2013年02月20日

体質にあった漢方薬の探し方

漢方薬は体質に合わせて選ぶといわれていますね。

では、体質に合わせるとはなんぞや?ですね。

厚生労働省監修の「一般用漢方処方の手引き」の序文には、「漢方薬は漢方治療の原則に基づいて、証にしたがって、使用すべきものであり、その使い方を誤れば十分な効果は期待できない」というようなことが書いてあります。

また、医者が使う「ツムラ医療用漢方製剤」というマニュアルには、医療用漢方製剤の「適正使用」に基づく重要な注意にあるように「患者の証を考慮して投与すること」。効能・効果、使用上の注意は補助的な情報です。とあります。

どちらにも漢方薬は「証」に合わせて使用することとなっています。

ところが、ほとんどの病院はこの「証」を考えずに勝手に「病名」で漢方薬を処方しています。
補助的な参照に留めることと書いてあるにも関わらず効果は何かを考えて処方します。

「証」というのは「病名」ではありません。

「病名」は西洋医学の理論や検査方法にのっとって診断されるもので、
「証」とは東洋医学の理論や分析方法にのっとって診断されるものです。

そう、「証」とは体質とも言えるし、日本漢方では体質を構成する1つの要素ともいえます。
また、「証」は「あかし」でもあるので、自分が患者さんに選んだ、ある漢方薬の「根拠」でもあります。

体質にあわせた漢方薬というのは、体質である「証」を導き出し、その体質と判断したという「根拠」を出して、その理論にのっとって選んだ漢方薬ということですね。

ちょっと、ややこしい。

よーするに「体質=証」「体質≠病名」です。

じゃあ、あなたに最適な漢方薬を選ぶために、まず体質を導き出すには、どうすればいいのか?

それは、自覚症状や現在のあなたを取り巻く環境、過去の病気、家族の病気、食生活などをお聞き、症状などのいろいろなことをたくさんお聞きします。

いろいろな症状が情報として出てきたら、今度は、東洋医学の証(体質)を整理する理論に基づいて分析していくのですね。

ここで、誤解している先生がいますが、いろいろな症状を漢方薬のマニュアル見ながら、あてはめるのではありません。

「葛根湯は頭痛、発熱があって肩が凝っていて・・・だから葛根湯!」ってバカ。
そんな風に当てはめるではないのですね。

バラバラな自覚症状などの情報を整理し分析するのです。

そして、あなた特有の体質を判断します。

これで終わりじゃないですよ。

次に「証(あかし)」を立てないといけません。
それは、なぜ、その体質だと判断したかという根拠を説明できるようにしなくてはいけません。

それは具体的な根拠が必要です。

例えば、ニキビやアトピーで悩んでいる方の体質が、上焦の熱証、水毒証と判断したら、その状態を全部を中和し元に調整する漢方薬を原則は【1つ】選びます。
(体質によっては1〜3の体質が重なっていて2種類くらいの漢方薬を使うこともあります)

上焦の熱証は肺から上に熱がくすぶっている状態を示しますが、これをよくしていくには、熱を発散させるか、熱を身体の下へ降ろしていくか、冷やすかといった方法をとります。

水毒証は水の巡りが、うまくいっていない状態です。
身体の表面にたまっているなら表面の水を取り除く、下半身に溜まっているなら、腎に誘導する。
腎自体の水分代謝機能が弱っているなら、腎の機能を高めるなどをします。

根拠は更に具体的にする必要があります。

それは、どういう症状がどう変わっていくと判断しているのか?
ニキビの赤みがひいてくるとか、夜のオシッコがなくなり、昼間に何回か増えてくるとか、のぼせ感がなくなり、新たなニキビができなくなるとか。

それが、次回に飲み終わった時にどうなっているか、確認し、そのまま、今の漢方薬を続けるか、変方(漢方薬の種類を変更する)するかの【根拠】にします。

病院の薬は基本、1つの症状を抑えるようにできています。
また、体質の分析もなにも関係なく、はじめから、どんな効果なのかが決まっています。
1つの症状がなくなるか、なくならないかのみ。
だから、未来の変化を推測する必要はないです。

効くか、効かないかだけですから。

しかも、その効くか、効かないかは医者が推測するのではなく、発売される前に製薬会社が臨床(実験みたないもの)を行って、どんな効果を決めて、それを厚生省が認めて、その後に使っているのですね。

ところが、漢方薬はあらかじめ効果が決まっていません。
また、同じ漢方薬でも使う人の体質によって、効果も変わってきます。

なので、一人、一人の証である根拠を立てないといけないのですね。

この「証」をたて「証」にしたがって漢方薬を選ぶ漢方薬は絶対ではありません。
根拠があって、理論的に説明されたら、それが合ってるんじゃないかと考えがちですが・・・

あくまで漢方は、治った時が結果的に漢方薬が体質に合っていたと判断できます。

だから、病院のお薬のように「この薬は●●の効果があって・・」というのは事前には成り立たないのです。

この原則は、いくら世界一の漢方の腕をもっていても同じです。
あくまで結果。

だから結果がよかったか、どうかを確認するために「証」(根拠)が必要なのです。

だって、仮に「病名で選んだ」(漢方理論からはあり得ませんが)ということが根拠だったら、その漢方薬が合っているかどうかを確認するためには、「病気が治ったかどうか?」という曖昧で適当な確認方法になるので、症状に変化がなかろうが「飲み続ける」と選択肢しかなくなりますから。

うちでは、患者さんが、漢方薬を変更した時に普通にこう聞かれます。

「今度の漢方薬は、合っていたら症状がどうなります? また合っていなかったら、症状がどうなりますか?」

当然、「証」を考えてから漢方薬をお渡ししているので、
「合っていたらこうなる」「合っていなかったらこうなる」と説明し、できれば変化に注意して教えてくださいとお願いしています。

だから、患者さん側も漢方薬を飲んでいても不安な場合は、処方してくれた先生に、「証」(どんな漢方的体質と判断したか?)、「証」(その体質を判断した根拠は?)の2つの「証」を聞いてください。

根拠がしっかりしていたら、次回の治療につながります。




posted by 華陀 at 16:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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