ようこそ漢方相談室にお越しいただきありがとうございます。
漢方薬の働きや病気・症状の原因を徹底解剖!
あなたの悩みにお答えします。

このブログではあらゆる流派の漢方医学を勉強しサプリメントや病院などの業界の裏側を見てきた経験や知識を活かし私の独断と偏見で思ったことを書いています。 漢方マニアの本音としてお読みください。

※専門家に対して漢方の情報提供をしているつもりはありませんので、漢方を処方する側の人(医師や薬剤師などで特に病名や症状だけで漢方薬を処方している人)は不快な気分になる可能性があるので、読まないでください。

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漢方相談室

2015年09月18日

健康セミナーって大丈夫?

うちの患者さんから「先日、食養生のセミナーに行ってきたのですが、これって私に合ってますか?」と質問がありました。

最近は、妊活の生活養生法とか、アトピーのための生活養生法とか、いろいろな健康セミナーがそこらかしこで開かれているみたいですね。

「元気になるためにはミトコンドリアを活性化させないといけない」とか「活性酸素を除去する食事を心がけましょう」とか。

このミトコンドリアとか活性酸素って何かっていうと、ミトコンドリアは各細胞の中にあるエネルギーをつくる器官です。各細胞に存在します。

そして、活性酸素は呼吸をした酸素の中に化学反応的に不安定な酸素があり、それが体内で老化やら不調を引き起こすと言われています。

そのセミナーではミトコンドリアを活性化させるのはコエンザイムQ10という物質を摂るようにすれば元気になる!みたいな理論でした。よくあるやつ。

間違ってはいないのですが、おかしい部分もあります。
そもそも細胞はコエンザイムQ10だけで活性化させていません。
他にもいろいろな酵素などが関わっています。
このあたりはネットで「クエン酸回路」などで検索してください。
複雑な化学式が出てきますので興味のある方はどうぞ。

細胞の活性にはコエンザイムQ10以外の酵素もたくさん関わっているし、分量だって人それぞれ、状況それぞれで違うわけです。

活性酸素に関してはSODと呼ばれる悪さをする活性酸素をなくしてくれる酵素があって、それを摂って身体に悪さをする活性酸素をなくしましょう的な感じです。

どちらも共通しているのは、身体にいい成分をとって身体を元気にしましょう。というもの。

これはサプリメントの理論です。
こういった理論の話の問題は、身体にいい成分はそれらだけじゃないということ。
そんな細かい成分を引き合いに出すと身体の中には他にも無数に身体に良い成分はあるわけです。

なのでコエンザイムQ10とかSODと言われても他の成分や他の成分とのバランス量なんかはどうなの?って話です。

もちろん、こういった成分の話だけでなく、他にも生活に役立つことも話されているのですが、ここにも問題があります。

講師の方が西洋医学の身体の生理学や病態生理学に対してあまりにも素人なのです。
体系的に、これらを理解せずに「細胞の働きだけ」とか、かなりの偏った知識なので、話していることがデタラメだったり、いいことだったりと良いも悪いも混ざっています。

こうなるとただの混乱したむちゃくちゃな話です。
こういったセミナー全般に言える特徴ですね。

セミナー自体が良いか?悪いか?ではなく、西洋医学も東洋医学もどちらも理論が無茶苦茶なので、僕なんかがそのセミナーの話を聞くとデタラメと良いことを選り分けるだけで時間がかかります。

だから、うちでは「その時に気になったことをメールか電話ください。僕がわからなかったら、僕の師匠の元外科医の先生にも確認とりますので」とお伝えしています。

こういった健康セミナーでは要は「食事や生活養生をがんばって病気も治しちゃいましょう!」ってことになっています。

しかし、養生だけで病気を治すことも可能は可能なのですが、東洋医学理論から考えると、かなり厳しいです。

養生自体は悪くないです。漢方で治療する場合も、うちでもその人の体質に合わせた生活養生をアドバイスします。養生を心がければ治りが早いからです。

しかし、養生だけで治すとなると話が違ってきます。
(うちが漢方薬をやってるからってことじゃないです。東洋医学の理論上です)

食養生などは言わゆる民間療法です。
民間療法はサプリメントのような感じで「便秘だったらオオバコがいいよ」とか「喉が痛かったら大根と蜂蜜がいいよ」みたいな。
その人ごとの体質は見ません。

これが次のレベルになると薬膳になります。
薬膳になると本来はその日の体質をみて、それに合わせて通常の食材だけでなく漢方薬で使用する生薬なども一部、使用して料理を作ります。

最近、薬膳というと「身体に良いもの入ってたら薬膳!」的なノリがありますが、本来の薬膳は季節や体質を考慮して考え料理を作ります。
だから、今、一般に知られているのは偽物のなんちゃって薬膳!ですね。

そして漢方薬は完全に薬です。
証(体質を構成する要素)から体質を分析し体質に合わせて漢方薬を選びます。
(病院などは体質判断せずにマニュアル処方してますけど)
漢方薬は本来、見立てた体質と漢方薬が一致しなければ副作用になります。
つまり、すべての漢方薬で副作用の可能性があります。

完全に治療の範囲です。
効果も高くなりますがリスクもあります。

食養生は漢方薬からみれば2段階下の身体を良くしてく方法です。
治療ではありません。
養生のみで病気を治すことはできますが、漢方薬の何倍も時間がかかるし、生活の中で妥協してはいけません。

食べ物、睡眠、運動、これらを統括した生活リズム。それらを徹底的に整え1日でも休まないように年単位で取り組む必要があります。
生活リズムのことを考えれば場合によったら友達付き合いなども断ったり仕事も考えないと自分のペースで養生できません。

つまり、現代の普通の生活リズムでは大半の人にとっては不可能に近いのです。
「だから漢方薬を飲みましょう!」
ってことでなく、もし養生だけで治そうとしているけど、イマイチ効果がわからないのであれば、毎日がんばるのがストレスになるくらいストイックに徹底しないとダメだということです。

養生がダメだということではありません。
漢方の治療でも養生は併用ですから。

養生、治療は分けて考えないといけないし、大半の健康セミナーは悪い事は言ってないけど、医学理論の軸がなくブレブレなのでお気をつけあれ。ということですね。


posted by 華陀 at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月15日

病院では異常がない。でも自分は不調を感じる。

病院では異常がない。でも自分は不調を感じる。

よく「病院で何も異常がないって言われたのですが、私は◯◯の症状で悩んでいるのです」という話があります。

こういう状態でしつこく症状があるから治してほしいと医者にせまると心療内科行きになったりします。

そういう方がうちに来ると漢方は病名や検査の異常値がなくても、自覚症状や体質などを調整する治療なので、どんな人でも「治療」はできます。
また、漢方的に見ると結構、大変な体質だったりします。

「あなたは異常がないから病気じゃない」
あれって昔からなんか違うんじゃないかと思っていて、そしえ考えてわかったのです。

医者の言い方がおかしいから、物事がややこしくなっているのです。

正しくは「私にはわかりません。ごめんなさい」じゃないかと思います。


患者さん:「私は夜中、毎日眠れなくて頭痛と吐き気が続きます」

医者:「検査もいろいろしたけど、何も検査上は異常ないですね・・・僕にはなぜその症状があるのか僕の治療のレベルではわかりません。ごめんなさい」

ね。しっくりくるでしょ。

ここを

医者: 「何も異常がないからストレスや精神的な問題かもしれません」

なんでもストレスかよーーーって感じです。途端に違和感と不信感。
症状の原因をなんでもストレスするのってサプリメントを売りまくっている詐欺メーカーの常套句みたいで嫌ですよね。

そもそも、医者側が医療者として「病名のマニュアル的条件にひっかからなかったら、その症状は全部本当に気のせいなのか?」と疑問を持たないのだろうかと思います。

先日、事故で僕は左手の指を怪我して第2関節が曲がらなくなっちゃいました。
その時もわざと紹介なしで5つの病院に行ったのですが、どこもレントゲンをとって「骨は折れてません。特に異常ありません」と行って痛み止めの処方。

一番大きな手指専門の病院では「その指はもう治りません」と言っておいて、根本治療に何の役にも立たない痛み止めを処方して「次は来月の◯月◯日」に来てください。
だって。

一瞬、意味がわかりませんでした。
医者本人が「一生治らない」→「根本治療にはならないけど」と痛み止めを処方→「次は来月に来てください」

そこは「折角、来ていただきましたが僕の治療のレベルでは絶対に治せません。ごめんなさい。どこか他のところに行っていただけますか」じゃないですか。

これだったら「そうか、あなたには手に余るんだ。でもしょうがないよね。治療の腕はそれぞれだよね」って納得いきます。

僕は医者には治せっこないのはわかっていたので、次の予約は行かずに友達の鍼の先生とタッグを組んで自分たちで完治させましたが、医療的に素人の人だったら、医者に「来月来い」って言われたら普通、行きますよね。

治せもしないのにダラダラ通わせて何がしたいのでしょう。
病院の利益?
それだったら「医学的にはこれを治すのは難しいとかどうとか」プライド高いこと言ってないで、サッサと「僕の治療のレベルでは治せません」ってハッキリと言ってくださいよ。わかりにくいから。

西洋医学の検査は、かなり悪くならないと病気かどうかがわかりません。
そして、検査ではっきりとわかったとしても、西洋医学には、ほぼ対処療法の薬しかないので、結局、根本的に治すことはできないのですね。

ちなみに僕は一度、原因不明の熱で死にかけたことがあります。
その時は、検査数値のほとんどが明確に異常値でしたが、結局、原因不明でした。

その時の先生は、はっきりと「原因不明で治療の方法もわかりません。すみません」って言ってくれましたので、当日は緊急入院でしたが、次の日に勝手に退院しました。
「わからない。治せない。」ってハッキリ言われましたので、気持ち良く退院し漢方薬に頼って治しました。

漢方の治療はもともと、病名と関係ありません。
漢方の医学理論をまるっきりわかっていない病院や漢方薬局は病名に漢方薬をあてはめて処方する。いわゆる病名漢方というマニュアル方法をとりますが、本来は全身の症状や状態を調べていって証(体質を構成する要素)を立て体質を診断します。
その体質に対して漢方薬を選びますので、何も気になる症状がない状態でない限り、なんらかの治療方針は考えることができます。

病名は証を診断する際に若干、参考にする程度です。

漢方治療においては、ほとんどアテにならない病名だけで漢方薬を処方している病院とかってスゴイなと思います。

そんなわけで、病院はみなさんが思っているほど、身体の不調を見つけ出せるわけではないし根本的には治せません。
今、みなさんが感じている「この病院、本当に大丈夫なのか?」という思いは、医学的に知識がなかったとしてもあっていることが多いと思います。

医者に「何も異常がない。特に問題ない」と言われても症状があるのであれば、それは「僕の医療レベルではわからない。ごめんなさい」という誤変換の場合もあるので、お気をつけください。


posted by 華陀 at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月08日

漢方薬は体質を変えることができるのか?

少し昔によく漢方と西洋医学が比べられて「漢方は体質が変わるけど、西洋医学の治療は体質を変えることができないので根本的には治らない」なんてことが言われていました。

これに対して当時の医者は「漢方薬で体質が変わるはずがない」とか言っていたり、今度はその反論に対しての反論で漢方側では「元々ひどいアトピーの人が治った後に遺伝子検査してみたら体質が変わっていた」とか、まゆつば臭い情報なども出てきたり。

漢方薬は体質を変えることができるのか?
みたいな話がよくありました。

今は病院側も当時と違って、西洋医学の治療薬は対症療法で、その場しのぎのもの。ということが一般の人にバレてきています。
そんな状況下で医者自身が「漢方治療をしたい」と思っていなくても社会的な流れで漢方薬を使わざる得ないような流れになってきているので「漢方薬で体質が変わるかどうか?」的な論議がなくなりましたが、それでもうちに相談に来る医者や看護師さんからは、今も「漢方薬って体質から変えることができるのですか?」という質問がチラホラあります。

僕も昔は「漢方薬は体質を変えることができるからすごいもの」と考えていましたが、いろいろな相談を経験するうちに、その考えも変わってきました。
そもそも、その考えは根本的に漢方を誤解してるんじゃないか。と思うようになりました。

「体質が変わる」というものをどういう見方をするかにもよると思うのですが、少なくとも遺伝レベルで変わるとか、元々の体質から、ぜんぜん違う体質に変わることはないというのが今のところの僕の考えです。

そもそも、病気の状態は元の体質が変わった状態ではありません。
例えば、アトピー。これは突然、体質が変わったから湿疹が出るようになったわけではありません。
アレルギー反応を過剰にするような要因がたくさんあって、それが積み重なって湿疹が繰り返し出るようになります。
本来の正常なアレルギー反応であれば、湿疹が出ても次の日には自然になくなっているのです。

このときに西洋医学ではアトピーの原因がいまいちよくわらないので、とりあえず、ステロイドの力で強制的に皮膚の炎症をしずめて湿疹を引っ込めます。
そうしてステロイドの効果がある間だけ強制的に無理やり湿疹が出ないようにするので対症療法と呼ばれるのですね。

漢方は、湿疹が出ているのが、自律神経系の気の問題なのか?余分な熱が頭を中心とした上半身に滞っているのか?血が滞っているのか?などなど、その人独自の原因を考えていきます。(アトピーだったら→消風散。なんて方法では処方しません。それは偽物漢方かも)
この気がどうとか、熱がどうとかの状態のことを漢方では「証」とよぶのですが、その人の元々の体質のことだけでなく現在の体質(状態)も指しています。

皆さんがイメージしているような生まれつきの体質は、どういった証に陥りやすいのかのクセがわかるだけです。
例えば、元の体質で肝臓系が弱い状態なら「余分な熱がこもりやすい傾向がある」などです。

アトピーになっているのは、元々の体質が大きく変わっているのではなく本来の自然の生活リズムにはない食事の質や睡眠などの生活環境の影響が引き金となり、それが元の体質に影響し、一時的に病的状態になっているだけです。

インフルエンザになったら高熱が出るのと一緒で、インフルエンザになったからといって、高熱体質に変わるわけではありません。

ややこしくなってきたので、まとめると、生まれつきの体質があって、それになんらかの悪い影響が影響し、一時的に現在のアトピー体質になっているといった感じです。

だから漢方薬の役割は体質を変えるのではなく、もとの皮膚のトラブルがなかった普通の体質に戻すように調整するのです。
例えばアトピーの方で、余分な熱がある証だと判断すれば、その余分な熱を発散させたり、上半身から下に巡らせてあげれば、湿疹が出なくなります。
そうすると、元のツルツルの皮膚だった体質に戻るだけですね。

漢方の病気の治療は大体こんな感じで、正しい調整を行って、何も問題なかった頃の状態に戻すだけです。

確かに誰しもが生まれつきの体質を持っていますので、その体質の弱点をフォローするように漢方薬を飲んで、その弱点をフォローすることはできます。

しかし、生まれつきの体質が完全に変わるかというとそれは難しいような気がします。
なぜなら、それは個性でもあるからです。

漢方の世界では全ては陰陽の法則で動いていると考えますので、絶対的に強いとか絶対的に弱い体質というのはありません。

冷える人は温めると楽になりますが、熱が多い人は冷やすと楽になります。
どっちがいいとかではなく「そういう体質」そういう個性なんですね。
顔や体格などと一緒です。

なので、何か決まった漢方薬をずぅーーと飲んでいたら、どんな病気にも負けない万能体質になるのではないのですね。
それは陰陽の法則からいってありえません。
だから「ずぅーーと同じ種類の漢方薬を飲み続けていれば治る」というのも漢方の世界ではありえないのです。

見方を変えれば、元の体質のせいでずぅーーとアトピーということもありません。
元の体質×今の生活環境=アトピー なのです。

寒い冬、暑い夏、そのときの環境と生まれつきの体質が相まって、なにがしかの病気になるので、その時の体質(証)を判断し、いち早く漢方薬で対応すれば、大事には至らないのです。

漢方薬をその時の体質(証)に合わせ細かく微調整して、しばらく飲み続ければ、何も飲んでいなかった時よりは体は強くなります。
ある程度、強くなれば、自分の体質に合わせて生活養生をしていれば、漢方薬をやめても病気にならない体はつくれます。
ただし、ずっと何の病気に対しても強い体質になるわけではありません。

漢方薬は不思議な力で体質を変えるものではなく、厳密にその時の体質(証)を診断し体内を調整し元の良い状態に戻してくれる非常に理論的な医学なのです。


posted by 華陀 at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月02日

漢方の問診の重要性

漢方では四診という4つの診断方法を使って体質を判断し、あなたの体質にあった漢方薬を選びます。

4つの診断方法とは望診、聞診、切診、問診です。

望診とは見て診断すること。
患者さんの体格や顔色、舌の状態などを見て体質を判断します。
舌の診断は漢方ならではの舌診と呼ばれるものですが、よほどひどい舌の状態でない限りは慢性病の体質は現れません。僕がやってる日本漢方では、急性症状が優先して現れると言われています。
例えば、不妊症で体質調整していこうとする人が今日は便秘だったりすると便秘の感じが舌に出ますので、慢性の体質と急性の体質をごっちゃに考えないで見ていく必要があります。

たまに舌だけで◯◯体質と判断する先生がいますが、あれは僕はエセ占いレベルだと思います。
舌は急性の状態が出やすいので、パターンで体質を決めつけるのは非常に危険です。

聞診は、患者さんの声の大きさや臭いで体質を判断するものです。
体力などの減少とともに声は小さくなったりします。
また、肝臓病だったりすると独特の口臭があったりします。

切診は腹診とか脈診など触って体質を判断するものです。
お腹を触って状態を確かめたり、脈診は脈を見て判断します。
切診もパターン化させて「あなたは◯◯体質です」と診断するところがあります。
切診の難儀なところは、冷静に考えたら、その方の健康だった本当の基準がわからないところです。

教科書ではお腹が柔らかければ虚している(弱っている)とかなんとか体質的なことを表していることが書かれているのですが、その人独自の本当の基準がわからないから、本当のところどうなのかよくわからないのです。

僕は、最近は仕事が忙しいので腹筋をしたり、できなかったりをしていますが、やはり腹筋した日とその次の日は、お腹は締まっているのですが、1週間位サボっているとブヨブヨになります。

これが、慢性的な不調と関係あるというと全く関係ありません。
ただ単に腹筋したら締まるし、しなかったら柔らかいだけ。

人それぞれ基準がわからないから切診を元に漢方薬を選ぼうとすると難しいのですね。
腹筋をしたかどうかを聞けば、お腹の締り具合を判断できそうに見えますが、患者さんが腹筋をした度合いもよくわかりません。

脈診も先ほどの舌診と同じように急性症状が優先的に現れやすいです。
したがって慢性的なアトピーの人が風邪をひけば風邪の時に出る脈の方が優先されます。
風邪かどうかを聞けばいいかもしれませんが、その方すら判断できないような急性の何か(例えば腸炎の初期とか)にかかっている可能性もあるので、これも慢性の治療を考えていく場合は、ごっちゃになる場合があります。

治療に使用する各漢方薬には舌診、腹診、脈診がどんな条件だったら、その漢方薬を使うかのことが書かれています。
しかし、どれも非常に少ない条件程度で、圧倒的に多いのは問診から得られる現在の症状や過去の病気などのことです。
問診をとらないで舌診、腹診、脈診だけで漢方薬を決める人もいますが、僕は危険だと思います。

あなたに合った漢方薬を選ぶ上でもっとも考えないといけない条件は問診から得る割合が高いと思うので舌診、腹診、脈診だけで漢方薬を選ぶのは、なんかその先生のひとりよがりの思い込み診断のようが気がします。

ということで、うちでは問診を重視するのですが、実は漢方においての体質を判断する問診は「こんなものを使わなくちゃいけない」と決まっていません。

各漢方の先生方が各々で自分にとって使いやすい問診票をつくります。
僕も自分自信が患者さんの体質を知る為に必要な問診をつくりました。

うちでは、下記のURLにあるようなものを使用しています。
http://kanpoui.net/contact/index.html

自分のところの問診票を作る際に最も多いパターンが漢方薬の製造メーカーさんから貰ったものをそのまま使うか、少し変形させて使うパターンです。

自分でつくっていないから「ここの設問ってどう答えたらいいですか?」と聞いても、歯切れの悪い答えしか返ってきません。
なぜなら自分で作ったものじゃないからです。

病院の場合はもっとひどく、病院の漢方は東洋医学的な体質をみないで漢方薬を処方していることが多いので、通常の病院で書く問診票(今まで薬を飲んでアレルギーを起こしたことがありますか?みたいなの)とは別に漢方薬を選ぶための問診がありません。

漢方専門の問診票が必要なことを知らない患者さんもいるかもしれないです。もしかしたら漢方薬を処方している当の医者も漢方専門の問診が必要なことを知らないで漢方薬を処方しているのかもしれません。こわー

設問数も多いものから少ないものまであります。

「えっそれだけしか聞かないの?」とかがあったり、
うちみたいに「そんなに聞くの?」っていうものもあります。

どちらも正解、不正解がありません。
その漢方の先生が何が聞きたいか?です。

ただ、設問数が少ないのはダメじゃないかと思います。
なぜなら、漢方は西洋医学の病名を決定するものではなく体質を考えるための問診だからです。

体質は本当に人それぞれなので、問診の設問が少ないということは、あまりいろいろな人の体質に振り分けて考えられないということにつながるからです。
設問数が少なくなると、ある程度、ABCのパターンになっちゃうので、処方する漢方薬もABCマニュアルになっちゃいますね。
それは体質に合わせた漢方薬ではないですね。

設問数が多くて、やたら意味不明なものを聞いているものもあります。
例えば「気滞、陽上亢症状がありますか?」などの漢方の専門用語で聞いてくる問診。
「そんなの自分で判断できたらここに来てねーよ!」みたいな。
他にも「お腹がゴロゴロ、チャプチャプ鳴りますか?」とか。これも現実には「そんな状態になったことねー」って感じですよね。

あと、「下痢はありますか?」とか「泥状便はありますか?」など現実で考えたら「表現変えてるだけですよね?」みたいな、やたら設問が被っていたり。

うちも設問は多いですが、そういった状態にはならないように配慮しています。
うちの問診票の項目もかなり多いですが、これでもこの問診票からは、汎用的な症状しかつかめません。

うちでは今の問診票を元にさらに個人の方、独自の症状や感覚を確認していきます。
本当は、もっと設問を少なくして、書きやすいようにしたいのですが、今の問診票が7年間いろいろと改良してきた僕の中のベストなんですね。

なにせ漢方薬は何百種類もありますので、体質だって何百種類もあります。
それを問診で振り分けるのですから、自ずと知っておきたい項目が増えてしまいます。
なので、うちに相談される方は申し訳ないですが、がんばって入力してくださいね。

ということで、長々とうちの問診票はなぜ長いのかの言い訳とさせていただきます。


posted by 華陀 at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月26日

漢方薬は全身の調整治療

東京での漢方相談会を終えました。
今年から3ヶ月に1度ずつ定期的に行っているのですが、開催の度に相談の方が増えていっております。

お越しいただいた方々、本当にありがとうございました。
遠方からも来ていただいている方もいらっしゃって恐縮の限りです。

次回は11月の予定です。
まだ日時は未定ですが、今回、お時間が合わなくて、すでに何名かご予約をいただいています。
今回はすみませんでした。

と挨拶的なものはここまでとして今回、ご相談をさせていただいていて、気になったことがあったので、その事について書いておきたいと思います。

すでに漢方で有名な某大学病院の治療を受けておられる方が数名いらっしゃったのですが、どうもそこの漢方の治療の感じがアレな感じなのです。

長年、ある症状で悩んでいて、いろいろと漢方薬を試してきていた方ですが、ある時に、その長年の症状が良くなってきました。
ところが、それと同時に今度は皮膚のトラブルが出てきたのです。

これ、漢方治療では珍しくありません。
漢方治療は西洋医学の治療と違って症状を部分的に無理やり遮断したり、抑制したりするものではありません。

漢方では身体の中のいろいろな働きは、連携で行われているのですが、その連携のバランスが崩れると、その不調が症状になって現れると考えます。

したがって、漢方では、出てきたいろいろな症状を止めてしまうのではなく、その症状などから、何の連携が崩れたのかを分析します。
これを漢方では「証をたてる」といいます。

そして、それを調整する漢方薬を合わせていきます。

西洋医学では、ただ単に今の症状を部分ごとに無くしてしまおうとしますが、身体を根本的に治そうと思ったら、その症状が何のアンバランスを示しているかを見極めていかないといけないのですね。

ということで、漢方薬は、ただ症状を無くすことが目的ではありません。
バランス調整を行うので、その調整の過程で他の部分が悪くなったように感じるのは、めずらしくありません。

漢方は、そういった治療なので、漢方医の仕事は新たに現れた症状にどんどん対処することではなく、新たな症状が出てきたら、どんな調整の結果、その症状が出てきたのかを考えなければいけません。
場合によっては、一から考え直して漢方薬を変更する必要があります。

ところが、ある症状が治って、それと入れ替わりに皮膚のトラブルが出てきた状態に対して、この有名大学病院の答えは「皮膚科ではどう言ってますか?」

アウト!!
僕はこの先生と直接、お会いしたことはないですが、会うまでもないです。
「皮膚科ではどう言っているか?」
このセリフだけで、漢方の事をなーーーーーーんにも理解していないことが一発でわかるセリフです。

漢方の治療は全身のバランスを調整することです。
なので、内科とか皮膚科なんて分けて考えること自体が異常です。

皮膚のトラブルが出てきたら、漢方薬を処方した、その先生が「一方の症状が治った途端になぜ、皮膚のトラブルが出てきたのか?」その答えを見つけなければ、漢方治療できません。

西洋医学的に言えば、漢方の治療は総合診療科なのです。
全科をひっくるめて治療をコーディネートするのが漢方の常識です。

だから、こういったセリフで「あー漢方治療の考えは理解していないんだな」とわかっちゃうわけです。

僕は嫁さんのニキビとアトピー、母親のリウマチ、僕ら夫婦の不妊症などの漢方治療の実体験していますので、専門的にはニキビやアトピー、リウマチ、不妊治療となりますが、だからといって皮膚科、整形外科、不妊症しかわからないというわけではありません。

漢方修行では後縦靭帯骨化症やてんかんの治療をやっていましたので、そちらも専門と言えば専門。

お店では、急性のヘルペスや冬などは風邪の治療。
ものもらいや副鼻腔炎、喘息発作などん急性の治療。
ハゲの治療もしたことがあります。

これは僕の漢方治療の専門性が広いのではありません。

漢方はもともと、内科とか皮膚科とかに分けて治療するほうが「おかしい」のです。
だから「皮膚科はどう言ってたか?」なんて、事は漢方の世界ではありえないのです。ありえない。

漢方は全身をみて、アンバランスを見つけ、そのアンバランスを調整します。
だから、全身の不調(全科)が漢方の治療領域なのです。

病名は西洋医学が決めたものなので、本来の漢方治療では、西洋医学の病名すら必要ありません。
逆に西洋医学で難病とか原因不明の病気と言われても漢方では東洋医学的な体質を素直に分析すればいいのです。
(ただ、病名漢方といって病名と漢方薬を結びつけたマニュアルで漢方薬を処方している場合は、病名が必要です。)
漢方治療では皮膚科に状態を聞いてきてもらう必要が一切ないのです。
その場で、その先生が見たらいいだけ。


素直に東洋医学的な体質だけを見れば、おのずとなぜ、そんな状態になったのかが見えてくるのですね。

そこが西洋医学とは全く違う治療なのです。
だから漢方専門だと言ってる病院は皮膚科の漢方とか、耳鼻咽喉科の漢方とかやめたほうがいいですよ。
それだけで「本来の漢方治療をわかっていません!!」って宣伝しているようなものだから。

その大学病院、漢方界的には有名だったので、中の事実を聞いて正直、ちょっと残念でした。


posted by 華陀 at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月20日

病気が治るための養生を伝える必要性

「養生」とは普段の生活の中で病気を治すために「こうした方が良いとか」「ああした方が良いとか」
生活で気をつけたり、身体にとって良いことに取り組むことですね。

西洋医学では生活養生は治療とは別で、できればやったほうが良い的なオプションっぽい位置付けのような感じがありますが、漢方では完全に治療の一部です。
漢方薬での治療と養生は同等だと思っていただいていも差し支えありません。
病態によっては絶対に取り組まないといけないこともあります。

西洋医学の治療のほとんどは、本来、身体の中のシステムにはない外的かつ人工的な作用で痛みを止めたり、かゆみを止めたりします。
その場や一定の時間だけ、外的な力で症状を無理やり止めたり無くしたりするので、姑息療法と言われています。

西洋医学は、こういった性質なので、根本的に治療したり、根本的な原因を考える術がありません。
実は西洋医学が病気の根本的な原因のように説明しているのは、体内のメカニズムを細かく詳しく見た結果を説明しているのであって、病気になった根本的な原因がわかっているわけではありません。

例えば、アトピーは腸内免疫の免疫が関係しているとかいった話は腸内免疫の状態がアトピーの原因ではなく、アレルギー反応に関連する生理学的な説明を詳しく説明したにすぎません。
その人自身のアトピーになった原因ではありません。
現在の体の中のことを単に説明しただけ。

人によって若干、異なってきますが本質的なアトピーの原因は食事の時間や食事の質だったり寝不足だったりするわけです。

慢性病の原因は、皆さんの生活の中にあるのですね。

以前にアトピーの方の治療をしている際に夜勤がある方だったので「睡眠不足や睡眠リズムの乱れは湿疹が治らない決定的な原因にはなります」とお話しました。

もちろん、だから治らないという意味ではなく、漢方薬はステロイドのように湿疹を無理やり一定時間無くすものではないので「夜勤による睡眠リズムや睡眠不足の乱れをなるべく調整するようにしていかないと漢方薬の効果だけで治るわけではありませんよ」と言う意味でお話したのですが、どうも漢方薬を飲み続けていれば、生活は変えなくても、そのうち治ると思っておられたようです。

漢方薬は新薬と違って、長期間、副作用なく飲み続けることができる便利な薬みたいな位置づけに思われがちなんですが残念ながら漢方薬の役割は、乱れた体質を元の健康な状態に近づけるよう調整することです。

だから、かゆみを止めたり、漢方薬を飲んでるだけで治っていきません。
バックアップ的に体内のシステムの調整は行ってくれますが、悪い要因は取り除かない限り、良くて一進一退になります。

例えば、漢方薬で血を補い、血の巡りを促進することによって傷口の修復を促進させることはできますが、その漢方薬を飲みながら、その傷口を毎日、わざと叩いて再度、傷つけていたらどうなるでしょう。

漢方薬で体内から傷の修復を促進しながら、外部から自分で傷を叩いて傷をひどくするわけです。
これだったら、現状維持でも十分に良くなっていることになります。

傷口は見てわかるものなので「そんなの自分で傷口を叩いたら、治るわけないじゃん!」って誰もが思うでしょう。

でもアトピーの方の食事時間の乱れや甘いも、コンビニ弁当などの便利で簡単な添加物食品の摂りすぎ、不妊症の方のタバコやお酒(男性に多い)は傷口を叩くほどのわかりやすさがなく、なおかつ、便利であると余計に自分にとって良いことと都合よく思い込みたいので、実は悪いこと。を普通に毎日やってしまっているのです。

これでは養生になりません。
漢方治療は体質にあった漢方薬と体質にあった養生、2つで1つなので、普段の生活を病気の頃と変わらない状態ですごしていたら、半分良くなって、半分悪くなる。
つまり現状維持なら、めちゃくちゃ治っていると考えないといけないかもしれないのです。

養生においてのもう一つ、大きな問題があります。
病院では「1日1万歩、歩くのが健康に良い」とか「毎日、緑黄色野菜を満遍なく30品目摂りましょう!」とか一般平均の健康論を養生的にアドバイスしていますが、養生も体質別で考えないといけません。

誰もが同じ養生なんてありえません。
普通で考えれば何歳のどんな人だったら、どんな養生がいいのか?皆んなバラバラになって当然です。

でも病院で個人ごとに養生のアドバイスなんてできません。
なぜなら、元々、診察の際にその人の体質を見ないで画一的な平均化された病気の病名で人を見るからです。
この見方は菌などを特定できる感染症では通用しますが、その他の病気には一切通用しないと思います。

その他の病気は、すべて個人差、体質差がかならずあるからです。
なので、菌系の感染症以外で病院から「普段はこうした方がいいよ」というのは一般論すぎるので、信用しないほうがいいと思います。

子供の養生、大人の養生、普段からスポーツしている人の養生、虚弱な女性の養生、病気ごとにも違うし、体質だって全然違うわけですよ。

それが「”人間”だったらみんな同じ養生でいいですよ」は、あまりに粗く乱暴ですね。
そんなわけないです。
一人、一人の養生考えるの邪魔くさいから「人間」くくりで、こんなものを食べたらいいとか、こんな運動をしたらいいとか、テンプレの養生を誰にでも同じことを言ってるのですよ。

病気を根本的に治そうと思ったら、結局、西洋医学であろうと東洋医学であろうと、一人一人と向き合って、その方だけの体質を理解し、その方だけの薬や養生が必要だと思います。


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2015年08月12日

家庭菜園からもわかる漢方治療の極意

最近、家庭菜園にハマっています。
最初はイチゴだけだったのですが、スイカ、オクラ、トマト、枝豆、トウモロコシと増えていきました。

やりはじめると人間の身体も野菜や果物も一緒なんだなと、いろいろと勉強になります。

土の問題、水の問題、害虫、肥料。
単純なようで周りの天候などの環境にも左右され、野菜たちもいろいろな問題を抱えます。

人間の身体で例えれば、土と肥料は僕らがいつも食べている食べ物。水はそのまま野菜も人間も必要なものですね。
植物は排泄がないですが、人間はこれにもっともやっかいな排泄が加わります。

実は最初のイチゴは失敗しちゃってシドニアの騎士に出てくるガウナのようなボコボコの気持ち悪いものができるようになりました。
(後のものは、最近忘れていたようなおいしい味の野菜が収穫できています)

原因は土。土に肥料をやりすぎ、そこに雑草やら虫やらが住み着いて、気が付いたら歪な気持ち悪い形のイチゴができるようになりました。

半分は食べるため、もう半分は漢方の勉強のために栽培しているので、今のところ、食べずにどうなっていくのかを見守っています。
でも、もうどうしようもない感じです。

これ、人間だったら、添加物が多い栄養素の偏ったものをバカバカと食べた感じですよね。

ボコボコの歪な形のイチゴなんか見てたら、人間の体内のガンってこんな感じでボコボコ増えていくのかなーと。

漢方はもともと、自然との調和をとって健康な身体に調整する薬です。
逆に西洋医学の新薬は身体を調整するのではなく、身体の状態を無理やり変えるのです。
無理やり変えているのを治していると表現しているのですね。

新薬は頭痛があったら、痛み物質を薬の力で遮断して痛みを感じなくしたり、炎症があったら、薬の力で炎症を無理やり、しずめてかゆみをなかったことにしたりと、薬が外側から無理やり不快な症状をなかったことにします。

さっきのイチゴで言えば、歪なガウナなのようなイチゴを切りとってしまうのですね。
で、その気持ち悪い形のイチゴを取ると全体的に見た目はスッキリします。治った感じ。
変な実がなくなったその時のイチゴの状態を見ると茎や葉は見た目はおかしな感じがどこにもないので「あーこれで次は綺麗なイチゴが出来てくるんじゃないか」と思えるようもになります。

そして、数日後はキッチリと気持ち悪い形のイチゴがまた出てくるわけですよ。
それをまた取ると、スッキリはしますが、またダメなイチゴが出て・・・

西洋医学の治療は、後は、これの繰り返しです。
みなさん、実感してますよね。
表面上は一瞬、スッキリはしますが、数日後には結局、何にも変わっていないことを思い知らされます。

漢方の治療の考え方も、よりおいしい野菜や果物を育てていくのと定義や理論は同じなんです。
これ、相談でよくある説明するためのこじつけ理論ではなく、本当に、漢方の治療の考え方は、本質的には自然の調和を取り入れているのです。
大宇宙は小宇宙であり小宇宙は大宇宙。それと陰陽という東洋医学の法則です。

僕の家庭菜園はある種、逆に漢方相談の知恵を家庭菜園に生かしている感じです。
患者さんを治す時のように逐一様子をみて、日が当たり過ぎていたら日照時間が長くない位置にしたり、土の乾き具合で灌水の状態を決めたり。

人間の身体も単純にみれば、水と空気と食べ物を取り入れて、自身を成長させ、植物のトゲや香りで害虫を寄せ付けないような免疫をつくり外的などから守り、人間はこの後、いらなくなったものを排泄をするのです。
プラス人間は自律神経の活動のリズムとホルモンの分泌が加わります。

漢方的に見ると意外と単純なんですね。

治療をするというのは、これのどこの部分でバランスが崩れ、どの部分のバランスを整えれば、元の総合的な生命活動バランスへ戻っていくかを分析するのです。

だから、病院がやっている漢方のような症状をあてはめて、患者さんが悩んでいる症状を漢方薬で直接、取り除こうとするような処方の方法は、東洋医学の本当の理念からしたら、的外れなわけです。

そんなやり方は、歪な形のイチゴを切り取るのに新薬を使うか漢方薬を使うかの違いしかなく、対処的にダメなイチゴを取り除くなら、新薬のほうが切れのいいハサミのようなものだから、そちらでいいわけです。

症状や病名などをあてはめて、合ってそうな漢方薬を必死で探すのではなく、漢方薬を使って漢方治療をするのであれば、根本的な方向性をどこにもっていくのか?その治療戦略と方針が「漢方」なのですね。

次に出来てくるイチゴを歪な形のイチゴにしないように今、何をしなければいけないのか?
漢方の治療はハサミでちょん切って、ダメなイチゴをなかったことにすることではありません。

漢方薬を選ぶ際には体質を見ます。
その人の体質を知るにはその人の病気や症状がその人の体質を分析するヒントにはなります。

しかし、病名や症状はあくまでヒントの1つです。
病名や症状をそのままあてはめていって、「はい、この漢方薬がいいですよ」ってバカみたいな方法が漢方ではありません。

その人がもっている病気や症状はイチゴなら変な色の葉があるとか、土に雑草が生えているとかです。

でも治療するのに必要なのは、それだけではありません。
体質を丸ごと見ていこうと思ったら、どんな環境にいるのか?どんな環境にいたのか?なども重要です。
イチゴなら日照時間や土の質、水の問題とか周囲の害虫などの生育環境などです。

だから、漢方治療では病気や症状だけでなく、今、どんな環境で生活していて、どんな環境だった時から病気や症状がはじまったのか?どんな食べ物を食べていて、睡眠などはどんな状況で、精神的な状態はどんななのか?を知って初めて病気の問題の本質やその人の体質が見えてきます。

そして、体質が見えて初めて、なにがしかの漢方薬を選ぶことができます。

こうやって見れば、その患者さんの病名や2、3の症状をチョコチョコ聞いただけで漢方薬を処方している先生は、もはや漢方がもっている本質的な東洋医学理論をバカにしてるといっても過言ではないのではないかと思います。


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2015年08月07日

漢方を信じる?信じない?の話し

うちのお店で時々、ひょこっと聞かれるのですが「漢方ってなんか信じられないんですけど」みたいな話し。

なぜか100%男性です。
女性は感覚的に漢方をなんか良さそうと捉えることができるのかな?

昔は、あれやこれやと、そういう方に理解してもらえるよう、ご説明していましたが、調子乗ったことを申し上げると今は次々に患者さんが訪れてくれていて、なんだったら、ちょっと新規の患者さんに押され気味なので「信じられないんだったら、飲まなければいいんじゃないですか」の一言で済ませています。

誤解されるといけないので、僕は漢方のことを説明しないわけじゃないですよ。
現在の体質、これからの治療方針。
体質に合った生活養生。

質問があれば、時間がかかっても理解していただけるまで、ご説明しますが、漢方を信じる、信じない感覚で考える人には説明してません。

そもそも、漢方は「信じる?」とか「信じない?」次元の医学ではありません。
多分、この感覚を持ってる人は、要するに「科学的でないから西洋医学と違って怪しい」ということだと思うのですが、漢方は別に西洋医学的なエビデンスに照らし合わせて正しい医学かどうかなんてする言われもないし関係もありません。

この誤解って多分、病院も悪いと思います。
病院の漢方は、東洋医学の漢方薬をわざわざ、西洋医学的に無理やり変換して使おうとしています。
おそらく、漢方を東洋医学的に理解できないのと、東洋医学的に正当に体質診断をしていたら、一人一人じっくりと相談しないといけなくなります。
そうなると今のベルトコンベアーみたいな患者の流し方はできないですからね。
仕方ないかもしれません。

また、漢方をやってる先生の中にはOリングとか、気功とか、ヒドイ漢方医になるとカラーで漢方薬診断とか、少なくとも東洋医学理論と全く関係ないものと無理やり結びつけて妖しげな相談をしている人がいるのも事実です。
(Oリング、気功、カラーで漢方診断がダメだと否定しているのではありません。そんなものは東洋医学の理論には元々、全くナイということです)

一般には病院のような西洋医学もどきのニセ漢方やこういった類のものが横行していますので、患者さんは病院がやっているんだから。漢方相談専門店がやっているんだから。とそっちが間違いないって勘違いしてしまうのだと思います。

でもね。そもそも西洋医学と東洋医学は「医学」という共通の言葉が付いていますが、全くの別物なんですよ。

大昔のものだから科学的でなく眉唾臭いって思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、信じる?信じない?の類のものだったら、多分、こんなにパブリックに使われていません。

それこそ、朝の占いと同じレベルだと思います。
漢方薬も一応、医薬品ですから。

だから、漢方は信じる?信じない?ではなく、治療理論が根本から違うのですよ。

僕は、東洋医学こそが真の治療だと考えていますが、かといって西洋医学がダメだとは思いません。
西洋医学の生理学、解剖学、病態生理学、薬理学も大好きです。
西洋医学の薬は治療には、ほとんど役立ちませんが、その他の知識は体質の分析に役立ちます。

西洋医学は、1つの原因を科学的に証明してそれに証明された1つの効果のあるものを治療薬として使ったりします。

なぜ悪くなったのか?それをどんな成分のものなら治すことができるのか?
それを徹底的に科学的に証明しています。でも1つだけね。

見方を変えれば1つの原因まで絞って1つの効果のあるものを使うので、誰でもわかりやすいのです。
多分、それを理論的だと感じるのでしょう。
でも、漢方が科学的でなく妖しいとか言ってる人に限って、科学や論理学は疎かったりするのですが・・・

漢方は人間の活動の営みを後方から支援するものです。
1つの原因を追求するものではないので、ある種、ざっくりと、どのバランスが崩れてどのバランスが崩れていないか、平行線でいろいろな原因を捉えていくのです。
原因が1つじゃないから、複雑すぎて科学的証明は難しいです。

体の問題に限らず、何かのトラブルというのは、1つの原因で起こりません。
細かくみていけば複数の些細な原因が積み重なって今の結果になっています。

言わばカオス理論、バタフライ効果みたいな感じですね。

摩訶不思議なことではなく、蝶が羽ばたいたことがきっかけでトルネードが発生する可能性がある。ほんの些細な事が、徐々にとんでもない大きな現象(病気)の引き金に繋がるという考えです。

大昔の中国人は考えたのです。(真意はわかりませんが)
「些細な複数の原因で今の結果(病気)に至ったものを単純な1つの原因に絞り込んで、それをどうにかしたってどうしようもない。
(実際、現在の西洋医学は対処療法という姑息療法でその場をしのぐ誤魔化し治療しかできていません)
だったら、今の複数のバランスが崩れた状態全部を受け入れて分析し、そのバランスを整えていけば、元の健康に戻るんじゃないのか」

だから「何が原因なんですか?科学的に説明してください」と言われても、多数の複数の原因が折重なり、またあらたな原因も生み出しているので、そんなものを1つ1つ分析できません。

漢方も理論的な医学なので、やろうと思えば何年もかけて複数の原因を1つ1つ出せるかもしれませんが「120の原因が見つかりました。今から1つ1つ説明するので聞いてください。そして、すべてを一切忘れずに記憶して最後に統合して理解してみてください」と言われたって誰も理解できないと思います。

それを何千年の経験論の中で「こんな感じの体質だったら、こんな漢方薬を使えば良くなることが多いよ」と教えてくれているのが漢方です。

漢方は細かく見れば実は理論的でややこしいのです。
だから、僕は西洋医学的なエビデンスがないから信じない的な人には「信じられないんだったら、飲まなければいいんじゃないですか」の一言で済ませています。めんどくさいから。

ちなみに西洋医学の根幹になっている科学的なエビデンス。
説明されると「ほうほう」となりますが、科学もほとんどは経験的な結果を重視しているのご存知でした。

実はちゃんと理論的に説明できないものばかりなんですよ。
人間誰もが毎日経験している「重力」すら未だに解明されていないのです。

ちなみにヤカンでピーって音がなるものあるじゃないですか、あれもつい最近、なぜピーって音が鳴るのか科学的にわかったらしいです。なんと100年間位わからなかったらしいです。でもみんな便利に使ってますけどね。

漢方も科学も不思議ですね。
posted by 華陀 at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月04日

漢方薬は症状や病名を当てはめるだけでは治らない

漢方って謎すぎて一般の人に対して、いろいろな誤解を生んでいるような気がします。
その一般の人の中に「医者」も入っているので、なお誤解に拍車をかけているように思います。

「医者が漢方をわかっていないのに治療で使っている。そんな訳ないじゃん!」

って思われるかもしれませんが、わかっていないというか、今の病院で処方されている方法は東洋医学と関係ない感じの西洋医学の医者用のオリジナルの漢方処方といったものです。
2千年もの昔からの知恵があるのにそれを無視して勝手なオリジナルの方法。もったいない。

その中で最も誤解されているのは、病名や症状に合わせて漢方薬を選べばいいじゃないかという誤解。

一般の人も医者もこれをよく誤解しています。

不妊症に当帰芍薬散とか花粉症に小青竜湯みたいなアレ。
西洋医学の問診とは別に東洋医学的な問診をとらずに漢方薬を処方しているものは、勝手なオリジナルな方法とみて間違いないです。

この間もおそらく症状に当てはめて漢方薬を選べばいいとお考えの方だと思うのですが、頭痛とめまいと下痢ではどんな漢方薬が合いますか?という質問がありました。

自分が気になっている症状にあてはめて、漢方薬を選べば治っていくという誤解。
ネットの情報も月経不順と冷えがあれば当帰芍薬散など「この症状ならこの漢方薬を使えば治るんだ」と誤解させるような嘘の情報が常識化しています。

また、病院もこれと同じ方法で処方しているので、余計にこういうのが漢方なんだと誤解されています。

うちでは、症状のあるなしのチェックだけで211項目あります。
それ以外に症状があるかないかだけでなく、どんな症状なのか?どんな状況でその症状が悪くなったり良くなったりするのか?病院での治療暦、自分が気になっている症状以外の何か病気があるか?職業(体の1日の動きを知る為)などなど、いろいろなことをお聞きしています。

なぜ、自分が悩んでいる症状や病名だけじゃだめなのでしょうか。

西洋医学のお薬は鎮痛剤とか止瀉薬とか、薬の効果が決まっています。
また、西洋医学のお薬は体質を治すものではなく基本的には、1つの症状を1つのお薬の効果で、その場だけ治します。
だから、その時の症状に合わせて薬を選びます。

漢方薬は効果が決まっていません。
例えば、葛根湯は風邪薬として有名ですが、そのほかにも蕁麻疹や歯肉炎、下痢にも使います。

ここでまた1つの誤解が生まれます。

「1つの漢方薬にはいろいろな作用がある」

間違ってはいないのですが、皆さんがイメージする「いろいろな作用」があるわけではありません。

葛根湯自体がどんな体質の人に対しても風邪薬や蕁麻疹の薬になるわけではありません。

葛根湯を東洋医学的な作用で表すと3つの証で成り立っています。
(証とは体質を構成する要素です。その要素が合わさって今のあなたの体質をつくっています)

葛根湯の効果や作用は、
表の寒証、表の実証、脾胃の熱証です。

これが葛根湯の効果。
よく、漢方薬の効果を教えてくださいという質問がありますが、これが皆さんになじみ深い葛根湯の効果です。

全く意味不明ですね。
そうなんです。漢方と西洋医学は全く違う医学なので、葛根湯に鎮痛効果とか咳止め効果なんて、わかりやすいものを期待してもダメです。

それは西洋医学的に勝手にくっつけた効果。

葛根湯の働きは上の3つなのです。

そして、漢方では「効果=体質=証=漢方薬」なのです。
ややこしくなってきましたね。
この辺あたりから一般の方も医者もチンプンカンプンになるようですね。

葛根湯は風邪や蕁麻疹や歯肉炎、下痢にも使うとお話ししましたが、これはどんな人の風邪や蕁麻疹や歯肉炎、下痢でもOKというわけじゃないのです。
どんな体質の人の風邪や蕁麻疹や歯肉炎、下痢にも使えれば、葛根湯はいろいろな効果があると言えますが、
体質が表の寒証、表の実証、脾胃の熱証という限定的な体質(証)でなければ、いくら症状が風邪や蕁麻疹や歯肉炎、下痢でも葛根湯はびっくりするほど全く効きません。

体質(表の寒証、表の実証、脾胃の熱証)が異なる場合は、また別に異なる体質に合う漢方薬の中で風邪や蕁麻疹や歯肉炎、下痢に使えるものがあるのです。

つまり、漢方薬は風邪や蕁麻疹や歯肉炎、下痢という同じ症状に対して、体質別(証別)にいくつもの種類の漢方薬があるのです。ややこしいですね。

わかりにくいか、わかりやすいかわかりませんが、漢方には同病異治、異病同治という言葉があります。
同じ病気は異なる漢方薬で治るし、異なる病気は同じ漢方薬で治るというもの。
要は病名や症状でなく体質(証)で漢方薬は合わせるのですよ。という意味です。

だから、症状だけであてはめようとしたって、証(体質)が違えば、その漢方薬は全く効きません。

なんだったら、風邪や蕁麻疹や歯肉炎、下痢という病気の経過した時間が変わっていくだけで漢方薬が変わっていきます。
症状や病名が同じでも経過時間で選ぶ漢方薬が変わるのです。

だからネットやメーカーからもらったマニュアルの症状や病名だけで漢方薬を選ぼうと思ったら、飲んだほうがいいかもしれない漢方薬は無数にでてきます。
(詳しく調べればいくらでもあてはまっていく。自分の都合で調べるのをやめれば、その症状と漢方薬が合っているように感じるだけ)

証を分析できないなら、片っ端からためしていくしかありません。
それこそ、占いなどのラッキーのレベル。

これと同じ占いレベルの治療を病院でやってるから、漢方は誤解されるのです。
漢方薬があやふやな怪しい薬ではなく処方する医者などの人間の側があやふやで怪しいのです。

全ては、病名や症状ではなく、あなたの体質(証)がなんなのか?にかかっていますよ。
自分で漢方薬を選ぶにせよ、誰かに選んでもらうにせよ、体質(証)を証明することが漢方治療の第一歩です。


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2015年07月29日

一度飲んだ漢方薬を再び飲んで治ることもある

うちの相談で来られた方から、たまにこんな相談があります。

「私は過去に消風散、清上防風湯、荊芥連翹湯を飲んだことがあるので、それ以外の漢方薬で効くものはないですか?」

過去に3つの漢方薬を飲んでも良くならなかったから、他のものをためしたいとのこと。
その気持ちわかります。

確かに過去に飲んで効かなかったものを再び処方してもらってもしょうがないですよね。

しかし、うちでは、すでに飲まれた3つの漢方薬も僕が体質的に必要だと考えれば、再度、処方することもあります。

「同じ漢方薬だったら効かないだろうからいらないや」

まーそう言わずに、この後も読んでみてください。

漢方薬が新薬と同じような役割や効果なら、過去に飲んだものを再び飲んでも同じです。
効かないものは効かない。

しかし、漢方薬と新薬は同じ「薬」という名前はついていますが、治療の目標や働きは別物です。

大半の新薬は対症療法といって、ある成分がある特定の組織に効くようにつくられています。

例えばアトピーなら皮膚炎の原因になっている炎症をしずめます。
アトピーの人にステロイドを使えば、その人の体質は関係なく炎症を鎮めてくれるので、誰でも、かゆみは治まります。(効かない人もいるので効くのはあくまで理論上)

新薬の対症療法では、飲む人の体質も関係ありませんし効き方も同じです。
一応、「人間」であれば、いつでも、誰でも効くようにつくられているので、新薬で効かなければ、どんな工夫をしても効かないと思います。

確かに新薬の薬理から考えれば過去に効かなかった薬は再び、飲んだって効かないのです。

新薬と漢方薬を同じように考えれば、1度、効かなかった漢方薬は再び飲んでも効かないと思うのが道理。

でも、それが違うのですね。
なぜなら、漢方薬は効かせ方や治し方が全く違うから。

新薬は飲んで20分位経って消化吸収されれば効果を発揮します。
もしくはステロイドなど塗れば、何十分かで効いてきます。
また、効くターゲットは決まっています。

ステロイドなら、かゆみを止める。
鎮痛剤なら頭痛などの痛みを止める。

ところが、漢方薬は消化吸収されたからといって、すぐに効果を発揮するのかわからないし、また効果のターゲットも決まっていません。

例えば、アトピーの人はかゆみを止めたいですね。しかし漢方薬はかゆみ止めではないので、新薬のように飲んで20分位でかゆみが止まるかというと止まらないです。

病院の漢方は西洋医学の理屈で漢方薬を処方しますので、新薬と同じノリで漢方薬で、かゆみを止めようとしたり、頭痛を止めようと処方していますが、漢方薬の治療は体質を整えて湿疹が出ない方向の体質にもっていくのが本来の目的です。

だから、体質と漢方薬がピタッと合っていたからといって、最初に、すぐにかゆみが止まってくるとは限りません。

仮にそのアトピーの人の東洋医学的な原因が表の水毒といって体の表面の水の巡りが悪い状態であれば、1ヶ月位飲んだ後に湿疹があまり変わらないで、頭痛や耳鳴りの頻度が少なくなってきたり、少なかったオシッコの回数が増えたりなどの変化が治ってきていると判断する場合もあります。

また、漢方薬は、どれくらいの期間で効いてくるのかも決まっていません。
新薬は消化吸収されれば、効果を発揮するようにつくられていますが、漢方薬は個人差です。

1ヶ月分の漢方薬の処方は何も1ヶ月後に効果が現れるというものではありません。
便宜上、1ヶ月で区切ってるだけ。
先ほどのようにアトピーだからといって、1ヶ月後にかゆみがとれるとは限らないのです。

その人の体質によってどんな症状から変化するのかわからないのです。
少なくとも西洋医学の薬のように「アトピーならかゆみが止まる」という単純なものではないのですね。

僕はそんな、いろいろな体の変化を捉えて体質が、最終的にかゆみがなくなる方向へ進んでいるのかをみて、漢方薬を調整していきます。

なので、過去に飲んだ漢方薬で効かなかったと言われても、多分、「自分が気になっている湿疹に効かなかった」ということなので、本当にその処方が東洋医学的にダメだったのかどうかが僕にはわかりません。
病院で処方してもらっていたり、漢方専門の薬局であっても、東洋医学的な体質判断なしに処方されていたら、処方した先生自体が単純にかゆみが止まるかどうかしか見てない可能性がありますので。

漢方薬を飲んでも「かゆみが止まらなかった」
漢方は新薬と違って、そんな単純なものではないのですね。

それに加え、品質の問題もあります。
病院のお薬は化学合成品なので、同じ名前の薬で成分や効果が変わることはありませんが、漢方薬は自然のものです。
料理のように使う生薬や加工で効果が変わる可能性もあるのです。

カウンターで食べたら1人8000円位かかる寿司と回転寿司の寿司が同じ品質だと思う人はいないでしょう。

漢方の世界もこれに似たようなものです。
葛根湯とか小青竜湯とか漢方薬名は同じでも安価で売ってるものなんて、おそらく安い生薬を使ってると思いますので回転寿司で極上のトロを食べたいと言ってもそれは無理な話です。
安いものは単純にまずいのです。
そして漢方では「美味しさ→効果」ですね。

実際にうちでは以前にも飲まれてことがある漢方薬や以前に飲まれた漢方薬と新たな漢方薬を組み合わせたもので良くなったりしている人はたくさんいらっしゃいますので、以前の病院などで、どんな体質と診断されて、どれくらいの期間で、どんな変化(悪い変化も含めて)があったのか?が明確にわからなければ、一度効かなかったからといって、その漢方薬はもう無効とは考えません。

病院なんかで漢方としての問診もとらず東洋医学的な体質判断もせず、漢方薬を飲んだ後の細かな状態の変化も確認しないような飲み方は、例え長く飲んできたとしても最初から飲んでいないに等しいと思います。


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