2017年01月19日

良い漢方の先生を選ぶのがカオスすぎるワケ

「同じ病気や症状を伝えているのに、次の漢方のお店では前に処方してもらった漢方薬とは違うものが処方されました。なぜ一緒じゃないのですか?」

これは、うちによくある質問です。

答えは簡単です。
漢方薬は西洋医学と違うから!

すみません。これじゃあ、答えになっていませんね。
ちゃんと説明すると西洋医学には、治療のガイドラインというものがあります。
簡単に言えばマニュアルです。

西洋医学では、感じている症状が同じであれば、大体、どこの病院にいっても同じような薬が処方されます。

アトピーの人がそうですよね。
アトピーの人の薬って?
医者じゃなくても即座に「ステロイド!」って答えられますね。
むしろ、最近の皮膚科は「これしか治療方法知らないんじゃないか?」と疑うほど、ステロイドです。
たまに抗アレルギー剤、抗菌剤。

「えっでも、行く病院によって、いろいろな名前の薬を処方されますよ」

それは製薬メーカーさんの違いで名前が違うか作用の強弱位、それに抗菌の作用が加わる位。
基本的に「ステロイドで無理やり炎症抑える」という治療の考え方は1パターンです。
いろいろなな名前の薬がありますが、やってることは、大して変わらないということです。

西洋医学の治療のガイドラインには、
「この病気にはこんな薬を使います」「その時に最初に処方するのはこの薬。2番目に処方する場合は、この薬」というマニュアルみたいなものがあります。

病気に対する考え方も、「検査がこうだったら、この病気」と、これも流れ作業のように決まっています。
常にすでにうまくいったことが証明されたものをマニュアル的になぞって治療するようになっています。

何年か前に指の怪我で7つの別々の病院で治療を受けましたが、どこもやることは判を押したように同じでした。

@レントゲンを撮る。
Aレントゲンを撮りながら「骨折じゃないけど、捻挫かな?」と話す。
Bなんとなく鎮痛剤を処方する。

どの病院でも痛みは耐えられるし、鎮痛剤は1mmも根本治療に役立たないと思っているので、全部の病院で「鎮痛剤はいりません」と話しますが、そこは華麗にスルーして、治療した気になってる感じでした。
このケースでも治療?パターンは「鎮痛剤で一時的に痛みを止める」これだけですね。

7つの病院とも全部一緒。
この実体験から僕は、よほどの専門の病院でない限りは、病院はチェーン店の餃子の王将みたいなものだと思いました。

たまに患者さんから「どこか良い病院ないですか?」と聞かれますが、僕からしたら、堺市内の王将も大阪市内の王将もほぼ、メニューは同じ。
ほんのちょびっと、地域性のメニューの違いがあるくらい。

なので、こっちの王将(病院)だろうが、あっちの王将(病院)だろうが、どっちに行っても同じでしょ!と思うわけです。どうせ、処方する薬は同じです。

対して、漢方は西洋医学とは全く異なるものです。
漢方には西洋医学とは全く異なる点が2つあります。

@漢方は病気を診断するのではなく体質を診断する。
病院では、アトピーの人は、3歳の子のアトピーだろうが、40歳の大人のアトピーだろうが、アトピーはアトピーとしてひとくくり。どちらも治療方法はバカの1つおぼえではなく・・・得意のステロイド!

東洋医学には基本、病名診断がありません。
病名診断がないというか、病名に対して漢方薬を選んでいく考え自体がありません。

病院で病名や症状だけで漢方薬を合わせている先生がいますが、東洋医学には、そんな方法は一切書いていません。
そもそも、2千年前から中国で独自の診断方法や治療方法を持っていた漢方と200年位前からヨーロッパ周辺で発展した西洋医学との間に何の接点もないわけで、西洋医学の病名(病院で診断された病名)で漢方薬を合わせるなんてルールが存在するわけありません。

A漢方は治療のガイドラインがない。
「検査でここが異常だったら○○病」「アトピーにはステロイド」
漢方には決まったガイドラインはありません。
それどころか、治療の考え方の違いで「古法派」「日本漢方派」「中医学派」などにわかれます。

ガイドラインどころじゃないですね。
派閥が変わると体質の診断方法も使用する漢方薬の種類なども微妙に変わってきますので。
ちなみに僕は日本漢方派で、世間一般の先生方は中医学派が漢方の全てだと勘違いし、派閥の違いで診断方法や使用する漢方薬が変わることも知らない人が多いです。

漢方の診断は、血液検査などの客観的な化学的検査はありません。
患者さんの体質は先生自身がその場で考え出します。

一般の人で、自分のいろいろな症状を順に占いみたいに当てはめて、当てはまる項目が多いものが、自分に合った漢方薬だと思っている人がいますが、漢方は症状を当てはめるのではなく、ちゃんと症状から東洋医学的体質を診断します。

その診断に基づいて、最適な漢方薬を選びます。

なので、病院で診断された病名や自分の症状を同じように伝えても、漢方の先生によって体質の診断も、選ぶ漢方薬も変わってしまうわけです。

その漢方の先生の派閥、診断基準、使用する漢方薬に対する捉え方。
いろいろな条件でそれぞれの治療方針が考えだされます。
いわば、その人だけにコンサルティングするような感じです。

では、どの先生を選べばいいのか?
それは、徹底的に東洋医学的体質のことや選んだ漢方薬だと、その体質がどう調整されて、良くなっていくのかを聞くことです。
まともな漢方の先生は体質を判断し、それに最適な漢方薬を選んでいるので、スッと淀みなく説明できるはずです。

説明が五行論を持ち出してきて煙に巻こうとしたり、私が選んだのだから飲みなさいと説明がなかったり、なんか納得いかず、通ってないな〜と感覚的に感じた先生はやめたほうがいいです。

また、それ以前に病名にあてはめる、症状があてはまるからなどで漢方薬を選んでいる先生は、もう言うまでもなく・・・論外です。東洋医学としては、あまりにレベルが低すぎるので先生も患者さんも治ったらラッキー位に思っておいたほうがいいかもしれません。


posted by 華陀 at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月13日

ネットの闇。Web検索の上位表示はアテにならない!?

ちょっと調べもので堺の漢方専門の店のことをネットで検索をしていて、変なサイトを見つけました。
http://www.o-kinikanpou.com/

一般の人が見れば「良くあるオススメランキングサイトじゃないか」と思うかもしれないですが、僕は、自分でWebサイトを製作したりもするので、内部構造などをよく知っているので、あることが気になりました。

1つは右側の「大阪版おすすめの漢方薬局」の下にある「コンテンツ一覧」その下に「トップページ」のリンクがあり、その下にある「【大阪編】真心の漢方薬局15選」というテキスト。

普通は「【大阪編】おすすめの漢方薬局15選」でいいと思うのです。
タイトルの「厳選の漢方薬局ガイド」を使うとか、単純に「おすすめの漢方薬局」とかでいいのに、なぜか「真心」という言葉が入ってます。

うちは「まごころ漢方」なので、店の名前を考えた時もそうですが、普通、「まごころ」を表現するときって、「真心」とは書きません。
なんか仏壇とかイメージしてしまいそうです。

しかも、あまり、こういう場合に使わないし、明らかにそぐわない。
それで、最初は、うちのファンが勝手に作ってくれたのかな・・・なんてお気楽なこと考えましたが、それだと、うちが3位以内に入っていないのがおかしい。
1位は漢方の葵堂薬局となっています。

でも、大阪の15選の中にはうちが入っています。

なんかおかしいと思い、漢方家から完全にWeb製作者の目に切り替えて、このサイトを分析していくと、1位葵堂漢方薬局となっていますが、そもそも、何によって1位に選ばれたのかがわかりません。

一般の人の投票か、他の何か?かとサイトをくまなく調べても、何で1位に選ばれたかもわからないし、一般の患者さんが投票しようとしても、どういった機関が、このサイトを作ったかも書いてないし、電話、メールなどの連絡先がないので連絡のしようがない。
つくりっぱなしの出入り口がないサイトなんです。

おまけに「【大阪編】真心の漢方薬局15選」と書いてあるのに、京都も東京もないのです。
うーん、調べれば調べるほど、うちのことも宣伝してくれてはいますが、うさん臭い・・・

そして、違うことで、ちょっと調べものをしていて、他のサイトを見つけたことによって、このサイトのカラクリがわかりました。

違うサイトというのはこちら。
http://xn--ickk0b6382czzwa.com/index.html

ここも先ほどのサイトと同じで、どれだけの種類の牡蠣肉エキス商材から選んだランキングなのか、誰に投票してもらったのか?全く不明。
6位に至っては、なんの基準で6位なのか意味不明。
こちらも一見、連絡先があるようにしていますが、外部のメールサービスを利用していて、やはり誰が責任者なのかわからなくしてあります。

こういうサイトって、Web業界では、いわゆるLPとか衛星サイトとよばれるもので、Webサイトって、他のWebサイトから自分のサイトにリンクを貼ってもらう数が多いほど上位に表示されやすいという法則があるのです。

本来は、「他のサイトの持ち主から良い評価されているからリンクを貼ってくれるので、そのサイトは良いサイトのはず」ということで検索で上位に表示する。という考えなのですが、それを「悪用」して自作自演するわけです。ステマの一種ですね。
自分たちで作って、自分のメインのサイトにリンクを貼るわけですね。

なぜ、そんなに詳しいかって?
なぜなら、恥ずかしながら、僕も昔に宣伝のために、この手法を業者さんに頼んで悪用したことがあるから。

でも、当時は、悪用のつもりはなかったのです(言い訳)。こういったサイトって大概が漢方薬局の先生ではなくWeb業者さんに製作を丸投げするのですが、Web業者さんは、医療や漢方のことなんか、良く分からないから、うちのサイトや他の漢方薬局のサイトから説明などをパクってきて製作、量産します。
だから、医療のド素人で「治す」ということに対してポリシーもクソもない人が部外者が、つくるので、非常に粗悪な紹介サイトが出来上がるのです。

ちなみにこういうのに類似した記事の作り方に関する問題が最近、社会問題にもなりました。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/08/welq-kuchiki-seiichiro_n_13510758.html
これも医療の専門家でない人間にお金を使って記事を作らせた結果、起こった問題です。

うちは「とにかく検索上位に上がって、薬がモノとして売れさえすればいい」という商売だけでやっているわけではないので、この手のサイトを作るのは一切、やめました。

今回の大阪の漢方薬局を紹介するサイトの場合、誰がつくったのでしょう?
目立っている人かな?はたまた、ウチ以外のここに掲載されている薬局が連合して作ったのでしょうか?

なぜか、うちだけのリンクがうちのメインのサイトでなく、ブログサイトだったり、なぜ、真心の漢方薬局15選という「真心」という言葉を使ったのかの謎は解けましたが、ここでは長くなるので割愛します。

もし、このサイトから、うちのリンクが外れたら、僕の予想は的中ということになります。
リンクから外された場合は、その謎解きの答えを記事にしたいと思います。
どうなるか、皆さん見ていてください。

未だに検索上位にあるのが「優良なお店」と思う人なんて、まさか、いないと思いますが、もはや、検索サイトは、こういう悪用がシステム化、ビジネス化していますので、治療のような重要なことを調べる場合は、むしろ、SNSやその薬局のサイトではなく、ブログ記事をしっかりと読み込んで、嘘かどうかを考えたほうがいいかもしれません。
ブログ記事もウェルクのように丸パクリはできますが、複数の記事を読んでいけば整合性が合わなかったり、矛盾点が見えてきます。

また、サイトを精査する際には、どこの誰がやっているのか?を真っ先に調べてください。
「このサイトの管理者」「どこの店、会社」「どんな立場の人」などをまず探してください。
それと「電話」「メール』「住所」の連絡先。これがないと、店や会社はテキストだけで騙せます。
なぜ、真っ先に調べないといけないかというと、ネット上では匿名のサイトは無責任になんでもやりたい放題なので、「どこの誰か」がわからない場合、匿名になるほど内容の信頼性が落ちます。

とりあえず、最近の検索ランクについては、何のアテにもならないし、有害で末期だなと感じます。


posted by 華陀 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月11日

東京漢方相談会のお知らせ

お店の宣伝です。
まごころ漢方は全国からの漢方相談をお受けしていますが、
特に関東の方が多いため、定期的に東京で漢方相談会を行っています。

漢方相談は都内の浜松町で行いますので、
関東方面で漢方相談を受けてみたいという方がいらっしゃいましたら、
ぜひ、ご予約ください。

ご相談当日は漢方薬はお渡しできません。病気などの相談のみです。
他で受けられた漢方相談での疑問や不安。

漢方薬の事だけでなく、
現在の病院の検査や治療、薬などの疑問や不安。
現在、飲まれている健康食品のことなど、

気になることは、なんでもご相談ください。
相談は無料で相談だけでもOKです。
事前の完全予約制です。

僕自身、元々、話好きなので、お気軽にお申し込みいただけたらと思います。

【日時】
・2017年 02/04(土) 11:10〜19:00(最終受付18:00)
・2016年 02/05(日) 09:00〜19:00(最終受付18:00)
・2016年 02/06(月) 14:30〜16:30(最終受付15:30) 
※いずれか、ご希望の「日」をお知らせください。予約可能時間枠をメールいたします。
そちらからお選びください。(相談時間は最長で50分位です)

【場所】
浜松町(詳しい場所は連絡をいただいた方にメールにてご連絡します)

ご希望の方は、こちらからご連絡ください。

(予約はコチラから)

(ネットでのご相談はコチラから)

ぜひ、お待ちしております。
※予約は一杯になり次第締め切ります。連絡を頂いた際には、
すでに予約がとれない状況もありますがご了承ください。
posted by 華陀 at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする