ようこそ漢方相談室にお越しいただきありがとうございます。
漢方薬の働きや病気・症状の原因を徹底解剖!
あなたの悩みにお答えします。

このブログではあらゆる流派の漢方医学を勉強しサプリメントや病院などの業界の裏側を見てきた経験や知識を活かし私の独断と偏見で思ったことを書いています。 漢方マニアの本音としてお読みください。

※専門家に対して漢方の情報提供をしているつもりはありませんので、漢方を処方する側の人(医師や薬剤師などで特に病名や症状だけで漢方薬を処方している人)は不快な気分になる可能性があるので、読まないでください。

本ブログの目次はコチラから本

漢方相談室

2016年11月02日

漢方治療は単純に効果だけで治すわけではない

こんな記事を見かけました。
「偽薬」とわかっていても、プラシーボ効果が得られることが判明:研究結果

記事の内容は、タイトル通りなのですが、昔から精神的な考えやエネルギーも薬などの物理的な効果があるのではないかと考えていました。

漢方を初めてから、年月が経つほど、その考えは、強くなっていきました。
なんか、こういう話をすると、「病も気から」という言葉を宗教的に捉えているんじゃないの?」と思われそうですが、「信じれば救われる」というような宗教的なそんな漠然としたものではありません。

漢方を勉強し始めの頃は「漢方薬自体がよくわからない」(もちろん知識としてはおぼえているが、体に落ちていない状態)状態で、言わば、本の受け売りな感じでした。
「当帰芍薬散の効果はこんな効果」「葛根湯はこんな効果」
本に書いてあることをそのまんま、効果をただ単純に理解して、その効果を単に知ってるだけといった状態で、漢方の場合は、知識と知ってる状態だけだと、「その漢方薬が効いたか?効かないか?」と言うイチかゼロという極端で意味のない状態でしか扱えませんでした。

漢方薬を選ぶための体質判断の問診をとらない大半の病院は、多分、この状態で止まっているのだと思います。

その後、勉強を進めるうちに漢方薬を「ある症状に対して効いたか?効いていないか?」だけで扱うと、対して治せないし、なによりも根本的に治せないことに気づきます。

その治せない原因が何かを考えた時、漢方薬は、西洋医学の薬のようにある症状や状態を抑制したり、遮断して失くしてしまったりすることではないことに気づきました。

考えてみたら、当たり前ですね。
西洋医学と東洋医学は違うのだから。
当時、漢方の勉強を始めた頃は、東洋医学のことがよくわかっていないので、今の漢方を扱っている医者と同じように病名や症状に当てはめた漢方薬を飲めば、症状がなくなったりして、更にそれを続ければ、いつか自動で治っていく。という非常に都合の良いファンタジーな感じで考えていたのです。

そこから、病院の薬の飲んでる時だけ治す対症療法ってなんだ?根本治療ってなんだ?対症療法と根本治療は何が違うんだ?と深く深く考えていくうちに、漢方治療は少しずつ、少しずつバランスをとっていくことだということに気づきました。

で、その少しずつバランスをとっていくというのは、具体的には表に現れている症状も少しずつ変わっていくということなんだという結論に至りました。
ゆえに漢方薬は病院の薬のように「症状がなくなったか?なくなっていないか?」では、効果を確認できないのです。

これに気づいてから、昔から読んできた漢方の本を読み返してみたら、ちゃんと「少しずつバランスをとっていくんだよ」ってことが書いてあるのです。
漢方って不思議な理論のもので、自分の気づきが増えてから、過去に読んだものをもう一度、読み返してみると以前に分かったつもりだったものが、実は解釈を間違えていたことに気づいたりします。

漢方薬は「どの症状がどれくらい変化したか?」
これを常に観察していく必要があります。

なぜ、漢方は単純に「症状が良くなったかどうか?」だけを見ていくわけではないのか?
それは漢方薬が「その人によって良い薬となった。体質に合っていた」と判断できるのは、ある程度の期間、漢方薬を飲み終わった結果からしかわからないからです。

そして、漢方薬の副作用は体質と漢方薬が合っていない場合に起こりますので、漢方薬は「先生が良いと思って処方しても結果的に体質と合っていない場合もある」ということです。

なので、「どの症状がどれくらい変化したか?」を見ていきます。
漢方薬を飲むことによっていろいろと悪くなることもあり、その場合は、結果的に体質と漢方薬が合っていなかったか、体質の分析自体が間違っていたか、が確認できます。

つまり、漢方薬の治療を進めていくには、常に観察が必要になり、ある症状がなくなったかどうかのオンオフだけでは判断できません。

治療2回目に漢方薬が体質と合っていて、良いものかどうかを見ていく時に非常に微妙な質問や患者さんんからの答えなどのやり取りがないとその漢方薬を飲み続けても良いかどうかすらわからないのです。

漢方は部分的な症状ではなく、常に全身をみていく治療なので「頭痛は感じなくなってきたけど、同時に夜中にまでオシッコに行くようになった」なんて、良い部分と悪い部分が混ざって同時に出てくることなんてザラにあります。

漢方相談は「医者→患者さん」みたいな一方通行のやり取りではなく「漢方医と患者さんが同じ研究チームの同僚として、一緒に問題を検証する」といった感じが理想です。
患者さんがフィールドワークで実際の調査をし、その調査結果(自分が飲んだ結果の症状や変化など)を漢方医が聞かせてもらって、そのデータを元に専門的に次の手(治療方針)を考えていくといった共同作業です。
だから、漢方には、「おかしいなこの漢方薬で良くなるはずなのに・・・」という、ひとりよがりな世界は存在しません。

記事の研究では偽薬とわかっていて効果を感じることができるのは、医師や看護師とのコミュニケーションや何かを飲むという行為が体を治そうと働きはじめる。と書かれています。

西洋医学の偽の薬でも実際に効果があるようですが、漢方では、効果を確かめる際により細やかに患者さんの状態の変化を調査する必要があるので、漢方医とのコミニュケーションがもっと現実的に、治るかどうかに関わってきますので、漢方本来の治療で治したいと思うのであれば、漢方医との相性や治療の説明やアドバイスの受け入れ安さ、先生が疑問にちゃんと答えてくれて、不信感が残っていないかなどを確認したほうがいいですね。
病気が治るかどうかに深く関わってきますよ。


posted by 華陀 at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月21日

良い漢方医の条件

修行時代に言われた師匠からの金言があります。
「漢方の治療は2回目から始まる」

こういう言葉を教えてもらえるのが「学校」ではなく「修行」のいいところであり、重要な部分ですね。
よく「漢方をどこの学校で学ばれたのですか?」と聞かれますが、漢方に正式な学校はないですが、あっても、多分、漢方薬の名前とか、東洋医学用語だけ、よく知っていたり、西洋医学の病名漢方での臨床データをよく知っていたりと、実践でほとんど役に立たない知識ばっかりで脳みそが一杯になると思います。
学校って、漢方に限らず、そんな教え方しかできないですから。
実際、そういう漢方医?が多いのが、この業界の悲しいところです。

話は飛びましたが、漢方は西洋医学とは、全く違うもので「医学」という言葉が似ているだけで、まさに似て非なるものなので、修行の時に師匠から時々、もらえる言葉が、実践の治療で一番、役に立つ肝だったりします。

その師匠が言っていた「漢方の治療は2回目から始まる」

意味わからないですよね。
当時の僕もなんとなくしか意味はわかりませんでした。

でも、今は「漢方治療って、つまりはそういうことですよね!」とわかります。

漢方は、難しい医学ですが、初回に漢方薬を処方することは、実は誰にでもできます。
だって、よく考えようが、適当に考えようが、漢方を知らなくても、「この漢方薬飲めば」ということは誰にでもできますから。

現在は、西洋医学の病名に合わせて漢方薬が処方できるマニュアルが本でも、ネットでも情報があふれています。
ぶっちゃけ、ほとんどの病院や漢方薬局がこの方法をとっていますが、これって、実はどんな本でも情報でも入る現代においては、誰でもできることなんです。
だから、初回の漢方薬の処方は、字が読める人なら、誰だって処方できます。

「でも、専門家に選んでもらわないと治らないでしょ」

そうです。それは当たり前。
でも、ここが医者も患者さんも誤解しています。

まず、西洋医学が、どれだけ詳しい人に漢方薬を選んでもらっても、治る確率は高くなりません。
なぜなら、西洋医学と東洋医学は全くの別物だから。
野球という「球技」がうまいからといって、サッカーという「球技」がうまいわけではありません。
野球で培った運動神経は役立ちますが、サッカーはサッカーで、いちから学ばないとプロ級の腕は身につきません。西洋「医学」と東洋「医学」は違うものです。

そして医者は医大でほぼ、漢方を学びません。
薬学でも学ぶのは西洋医学的な生薬の成分とか漢方薬の効果のことだけで、実際の体質の診断方法や漢方の治療の哲学などは学べません。

卒業したその後も、学ぶと言っても、西洋医学のお仕事の合間に勉強会に参加するだけ。
その勉強会も残念ながら、正におぼえるだけの勉強です。
不妊症に当帰芍薬散、頭痛に五苓散などのアホでもわかるマニュアル。
漢方には文字上では詳しくなりますが、治療の腕は一切上がりません。

つまり、実は漢方の現実の世界は、一般の素人の方と医者などの間に境目がないのです。
だから、初回は、誰だって漢方薬を選べます。

もう一つ、誤解があります。
それは、良さそうな漢方医(実はちゃんとした漢方医はいないということがわかってもらえたと思いますが)に選んでもらったら、治る確率が高いと思っていること。

これも「良さそうな」という定義が何かです。
先ほどの話から西洋医学で権威があっても漢方では意味をなしません。

それにここが「漢方の治療は2回目から始まる」の意味ですが、漢方は、効果の高そうな漢方薬を選んでもらったら治りやすいわけではありません。

漢方は体質を東洋医学的に分析し、その体質合わせた漢方薬を選びますが、実はこの時点では、どれだけ治療の腕がある漢方医でも、推測なんです。

漢方薬は飲んだ後の体の変化と最初に分析した体質をすり合わせて、合っているかどうかが初めて判断できます。
つまり、初回にいくら漢方の詳しそうな先生が「絶対にこれで治りますよ」って言ったって、それは漢方の法則からしたら「嘘っぱち」なんです。
事前に合っているかどうかわからないのが漢方の治療法則、そのものですから。

漢方薬を飲み終わった後の変化と体質を比べた時に思わしくなければ、「体質と漢方薬が合っていなかったか?」「そもそもの体質の分析が間違っていたか?」を考え直す必要があるのです。

だから、「漢方の治療は2回目から始まる」なんですね。
ついでに2回目に体の変化が思わしくない時に「おかしいな、この漢方薬で良くなるはずなのに・・・」という先生も「偽物」です。

漢方治療とは、答えは患者さんが持っているのです。
答えが出なかったのは、漢方医が間違えていたということ。その間違いを受けとめ、1回目の結果を含めて、次なる治療方針を考えることなんですね。

なので、良さそうな漢方医を探そうと思ったら、名声や権威はアテにできません。
初回は一般素人の方だって本を買うか、ネットを漁れば、簡単に漢方薬を「選ぶ」ことができるから。

良さそうな漢方医は外側から見分けることはできないのです。
ただ必須条件としては、体質を分析する際は「相談→会話」が決め手になるので、親やすく本音が言えそうな雰囲気の先生でなければ、その時点で、すでに良い漢方医ではないですね。
迷いなく検討リストから削除OK!です。

後は、一度、漢方薬を飲んでみるしかありません。
1度、飲んでみて、2回目の先生の反応をつぶさに観察してみてください。
なんだったら、わざとネガティブなことを言えばいいと思います。
その上で、よっしゃ!ここからだ!という態度の人は良い漢方医ではないかと個人的には思います。
とってつけたよう説明になり出したり、漠然と方針ないまま、続けさせようとしたりしたら、それも検討リストから削除OK!です。


posted by 華陀 at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の選び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月08日

東京漢方相談会のお知らせ

お店の宣伝です。
まごころ漢方は全国からの漢方相談をお受けしていますが、
特に関東の方面の方が多いため、定期的に東京で漢方相談会を行っています。

漢方相談は都内の浜松町で行いますので、
関東方面で漢方相談を受けてみたいという方がいらっしゃいましたら、
ぜひご連絡ください。

ご相談当日は漢方薬はお渡しできません。相談のみです。
他で飲まれている漢方相談や漢方薬の疑問や不安。
漢方薬の事だけでなく現在の病院の治療や薬などの疑問や不安。
現在、飲まれている健康食品のことなど、
気になることは、なんでもご相談ください。
相談は無料で相談だけでもOKです。
相談は、事前の完全予約制です。

僕自身、元々、話好きなので、お気軽にお申し込みいただけたらと思います。

【日時】
・2016年 10/22(土) 11:10〜12:00 16:00~17:00
・2016年 10/23(日) 14:00〜19:00(最終受付18:00)
・2016年 10/24(月) 15:00〜16:00(最終受付15:00) 
※いずれか、ご希望の「日」をお知らせください。予約可能時間枠をメールいたします。
そちらからお選びください。
相談時間は最長で50分位です。
【場所】
浜松町(詳しい場所は連絡をいただいた方にメールにてご連絡します)

ご希望の方は、こちらからご連絡ください。

(予約)
http://www.magocoro-kanpou.com/contact/index.html

ネットでのご相談はコチラから。
(ネット漢方相談)
http://www.magocoro-kanpou.com/counsel/index.html

ぜひ、お待ちしております。
※予約は一杯になり次第締め切ります。連絡を頂いた際には、
すでに予約がとれない状況もありますがご了承ください。
posted by 華陀 at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月05日

漢方薬が合っているかどうかは処方した先生しかわからない

昔から、うちによくある2つの質問があります。

「今、病院から処方されている漢方薬は自分に合っているでしょうか?」
というものと、
「2つの漢方薬のどちらの効果の方がよく効きますか?」

この2つの質問ですが、本格的な漢方治療をやっている僕には実は答えようがありません。

なぜなら、2つとも漢方治療の法則から外れた質問をされているからです。
なぜ、本来の漢方治療の法則から外れた質問なのか?

漢方は東洋医学という医学理論で成り立っています。
これは現在の西洋医学が古かった頃の理論などではありません。

西洋医学と東洋医学は全くの別物です。
東洋医学は今から約2千年前、西洋医学は2百年前に発祥しています。

西洋医学の昔のルーツを辿っていけば、東洋医学になるのではなく、発祥した年代も場所も全く違います。

西洋医学は体を部品単位で分けて、部品ごとの悪い部分を血液検査などで調べます。
その体の部分的な働きを薬などで強制的に変化させます。
だから、西洋医学は胃腸内科とか、皮膚科といくつもの「科」にわかれています。

東洋医学は、全身の状態である「証」(病的な体質)を見て全身の調整を行い、その結果、部分的な症状も治療します。

つまり、病院はアトピーの人は、皮膚表面のことだけを見て、皮膚表面の炎症やかゆみを抑えるステロイドが治療方法で、ステロイドを使っている間だけではありますが、炎症やかゆみが治ります。その場しのぎの姑息療法と言われるのは、こうった治療方法だからです。

一方、漢方ではアトピーの人をみる場合、皮膚だけをみません。
皮膚の状態も考慮しますが、「胃腸はどうなのか?」「便はどうなのか?」「上半身に余計な熱がこもっていないのか」などなど、アトピーを治すために全身の状態を見ます。
これは、例え、頭痛だけであっても漢方の場合は、全身をみます。

なぜなら、漢方は全身を支える健康バランスのどこかが崩れたから湿疹や頭痛という信号が出てきたと考えるからです。
頭痛なら五苓散ではなく、水の巡りの問題と頭痛が結びついていると見たら五苓散かもしれないというのが漢方の診断です。

冒頭の2つの質問「今、病院から処方されている漢方薬は自分に合っているでしょうか?」
「2つの漢方薬のどちらの効果のほうがよく効きますか?」という質問をされても僕が答えようがないのは、この漢方の治療の性質にあります。

漢方において「証」(病的体質)を分析する場合、全身の症状、状態をお聞きして、現在の証を診断しますが、この証はマニュアル的に「こんな症状があったら、この証」というようなマニュアルで決まっていません。

漢方では「体質と漢方薬が合っていた」というのは、漢方薬を飲まれた後に症状が治って初めて証明されます。だから「証」なのですね。

つまり、飲む前は僕も患者さんも、果たして、その漢方薬が合っているものなのかどうかわからないわけです。
だから、病名だけで「アトピーなら消風散」なんて選び方は、漢方の医学理論から見たら、絶対にありえません。
また、「おかしいな、この漢方薬で治るはずなのに・・・」なんてセリフも漢方ではありえません。

飲まれた後に良くなってきて初めて合っていたと証明できるからです。

先ほどのアトピーなら体質別で考えていくと、よく使う候補の漢方薬だけでも50種類は考えられます。
そりゃそうですよね。アトピーって言ったって、よく見たら、みんな状態が違うわけですから。

そのどれが正解かは、飲んだ後にしかわかりません。
おまけにもっと難儀なのが、治り方の2つの問題です。

ステロイドは、塗れば、かゆみが止まります。
いまいち、かゆみが止まらなければ、効果が強いものを使っていけば止まります。
実に単純で、良くなったかどうかのオン・オフだけ。
だから、医学知識のない患者さんでも効いたか、効いていないかがわかります。

ところが、漢方薬は、かゆみが止まるか止まらないかではなく、「湿疹の出る頻度が徐々に減る場合」、「かゆみがなんとなくひいてくる場合」、「湿疹の状態はあまり変わらないけど、熱感がひいてくる場合」など、人によって様々。
かならずしも、初回の飲み終わった時から「かゆみ」自体が止まってくるかどうかはわかりません。

また、より湿疹がひどくなるということもあります。
これすらも、単純に体質と漢方薬が合っていない場合と、巡りと代謝が良くなって一時期だけ悪くなっている場合があります。
現象は、どちらも、ひどくなっているのですが、「良い」、「悪い」、どちらも可能性があるのです。


そういった複雑な変化をちゃんと判断するために漢方では体質を診断し、同時に治療方針を決めます。治療方針は「漢方薬を飲みおわった時にどうなっていたら、効いていると見るか」ということです。

こういった理由で、どこか他の先生が処方された漢方薬が合っているかどうかを調べるためには、
最初に「体質」をどう診断したか?
飲み終わった時の「治療方針」はどのようなものか?
という情報が必要になるので、自分が体質を分析せず、考えてもない処方は、「この漢方薬が良いのか?悪いのか?」と聞かれても、僕の方法で体質も判断していないし、治療方針も立てていないので「何もわかりません」としか答えようがないです。

「2つの漢方薬のどちらの効果のほうがよく効きますか?」こちらも同じ理由ですね。
漢方は全身の状態から部分的な症状を治していくので「どんな効果」なのかどうかは、極論で言えば、どうでもいいことです。
「体質をどう診断したか」、「どんな治療方針で治療するのか」、これが必要なので、比較するのであれば、2つの体質と治療方針から、どちらがよりベストかを考えるしかありません。

手前味噌ですが、僕は本来の漢方を勉強している自負がありますので、もしかしたら、マニュアルで自信なさげに処方している医者よりも、「漢方に詳しいんじゃないか」と思われて、冒頭のような質問がよくあるのかと思いますが、例え、世界一詳しい先生でも、他人が処方した漢方薬が合っているかどうかなんて、実はわかりません。

いくつかの症状が良くなった。悪くなった。というような単純な判断はできません。
ですから、自分の飲んでいる漢方薬が合っているかどうか気になり、なおかつ、そこで続けたいと考えているのであれば、処方された先生、自分で選んだのであれば自分に聞いてください。

僕に聞かれても僕は何も診断も観察もしていないので、何もわかりませんとしか言いようがありません。漢方治療とは、いわば、一番ベストな漢方薬名を知ることではなく、一番、真実に近い体質を知り、一番ベストな治療方針を知ることです。


posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月14日

予防医学って実際はどうなのだろう

これからは予防医学!というのが次のトレンドのように言われいますね。
具体的にどんなことが予防なのかは、今は予防医学という言葉だけが走っている状態のようにも思います。

病気じゃなくても検査をしておくことや血圧や心拍、血糖などの日々のバイタルサインを見ていくことが予防と考えられていたり、単にサプリメントを飲むことが予防だったりと考えられていたりするようです。他にもいろいろあるかもしれませんが・・・

病気になる前に病気にならないように防いでいく。
漢方を始める前は、僕自身も現在の予防医学の感覚が重要だと考えていました。

しかし、漢方治療を本格的にやればやるほど、1つの意外なことがわかってきました。

漢方では、未病という考え方があります。
未だ病気にならざる時に治してしまう。

正に予防医学じゃないか!と思っていたのですが、治療をやっていくうちに、その解釈も微妙に違うんじゃないかという感じがしてきました。

漢方では、その時点の体質を見ます。
一般的なイメージでは、おそらく、人それぞれの生まれつきの体質があって、その生まれつきの体質を根本的に治してくれる漢方薬があって、それを飲み続けたら根本的に治る・・・みたいなイメージだと思います。

半分は正解かなと考えているのですが、半分は不正解という感じ。

僕が現場で治療している感じでは、誰しも生まれつきの弱点的体質があるというのは、合っていると思うのですが、別に、それだけで病気になっているわけじゃない。

どちらかというと、現時点の環境(仕事、ストレス、食事、睡眠、住まいの環境など)の影響を受けて病的体質になるといったほうが割合が大きいと考えています。

その時に生まれつき、もしくは家系が継いできた体質の傾向の病気に傾いていく。といった感じですね。

生まれつきの素因的病的体質が20%位あって、残りの80%は後天的な環境等によって作られ発病する感じ。

西洋医学では健康か病気かという、ある種、デジタル的な捉え方をしますが、本来の漢方では西洋医学のようなはっきりとした病気の概念がありません。
病院は何を勘違いしているのか、西洋医学の病名で漢方薬を選ぶマニュアル処方をしていますが・・・

西洋医学だと、検査でひっかからなければ、病気でないイメージですが、漢方は全身の働き(例えば血液循環、筋肉の働き、消化器の働き)の調和がとれているかどうかをみていくので、このラインから向こうは病気。という概念がありません。

病院の検査でひっかからず、病気も何も言われていなくても、雨の前日にかならず頭痛になるのは、漢方的には全身の調和が崩れた結果、起こっていると考えるので、それは明確に病気なんですね。

だから、漢方薬も生まれつきの体質に絶対的に合うものなんかはないし、現在の体質も季節の影響を受けて変化したり、仕事で、ものすごいストレスを受けて体調が変われば、それも体質が変わっていくことになります。

つまり、漢方では、よほどでない限り、本当に健康な人は、なかなか存在しません。
特に現在の環境は、健康になろうと頑張っても体に優しい自然な生活ができない時代なので、「本当の意味で長期間、健康な状態」を保つのは至難の技です。

だから、僕も検査数値は悪くないし、病気の診断を受けたこともないですが、毎日、全力、全開で元気か?と問われると何かしら、不調がところが見つかるので、その時の自分の体質を判断して一定期間で種類を変えながら漢方薬を飲んだり、週に1回、バランスをとるために鍼治療も受けています。

いわば、東洋医学的に考える本当の健康とは楽器のチューニングが合っている状態ですね。
楽器をやっている方なら常識ですが、使った途端に少なからず、チューニングは狂っていきます。
また、終わったらチューニングを行い健康な状態にするわけですね。

だから、漢方の未病を治すというのは、何かの病気になる前に治すというよりも、常に病気になる恐れがあるので、それを漢方薬や自分の体質に合った養生で毎日、チューニングしておくことだと思うわけです。

今、騒がれている予防医学も日々、事前に検査をしたり、毎日のバイタルサインを調べておけば、大きな病気は予防できると思いますが、現実から考えると、大きな病気だけをざっくりと防ぐという感じで、それはそれで重要だと思いますが、日々の辛さを防いで病気にならないようにするには、ちょっと遠いですね。

本当の予防は、やたら検査をしたり、体質に合っているかどうかもわからないサプリメントを漠然とした予防で飲むのではなく、現時点の自分の体質を知り、弱点を知り、日々のチューニング(体質にあった生活方法やメンタルセット)を知り、それを実践することが、具体的で実践的な予防ではないかと思います。

なので、予防は、その人の体質や環境で人それぞれ、方法が変わるということですね。


posted by 華陀 at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月07日

良い鍼灸治療院の選び方「実践編」

漢方相談の人間がなぜ「良い鍼灸治療院の選び方」なんて記事を書いているのか?
詳しくは前回の良い鍼灸治療院の選び方「出会い編」を読んでいただけたらと思います。

漢方も鍼灸も東洋医学ですが、残念ながら、9割は、東洋医学の伝統的かつ本質的な方法で治療をされているところはないのです。
ほとんどは西洋医学を東洋医学風にしたマニュアル的な治療をしているところです。

なぜ、そんなことになっているのか?
それは僕ら2人にはわかりません。

東洋医学自体の理解が難しいのか?
個人の体質なんか見ていたら手間がかかるので、マニュアル的にベルトコンベアで流したほうが楽に稼げるからなのか?

業界をみていると、どっちものような気もしますが・・・。

では、今回は、実際の見分け方実践編で話していきましょう。

まず、良い鍼灸治療院の選び方としていますが、東洋医学という一般の人には摩訶不思議なものの良い点を理解しようとするよりは、ダメな鍼灸院の条件を理解してもらったほうがいいかと思います。

ただ、この条件等は、あくまで僕と僕と一緒に治療をしている先生の私的な考えなので、最後はこの記事を参考にご自身で判断してください。

ダメな鍼灸院でわかりやすいのは、これは漢方も同じですが、ロクに問診をとらないところ。

漢方なら病院なんかは、まず、体質を分析するための問診なんかとりません。
問診でとるのは、最初のお決まりの「ほかの病気はありますか?」とか「妊娠していますか?」などのアンケートですね。
あれは、漢方薬を選ぶ時の問診とは何の関係もありません。
漢方では、全身の不調をお聞きしていきます。
(ちなみにうちは150項目以上で早い人でも入力を終えるのに15分はかかります)

鍼灸も同じように問診は必要です。
漢方も鍼灸も西洋医学の病名ではなく「体質」をみていくのは同じです。
何の問診もなく、ただ身体を触って施術を始めるのは、それは、ただのマッサージ鍼(そんな言葉ないけど)

要は、筋肉の凝ってそうなとことかを適当に緩めたりしているだけ。
漢方も鍼灸もどちらも問診をとって「証」という病的体質を分析する必要があります。

ちなみに僕と一緒にしている先生は、うちから治療を受けに行く場合は、うちで詳しい問診をとっていますので、鍼の先生のところでは、軽い問診だけでOKですが、通常は、あれやこれやと自分の全身の状態を説明する必要があります。

次にダメな鍼灸院のポイントは、回数券。最近、流行りです。

「この治療には3ヶ月はかかるから」などといって、回数券を買わせる方法。
この時点でその鍼灸院はアウトだと思います。

回数券だと未来の治療の代金をすでにもらっているので、2回目の治療から担当が変わったり、ひどいのになると研修の子にやらせたりします。

担当の先生が変わらなかったとしても最初の治療の半分しかやらなかったりします。

極端に言えば、ひどい治療をやっても4回だったら4回は来てくれることが確定しているからです。人間ですから。こうなります。しょうがないですよね。

ちなみに、うちも僕と一緒に治療をしている鍼灸の先生も回数券や「次も来ないとダメ」みたいなことはやってません。

もちろん、慢性病なんてすぐに治るものじゃないので、見通しとして、聞かれれば「何ヶ月位はかかるんじゃない」みたいなことはお話ししますが「ずっと通わないと治らない」みたいな話はしません。

続けるか、どうかなんて、その患者さんの自由だと思います。
逆に回数券にしているということは、1回目の施術の後に「満足してもらえない」という妙な自信があるとも言えます。
だから、回数券を買えるようになっているんだったら、それは「治療に自信のないところ」なんでしょう。

1円でも安くなれば・・・と思うなら、選ぶべきですが、治すことが目的であれば、やめたほうがいいです。

次に患者さんが「凝っている」とか「痛い」とか患者さんが訴えている周辺だけ鍼やお灸をするところ。

これもアウト!だと思います。
鍼灸は東洋医学なので「凝っていたり」「痛い」ところだけを治療するのではありません。
基本的には病的体質に対して治療しますので、施術するのは全身です。
毎回、局所的にしか治療しないなら、その鍼灸院はどうかな?と思います。

そして、あえて最後に持ってきましたが、保険適応で年寄りがジャンジャンいるところ。
病院と同じです。
たくさんの人が来たら、いくら「治したい!」と志をもっていても、短い時間で回す必要が出てきます。

「治したい」という志はある種「その患者さん1人にかける時間と手間」と言い換えてもいいと思います。
料理と同じ、料理人の見える料理屋はポリシーの持った、おいしい料理をつくる店です。
当然、料金は高くなります。
チェーン店は、料理をしたことがない高校生のバイトがつくります。
そこにポリシーは存在しません。そのかわり、安いです。

国民皆保険は素晴らしい制度ですが、ぶっちゃけ「安かろう悪かろう」に成り下がっている部分もあります。
これは、病院が悪いのではなく「1人にかけられる時間と手間」の問題。
どちらが良い悪いではなく仕事の摂理です。

そして、おまけ。
時々、鍼灸の先生の方から、うちの患者さんに、うちで何の漢方薬を飲んでいるのか聞いてきて。という質問があったりします。

この質問で「うわー東洋医学、何もわかってないじゃん!」って思います。
「何の証と考えたかを聞いてきて?」と質問するなら、まだわからないこともないです。
証(体質)を聞けば、自分の鍼灸治療にも活かせますから。
実際、うちは鍼灸の先生とそうしています。

しかし、漢方薬名って・・・
東洋医学の素人丸出しです。なぜなら漢方薬は西洋医学の薬と違って、1つの薬が1つの効果とは限らないのです。
例えば、葛根湯は風邪に使いますが、蕁麻疹に使うこともあるのです。
処方した先生が、どういった意図、どういった証で見たかを知らないと自分の治療には活かせないのです。
なので、漢方薬名だけを聞いたって、意味ないですよ〜


posted by 華陀 at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月30日

良い鍼灸治療院の選び方「出会い編」

今回は良い鍼灸治療院の選び方を記事にしてみたいと思います。

「なんで、漢方相談しているところが鍼灸治療院の選び方なんて記事を書くんだ」と不思議に思われますよね。

実は、うちは現在、鍼灸の先生と治療提携しています。
業務提携ではないですよ。治療提携。

「うちの患者さん紹介するから、そっちも紹介してよ」とか「患者さんを紹介してくれたら手数料を払うよ」的なのは業務提携です。
これは、たまにやってるとこがあります。こちらはお金的な、つながりですね。

僕が今、一緒にやってる鍼灸の先生は以前から知っている人でした。
以前は、漢方薬的なサプリメーカーさんの営業さんとして知り合い、意気投合し友達になりました。

でも、その時に僕は「鍼灸でまともな治療をできる人はいない」とは考えていたので、鍼灸の先生というよりは取引先の営業さんであり、友達であり、といった感じでした。

鍼灸で治療はできないと考えていたのは、その先生以外での実際の治療体験です。
うちの周りには鍼灸治療院は山ほどあり、鍼灸治療と一緒にできたら面白いだろうなと考えていたので、うちの嫁さんと母親に周りの鍼灸治療に行ってもらいましたが、どこもマニュアルの「病名鍼」や「症状鍼」。
うちの店にも鍼灸治療院の受付の方や鍼灸治療院で勤めている先生などが相談に来られたこともあり、その方々から内情を聞いても「やっぱり、まともに鍼灸治療できる人っていないんだな」という印象でした。

漢方業界も漢方内科とか漢方薬局がたくさんありますが、9割は「病名漢方」「症状漢方」といって病名や症状にあてはめてマニュアルで漢方薬を選ぶだけのものをそれを五行論などで、もっともらしく説明する感じのところがほとんど。

漢方も鍼灸も本来は東洋医学的治療思考で「証」とよばれる体質を分析して、それを調整することができる漢方薬や施術方法(ツボなど)を選ぶことが目的で、直接的に頭痛を止めたり、湿疹のかゆみをとめるといった効果があるわけではありません。

現実は東洋医学らしい治療をしているところは、ほとんどなく、漢方も鍼灸も西洋医学もどきのものをやっているというのが、この業界の情けない実情です。

漢方業界もそんな調子なので、鍼灸も信用していなかったのです。
しかし、僕が人差指1本を怪我ををした際、6つの整形外科(有名で大きな整形外科、著名な専門医含む)で「一生、曲がらない」とお墨付きをもらった状態で、その先生に一応、聞いてみる的な形で相談してみたら「あっさり「治せますよ」とのこと。

最初は、以前の嫁さんとうちの母が近所の鍼灸治療院を何件と行ったけど、どれも東洋医学の治療から見ると偽物だったので「本当に治せるのかな?」なんて失礼なことを思っていました。

治療の様子は、また別で細かく書きますが、病院のリハビリに結構、通い人差し指は60℃まで曲がるかどうかみたいな感じだったのですが、今は普通に曲がっていて、ピアノもギターも怪我する前と同じようにできています。
6つの病院で保障された「一生曲がらない指」は、ほぼ「完治」しました。

その僕自身の指を治す時に、どちらも治療をやっている者なので、指の状態を解剖学、東洋医学の両方から2人で検討したのですが、その先生も「証」(東洋医学の体質)でみることができることがわかりました。
特に解剖学に造詣が深いところがすごいと思いました。
僕は常々、漢方治療(東洋医学)をやるにしても、西洋医学の基礎生理、病態生理、薬理は理解しておくべきだという考えで治療していますので、解剖学に詳しいというのは、すごく共感しました。

「鍼灸の人もちゃんと証をみれるんだ」と思い、鍼灸業界を誤解していたなと反省しようとしましたが、その先生に聞くと、鍼灸業界は漢方業界よりもひどく「マニュアル治療ではなく、東洋医学治療として鍼灸治療ができる人間は、全体を100%としたら全国で5%もないと思う」とおしゃっておられました。

つまり、ほとんどの鍼灸は、患者さんに言われた凝っているところや痛いところをその場だけ、緩和したりはできるが、本来の「証」をみて東洋医学的な調整はできないとのことです。

言うまでもなく、漢方も鍼灸も東洋医学なので「証」を見ない治療は「偽物」です。
この「偽物」というのは治る。とか治らない。ではなく、漢方薬や鍼を本来の正しい使い方をしていないということです。

当たり前ですが、2千年も歴史のある漢方薬と鍼を東洋医学のルールにのっとって正しく使用しなければ、本来の力は全く引き出せないと思います。
病名漢方(鍼灸)や症状漢方(鍼灸)でも治ることはありますが、それは、たまたまであって、治療者側は東洋医学的な治療方針や理論がないため運任せと同じになります。

そんな感じで、東洋医学理論にのっとった漢方治療を実践しているところを探すのも難しいですが、鍼灸はもっと難しいということです。

まず、家や職場の近くで東洋医学の治療として実践できている店があるとは思わないほうがいいでしょう。

漢方も独特の考え方や理論、用語がありますので、一般の人には理解しがたいですが鍼灸は、もっと理解しがたい分野になります。
ちょっと傲慢な物言いかもしれませんが、一般の方に良い鍼灸治療院かどうかなんて、まず判別はできないんじゃないかと思います。
僕は知識的な鍼灸の知識はありますが、僕でもその先生に会うまでは「どんな鍼灸治療院がいいか?」なんて判別できなかったと思います。

次回は具体的に、どんな鍼灸がダメなのかを書いてみたいと思います。

次の良い鍼灸治療院の選び方「実践編」


posted by 華陀 at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月26日

生薬量が倍や濃度が濃いと効果が高いのか!?

最近、うちのメールによく似た質問が来るので、一般的にすごーく誤解されていることなんだろうなと思って、その事について僕なりに説明してみたいと思います。

何の誤解かというと「医療用の漢方薬は含有されている生薬量が多いから良く効く」とか「エキス量が多いから良く効くとか」といった類のもの。

実際、医療用としても販売している漢方薬メーカーの営業さんが、ドヤ顔で「うちの漢方薬のエキス量は医療用と同じで何倍も濃いものですから」なんて説明してまして、医者なんて、持ってきた資料を鵜呑みにする人が多そうなので「医者の中にも漢方薬の生薬量やエキス量が倍の方がいい!」なんて意味不明なことを信じている人がいるんだろうなーと思いました。

「エキス量が濃い」

有効成分が多そうだから、効きそうですよね。
でも、漢方薬で重要なのは、そこではないのです。

病院のお薬は、単独の症状に対して、薬の持っている作用成分の効果で、無理やり体の反応を変え症状をなくします。

例えば、痛み止めだと痛みを発する物質を薬の成分でカットしてしまうのです。
作用成分自体が痛みなどをカットしますので、当然、その成分は量が多かったり、濃度が濃いほど、よく効きます。

ただし、効くというのは、痛みを抑えるだけで、根本的に治るわけではなく、あくまで薬の力だけで効くのです。

漢方薬が濃度が濃くても意味がないのは、漢方治療の原則にあります。
そもそも、今から説明する漢方治療の原則を一般の方だけでなく医者も誤解しているから漢方そのものが誤解されているのです。

漢方薬は、漢方薬の有効成分が、症状を無理やりカットするわけではありません。
だいたいの病院は、この部分を勘違いしているから、頭痛という単独の症状だけを目標に五苓散を処方したり、ひどいのになると不妊症とう病名に当帰芍薬散や温経湯を処方します。

この方法は、漢方を習いたてのド素人の初学の頃は、そこから手をつけないと、どうしようもないので、しょうがないですが、本来の漢方治療では「西洋医学の病名や各症状に合わせて処方する」なんて方法は存在しません。

本来は「証」とよばれる病的体質を分析し、その証に対して漢方薬を合わせるのが正道です。
しかし、今の漢方業界は勉強しない人向けのマニュアル漢方治療という邪道が正道になっているというなんとも不思議なことになってしまっています。

証に合わせるというのは、簡単に説明すれば、冷えている人には、温める漢方薬を合わせるということです。
これでプラマイゼロで何も悩みのない健康な状態に戻ります。

漢方治療は痛みを止めるとか、ホルモンを活性化するといった作用で治療を考えるのではなく、患者さんが「冷えているか?」「余分な熱がこもっているか?」を判断し、冷えている人には、温める漢方薬を。余分な熱がこもっているには冷やす漢方薬を合わせていきます。

だから、冷えている人に温める漢方薬は薬になりますが、余分な熱がこもっている人を温める漢方薬で温めたらどうなるでしょう?
夏の暑い部屋で更に暖房をいれるようなものです。
もう、最悪な状態になります。

ちなみに説明上、簡単にしていますが、現実の治療では、冷えているだけ。とか、余分な熱がこもっているだけ。なんて単純な状態はありません。
上半身は熱がこもっていて、下半身は冷えていて・・・と矛盾した要素がいくつのも重なっているのが証の現実です。

漢方薬は、おなじAという漢方薬でも薬になる人もいれば、毒になる人もいます。

漢方薬の生薬量が多いとか、エキス量が濃いというのは、体質と合っていない漢方薬を処方した場合、もし効果が強ければ、よりひどくなるということです。

もう一つの問題は、漢方薬というのは、生薬量や煮出す時間(濃度)が、あらかじめ厳密に決められているので、医療用もそうでないものも、漢方薬である限りは同じ生薬量と濃度じゃないとおかしくなります。

漢方の治療原則は「中庸であること」つまり、真ん中のバランスが理想なので、
生薬量が多いとか濃度が濃いというのは、西洋医学では効果の高さにつながるかもしれませんが、漢方では「多い」という要素もバランスが崩れていると言えます。

例え効果が高くても証(体質)の分析を間違えて、余分な熱がこもっている人を冷えている人と間違えて判断し、本当は、余分な熱がこもっている人に対して更に温める漢方薬を処方し、そして生薬量が多かったり、濃度が濃いということは、更に温める。という間違いを増幅させる結果になってしまいます。

ちなみに「余分な熱がこもっている体質」の「熱」は「体が熱い」とか「熱がある」などの単純な症状だけでなく、全身の症状から総合的に判断しますので、病名や症状だけをあてはめて処方している漢方は、体質を分析していないのは、もちろんのこと、間違って処方していることすら、判断できていないと思います。

漢方薬で気にしないといけないのは、生薬量や濃度の濃さではありません。
その漢方薬に使われている生薬の「質」です。
食べ物と同じなので粗悪で、まずいものが、どれだけ、たくさんあったって、まずさが倍増するだけ。
モノの良さが重要です。

生薬の値段はピンキリで同じ生薬でも上質と下品では全然、金額が変わってきます。

そして、一般的に医療用の方が良さそうに見えますが、医療保険の漢方薬は薬価といって定価が決められています。
生薬は質が良いほど値段も高くなりますが実費の漢方薬なら定価を高くするだけで良いのですが、医療用は、それが法律で、できません。

企業は定価が決まっていて利益を出したければ、(原価)つまり生薬を安くあげるしかなくなってくるのです。
だから、僕は漢方薬の「質」は医療用ほど粗悪になるんじゃないかと上記の理由で思っています。
漢方の専門家としては一般の方と逆の考えですね。
実際に生薬の値段(仕入原価)が上がって、利益が出せなくなって撤退した漢方薬メーカーさんは何社もあります。
今、医療用で供給されている漢方薬メーカーさんも年々、薄利でキツくなっているとこぼしています。

漢方薬の効果を気にするなら「生薬量」や「エキス濃度」ではなく「質」ですね。
簡単に考えれば、要は天然の鯛などと同じで、漢方薬も安けりゃ悪いということです。
高いからいいとも限りませんが。コツは目利きと情報です。


posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の選び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月13日

まごころ漢方薬店のお盆休みのお知らせ

まごころ漢方薬店からのお知らせです。

まごころ漢方薬店のお盆休みは【8/23(火)】のみです。
本日、【8/13(土)】、【8/16(火)〜20(土)】は通常通り営業しております。


posted by 華陀 at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月10日

漢方薬を効きやすくする考え方!?

世間では、なんとなく西洋医学と東洋医学が分けられていて、漢方は「ゆっくりと効いてくる」とか「自然の食べ物に近い生薬なので体にやさしい」とか「根本的に病気を治してくれる」などのイメージがあると思います。

こういったイメージはありますが、例えば「なぜ、ゆっくりと効くのか?」「実際に体に優しいのか?」「本当に根本的に病気が治るのか?」と具体的に質問されると、おそらく、漢方薬を飲みたいと思っている患者さんだけでなく、大半の漢方薬を処方している医者や薬剤師も説明できないのが漢方業界の現実です。

つまり、漢方って実は「どんな医学なのか?どんな治療なのか?」具体的には、ほとんどの人が知らないけど「なんとなく困ったら漢方薬で治してみたい」とイメージする曖昧で不思議な医学になっちゃっています。

しかし、漢方は曖昧で不思議な医学ではありません。

ちなみに皆さんがイメージとして持っている「漢方薬はゆっくりじっくり効いてくる」は嘘っぱちです。
「漢方薬で病気を根本的に治る」というイメージも厳密には間違っています。
漢方薬という薬のみで根本的に病気は治りません。

西洋医学と東洋医学は、医学という名前はついていますが、似て非なるものです。
スポーツでいったら医学にあたる言葉は球技みたいなもので、サッカーと野球はボールを使う球技ですが、ルールや使用するものが全く違います。

漢方も西洋医学とは全く違うルールの医学です。
最も大きな違いは、病院の薬は「人工化学物で体に悪い」漢方薬は「自然で体にやさしい」そんなことではないのです。

本質的な大きな違いは人間の体を治していこうとする根元の考えが違います。

西洋医学は、外から薬(人工化合物)を取り入れて、本来の体にない。もしくは不足していた働きを強制的に起こし、症状をなくします。
いわば、化学の力で体を騙したり誤魔化したりするのです。

頭痛薬なら痛みを発する物質を薬の成分によって遮断して、その人の体本来のシステムとは別の働きで無理やり痛みを止めます。

薬を飲んでいるいる間は効いて、しばらくして薬の効果がなくなったら症状がぶり返す姑息療法とよばれるゆえんですね。

漢方の場合は、外部から強制的に力を変えてやろうとするわけではありません。
体内のもともとある働きが、何らかの影響でゆがんでしまっていると考え、元に戻すための治療を行います。なので、漢方では人間の体は元のニュートラルな状態に戻せば、あとは結果的に勝手に良くなっている。と考えます。

無理やり外部から手を加えようとする西洋医学と元の形に戻そうとする漢方。
全然、考え方が違います。

どちらも「薬」を使いますが、薬の使い方が根元から全く違うのです。
僕がこのブログで医者が西洋医学の病名を元に漢方薬を処方している「病名漢方」は、漢方じゃない!と言ってるのはこういう理由です。
そこには「漢方の治療理念」がありません。

治療の方向性は精神的な部分にも大きな違いがあり、西洋医学は自分自身がある種、参加しない医学です。
外部から見てもらって、外部からの強制的な働きで治していきます。
方向性としては病院や医者に頼る感じですね。
だから、医者は上から目線でやらないといけない部分があるのかもしれません。
見方を変えれば、押し付ける医療でもあるわけですから。
なので、傾向的に誰かになんとかしてもらいたいと思う人間と親和性が高い治療です。

漢方の場合は、違います。
治療の目的は、元の状態に戻すことなので、漢方医と一緒に体のどの部分が元と違うのかを探していかなければいけません。
病気の原因を探すというよりは、何のバランスが崩れているのか?

1つの原因を探すわけじゃないので、症状を調べる場合は、全身の状態、その他にも生活環境、食事や睡眠、ストレスなど、あらゆる場面でのアンバランスを探っていく必要があり、また治療の場合も「まかせていたらいいや」では治りません。

自分自身のアンバランスを見つけたら、体内の調整は漢方薬が受け持ってくれますが、その他は自分で調整していかないといけないのです、

ただし、その方法は、体質を分析すれば、おのずと自分がどうすれば良いのかが見えてきますので、あとはその調整を頑張れば、その時に初めて根本的に治ります。

漢方での根本的に治る。とは漢方薬のみで根本的に治るのではなく、漢方薬を選び出す時点で体質を分析しますので、その体質を元の良い状態に戻す養生も合わせれば根本的に治るということなのです。

漢方はこういった考え方なので、先生側も「治してあげる」のではなく、「一緒に治そう」といった感じですね。
僕と患者さんでどうやったら治るかを考えていく治療です。
なので、自分自身で変えていきたい!自分も参加したい!という方にはぴったりの医学です。

処方する先生側としては「僕が専門家だから治してやる。だまって治療を受けなさい」的な上から目線の場合は、漢方薬を扱うのに向いてないように思います。
漢方薬も漢方としての治療の力を発揮しないでしょう。

「漢方薬だけに頼る」治療は急性病ならOKですが、慢性病は根本的に治すことはできないと思います。
「何かに頼る」だけで治したいなら、漢方でなく病院の薬でなんとかしたほうがいいです。漢方治療との相性が悪すぎます。

こんな感じで、西洋医学と漢方は、使う薬の違いではなく、「体を治す考え」が違うのです。

あなたはどっちの治療と相性が良さそうですか?


posted by 華陀 at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする