2017年11月24日

サプリメントと漢方薬どっちがお得?

不妊症やアトピー、腸内環境や便秘などの問題、そして花粉症や高血圧など今、悩んでいる病気を治すためにたくさんの種類のサプリメントを飲んでいる人がいます。

また今、病気じゃないけど、漠然と免疫をアップしたいとか、ガン予防したいなどでサプリメントを飲んでいる人もいます。

うちで漢方治療する場合、基本的にはそれまで飲んでいたサプリメントはやめてもらっています。

なぜか?

それは意味がないから。

漢方薬局の中には、漢方相談と言いながら、その相談の中身は、ただいろいろなサプリメントを勧めているだけ。というところがあります。

漢方薬は生薬というもので構成されていますが、生薬を使っている商品だったら漢方薬ではありません。
漢方薬と説明しながら、実はある生薬をエキスにしただけという漢方もどきの健康食品は漢方薬局の中の商品に一杯あります。

これは、漢方薬の方がサプリメントよりも効果が高いとか、そういう問題ではなく、漢方薬を処方したら、それで「漢方」ではなく、漢方薬とサプリメント(漢方もどきの生薬サプリメント含む)との違いは、医学理論がしっかりとあるかどうかです。

言うまでもなくサプリメントには医学理論はありません。
効果などの研究データがあるじゃないかと思うかもしれないですが、あれは当のサプリを売っている会社が自分達で勝手に大学病院などにお金を出して良い効果のデータっぽいものを発表しているだけで公式のものではありません。

病院の薬は何十億円とかけて効果などを研究し、公式に効果が認められないと「薬」になれませんが、サプリメントは自分の会社のデータを勝手に出したもの勝ちで別に公式に認められなくても、そのデータを餌に販売できます。

本当は、そのサプリメントを売りたいと思っている当の会社が差し出した効果のデータを本物か偽物かを考えるのはあなた自身が考えなければいけません。

サプリメントの効果の研究データも病院の薬のような感じで、どんな有効成分があるのだとか、その有効成分にどんな科学的な効果があるのかの研究データとなり、考え方は病院の薬と同じですが、かけている研究費等は病院の薬と比べるとサプリメントは研究にお金をかけていないに等しいので、病院の薬の劣化版で廉価版ともいえます。

「あのサプリメントの効果は、こんなすごい大学の研究データがあるからすごいんだよ」みたいに話している人を見ると裏事情を知っている僕からすると「うわぁ〜しっかり騙されてるわ」と思います。

漢方薬も自然のものだから、副作用が少なく、それでいて効果があるので、サプリメントと近いようなイメージを持つ人が多いですが、全くの別物です。

先ほどもお話したように漢方は効果を比べるのではなく漢方には医学理論があります。
サプリメントは元々、医療的に治療目的で使うものではなく、いわば、ほとんどがただの食べ物。
医学理論は後からくっつけたような会社勝手なデータらしきものがあるだけ。

漢方は効果がどうとかではなく、漢方には体質診断や副作用に対する対応方法など、漢方薬を生かすための医学理論があります。

生薬をサプリメントにしているものとも違う点も正にここで、体質を診断し病的体質である証の調整方法を考えることが漢方の治療のミソであって、漢方薬自体の効果がどうたらこうたらと考えることではありません。

なので、生薬に血の巡りを促す効果があって・・・などは、漢方の医学理論に則っていないし、医学理論のない生薬は民間療法的なレベルで使うことになるので、その場合の生薬は漢方ではなく、ただのいい加減系サプリにもなりかねません。

うちでは、病院がやっているような漢方の医学理論を無視し自分たちの都合のよい病名マニュアルで漢方薬を処方するようなやり方はしていません。

漢方薬をできるだけ正しく使い、できるだけ本当の効果を引き出すために病的体質を分析、診断し、その病的体質をどう調整すれば治療できるか、東洋医学理論に則って治療方針を考え、最適な漢方薬を選んでいます。

効きそうな効果の漢方薬を選ぶのではなく、漢方は人それぞれの体質の分析から入らないと漢方治療として成立しません。

サプリメントはどんな体質の人に合うのか、そんな理論や情報は一切ないし、効果の研究も病院の薬と比べたら、ひどい劣化版で、その人の体質が良くなるのか?悪くなるのか?理論的に全くわからないので、よくわからないのであれば、お金を出してまで余計なことをする必要がなく、ゆえにうちで治療する場合は、サプリメントは全部やめてもらっても問題ないと言ってます。

またサプリメントは食べ物由来のものが多いので、だったら、食事を整えればいいだけです。
それができないからサプリなんだと言うのであれば、根本的な生活を改善できない人が根本的に治るわけがありません。所詮、付け焼き刃。

栄養素などはたくさん摂ったから良くなるわけでもなく、良くて体から無駄に捨ててるか、体質に合っていないものをたくさん摂って、より悪くなっていることもあります。

サプリメントは便利ですが、良いものかどうかは別です。ただ単に便利なだけですよ。

そうは言っても、もう一つ疑問が残ります。
では、漢方薬をサプリメントのように飲み続けてもいいのか?

答えはイエス!

しかし、条件があります。それは日々の体調に合わせた漢方薬を選ぶ必要があります。

漢方薬は栄養素ではなく薬ですので特定の効果が決まっている薬ではなく「病的体質を調整する薬」です。

ここでの病的というのは西洋医学の病気や病名ではありません。
特定の病気を診断されてなくても体のどこかに不調であれば、病的体質です。

漢方薬は大きな病気であろうと小さな1つの症状であろうと、その病的体質を調整して治療します。

漢方では病気を治すことと毎日の生活の中での不調や症状を治すこととは同じ治療方法です。
なので、体質をしっかり分析していれば、むしろ飲み続けたほうが、サプリメントのいるか、いらないかわからない栄養素の補給なんかよりも体のメンテナンス能力は段違いです。

病院のようなド素人でもできる病名マニュアル処方ではテキトーすぎて飲み続けるのはかえって危険ですが、体質を調整する目的での漢方薬なら飲み続けることができるし、サプリメントなんて目じゃないです。


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2017年11月17日

病院の薬と漢方薬の「副作用」という不都合な真実

病院の薬を続けたくないというのは誰でも思うところだと思います。
高齢の人で医療に対して無知で古臭い考えのままの人は「薬は治してくれるもの」と無条件に信じている人が多いようですが、今の若い人で普通の感覚の人はネットの情報のおかげもあるのか、病院の薬って無条件にいいものではないということは理解されているようです。

そういえば、医者の薬の処方の仕方をみていると、薬が「無条件に良い」的な感じに考えているように見えますが、医療の専門家でありながら、まさか薬に対して無知ではないと思うので、お金儲けのために無条件に薬は良いと信じているフリをしているのか、それとも、そのまさかで薬に対して実は無知だったりするのか・・・どっちに転んでも嫌ですね。

みんな病院の薬は嫌だと思います。
そして、その具体的な理由はなんでしょうか?

副作用があるから?
化学合成品だから?
効果が一時的でどうせ症状が再発するから?

多分、全部だと思いますが、今回は副作用のことを取り上げたいと思います。

「薬の副作用」
多分、あなたの感覚では「薬を飲んでいたら時々、運悪く起こる作用」と考えていません?
医療の専門家である医者も医療素人の方と同じようにそんな風に考えている節があります。

実は副作用というのは、もう一つのりっぱな効果なんです。

例えば鎮痛剤は@痛みを取る効果とA胃粘膜を荒らす効果の2つの効果があります。
鎮痛剤を飲んで胃痛などが起きれば、鎮痛剤はバッチリ効いているということ。

だから、鎮痛剤を処方する時は同時に胃腸薬も一緒に処方されますよね。

保険適応って安いからあまり深く考えずにお金を支払っていると思いますが、良く考えたら、これって変ですね。

治して欲しいとお願いしたら、鎮痛剤という商品を医者から提案されたわけですよ。
「治るのなら、それ頂戴!」となりますが、提案されたのは実は「痛みは取るけど胃を荒らす」という未完成の欠陥商品みたいなものだったのです。

おかしいと思うのはセット販売してくる胃腸薬が無料だったら納得いきますが、欠陥品を売っておいて、さらにそれをフォローするための胃腸薬という商品も買わせているところ。

普通の商品なら「イヤイヤ、そんな欠陥品はいらないから、痛みだけとるものをください!」となりますが、そうはいっても良い効果だけの薬なんてないのです。

抗菌剤とビオフェルミンのセットなんかもそうですね。
抗菌剤は悪い菌をやっつけるのではなく、菌を根絶やしにします。
菌は実は良いとか悪いとかなくて、僕らにとって「良い」という状態は簡単に説明すれば、良い菌と悪い菌と呼んでいるものが半々みたいな「バランスがとれている状態」が良いのです。

良い菌が多かったら良いではありません。
抗菌剤は悪いもクソも良い菌ごと殺しますから、腸内環境はバランスの崩れた最悪な状態になります。
そして下痢になるのですね。

だから、抗菌剤も2つの効果があります。
@悪い菌をやっつけてくれる。
A腸内菌を荒らして下痢になれる。

鎮痛剤や抗菌剤なんてまだマシですよ。
良い効果が1つと悪い効果が1つと1つずつで、胃腸薬やビオフェルミン(ビオフェルミンで下痢が簡単に治るのか疑問だが)などを被せて飲むくらいですが、なんとか悪い効果は消せます。

ステロイドなんて最悪。
@炎症反応を抑えるとA免疫抑制しアレルギー反応を抑える。の2つの良い効果に対して、10個位の悪い効果があります。
悪い効果は多すぎるので、またの機会に詳しく書きますね。

ついでに書くとAの作用はステロイドを長期間、使っていると免疫が低下して、言わばバリアのない丸裸状態になるので、菌やウィルスにやられやすく、自分の持っている日和見菌のバランスも崩れて、自爆感染みたいになりますので、Aの免疫抑制は良い効果でもあるし長期間使えば、悪い効果に変わります。

これだとステロイドは1個の良い作用に対して11個の悪い作用ですね。
たった1つの「かゆみ」を止めるために体をいろいろ犠牲にしすぎじゃね?って感じ。

残念ながら病院の薬は実はどれもトレードオフの商品なのです。
トレードオフというのは「一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態 byWiki」という意味。

難しい言い方をしましたが、要は「あちらを立てればこちらが立たず」というのが病院の薬の正体です。
シーソーゲーム。だから通院が長くなると、いつまで経っても治りません。

医療者側の薬の説明には、どの薬にも「薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。」という説明があります。

まるで株などの投資商品のような説明ですね。
「株などの投資は、かならずしも儲かるものではありません」みたいな。

薬はこういったものしか存在しないので薬が悪いというわけではなく、問題は医者の説明の仕方や印象のつけ方です。

副作用には「副」がついているから、なんとなく弱い方のたまに起こる一時的な作用のイメージになってしまっています。

しかし実際は悪い副作用だって、良い作用と同じくらいの強さの効果なんです。
薬の添付文書などの作用機序を薬理レベルでみればわかります。
だから、鎮痛剤の効果には「炎症と止める」だけでなく「胃を荒らす」ことも同じレベルで含まれます。

そこをしっかりと患者さんに誤解なきよう伝えるべきだと思います。

うちの患者さんで病院の薬が増えた人に対して問診をとった時に前よりもいろいろな不快な症状が増えていて「なんか最近、いろいろな症状が増えてきたのです。なぜでしょうか?」と聞かれました。

なぜって、病院の薬のもう一つの悪い効果がバッチリ効いているのですよ。
ステロイドを塗り続けていて、むくんでいるならバッチリ効いてますよ!

病院の薬はどれもこういったトレードオフのものです。

そして、この流れでいくと漢方薬は「安心してください。漢方薬は自然のもので副作用がありませんよ」的になると思いました?

違います。漢方薬だって良い効果と悪い効果があります。

体質と漢方薬によれば病院の薬よりシャレにならないくらい悪くなります。

漢方薬の副作用は、体質と漢方薬が合っていない場合。
これ、元々の体質診断が間違っているというパターンもありますよ。

実に単純に説明すれば、冷えている人に冷やす漢方薬を選んだ時は副作用的な悪い効果を発揮します。

この時に「普通、手足の冷えている人に冷やす漢方薬なんて選ばないだろ」と思うでしょ?

漢方の体質分析って、症状まんまで診るんじゃないのですよ。
手足の冷えも単純に寒証といって冷えとして診る時もあるし、同じ冷えを血の巡りが悪くなって起こっていて、しかも、その血の巡りの悪さは血熱といって血が余分な熱を持ったからと診る場合もあり、この場合は、足の冷えがあるのに冷やす漢方薬で治します。

症状も冷えだけでなく漢方は全身をみますから、この調子で「頭痛」やら「寝つきが悪い」など何十個の症状をみていきます。

だから、専門でやってる先生でも体質分析を見誤ることなんてめずらしくないです。
ちなみに保険適応の漢方薬なんて、病名あてはめるか、症状あてはめるか、朝のテレビ占いレベルみたいなことしかやってないので、良い効果も悪い効果もクソもありません。
処方している医者がわかってないですから。

漢方薬もトレードオフの薬です。
しかし病院の薬のような薬自体が欠陥品ではありません。漢方薬はよくできています。
漢方薬の場合は薬自体ではなく体質に対してのトレードオフです。

「温める漢方薬は冷やさないといけない体質の人には効かないし副作用になる」

漢方の潔いところは病院の薬のように「副」作用とかいって悪い効果を姑息に隠してません。
そもそも、陰陽の法則から「誰にでも良い効果があるものなんて、この世に存在しない」という考えなんです。

だから漢方では正式には副作用という概念はありません。
「ある体質が治った人の漢方薬は正反対の体質の人には合わない」という考えが常識なのです。

なので「私の漢方薬の副作用ってなんですか?」と聞かれることがありますが、病院の薬みたいに「胃痛になります」「下痢になります」なんてものはありません。

その人の体質と漢方薬が合っていないゆえの副作用が出るので「あなたの体質と、この漢方薬だったら、合っていない場合は、○○が考えられます」と同じ種類の漢方薬でも人によって出るかもしれない副作用も人それぞれなんですね。

もし「私の漢方薬の副作用ってなんですか?」って聞いて「あなたの体質であれば・・・」と言わずに「あっ、その漢方薬の副作用は・・・」と体質置き去りで説明しはじめたら、その先生は実は漢方ができないニセモノです。

病院の薬も漢方薬でさえも悪い効果がない薬はありません。
逆に悪い効果がないものがあれば、体を変化させることができないということなので、良い効果もありません。


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2017年11月09日

漢方の根本的な医学理論を無視した病院の漢方薬

僕が大尊敬している先生の著書の中で「漢方は正鵠を射ることが必要」というくだりがあります。

正鵠を射るとは弓で的の中心を射抜くことで、その様から急所や物事の要点を正確につく意味として使われている言葉です。

大先生は「漢方薬は人それぞれの体質に合わせて選ぶので、その人の持っている体質の的のど真ん中を射抜かないと治すことはできない」とおっしゃられています。

この話、かなり確信をついていると思ったのは、的を射抜かないといけないのは、もちろんなのですが、漢方は「治療の方意」という大きな方向性というものがあって東洋医学的な病的な体質である「証」の診断をちゃんとしていれば、的のど真ん中の100点に当たらなくても、80点とか、60点みたいなところに弓(漢方薬)が刺さることもあるのです。

この80点とか60点とはあくまで漢方薬を飲んでもらう前に「証」を診断しているから採点できるのであって、漢方薬を処方する先生が勝手に点数をつけるものではありません。

あくまで漢方薬を1ヶ月など飲んだ後に患者さんの体がどんな風に変化したか、証とその変化の成績をクロスして評価することによって点数をつけることができます。

よく誤解されますが、漢方薬と体質が合っていて治る場合、患者さん自身が気になっている症状が病院の薬を飲んだ時のように「いきなりなくなる」なんてことはないので、患者さんが気にしている症状がなくなるか、なくならないかのオンオフでは評価しません。

それだったら、0点か100点しかありませんよね。
それはただのギャンブルで知的に考えられた作業ではありません。

ギャンブルだったら誰でも適当にやろうと思えばできますが漢方はギャンブルではないのです。

漢方薬は体質に合わせますが「自分と他人の体質が違う」「人、それぞれ体質が違う」というのは何をもって分けられているのでしょうか。

簡単に言えば、人とは違った「情報量」です。

例えば、顔は客観的にみれば、目が2つ、鼻が1つ、口が1つ、耳が2つ、髪や頭、輪郭で構成されています。
これだけだと人間はみんな同じ顔のように思いますね。
ところが、実際は顔は人それぞれ違います。

では、実際は何が違うかというと、どのパーツも微妙な長さや大きさ、色などが変わって、無限に近いようなパータンにわかれていきます。

性格もそうですね。
性格診断に代表的なものが血液型診断。
A型は几帳面で、B型はわがままで、AB型は2重人格でO型は八方美人みたいなステレオタイプな性格診断があります。

もうちょっと、それぞれの血液型に性格を付け足したところで、どこかで聞いたようなステレオタイプな感じは変わりません。

では、この性格診断は正確なのか?というと、もし正確だったら、人間は4つの性格しかないことになります。

言うまでもなく、性格パターンがこんなに少ないわけがなく、実際は人それぞれ、みんな性格が違います。
これも無限に近いパターンがあります。

どちらも自分と他人を分けているのは、たくさんの情報量の違いです。

病院では西洋医学の病名で漢方薬を処方します。

漢方薬は2000年前に中国で発祥し治療方法として使われてきて、西洋医学は200年位前からヨーロッパやアメリカで今のような服薬の治療方法が使われてきています。歴史は一桁、違いますね。

両者には全く、つながりも共通点もありません。
つまり、今の病院が行なっている保険適応の漢方薬の方法は本来の漢方からすると間違った方法となります。

漢方の成り立ち、西洋医学の成り立ちから見ても西洋医学の病名と漢方が何の関係もないことは、十分にわかりますが、更に西洋医学の病名と漢方が関係ないことは先ほどの顔や性格の違いの話からもわかります。

あなただけの体質は顔や性格と同じです。
同じ体ですから。

顔や性格は人とは違うけど、体質はみんなと同じなんてことはありえません。

西洋医学の病名は、2,3の条件があてはまったら「○○病」という診断になります。
例えば、アトピーは「繰り返す湿疹」というたった1つの条件。
無月経は「月経が長期間、来ない」というたった1つの条件。
不妊症は「なかなか子供を授からない」というたった1つの条件。

つまり、病名で漢方薬を処方するということは「あなたと他人に体質の差はありません」と言ってるのと同じこと。

漢方治療の人それぞれの体質に合わせるという原理原則を根本から覆していますね。
血液型診断よりヒドイです。もはや素人レベル。

いや病名だけでなく2、3の症状もプラスして聞いているという医者も、ごくごくわずかにはいます。

でも、残念ながら症状も他人と分ける、あなただけの体質ではありません。
症状もさっきの顔のパーツと同じで、人間は誰しも似通ったような症状を持っているのです。

女性なら「足が冷える、月経痛がある、お腹が冷える、頭痛がする」なんて、誰でもあります。

症状も「あるか?ないか?」ではなく症状と症状の関連、症状が起こる時の条件、複数の症状が起こってきた順序、それに生活スタイルや精神状態をミックスして、その人、独自の「病的体質である証」が分液できて選ぶべき漢方薬を考えることができます。

無月経の人を漢方薬で治療するのに「長期間、月経がない」というたった1つの情報だけでは人とは違う体質を分析できるわけもなく、そこにほとんどの女性が感じているような「足が冷える、月経痛がある、お腹が冷える、頭痛がする」という症状を付け加えたところで、あなたと他人をわける体質の差を見出すことなんてできません。

逆からみれば子供のアトピーも30代の3年キャリアの男性のアトピーも生まれてから20年以上続く女性のアトピーも全部、同じ体質ということになります。そんなわけないですね。

情報のない状態(病名)で漢方薬を処方するのは、あてずっぽうで処方しているだけで、漢方薬の本来の効果を発揮させることはないので、体質と合っていない時に起こる静かな副作用におびえつつ、いつか治るかもしれないという幻想に近いラッキーを待つしかありません。

漢方薬を選ぶのは始めて合った人の性格をできるだけ正確にあてないといけないようなものです。
知識はもちろんのこと、それなりの相談時間、鋭い観察力や洞察力、分析力が必要です。

「マニュアルに書いてあるから、この漢方薬だー」なんてバカみたいな医学ではないのです。

医者は病名と症状という情報量の少ないマニュアルだけをあてはめて、病気が治せるって本気で思っているなら、お金が目的でなければ、どんな頭をしてるのか不思議です。


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2017年11月02日

どのサプリメントや漢方薬が良いのかわからない

サプリメントの話になるとかならず出てくる質問があります。

「サプリメントってどれも良い効果があることを宣伝していますが、本当はどれがいいものなんですか?」

気になるところですよね。
山のようにサプリメントってあり、どのサプリメントも「このサプリメントはこんなに良い効果があります!!」と宣伝しています。

こんな記事がありました。

チョコレートにまつわる研究が続々と発表される理由

記事の内容を要約するとチョコレートが体にいいという論文が定期的に発表されるのは、米食品大手会社のMarsが何十年にもわたりチョコレートの研究に資金提供してきたことによるもので、資金提供が豊富だと、研究する人も多くなり、研究論文も多くなります。

そして中には良い結果も出ます。
もちろん、良くない結果なんかも出ます。
しかし、発表の際には良い結果だけを選んで発表すればよいだけで、研究数が多ければ、発表の機会も多くなり、良い効果みたいなのばかりが目立つようになるというカラクリといったような内容。

この話はそのままサプリメントにもあてはまります。
サプリメントの場合はサプリメントを販売している会社などが自主的に宣伝のために大学病院などに要はお金で頼んで研究していもらいます。

実は僕も昔、サプリメントを原料から販売まで携わったことがあるので裏を知っています。

そしてこの記事のチョコレートと同じで、例え、悪い研究結果が出ても発表しなければいいのです。

どこの世界に副作用のような悪い作用を発表するバカがいるでしょうか?

良い効果だけを発表し、良い効果しかないように宣伝すればいいのです。

だからサプリメントは怪しいというオチではありません。

一般的にはサプリメントの販売会社は、こんなことを平気でやってるので、なんかすごそうな大学病院の研究結果があったって当てになりませんが実はそこはサプリメント業界では当たり前の話で重要なのはそこではありません。

サプリメントは食べ物由来のものをエキス化しています。
そして、食べ物でどれが良くて、どれが悪いなんてものはありません。
体に悪かったら食べてないですから。

どれも良いものだし、どれも悪いものにもなります。

研究で発見された「◯◯効果」なんてどうでもいいのです。
食べ物は本気で研究すれば、どれも良い成分、良い効果があります。
だから、良いサプリメントを飲みたいのであれば、世界中のサプリメント全部を飲めばいいのです。

でも食べ物もサプリメントも悪い効果もあるともいえます。

なぜ、良い効果とも悪い効果とも言えるのでしょうか?

それは、今のあなたの「体質」と「タイミング」に合っているかどうかが最も重要だからです。
それと「バランス」
この3つが欠けると良いものが悪いものに変わります。

スイカが夏にできるのは偶然ではありません。
東洋医学では食べ物には食性というものがあって、スイカは性質が「寒」といって強烈に冷やします。

効果は潤、降といって気や熱を下ろし、水の巡りをこれまた強烈に促します。

なので、暑さで余分な熱がこもり水分を多く取り水分が貯まりがちな夏に食べます。
タイミングは夏です。
そして、夏だったら誰でも食べていいのかというと冷やす性質あるので冷え性の人や潤す性質があるので花粉症などで鼻水などが多い水滞証の人、こういった利水や清熱作用が体に負担になる疲れやすく気が下がっている人には毒になります。

「タイミング」と「体質」を分析して、食べることが適切なのかどうかを考えないといけません。
ビタミンが・・・ミネラルが・・・有効成分が・・・なんてどうでもいいんです。
だって、そんなの調べたら食べ物はどれにもいいものが含まれていますので。

「タイミング」も「体質」も見ないで食べるなら、どれでもいいですよ。
どれもそれなりにビタミンもミネラルも有効成分も入ってますので。

これはスイカに限らずセサミンなんかで有名なゴマなど、どの食べ物、サプリメントも同じです。
ちなみに食べ物はそれほど強く体質を選びませんが、例えば、スッポンなどの生薬由来のものになってくるとかなり、ちゃんと体質に合わせないといけないので、自分の体質がわからずに飲むということは場合によっては毒薬をせっせと飲んでいることになることもあります。

そして「バランス」です。
言うまでもないですね。サプリメントはエキス化して吸収を良くし大量の有効成分をとれることを宣伝していますが、例えば、毎日、ゴマだけ大量に食べているのってどう思います?

日本人なら感覚的にダメなのがわかりますよね。
ビタミン、ミネラルや有効成分だけで元気になるなら、料理なんて概念は生まれていません。
何か特定の単体のものだけを食べてきていますよね。

料理はいろいろなものがとれて、尚且つおいしくいただけるようになっている素晴らしいものなのです。

つまり、食べ物は全部いいものなので何でも食べないとダメ。
偏った食事は体を悪くします。形はそう見えないですがサプリメントは偏った食事、偏った栄養素です。

偏った食事の人が不足した栄養素を補うためにサプリメントを飲む。
偏った食事の人が更に偏った食事をするわけです。こんな間抜けな話はありません。

どのサプリメントがいいかどうかよりも必要なのは適正なものを選ぶ分析力です。

@自分はどんな体質でどんなものが合うのか?
Aどのタイミング(季節など)でそれをとるのが良いのか?
Bバランスがとれているのか?

この3つの条件を考えないのであれば、どうせ適当なのでサプリメントはどれを飲んでもいいと思います。どれも良くてどれも悪いので。

漢方薬は薬膳からつながる食べ物のようなものです。
医者は漢方薬をサプリメントのように有効成分やそれすらも考えずにマニュアルだけを当てはめて処方しますが、漢方薬も「体質」「タイミング」「バランス」を考えて必要で最適なものを選びます。
病名や症状では選びません。
漢方薬も有効成分は何の関係もないです。

僕的には証で選んだ適切な漢方薬とバランスの良い食事が結局、最強だと思います。
サプリメントは手軽ですが健康にはなれません。
「健康っぽく」なるだけです。


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