2012年10月09日

本物の漢方と偽物の漢方

このブログでは、よく病院の漢方薬の選び方は偽物だとか、漢方薬局の大半が漢方薬の選び方をわかっていないとか言ってます。

この記事から読んだ人は、「あんた、何様のつもりなんだ」と言われそうなので、なぜそう考えるのかを理論的に詳しく説明したいと思います。

ここで理論を説明する前に漢方というか僕の治療の考え方を先に知っておいてもらいたいです。

最も大事なのは、漢方だろうが、西洋医学だろうが、治らないと意味がないということです。
逆に言えば、すごく漢方に詳しく、理論的にも何の矛盾がなくても、治らなければ何の意味もないと考えています。実践が最も大事、そしてそれを支える理論ですね。この両輪が必要です。


さて、僕が、ブログで「偽物漢方」と呼んでいるのは、

@「漢方の問診」をとらずに病名だけで選ぶ漢方薬。(病院・薬局)

A症状だけをあてはめて選ぶ漢方薬。(病院・薬局)

B体質の説明ではなく、五行や東洋医学理論の概念の説明をして、すすめる漢方薬。(薬局)

C「●●の人によい」みたいな勝手に買わせる漢方薬。(ドラッグ・ネットショップ)


ざっくりと4つです。

この4つの方法には、共通したことがあります。

それは、どれも「体質をみていない」ことです。

ここで偽物漢方と本物漢方の定義を考えてみましょう。

例えば、病院の診断や治療は「西洋医学の理論」をもとに行われます。
そのために6年間、医学知識を身につけて医者になるのですね。

まさか、医者が自分で勝手に考えた医学理論や東洋医学の考え方で診断し、西洋のお薬を処方するような、そんなチグハグなことはしないでしょう。そんな勝手な診断をしたらヘタしたら医師法違反か何かで捕まるかもしれません。

漢方も漢方薬を選ぶ際には、東洋医学の理論で体質を判断し、それに見合った漢方薬を選びます。

ところが、本格的な漢方をしていない病院は、西洋医学の診断や病名に勝手に漢方薬をあてはめて選びます。

東洋医学と西洋医学は、発達した地域も歴史も全然違うので、共通点なんて何1つありません。しかも西洋医学の病気という概念は漢方の理論が確立してから1800年後につくられているのです。

たまに医者で、西洋医学でいろいろな事がわかってきたので、漢方でも現在の病気にあてはめても良い、と大きな勘違いをしている先生がいらっしゃいますが、これこそ、漢方の理論がわかっていない意見です。

東洋医学理論を勉強すれば、元の考え方やルールが違うことがわかります。
この例えが適切かわかりませんが、「野球とサッカーは同じ球技だ。だからサッカーの考え方で野球はできる」と言っているようなもので、むちゃくちゃです。

僕は、外科医に西洋医学を教えてもらいましたし、プログラムなども好きなので、どちらかというと科学的、論理的思考なので、西洋医学は好きです。

体質を考える時も現在、診断されている病名やその病気の西洋医学的病理を参考にします。
しかし、それは、「あくまで参考にするだけ」です。

病院にかかっていて、病名がはっきりしているからといって、病名で漢方は選びません。
だって、病名は体質を現していませんから。

例え、病名で考えることがあっても、まずは、「基本の漢方の診断方法で漢方的な体質を判断」した上でそれに西洋医学の病名を加味して考えるというのが正しい考え方だと思います。

ということで、偽物漢方か本物漢方かの定義は、

「ちゃんと漢方の理論に基づいて漢方薬を選んでいるかどうか」
だと考えます。

僕は、病院の方向けのツムラの勉強会に何回か参加しました。
そこでみた感じでは、病院の先生は明らかに○○病に○○漢方薬というパターンを勉強?しているだけで漢方理論のことは一切勉強していませんでした。

また、講演の後の先生方の質問を聞いていれば素人同然の質問をしていて、患者さんとの違いは、マニュアルを持っているか持っていないくらいしかありません。

ところが、そんな先生方の病院のホームページを見ると、どっかの教科書からパクッってきたような難しい漢方の理論の事が書いてあるのです。
だから、そういった誤摩化しをする病院は偽物漢方だと思います。

症状をあてはめて漢方薬を選ぶことも厳密には間違いです。
漢方は症状をあてはめるのではなく、症状から漢方的な体質を考え、その体質に合わせるのです。

漢方を少ししか、かじった事のない人は、自分が知っている漢方薬が少ないので、症状をあてはめていけば、少ない種類の漢方薬の中から選ぶ事ができます。

でも知っている漢方薬が数百種類になってくると、症状だけで見ると似ている漢方薬がたくさんあるのです。

また、すべての症状があてはまることは、滅多にありません。
ある症状はあてはまっても、ある症状はあてはまらない。
それは、違う漢方薬でも言えることで、さっきとあてはまる症状とあてはまらない症状が違ってくるだけです。

そうなると、どの漢方薬も「当てはまる症状と当てはまらない症状がある」という状態になってどれも選べません。

だから、症状を参考に病理を考え、体質を考えるのですね。
症状だけで選ぶのは偽物です。

漢方の五行論や自然理論みたいな説明をして、「だから漢方薬は身体にいいのです」などの営業トークで説得して漢方薬をすすめているお店がありますが、これは論外ですね。

病名や症状で選ぶ努力すらしていません。
ただ、漢方薬を物として販売しているだけですね。

ドラッグやネットショップなどの自分でセルフで買う漢方薬。
これは今までの説明で言うまでもないですね。

漢方は体質をみなけければ意味がありません。

漢方薬で儲けたいメーカーが考えた「冷えによい!」などの宣伝文句はメーカーサイドの宣伝なだけで、自分の体質にあっているかどうかは別問題です。

自分でセルフで購入する場合は少なくとも、病名、症状を当てはめるのでない、体質を判断できる人しか意味がないです。
もちろん、たまたま、当たることがあると思いますが、それではラッキーかどうかの運だめしになりますね。

ちなみに僕は、自分で体質を判断できますが、ドラッグやネットショップなどの安い漢方薬は買いませんし、扱いません。
だって、吉野家の牛肉が最高級だと思っていないのと一緒で、激安でいい物なわけないですから。

ということで、僕が考える偽物漢方と本物漢方の違いは、単純です。

「漢方の医学理論にのっとって病理を考え、体質を判断し、それにあわせた漢方薬を選ぶ」
またできたら「その上で、西洋医学の検査数値や病名、新薬の服薬も考慮する」

のが本物で、それ以外のなんとか簡単に漢方薬を売ろうとするのは偽物ですね。




posted by 華陀 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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