例えば、生姜がからだを温めてくれるといわれているのは、生姜の中のジンゲロールがよいとか。
ゴマが抗酸化作用をもっているといわれているのは、ゴマの中のゴマリグナンがよいとか。
食べ物というより、その食べ物の中の成分がよいと言っています。
ゴマ自体がからだによいというよりは、ゴマリグナンに抗酸化がある。ということですね。
それ以外の成分もいろいろとあるのですが、そこは無視!です。
これは、栄養学や西洋医学の薬の発想からきている考え方です。
薬はそういった成分を抽出したり成分だけをつくりだすことによって、食べ物とは比べ物にならない位の作用をもったものを開発します。
サプリメントもこれと考え方は一緒ですね。
ある食べ物によい成分があるので、それを大量にとるためにエキスの錠剤などにして飲みます。
ここで注意していただきたいのは漢方薬は、そういった「食べ物の中にある成分が体によいという考え方ではない!」ということ。
そもそも、漢方では、何かの成分に効果があるといった考え方自体がありません。
西洋医学とは、元の考え方が違うので。
漢方では、食べ物の場合も全体の性質を考えます。
冷やしたり温めたりする性質のもの。
気を上げたり下げたりする性質のもの。
気や水、血をからだから漏れ出ないよう集める性質のもの。
逆にそれらを発散させて、からだに余分にたまらないようにするもの。
乾燥を潤したり、逆に余分な水を乾かしたりするもの。
そして、どの影響も与えない平らな平のもの。
寒熱、昇降、収散、潤燥(軟堅)という4グループ、8種類の性質が1つの食べ物に組み合わさっています。
それに帰経といって五臓六腑とよばれる肝、心、脾、肺、腎のどれに配当されるかも決まっています。
これらの要素すべてが食べ物の性質です。
例えば、先ほどの生姜なら微温、昇、散、肺、脾、胃、辛という性質。
発散と温める性質なので、高血圧でのぼせや頭痛のある人には毒になります。
つまり、漢方では平という性質だけが、誰でも食べてもよいものとなり、冷やすものを食べて良いのは、からだに余分な熱のある人。
温めるものを食べて良いのは身体が冷えている人です。
食べ物は漢方薬を選ぶ時ほど、あなたの体質を分析する必要はありませんが、サプリメントのようにエキスとして大量に飲みつづける場合は、体質とあっているものかどうかを考えたほうがいいでしょう。
こういった漢方の法則からいくと漢方では、からだに良い食べ物を知るには、「自分の体質がどうなのか?」をまず知る必要がありますね。
自分の体質のタイプがわからないのに、自分に体とって良い食べ物は見つけられません。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉