていくことが日々、気になっている僕としては、子供向けにこんな本があるのは、非常にいいことだと思いました。

ただ、漢方の本って大きく2つに分かれていまして、1つは「この病気なら、この漢方薬を使います」という典型的なマニュアル系の本と、漢方では病気をどう考え、体質をどう分析し、治るということをどう考え、そこに漢方薬はどんな位置付けで存在しているかという、まさに僕からすると「これぞ医学書」というパターンの本と2パターンあります。

いうまでもなく本格的で専門的なのは、後者の本です。
当たり前ですよね。
漢方も薬だけの話ではなく、いろいろな医学理論がありますので。

一般的なのは、前者のマニュアル系漢方薬の本です。
ネットの情報でもよくあるのは「風邪に葛根湯」みたいな、東洋医学理論もあったものじゃないマニュアル系の情報です。

子供向けなので、本格的!まではいかなくても、せめてマニュアル系漢方の本じゃなければいいなと思いながら、読んでみました。

本のストーリーは、よくある、子供が「漢方ってなんだろう?」というのを周りの大人や専門家に聞いて学んでいくという形式のものです。

本の冒頭も、誰に聞いても「漢方って何かつかめない・・・」みたいな疑問から始まっています。
この辺は確信をついているなと思います。
実際も漢方そのものが「誰にもよくわからない」みたいな状態になっていて、結構、嘘の理屈や説明が当たり前のように出回っていて、なんだったら、それが常識になっていたりします。

いろいろな業界がありますが、漢方ほど、嘘の理論の方が常識になっているジャンルもめずらしいと思います。

で、その後、本の流れはダメな方向になっていきます。
本の最初にツムラらしき漢方薬の袋のイラストが出てくるシーンがあるので「あちゃーこりゃダメだ!」と思ったのですが、案の定、本は最初の方からダメダメ。

「薬のことは薬の専門の人に聞いてみよう!」ということとなり、調剤薬局の薬剤師に漢方薬のことを聞きにいくのですが、現実は調剤薬局の薬剤師は、ほぼ漢方を知らないと考えて間違いないです。

ちなみに漢方専門薬局と看板を立てていても、ほとんどの薬局の先生は漢方の医学理論を知りません。
なので、薬局に漢方のことを聞きにいっても、まず無駄足になる可能性が高いです。
一応、勉強するためのマンガですが、いきなりフィクションのマンガになりそうです。

ただ、そこからの漢方に対する説明は、結構、ちゃんとしていました。
特に「漢方と西洋医学が決定的に違うところは、病気に対する考え方が違う」というところは、ちゃんと描かれていると思いました。

ところが、西洋医学とは考え方が違うといっておいて、いきなり「慢性胃炎には安中散」「こむらがえりには芍薬甘草湯」と、よくあるマニュアル系漢方の話。

この後、病院の先生にも聞いてみよう!とう展開で、病院の先生は、西洋医学は検査で病気の原因を調べ、その原因を取り除こうとすることだけど、漢方の場合は、人それぞれ違う、症状を見たり、漢方の診察は体質や症状を見極めて、その人の自然治癒力を高めていく方法で治していく。説明され、更に漢方は証という独自の体質感を見極めるために漢方独自の四診で診察していくと説明されています。

おー本格的じゃん!

と思ったのですが、話はここで終わっていて、本来は、その「証」(体質)を診断し、その証に合わせた漢方薬を選ぶのですが、その事には一切触れられず、そのまま、その部分はスルー。

この話で終わっちゃうと「体質に合わせる」とか言っておきながら、結局、肝心の治療では、「慢性胃炎には安中散」のように「西洋医学みたいに症状や病名だけで漢方薬を選んでんじゃん!」となっちゃいます。

漢方の問題っていつもココです。

漢方の歴史、漢方の病気や治療に対する概念、漢方の診断方法などは、どの本もうまく書かれているのですが、肝心の「証(体質)」の話になると、もやもや〜としています。

でも、実は漢方で最も重要なのは「証をどう見立てるか?」
言い換えれば漢方独自の理論で患者さんの体質をどう見立てるか?

これが重要なのです。
でも、これが医療現場で説明されてなかったり、伝えられていないのです。

結局、どこの病院も頭痛に五苓散とか、冷えに当帰芍薬散とか、病名や症状からのマニュアルでしか選んでいない感じです。

「あなたの証は○○で、この証を治療するには、○○の調整力をもった漢方薬が必要です」
という説明を聞いたことがあります?

もちろん、証は「病名や症状」ではないですよ。
漢方薬は病名や症状で選ぶものではないのです。
ちゃんとツムラの漢方薬のマニュアルにも冒頭に「患者の証を考慮して投与すること」と書かれています。

「証」は、今の病気や過去の病気、体全体の症状や生活環境からの状態などを「総合的に分析し判断した体質」の事です。

漢方薬の調整力も「効果」ではありません。
「証」を調整する役割です。

結局、その後の展開は、ツムラの漢方薬工場であろう工場のことばっかりで、最後まで、証(体質)のことに関しては出てきません。

なので、僕の印象では、この本は勉強するというよりもツムラの会社案内か何かに思いました。

ちゃんと「証」(体質)のことを一般の方に伝えられたらな〜と切実に願います。
漢方の正しい発展のためにも、ごまかしのような病名や症状で選ぶ漢方薬はやめて、証をきっちりと説明し証で漢方薬を選ぶようになれば、漢方はもっと効果を上げると僕は思います。


posted by 華陀 at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする