ようこそ漢方相談室にお越しいただきありがとうございます。
漢方薬の働きや病気・症状の原因を徹底解剖!
あなたの悩みにお答えします。

このブログではあらゆる流派の漢方医学を勉強しサプリメントや病院などの業界の裏側を見てきた経験や知識を活かし私の独断と偏見で思ったことを書いています。 漢方マニアの本音としてお読みください。

※専門家に対して漢方の情報提供をしているつもりはありませんので、漢方を処方する側の人(医師や薬剤師などで特に病名や症状だけで漢方薬を処方している人)は不快な気分になる可能性があるので、読まないでください。

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漢方相談室

2016年09月07日

良い鍼灸治療院の選び方「実践編」

漢方相談の人間がなぜ「良い鍼灸治療院の選び方」なんて記事を書いているのか?
詳しくは前回の良い鍼灸治療院の選び方「出会い編」を読んでいただけたらと思います。

漢方も鍼灸も東洋医学ですが、残念ながら、9割は、東洋医学の伝統的かつ本質的な方法で治療をされているところはないのです。
ほとんどは西洋医学を東洋医学風にしたマニュアル的な治療をしているところです。

なぜ、そんなことになっているのか?
それは僕ら2人にはわかりません。

東洋医学自体の理解が難しいのか?
個人の体質なんか見ていたら手間がかかるので、マニュアル的にベルトコンベアで流したほうが楽に稼げるからなのか?

業界をみていると、どっちものような気もしますが・・・。

では、今回は、実際の見分け方実践編で話していきましょう。

まず、良い鍼灸治療院の選び方としていますが、東洋医学という一般の人には摩訶不思議なものの良い点を理解しようとするよりは、ダメな鍼灸院の条件を理解してもらったほうがいいかと思います。

ただ、この条件等は、あくまで僕と僕と一緒に治療をしている先生の私的な考えなので、最後はこの記事を参考にご自身で判断してください。

ダメな鍼灸院でわかりやすいのは、これは漢方も同じですが、ロクに問診をとらないところ。

漢方なら病院なんかは、まず、体質を分析するための問診なんかとりません。
問診でとるのは、最初のお決まりの「ほかの病気はありますか?」とか「妊娠していますか?」などのアンケートですね。
あれは、漢方薬を選ぶ時の問診とは何の関係もありません。
漢方では、全身の不調をお聞きしていきます。
(ちなみにうちは150項目以上で早い人でも入力を終えるのに15分はかかります)

鍼灸も同じように問診は必要です。
漢方も鍼灸も西洋医学の病名ではなく「体質」をみていくのは同じです。
何の問診もなく、ただ身体を触って施術を始めるのは、それは、ただのマッサージ鍼(そんな言葉ないけど)

要は、筋肉の凝ってそうなとことかを適当に緩めたりしているだけ。
漢方も鍼灸もどちらも問診をとって「証」という病的体質を分析する必要があります。

ちなみに僕と一緒にしている先生は、うちから治療を受けに行く場合は、うちで詳しい問診をとっていますので、鍼の先生のところでは、軽い問診だけでOKですが、通常は、あれやこれやと自分の全身の状態を説明する必要があります。

次にダメな鍼灸院のポイントは、回数券。最近、流行りです。

「この治療には3ヶ月はかかるから」などといって、回数券を買わせる方法。
この時点でその鍼灸院はアウトだと思います。

回数券だと未来の治療の代金をすでにもらっているので、2回目の治療から担当が変わったり、ひどいのになると研修の子にやらせたりします。

担当の先生が変わらなかったとしても最初の治療の半分しかやらなかったりします。

極端に言えば、ひどい治療をやっても4回だったら4回は来てくれることが確定しているからです。人間ですから。こうなります。しょうがないですよね。

ちなみに、うちも僕と一緒に治療をしている鍼灸の先生も回数券や「次も来ないとダメ」みたいなことはやってません。

もちろん、慢性病なんてすぐに治るものじゃないので、見通しとして、聞かれれば「何ヶ月位はかかるんじゃない」みたいなことはお話ししますが「ずっと通わないと治らない」みたいな話はしません。

続けるか、どうかなんて、その患者さんの自由だと思います。
逆に回数券にしているということは、1回目の施術の後に「満足してもらえない」という妙な自信があるとも言えます。
だから、回数券を買えるようになっているんだったら、それは「治療に自信のないところ」なんでしょう。

1円でも安くなれば・・・と思うなら、選ぶべきですが、治すことが目的であれば、やめたほうがいいです。

次に患者さんが「凝っている」とか「痛い」とか患者さんが訴えている周辺だけ鍼やお灸をするところ。

これもアウト!だと思います。
鍼灸は東洋医学なので「凝っていたり」「痛い」ところだけを治療するのではありません。
基本的には病的体質に対して治療しますので、施術するのは全身です。
毎回、局所的にしか治療しないなら、その鍼灸院はどうかな?と思います。

そして、あえて最後に持ってきましたが、保険適応で年寄りがジャンジャンいるところ。
病院と同じです。
たくさんの人が来たら、いくら「治したい!」と志をもっていても、短い時間で回す必要が出てきます。

「治したい」という志はある種「その患者さん1人にかける時間と手間」と言い換えてもいいと思います。
料理と同じ、料理人の見える料理屋はポリシーの持った、おいしい料理をつくる店です。
当然、料金は高くなります。
チェーン店は、料理をしたことがない高校生のバイトがつくります。
そこにポリシーは存在しません。そのかわり、安いです。

国民皆保険は素晴らしい制度ですが、ぶっちゃけ「安かろう悪かろう」に成り下がっている部分もあります。
これは、病院が悪いのではなく「1人にかけられる時間と手間」の問題。
どちらが良い悪いではなく仕事の摂理です。

そして、おまけ。
時々、鍼灸の先生の方から、うちの患者さんに、うちで何の漢方薬を飲んでいるのか聞いてきて。という質問があったりします。

この質問で「うわー東洋医学、何もわかってないじゃん!」って思います。
「何の証と考えたかを聞いてきて?」と質問するなら、まだわからないこともないです。
証(体質)を聞けば、自分の鍼灸治療にも活かせますから。
実際、うちは鍼灸の先生とそうしています。

しかし、漢方薬名って・・・
東洋医学の素人丸出しです。なぜなら漢方薬は西洋医学の薬と違って、1つの薬が1つの効果とは限らないのです。
例えば、葛根湯は風邪に使いますが、蕁麻疹に使うこともあるのです。
処方した先生が、どういった意図、どういった証で見たかを知らないと自分の治療には活かせないのです。
なので、漢方薬名だけを聞いたって、意味ないですよ〜


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2016年08月30日

良い鍼灸治療院の選び方「出会い編」

今回は良い鍼灸治療院の選び方を記事にしてみたいと思います。

「なんで、漢方相談しているところが鍼灸治療院の選び方なんて記事を書くんだ」と不思議に思われますよね。

実は、うちは現在、鍼灸の先生と治療提携しています。
業務提携ではないですよ。治療提携。

「うちの患者さん紹介するから、そっちも紹介してよ」とか「患者さんを紹介してくれたら手数料を払うよ」的なのは業務提携です。
これは、たまにやってるとこがあります。こちらはお金的な、つながりですね。

僕が今、一緒にやってる鍼灸の先生は以前から知っている人でした。
以前は、漢方薬的なサプリメーカーさんの営業さんとして知り合い、意気投合し友達になりました。

でも、その時に僕は「鍼灸でまともな治療をできる人はいない」とは考えていたので、鍼灸の先生というよりは取引先の営業さんであり、友達であり、といった感じでした。

鍼灸で治療はできないと考えていたのは、その先生以外での実際の治療体験です。
うちの周りには鍼灸治療院は山ほどあり、鍼灸治療と一緒にできたら面白いだろうなと考えていたので、うちの嫁さんと母親に周りの鍼灸治療に行ってもらいましたが、どこもマニュアルの「病名鍼」や「症状鍼」。
うちの店にも鍼灸治療院の受付の方や鍼灸治療院で勤めている先生などが相談に来られたこともあり、その方々から内情を聞いても「やっぱり、まともに鍼灸治療できる人っていないんだな」という印象でした。

漢方業界も漢方内科とか漢方薬局がたくさんありますが、9割は「病名漢方」「症状漢方」といって病名や症状にあてはめてマニュアルで漢方薬を選ぶだけのものをそれを五行論などで、もっともらしく説明する感じのところがほとんど。

漢方も鍼灸も本来は東洋医学的治療思考で「証」とよばれる体質を分析して、それを調整することができる漢方薬や施術方法(ツボなど)を選ぶことが目的で、直接的に頭痛を止めたり、湿疹のかゆみをとめるといった効果があるわけではありません。

現実は東洋医学らしい治療をしているところは、ほとんどなく、漢方も鍼灸も西洋医学もどきのものをやっているというのが、この業界の情けない実情です。

漢方業界もそんな調子なので、鍼灸も信用していなかったのです。
しかし、僕が人差指1本を怪我ををした際、6つの整形外科(有名で大きな整形外科、著名な専門医含む)で「一生、曲がらない」とお墨付きをもらった状態で、その先生に一応、聞いてみる的な形で相談してみたら「あっさり「治せますよ」とのこと。

最初は、以前の嫁さんとうちの母が近所の鍼灸治療院を何件と行ったけど、どれも東洋医学の治療から見ると偽物だったので「本当に治せるのかな?」なんて失礼なことを思っていました。

治療の様子は、また別で細かく書きますが、病院のリハビリに結構、通い人差し指は60℃まで曲がるかどうかみたいな感じだったのですが、今は普通に曲がっていて、ピアノもギターも怪我する前と同じようにできています。
6つの病院で保障された「一生曲がらない指」は、ほぼ「完治」しました。

その僕自身の指を治す時に、どちらも治療をやっている者なので、指の状態を解剖学、東洋医学の両方から2人で検討したのですが、その先生も「証」(東洋医学の体質)でみることができることがわかりました。
特に解剖学に造詣が深いところがすごいと思いました。
僕は常々、漢方治療(東洋医学)をやるにしても、西洋医学の基礎生理、病態生理、薬理は理解しておくべきだという考えで治療していますので、解剖学に詳しいというのは、すごく共感しました。

「鍼灸の人もちゃんと証をみれるんだ」と思い、鍼灸業界を誤解していたなと反省しようとしましたが、その先生に聞くと、鍼灸業界は漢方業界よりもひどく「マニュアル治療ではなく、東洋医学治療として鍼灸治療ができる人間は、全体を100%としたら全国で5%もないと思う」とおしゃっておられました。

つまり、ほとんどの鍼灸は、患者さんに言われた凝っているところや痛いところをその場だけ、緩和したりはできるが、本来の「証」をみて東洋医学的な調整はできないとのことです。

言うまでもなく、漢方も鍼灸も東洋医学なので「証」を見ない治療は「偽物」です。
この「偽物」というのは治る。とか治らない。ではなく、漢方薬や鍼を本来の正しい使い方をしていないということです。

当たり前ですが、2千年も歴史のある漢方薬と鍼を東洋医学のルールにのっとって正しく使用しなければ、本来の力は全く引き出せないと思います。
病名漢方(鍼灸)や症状漢方(鍼灸)でも治ることはありますが、それは、たまたまであって、治療者側は東洋医学的な治療方針や理論がないため運任せと同じになります。

そんな感じで、東洋医学理論にのっとった漢方治療を実践しているところを探すのも難しいですが、鍼灸はもっと難しいということです。

まず、家や職場の近くで東洋医学の治療として実践できている店があるとは思わないほうがいいでしょう。

漢方も独特の考え方や理論、用語がありますので、一般の人には理解しがたいですが鍼灸は、もっと理解しがたい分野になります。
ちょっと傲慢な物言いかもしれませんが、一般の方に良い鍼灸治療院かどうかなんて、まず判別はできないんじゃないかと思います。
僕は知識的な鍼灸の知識はありますが、僕でもその先生に会うまでは「どんな鍼灸治療院がいいか?」なんて判別できなかったと思います。

次回は具体的に、どんな鍼灸がダメなのかを書いてみたいと思います。

次の良い鍼灸治療院の選び方「実践編」


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2016年08月26日

生薬量が倍や濃度が濃いと効果が高いのか!?

最近、うちのメールによく似た質問が来るので、一般的にすごーく誤解されていることなんだろうなと思って、その事について僕なりに説明してみたいと思います。

何の誤解かというと「医療用の漢方薬は含有されている生薬量が多いから良く効く」とか「エキス量が多いから良く効くとか」といった類のもの。

実際、医療用としても販売している漢方薬メーカーの営業さんが、ドヤ顔で「うちの漢方薬のエキス量は医療用と同じで何倍も濃いものですから」なんて説明してまして、医者なんて、持ってきた資料を鵜呑みにする人が多そうなので「医者の中にも漢方薬の生薬量やエキス量が倍の方がいい!」なんて意味不明なことを信じている人がいるんだろうなーと思いました。

「エキス量が濃い」

有効成分が多そうだから、効きそうですよね。
でも、漢方薬で重要なのは、そこではないのです。

病院のお薬は、単独の症状に対して、薬の持っている作用成分の効果で、無理やり体の反応を変え症状をなくします。

例えば、痛み止めだと痛みを発する物質を薬の成分でカットしてしまうのです。
作用成分自体が痛みなどをカットしますので、当然、その成分は量が多かったり、濃度が濃いほど、よく効きます。

ただし、効くというのは、痛みを抑えるだけで、根本的に治るわけではなく、あくまで薬の力だけで効くのです。

漢方薬が濃度が濃くても意味がないのは、漢方治療の原則にあります。
そもそも、今から説明する漢方治療の原則を一般の方だけでなく医者も誤解しているから漢方そのものが誤解されているのです。

漢方薬は、漢方薬の有効成分が、症状を無理やりカットするわけではありません。
だいたいの病院は、この部分を勘違いしているから、頭痛という単独の症状だけを目標に五苓散を処方したり、ひどいのになると不妊症とう病名に当帰芍薬散や温経湯を処方します。

この方法は、漢方を習いたてのド素人の初学の頃は、そこから手をつけないと、どうしようもないので、しょうがないですが、本来の漢方治療では「西洋医学の病名や各症状に合わせて処方する」なんて方法は存在しません。

本来は「証」とよばれる病的体質を分析し、その証に対して漢方薬を合わせるのが正道です。
しかし、今の漢方業界は勉強しない人向けのマニュアル漢方治療という邪道が正道になっているというなんとも不思議なことになってしまっています。

証に合わせるというのは、簡単に説明すれば、冷えている人には、温める漢方薬を合わせるということです。
これでプラマイゼロで何も悩みのない健康な状態に戻ります。

漢方治療は痛みを止めるとか、ホルモンを活性化するといった作用で治療を考えるのではなく、患者さんが「冷えているか?」「余分な熱がこもっているか?」を判断し、冷えている人には、温める漢方薬を。余分な熱がこもっているには冷やす漢方薬を合わせていきます。

だから、冷えている人に温める漢方薬は薬になりますが、余分な熱がこもっている人を温める漢方薬で温めたらどうなるでしょう?
夏の暑い部屋で更に暖房をいれるようなものです。
もう、最悪な状態になります。

ちなみに説明上、簡単にしていますが、現実の治療では、冷えているだけ。とか、余分な熱がこもっているだけ。なんて単純な状態はありません。
上半身は熱がこもっていて、下半身は冷えていて・・・と矛盾した要素がいくつのも重なっているのが証の現実です。

漢方薬は、おなじAという漢方薬でも薬になる人もいれば、毒になる人もいます。

漢方薬の生薬量が多いとか、エキス量が濃いというのは、体質と合っていない漢方薬を処方した場合、もし効果が強ければ、よりひどくなるということです。

もう一つの問題は、漢方薬というのは、生薬量や煮出す時間(濃度)が、あらかじめ厳密に決められているので、医療用もそうでないものも、漢方薬である限りは同じ生薬量と濃度じゃないとおかしくなります。

漢方の治療原則は「中庸であること」つまり、真ん中のバランスが理想なので、
生薬量が多いとか濃度が濃いというのは、西洋医学では効果の高さにつながるかもしれませんが、漢方では「多い」という要素もバランスが崩れていると言えます。

例え効果が高くても証(体質)の分析を間違えて、余分な熱がこもっている人を冷えている人と間違えて判断し、本当は、余分な熱がこもっている人に対して更に温める漢方薬を処方し、そして生薬量が多かったり、濃度が濃いということは、更に温める。という間違いを増幅させる結果になってしまいます。

ちなみに「余分な熱がこもっている体質」の「熱」は「体が熱い」とか「熱がある」などの単純な症状だけでなく、全身の症状から総合的に判断しますので、病名や症状だけをあてはめて処方している漢方は、体質を分析していないのは、もちろんのこと、間違って処方していることすら、判断できていないと思います。

漢方薬で気にしないといけないのは、生薬量や濃度の濃さではありません。
その漢方薬に使われている生薬の「質」です。
食べ物と同じなので粗悪で、まずいものが、どれだけ、たくさんあったって、まずさが倍増するだけ。
モノの良さが重要です。

生薬の値段はピンキリで同じ生薬でも上質と下品では全然、金額が変わってきます。

そして、一般的に医療用の方が良さそうに見えますが、医療保険の漢方薬は薬価といって定価が決められています。
生薬は質が良いほど値段も高くなりますが実費の漢方薬なら定価を高くするだけで良いのですが、医療用は、それが法律で、できません。

企業は定価が決まっていて利益を出したければ、(原価)つまり生薬を安くあげるしかなくなってくるのです。
だから、僕は漢方薬の「質」は医療用ほど粗悪になるんじゃないかと上記の理由で思っています。
漢方の専門家としては一般の方と逆の考えですね。
実際に生薬の値段(仕入原価)が上がって、利益が出せなくなって撤退した漢方薬メーカーさんは何社もあります。
今、医療用で供給されている漢方薬メーカーさんも年々、薄利でキツくなっているとこぼしています。

漢方薬の効果を気にするなら「生薬量」や「エキス濃度」ではなく「質」ですね。
簡単に考えれば、要は天然の鯛などと同じで、漢方薬も安けりゃ悪いということです。
高いからいいとも限りませんが。コツは目利きと情報です。


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2016年08月13日

まごころ漢方薬店のお盆休みのお知らせ

まごころ漢方薬店からのお知らせです。

まごころ漢方薬店のお盆休みは【8/23(火)】のみです。
本日、【8/13(土)】、【8/16(火)〜20(土)】は通常通り営業しております。


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2016年08月10日

漢方薬を効きやすくする考え方!?

世間では、なんとなく西洋医学と東洋医学が分けられていて、漢方は「ゆっくりと効いてくる」とか「自然の食べ物に近い生薬なので体にやさしい」とか「根本的に病気を治してくれる」などのイメージがあると思います。

こういったイメージはありますが、例えば「なぜ、ゆっくりと効くのか?」「実際に体に優しいのか?」「本当に根本的に病気が治るのか?」と具体的に質問されると、おそらく、漢方薬を飲みたいと思っている患者さんだけでなく、大半の漢方薬を処方している医者や薬剤師も説明できないのが漢方業界の現実です。

つまり、漢方って実は「どんな医学なのか?どんな治療なのか?」具体的には、ほとんどの人が知らないけど「なんとなく困ったら漢方薬で治してみたい」とイメージする曖昧で不思議な医学になっちゃっています。

しかし、漢方は曖昧で不思議な医学ではありません。

ちなみに皆さんがイメージとして持っている「漢方薬はゆっくりじっくり効いてくる」は嘘っぱちです。
「漢方薬で病気を根本的に治る」というイメージも厳密には間違っています。
漢方薬という薬のみで根本的に病気は治りません。

西洋医学と東洋医学は、医学という名前はついていますが、似て非なるものです。
スポーツでいったら医学にあたる言葉は球技みたいなもので、サッカーと野球はボールを使う球技ですが、ルールや使用するものが全く違います。

漢方も西洋医学とは全く違うルールの医学です。
最も大きな違いは、病院の薬は「人工化学物で体に悪い」漢方薬は「自然で体にやさしい」そんなことではないのです。

本質的な大きな違いは人間の体を治していこうとする根元の考えが違います。

西洋医学は、外から薬(人工化合物)を取り入れて、本来の体にない。もしくは不足していた働きを強制的に起こし、症状をなくします。
いわば、化学の力で体を騙したり誤魔化したりするのです。

頭痛薬なら痛みを発する物質を薬の成分によって遮断して、その人の体本来のシステムとは別の働きで無理やり痛みを止めます。

薬を飲んでいるいる間は効いて、しばらくして薬の効果がなくなったら症状がぶり返す姑息療法とよばれるゆえんですね。

漢方の場合は、外部から強制的に力を変えてやろうとするわけではありません。
体内のもともとある働きが、何らかの影響でゆがんでしまっていると考え、元に戻すための治療を行います。なので、漢方では人間の体は元のニュートラルな状態に戻せば、あとは結果的に勝手に良くなっている。と考えます。

無理やり外部から手を加えようとする西洋医学と元の形に戻そうとする漢方。
全然、考え方が違います。

どちらも「薬」を使いますが、薬の使い方が根元から全く違うのです。
僕がこのブログで医者が西洋医学の病名を元に漢方薬を処方している「病名漢方」は、漢方じゃない!と言ってるのはこういう理由です。
そこには「漢方の治療理念」がありません。

治療の方向性は精神的な部分にも大きな違いがあり、西洋医学は自分自身がある種、参加しない医学です。
外部から見てもらって、外部からの強制的な働きで治していきます。
方向性としては病院や医者に頼る感じですね。
だから、医者は上から目線でやらないといけない部分があるのかもしれません。
見方を変えれば、押し付ける医療でもあるわけですから。
なので、傾向的に誰かになんとかしてもらいたいと思う人間と親和性が高い治療です。

漢方の場合は、違います。
治療の目的は、元の状態に戻すことなので、漢方医と一緒に体のどの部分が元と違うのかを探していかなければいけません。
病気の原因を探すというよりは、何のバランスが崩れているのか?

1つの原因を探すわけじゃないので、症状を調べる場合は、全身の状態、その他にも生活環境、食事や睡眠、ストレスなど、あらゆる場面でのアンバランスを探っていく必要があり、また治療の場合も「まかせていたらいいや」では治りません。

自分自身のアンバランスを見つけたら、体内の調整は漢方薬が受け持ってくれますが、その他は自分で調整していかないといけないのです、

ただし、その方法は、体質を分析すれば、おのずと自分がどうすれば良いのかが見えてきますので、あとはその調整を頑張れば、その時に初めて根本的に治ります。

漢方での根本的に治る。とは漢方薬のみで根本的に治るのではなく、漢方薬を選び出す時点で体質を分析しますので、その体質を元の良い状態に戻す養生も合わせれば根本的に治るということなのです。

漢方はこういった考え方なので、先生側も「治してあげる」のではなく、「一緒に治そう」といった感じですね。
僕と患者さんでどうやったら治るかを考えていく治療です。
なので、自分自身で変えていきたい!自分も参加したい!という方にはぴったりの医学です。

処方する先生側としては「僕が専門家だから治してやる。だまって治療を受けなさい」的な上から目線の場合は、漢方薬を扱うのに向いてないように思います。
漢方薬も漢方としての治療の力を発揮しないでしょう。

「漢方薬だけに頼る」治療は急性病ならOKですが、慢性病は根本的に治すことはできないと思います。
「何かに頼る」だけで治したいなら、漢方でなく病院の薬でなんとかしたほうがいいです。漢方治療との相性が悪すぎます。

こんな感じで、西洋医学と漢方は、使う薬の違いではなく、「体を治す考え」が違うのです。

あなたはどっちの治療と相性が良さそうですか?


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2016年08月03日

アトピーは脱ステもステロイドを使うのも間違い

アトピーでも冬に悪くなる乾燥型の人がいたり、夏に悪化する人がいたり、はたまた、年中、ずっと悪い人がいたり・・・。

症状が強くなる時期だけでなく、湿疹の形も質も、人それぞれだったりします。
まだ、僕地震、治療に慣れていない初学の頃は、肘裏や膝裏、首辺りに湿疹ができるのがアトピーなんて、幼稚くさいことを考えていたこともありましたが、何年も何人もアトピーの人を治療していて、わかったことは、体内の原因で湿疹が出ている人、アトピー系湿疹に菌系の湿疹が混ざっている人、蕁麻疹的な湿疹が混ざっている人、薬剤性の特異な、ゆがんだ新種の湿疹みたいになっている人、乾癬になっている人、それらが、複数混ざっている人など、いろいろなタイプがあることがわかってきました。

アトピー自体が「奇妙な」とか「特定されていない」などの意味なんだから、いろいろな皮膚病の総称だといってもいいかもしれません。

病院ではあたかも、アトピーという特定の湿疹があるかのような診断をするから、ややこしいんですよね。
最初から「あなたはよくわかんない皮膚病ですね」と診断?していれば、ややこしくないのですが。
ただ、これ、医者が正直に表現したら「だったら診察代とらないでくださいね」って言われますね。

話が飛びますが、病院に行って、医者が診察した時に「よくわからない」っていう場面が多いのですが、なんで、その後の支払いで診察代が含まれているのか不思議です。
はっきり「わからない」って言ってんだから「診察代」はとれないような気がするのですが・・・
あれ、場所代?

まー、そんな感じで、僕も初学の頃は、さすがにアトピーに消風散、十味敗毒湯みたいな幼稚なマニュアル処方はしてませんでしたが、それでも「アトピーという体質に対して、どんな漢方薬が良いのだろう?」と今考えたら、よくわからない病気を目標にして体質を考えていました。

それから、もうすぐ10年になろうとし、いろいろなアトピーの方の治療をしている間に、アトピーがある体質を見るのではなく、冒頭にも書いたような多様なアレルギー反応の集合体としての体質を考えなくてはいけないという結論に至りました。

うちでは、アトピーが治りやすい人と治りにくい人の差が明確に現れていて、その違いも最近、はっきりとわかりました。

これも多様なアレルギー反応の集合体を発見するに至ったきっかけなのですが、女性は比較的に早く治るが、男性は結構、苦労するという治療経験です。

女性は、早い、遅いはありますが、確実に1歩、1歩、治癒改善していく感じです。
男性の場合は、良くなって1歩進んだかと思うと、次には斜め後ろに1歩下がるという感じ。

この治療の経過を最初は、ただ単に自分の腕が悪いと思っていましたが、女性側で治った人は、30年来のアトピーが完治している人だったりするのに男性側の場合は、それよりも、もっとキャリアの少ない10年位のアトピーの男性の方が苦労する。という事態になってきました。
なので、ここは治療研究として、うちで完治した人にインタビューしてみようと思い、治った後で今は治療していない人の何人かにインタビューしました。

そうすると、1つのおもしろい事実が浮かび上がってきました。
どんなにひどい状態でもうちの治療でアトピーが完治した人は、ステロイドの使用期間が短く、かなり昔に一切、やめていたのに対し、男性はほぼ、100%ステロイド使用は今も現役で、それも、使い方も結構ハデな使い方です。

ステロイドの薬理も副腎の働きも西洋医学の生理、薬理で理解していますが、なぜ、ステロイドを使っていると治りが遅いのかよくわかりません。

ただ、ここから更に突っ込んで考えていくと、ストロイドを使用していない人とステロイドを使用している人の漢方薬に体質差が見えてきました。

漢方治療って、体質のいろいろな東洋医学的要素が湿疹にどう関係しているのかを分析し、それを調整する漢方薬を選びます。

熱の巡りの悪さからきている湿疹なのか?
水の巡りの悪さからきている湿疹なのか?
肝の臓の機能が関係している湿疹なのか?
それらが全部絡んでいるのか?など。

「かゆみを止めるとか、湿疹の炎症を抑える」みたいな、そんなストレートで単細胞的なわかりやすい治療ではありません。
それだったら楽なんですけどね〜

その人の体質を推測し、その体質が調整されるであろう漢方薬を選び、飲まれる前に治療方針として「たぶん、こんな感じ体質が変わっていくはず」という推測を元に漢方薬を選ぶわけですが、女性というかステロイドを使用していない人の場合は、割合、推測通りの体内変化を辿るのですが、過去も今も絶賛ステロイド使用中の人の場合、予期せぬ体内変化を辿ったりします。

それで、治療が1歩、1歩進まなくなっちゃったりするんですよね。

手放しにステロイドが悪い!とは言いませんが、あれ、たぶん、長期間、強いものを使っていると体の働きを何か違うものに変えていってると思います。

そんな体内を魔改造してるであろうステロイドですが、魔改造するからといって、ピタッと止めても、これはこれで難儀です。

脱ステロイドで治すとかいう病院も増えてきていますが、うちに来られるアトピーの患者さんはキャリアが長いので、そのキャリアの中で脱ステロイドで治った(?)こともあるみたいですが、とりあえず地獄だし、結局、再発するみたいです。

ということなので、実際に悩んでいる人の現実をお聞きしていると、ステロイドを塗り続けたら、漢方薬がまともに効かない体になるし、脱ステは地獄で再発するしで、病院のステロイドは結局は、その場しのぎでしかないし、完治させたいなら、その場しのぎ位にしておいたほうが無難だと思います。

どうせ、最近の皮膚科ってストロングかベリーストロングのステロイドをただ、塗らせるだけだし、ステロイドの副作用的な2次的な湿疹になっている人もいるので、最早、皮膚科は医者なしのステロイドの自動販売機でいいんじゃないかと結構、本気で思ってます。
ちなみに、これはヘビーなアトピー患者さんも同じ意見でした。

うちでの治療は折衷案です。
いきなり何の代替えも補助もなく根性で脱ステするのは、無謀というか、よろしくない行為なので、漢方薬でかゆみの元を断ちながら、調子をみて、ステロイドのレベルを順に落として、なるべく早く、ステロイドをやめて漢方薬が素直に効く体にしていくといった感じですね。


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2016年07月21日

失敗しない良い漢方薬局を選ぶチェックポイント

うちは、店頭でもネットでも相談をさせてもらっていますが、最近、ネット相談で、「何日か前に、とある漢方薬局(もしくは東洋医学内科)で漢方薬を購入したのですが・・・でも私の体質って、どんなものでしょうか?」的な感じでのネット相談が増えています。

漢方は、処方する先生ごとに治療方針や選ぶ漢方薬が変わるものなので、別にさっきどこかで漢方薬を買ったばかりで、そこからうちに相談に来られても全然、かまわないのですが、どこかの漢方薬局、病院で漢方薬を処方したもらったばかりで、うちのネット相談を希望するということは、つまりは「処方してもらったものの、本当に大丈夫なのかな?」と思っている部分があるのではないかと勝手に推察します。

そこで、漢方薬を購入する前、病院で処方される前に「実は漢方をよくわかっていない先生」にひっかからないように僕が「漢方ってこんなだよ」というものを自分勝手に説明したいと思います。

ちなみに僕は、今の仕事の前は病気の相談を受けつける相談薬局さんを相手に営業をしていまして、山梨と沖縄以外の都道府県に出張もしていましたので、全国の薬局さんの内情をそれこそ、店によれば、そこの家族構成レベルまで知っていました。
要は裏のことを知ってるということです。

父親も相談薬局をやっていまして、そういった病気の相談を受け付ける専門薬局の方向けの勉強会合などで講師をしていましたので、相談の受け方や売り方なんかの裏も知ってます。

何が言いたいかというと、他のお店のことを勝手な想像で言ってるのではないということですね。

まず、近くで探す必要はないです。
というか、近くの漢方薬局が本格的とは限らないです。

うちが全国向けにネット相談をしていますので「自分とこに来て欲しいからじゃないの〜」と思われるかもしれませんが、以前の仕事で全国400店以上の薬局を知っていますが、漢方治療レベルで漢方の医学理論を理解している人は、全相談薬局の数パーセントしかいませんでした。

僕が大阪からわざわざ福岡まで漢方修行に行ったのはそのためです。

友達の鍼灸の先生も以前に漢方薬局さん向けの営業をされていたことがありますが、その先生も何百件と営業周りされていましたが、漢方を東洋医学の治療レベルで理解している先生はゼロだったそうです。

残念ながら9割以上の店が、五行論などの治療には直接役に立たない(僕はそう考えてる)東洋医学イメージ的なものを不可思議にうまく説明できる程度で、実際は西洋医学の病名や症状に当てはめてマニュアル的に処方するだけです。

病院は直接、裏を知りませんが、うちに来られる患者さんが病院で漢方を処方された経緯や説明を聞いていると漢方薬局よりも、はるかにひどいです。
病名と症状にあてはめるマニュアルをおぼえているだけで、良くても、それにプラス、漢方治療にとっては何の関係もない病院における西洋医学的な漢方治療の臨床を人よりも知ってるくらい。
病院なんかは、まともに東洋医学レベルで考えられる人なんて1%もいないんじゃないのか?という印象です。

医学なので、机でお勉強して、ものおぼえのいい人が良い先生みたいに思いがちですが、漢方の場合は、感覚やセンスの方が重要だと思いますので、すぐれた音楽家や絵を書く人を探すような感じです。

そんな人、大都会ならまだしも、自分で歩ける範囲なんかにそう都合良くいません。

なので、通って治療するのがベストですが、自分の近くにいるとは考えないほうがいいです。

次にお店の見た目。
古臭い、瓶詰めの高麗人参とか蛇がおいてあると本格的に見えますが、治療の腕とは何の関係もないです。
厳密には60歳以上の先生の店だったら、当時はそんな作りが当たり前でしたが、先生が60歳以下で新しい店なのに、いかにも漢方っぽい店にしているところは、大概、腕がない人が多かったです。

外観がどうであれ、相談のためのプライベートスペースをとっていないところもアウトだと思います。
サプリメントが山積みになってる横に、ついでのように椅子と机がおいてあるようなところですね。
やはり、オープンスペースの片隅で相談をしているところは、看板に専門って書いてても本格的ではない店が多かったです。

本格的なところは、他の患者さんが一切見えない基本1:1的スペースをとれているところですね。

つぎに問診。
これだけで、そこの漢方が本物か偽物かがわかります。
漢方は東洋医学的な体質を分析して、その体質(証)に合わせて漢方薬を選びます。
病名や症状をチョコチョコと聞いて選びません。

ちなみにうちの問診は、全身150項目をお聞きします。

問診の項目が多ければいいというものではないですが、うちは、何年も検証して、それをシステム化して、お聞きしている項目に無駄がないようにしてきた結果です。
これだけ、絞ってきても結構な項目です。

漢方は病気や症状にマニュアル的に合わせるわけじゃないので、例えお聞きする項目が少なくても東洋医学的体質を判断するための問診は必要です。
そういう意味では、この時点でほとんどの病院はアウトかなと思います。

問診からは体質(証)がわかります。
証から治療方針が考えられます。

つまり、漢方薬を選ぶ前に証と治療方針があるはずです。
なので、この2つを聞くようにしてください。
「私の体質(証)はどんな証ですか?」「今後はどういう治療方針ですか?」

治療方針を考えていない先生は「今後はどういう治療方針ですか?」って聞かれても「いや、マニュアル(本)に、これがいいって書いてあるから」というのが本音なので、今後どうなるか?なんて推測はたっていません。
これも一発で偽物かどうかわかると思います。

まとめると、

@いい腕の漢方薬局や病院が自分の家の近くにあるとは限らない。
まず、遠方にいかないといけないかもと考えたほうが良い出会いがある。と思う。

A店の見た目は治療の腕と何の関係もない。ついでに病院の肩書き(漢方的な肩書き含む)も漢方治療の腕とは何の関係もない。

B問診は絶対に必要。東洋医学的な問診をとらないのは論外。
問診が重要なので、コミュ障っぽい先生もアウト!「いや、そうじゃないんだけどな」と思うのであれば、治療は運だめしになります。

C体質(証)と治療方針は絶対に説明できます。

この4つのポイントを購入する前に確認してみてください。
そして、最初に「相談だけでもいいですか?」と言ってください。
大体、この時点でダメな先生はチラッと嫌な顔をします。

ネット時代ですから、ネットできない人はしょうがいないですが、ネットができるなら、すぐに購入しないで、うちみたいなところを2,3件、相談してみてください。
そこから考えてもいいと思います。

ご参考になればと思います。


posted by 華陀 at 18:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月13日

冷やすと温める漢方薬のいろいろな使い分け

今時は、かなりレベルの低い漢方の考え方だと思いますが、それでも、未だに「温めれば病気は治る」「女性は冷えているので温めないといけない」などが漢方の考えであるかのように主張しているものがあります。

でも、今の時期なんかは、皆さん、いかがですか?
冬は寒くて仕方がなかった人も今は、それほど、冷えで悩んでないんじゃないでしょうか?

漢方治療では冷えと温めるは、実は複雑な使い分けがあります。

確かに特に女性は、冷えを感じることが多いですが漢方では「冷え」というのは、医者などが「冷えますか?」と聞いた時に「冷えます」と答えたら、イコール「体が冷えている」というような、そんな単純な考え方はしません。

東洋医学は、やや摩訶不思議なところがあるかのような説明をする人がいますが、あれは、おそらく東洋医学を理論的に理解できない人が、ごく少ない、わかった部分だけで漢方を説明しようとするので、その人のよくわからない部分が怪しげな感じになってしまっているのだと思います。

確かに漢方は科学的ではないですが、かといって、理屈のない、いい加減なものではなく、非常に理論的な医学です。

ちょっと例えが違うかもしれませんが、西洋医学が物質的な科学だとすれば、漢方は天気や感情などの自然科学みたいな感じです。

それは、さておき「冷えているから温めればよい」のような本当にいい加減なざっくりしすぎている考えの先生がいますが、漢方では冷えにも何種類かの体質があると考えます。

一般的によくある考え方である「冷えていたら温めればよい」という体質は、陰証の虚寒証とよばれる体質で、華奢で体力がなく、手足が冷え、体感的にも寒がりで、内も冷えやすいので、冷たいものなどを飲むと、すぐに下痢をしたりします。

こういった方は、冬の方がより冷えますが、夏も冷えやすく、エアコンなどで、すぐに冷えます。
冬などは眠る時に体が冷たくで寝つけないこともあります。

こういった方は、一般的なイメージ通りに体全体を温める力が強い漢方薬を使用します。
体全体を温めるといっても、なんとなくボワーンと体全体を温めますよ〜みたいな詐欺っぽいモヤモヤしたものではなく、体全体が冷えていても、熱とよばれる強さの働きと体力と気を補って、3つの働きで強く温めたり、血や気の通り道を押し開き、その巡りを活性化することによって、体のすみずみまで血と気を行きわたらせて温めたりと、強く温める場合も、その人の体質によって、微妙に治療の方法が分かれてきます。

実は、このような一般的に「冷えている」と思われているタイプは少なく、女性で多い冷えは、上熱下寒とよばれる部分的冷えや血虚系の冷えです。

上熱下寒とは体の上半身は暑かったりするけど、膝からしたなどは、すごく冷えるといった感じの体質です。

こういった方は、手は冷えません。
なので、漢方治療で問診をとる時に「冷えますか?」とざっくり聞くのではなく「手は冷えますか?」「足は冷えますか?」と別々に聞くことは重要です。

こういった証の方は、上半身の気と熱は降ろして、下半身に熱を促すようなイメージの治療になり、そういった役割の漢方薬を使用します。

血虚系の冷えというのは体で使用する血と体で消費する血のバランスが取れずに血が不足している方が血の不足から冷えを起こしている状態を指します。

漢方では、血は肉体的な活動だけでなく、思考など、体のあらゆる活動で使用すると考えられています。

ですから、西洋医学にあるような、成人の人なら「これくらいの血液量が入りますよ」というような液体の容積と平均値を比べるだけのものではありません。
西洋医学の検査で見ているのは、平均値と比べて、あるか、ないかだけですね。

漢方の場合は、悩んだり、激しく疲れたりすると血を消耗し、なくなった分を製造できなければ、不足するので、その状態を血虚とよびます。

熱を巡らせる血が不足している状態なので、冷えになってくるのですね。
この場合は、一般的にあるような温めることが治療のメインではありませんね、
血を増やすことがメインになります。
血を増やし、それから温めることによって、血の活動を活発にして、冷えを取り除きます。

その他にも、「気」の乱れ、現代の医学でいえば、ストレスなどで自律神経の調整がうまくいかなくて、一定の条件で手足だけが異常に冷えるなどの冷えがあり、この場合は、気の調整をすることによって冷えを取り除きます。
温めるわけではありませんね。

あと、体に余分な水がたまっていて、それが濡れた衣服のように体を冷やすという体質など、いろいろな体質があるので、漢方ではそれらのバランスをとるようにして温めます。

漢方で「温める」というのは、暖房にように、ただ単に「温める」というわけではないのです。

その人の体質に合わせて結果的に温まるようにもっていくということですね。

漢方は「陰陽」の法則が大原則になっています。
なので、どんな体質の人にでも良い薬というものはありません。
温める力を強い熱の漢方薬は、熱証とよばれる熱の調整がうまくいなかにタイプには毒になります。
なぜなら、そんな人を温めると熱が体の中にこもって悪さをするからです。
ちなみに僕はこの熱がこもりやすいタイプです。

体質に合わせる漢方薬というのは、こういうことですね。
誰でも温めれば、治るというものではないし、温め方にもいろいろとあるということですね。

特にこの時期は要注意です。
冬に冷えで悩んでいた人だって、今は暑くてしょうがいないのです。
でも、詳しく聞いていくと「足先は冷える」「お腹は冷える」「手はほてる」「首から上は暑くて汗ダラダラ」のように冷えと熱が混在しています。

そんな時は、足先が冷えているからといって、ただ単に温める漢方薬を使うべきじゃないですね。

温めるとか冷やすとか、そんな単純なものではなく、どう冷えと熱のコントロールをするか。
それが漢方治療です。


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2016年07月04日

東京漢方相談会のお知らせ

まごころ漢方の東京相談会のお知らせです。(お店の宣伝です)

まごころ漢方では、定期的に関東方面の方向けに東京で漢方相談会を行っています。
今回で7回目です。

漢方薬の事だけでなく現在の病院の治療のことや処方されている薬などの疑問。
飲まれているサプリメントのことなど、
身体や薬のことで気になることは、なんでもご相談ください。
どんな相談であっても相談は無料です。
小さなお子様の相談も受け付けています。
漢方薬は1歳から飲めます。
事前の完全予約制です。

僕自身、元々、話好きなので、お気軽にお申し込みいただけたらと思います。

相談場所は浜松町です。

(日時)
・07/09(土) 
10:30〜19:00(12:00〜13:00除く)
※19:00〜20:00が最終枠です。

・07/10(日) 
10:00〜19:00(12:00〜13:00除く)
※19:00〜20:00が最終枠です。

・07/11(月) 
15:00〜17:00
※16:00〜17:00が最終枠です。

・相談時間は50分です。

漢方相談会の予約は、こちらからご連絡ください。
若干名、予約に空きがあります。

(予約)
http://www.magocoro-kanpou.com/contact/index.html

ネットでのご相談はコチラから。
(ネット漢方相談)
http://www.magocoro-kanpou.com/counsel/index.html

ぜひ、ご参加をお待ちしております。
※予約は一杯になり次第締め切ります。連絡を頂いた際には、
すでに予約がとれない状況もありますがご了承ください。


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2016年06月29日

漢方薬と病院の薬は全く違う世界のものです

病院の薬と漢方薬は実は全然違うものです。世界そのものが違います。

病院の薬は人工化学合成物で漢方薬は食べ物のような自然のもの。というようなありきたりの違いを話してもしょうがないので、治療目的の違いを話してみたいと思います。

病院のお薬には有効成分というものがあります。
鎮痛剤だったら、痛みは最初は体内の痛みを発する物質が痛みを発する指令書となって脳に向かうのですが、痛みを発する物質は痛みを発する指令書になるまでに何回か、レセプターという物質とくっついたり変化して、痛みを発する指令書に変わっていきます。

鎮痛剤は、この痛みを発する物質の手前の状態のものに偽物のレセプター的成分をかまして、痛みの指令書になる前に潰してしまいます。

簡単に言えば、体内の働きを薬の成分そのもので無理やり変えて体の働きを騙すのです。
もちろん、薬によって有効成分の働きは違いますが、根本的な考えとしては人工化合物を体内にいれて、体内の正常な働きを騙すというものです。

痛みや発熱、血圧が高くなるなど、病気や不快な症状とよばれているものの正体は、何も体が嫌がらせでやっているわけではなく、体内のどこかの組織や機能がうまくいってないので、そのうまくいってない状態を「痛み」や「かゆみ」「吐き気」などで知らせているのです。
ただ、この体内の不調のお知らせは非常に不快で何がどう悪いのかが、僕たちにはよくわからないのです。

痛みなどはわかりやすいですね。
骨を折った時に「痛み」という不快な症状が全くなかったら、折れたまま、無茶しますので、下手したら一生、治らない傷になったりします。
「痛い」からジッとする。安静にするから治癒を促すことができるのです。

西洋医学の薬の役割は、こういった不快な症状を一時的にせよ、なくしてごまかすことです。
病院の薬が対症療法や姑息療法と呼ばれているのは、こういった一時的な措置だからです。

よく考えてみたら「病院の薬を飲んでこなかったから病気になった」わけじゃないですね。
だから、あなたの病気の原因は「病院の薬を飲んで来なかったこと」ではないのです。

そこから考えれば、根本的な病気の原因は他にあるわけです。
他にあるけれども、今、この瞬間の症状を無くしたい場合は、病院の薬は即効性もあり、個人の体質は関係なく平均的に効きますので「とりあえず症状を止めておく」場合は非常に有効的です。

逆にダメな使い方は、根本的に治そうとして長期間、飲み続けたり、説明されているほど効いてないの、しつこく飲み続けたり・・・(いくら、平均的に効くとはいえ、100%誰にでも効くものではありません)こういった飲み方は無駄ですね。
老人はこういう飲み方をよくしていますが、これは健康保険が毎年大赤字のことを考えると税金の無駄使いだと思います。

病院の薬は、基本的には1つの薬に1つの有効成分があり、その1つの有効成分が1つの効果を表します。
鎮痛剤だと痛みを止める効果です。

漢方薬は1種類の漢方薬の中に複数の生薬とよばれる食べ物に近いけれども薬のような強い効果を発するものが含まれています。

例えば、葛根湯なら7つの生薬が含まれています。
7つの生薬はそれぞれ独自の効果を持っています。

医者は病院の薬と同じ発想で1つの漢方薬は1つの働きみたいに考えて処方したりしていますが、漢方薬には2つの効果の考え方があって、生薬それぞれの効果と、それらが合わさった時の漢方薬としての効果という大小2つの効果を考えなくてはいけません。

葛根湯は風邪薬とか、五苓散は頭痛薬とか、そんな単純なものではないのですね。

病院の薬で例えれば、葛根湯には7種類の薬を一辺に処方したような感じです。
でも、ここでも大きな違いがあります。

病院の総合感冒薬は、解熱効果の成分、咳止めの成分、痰を出しやすくする成分と、それぞれ効果が決まっている成分が単純に足し算的に混ぜられているだけですが、漢方薬の場合は、そもそもが生薬自体が「鎮痛」とか「咳止め」といった直接的にわかりやすい効果ではないのです。

漢方薬を構成している生薬は、それぞれ、
・どこの内臓(西洋医学の内臓とは異なる)に有効か?
・その人の体に対してどれくらいの負担を与えるか?
・冷やすのか?温めるのか?
・気や血、水を巡らせるのか?

など、基本的な効果は、西洋医学には存在すらしない効果となっています。
1つずつの生薬にこういった細かな設定があって、それらが合わさって1つの大きな治療の方向性を生み出します。

なので、西洋医学は「頭痛=痛みを発する物質を邪魔する成分の薬を使う」と非常に直線的で単純ですが、東洋医学はその反対になります。
なんだか、よくわからない温めるとか、冷やすとか、巡らせるといった、ちょっとモヤモヤした効果を組み合わせて治します。

なぜ、東洋医学はそんな、わかりやすい単純な思考じゃないかというと「東洋医学は全身のバランスをとらないと治らない」と考えるからです。

病気は1つの原因だけで成り立っていることはありません。
1つの原因のみで成り立っているのは、急性の時だけだったりします。
慢性化している場合は、大概、無数の要素が絡み合って、体内のいろいろな箇所を邪魔しているのです。

その場合も無数にある全部の要素を究明していけば、治せるかもしれませんが、今の科学力では、無数にある原因を全部、解明することができません。

漢方は、最初から無数にある原因を事細かに調べても調べられないことがわかっていたので、全身をみて、どのバランスが崩れているかをみるようにしたのです。
だから、どんな病気だろうが「頭痛」とか一部分の症状だけをみないで全身の状態をみて体質を判断するようになっているのです。

漢方薬が複数のそれぞれのバラバラの効果のある生薬で構成されているのも、複数の要素に一度に働きかけないと「あっちを押せばこっちがひっこむ」で永遠に病気が治らないからです。

ざっくり、モヤモヤな感じに見える東洋医学ですが、実は、非常に理論的なのです。
ただ、使う人間が西洋医学と同じように単純で直線的な方法で処方するから、疑わしい感じになってしまっているのです。

漢方薬が治るか治らないか怪しいものではなく、体質をみないで処方している人が漢方薬をまともに使えてないから「怪しい」のですね。

その怪しい使い方というのは西洋医学と同じ発想で「病名」と「症状」だけで漢方薬を処方する人ですね。

漢方薬は、成分が直接的に働くわけではなく、体の大きな流れを変えていくので、根本的な治療になります。
でも、漢方でも漢方薬という薬のみで根本治療になるとは考えていません。

そもそも、漢方というのは「漢方薬を使用する」ことではなく、漢方の考えでもって、漢方薬を使用することです。
漢方の考えとは、体質に合わせて、病気にならない生活を送ること。
これをアドバイスするのも漢方薬を処方するのと同等です。
病気の始まりは生まれつきの持ってるクセとその後の生活のクセの積み重ねでなることが多いので、そのクセを体質に合わせた方法で正しい道に戻してやれば、健康になっていくのですね。


posted by 華陀 at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする