2017年09月29日

ツムラが国民を欺いた「漢方」の大嘘Vol.2について

・週刊新潮 2017年09月14日号 40P〜  こちらでは”医者が漢方薬を処方していても実はその医師自体は漢方薬や漢方医学理論のことには詳しくなくツムラが売らんがためにつくった病名マニュアルで漢方薬を処方している。”といったことが書かれていました。

この記事の内容にあるように実際に保険適応の漢方薬を処方しているほとんどの医者はメーカーのつくったマニュアルで処方しています。

こちらの記事では本来の漢方治療では漢方と何の接点もない西洋医学の病名で漢方薬を処方する道理はないということを ツムラが国民を欺いた「漢方」の大嘘Vol.1について に詳しく書きました。

この週刊新潮の記事は以下の第2弾も出ています。

・週刊新潮 2017年09月21日号 44P〜  こちらでは”ツムラがいかに自社の儲けのために本来の日本の漢方を歪めていったかが書かれています。
漢方薬が保険適応になった当時は漢方の講義は行われていなかったようで教習所がないのに車が売り出された状態と例えられています。

実は医大では漢方教育は行われておらず漢方薬を売っている当のツムラが教育していたことや、その勉強会に参加した際に本格的に漢方を行なっている先生がツムラの勉強会で講師をしていた大病院の副院長に鋭い質問(方証相対の事)を投げかたところ、講師の先生が口ごもってしまい(文面からは恥をかかせた感じ)、その後、質問した先生はツムラの社員に「なんてことをしてくれたんだ、漢方界で食えなくしてやるぞ」と脅されたらしいです。

この「方証相対」については、質問した漢方専門の先生もツムラの勉強会の講師である大病院の副院長もどっちもどっちだなと疑問に思うくだりです。

「方証相対」は難しい概念なので、また別で書きたいと思います。

その後、ツムラによって役に立たない漢方専門医という地位が認定制度によって作られたのですが、これは審査も実力もクソもなく要はツムラにお金を払えば認定医になれるという粗いものらしいです。

ツムラの営業にお金を払ってまかせておけば、事務手続きみたいな感じでなれるということが詳細に書かれていました。

ツムラは大学にも次々に自社の儲けを寄付して、寄附講座というものを設けていき、お金を巧みに使いながら医学界に侵食していったとのこと。”

ざっと記事の内容はこんな感じ。

ツムラが自社が儲けるための病名マニュアル漢方薬処方の普及のために自前の都合の良い勉強会を全国で展開し、その結果、歪んだ漢方自体が常識になってしまったのかもしれません。

現に今も、医者は西洋医学の病名だけで漢方薬を選ぶための本来の問診もとらず、体質も分析せずに何のおかしさも感じずにツムラの漢方薬を処方していると思います。

患者さんも「なぜ漢方薬を選ぶための問診をとらないのか?」「体質の説明なんて一言も聞いた事がないけど?」と思ったとしても、まさか「医者」が実は漢方独自の診断方法や治療の考え方など何も知らずにメーカーのマニュアルだけみて漢方薬を処方しているとは夢にも思わないでしょう。

しかし、現実は週刊新潮の記事にある通り、ド素人でもできる「病名のマニュアルだけみて漢方薬を処方する」という漢方的にみたらウソみたいなことを平気でやってます。

自分が実は知らないのに知っているように見せかけて、売ってるって・・・いいのでしょうか。
(ちなみにこのツムラのマニュアル、僕は持ってますので、うちの患者さんで見たい人いれば、見せますよ)

医者は「国民だけでなく僕もツムラに騙されたんだ!」っていうかもしれないですが、普通の感覚だったら、漢方と西洋医学は違うものって気づくと思うのです。

「西洋医学の病名と漢方薬は関係ないじゃないか!!」と医者自身がツムラに文句言ってもいいくらいです。

でも、そこはスルーで「ツムラ自前の勉強会で勉強しているぞ!」と言うかもしれません。
薬を売るためのメーカーであるツムラの勉強会にです。

実は僕は実際にツムラの漢方の勉強会に何度か潜り込んだことがあります。
言うまでもなく「〇〇の病気には□□の漢方薬を使います」と記事にあったように権威のありそうな先生が、話していて、それを聞きにきた医者が必死でメモってました。

それが終わるとると次はある漢方薬の成分が化学的にどんな成分が含まれているかを化学式や数値のデータで説明します。

西洋医学の病名漢方薬の科学成分もどっちも本来の漢方理論とは何の関係もないアサッテの方向の勉強会。

これに参加したからってどうなの?って感じ。

ちなみに僕自身は漢方専門店に修行に行って、毎日、毎日、実際の漢方治療をしながら、その臨床とともに勉強させてもらいました。

自論になりますが、漢方は机の上の勉強じゃなくスポーツや楽器と一緒で実地と理論を一緒に勉強しないといけないものだと思います。

ツムラの勉強会といっても毎日やってるわけではありません。
あっても3ヶ月に1度くらいでしょう。実際はそんなにもないんじゃないかな。
これが勉強?しかも、講義は漢方と関係のない病名と漢方薬マニュアルのこと、化学成分と漢方薬のこと。

ツムラでない他の漢方専門の勉強会にも参加していましたが、正直、どこも漢方の本を説明しているか、どこかの先生が治療した経験を語っているかです。

漢方の治療という考え方、診断方法、病名や症状を当てはめるようなものでない東洋医学的な選び方などを教えてくれる勉強会はなかったです。
それっぽいことはやってるのですが、なんというか、本のことばっかりやって、いかにも机上論なんです。

サッカーやサーフィン、ピアノやギターを本だけ読んでうまくなれ!みたいな感じです。

ツムラでないもう少し専門的な勉強会にしろ、そうそう回数はありません。
いろいろなところを探したって月2回、参加できたらいい方じゃないですか。

この手の勉強会って聞いている時はわかった風に思えるでのすが、実際の現場では「どうやって体質を診断するんだー」って感じ。
日本ってこういう試験ありきのような暗記型の方式が好きですね。
サプリの勉強会は毎週ありますけれど。

僕も実際に治療させてもらいながらの修行(勉強)でなければ、西洋医学の病名で漢方薬を処方していたかもしれません。

あッでも僕は医者じゃないので、医者のように何も突っ込まれずになんとなくで誤魔化して押し通せるオイシイ状況がつくれないから、漢方専門ですって宣伝して、病名だけ聞いて「はい、〇〇漢方薬」って医者と同じようにやってたら3ヶ月で潰れてますね。

人間の体を根本的に治すのに西洋医学でやっているような一時しのぎの西洋薬を処方する病名マニュアルの方法を「漢方薬」に振り替えただけで根本治療になると思うのはあまりに考えがお気楽すぎないかと思います。

根本治療がそんな甘いわけがない!
西洋医学が200年(新薬系の歴史)かけて、いろいろと科学の力も使い、結局、一時しのぎの対症療法の薬しかできなかったじゃないですか。

西洋医学においては根本治療は未だ何もできていないのです。
なのに「一時しのぎの治療方法で漢方薬を処方する」こんなおかしな方法はありません。

ツムラのつくった病名漢方マニュアル以前にその人のことを何も知らないで病名マニュアルと2,3の症状を聞いて漢方薬を処方し続けていれば、いつか根本的に治るとそんな簡単に思っているなら、それはちょっと・・・お花畑すぎやしませんかと思う。
posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする