2013年03月11日

漢方薬の効果を解明してみる「漢方薬編」

前回の西洋医学のお薬の役割をふまえて今回の話を読んでみてください。

漢方薬の効果を解明してみる「西洋医学の薬偏」

では、漢方薬の効果は・・・。

【一般的】には漢方薬の根底にある治療効果の考え方は西洋医学と同じように考えられています。
これは、一般の人に限らず、現時点で漢方薬を処方している医者や薬剤師の大半の先生も勘違いして同じように考えています。

「何かの漢方薬は、西洋医学的な何かの効果がある」と。

ひどい先生になると西洋医学の薬の「自然版」みたいな、かるーいノリで考えている人もいます。

当帰芍薬散は黄体ホルモンを活性化させる。とか、
消風散はアトピーを治すとか。

これは、漢方薬を西洋医学的に考えた、勝手な理屈です。
こんな考え方は漢方にはありません。
当たり前ですね。漢方は2千年前にその理論が確立し、西洋医学はまだ200年くらいしか経ってないのですから。

漢方は西洋医学から、さかのぼる1800年前に西洋医学が起こった場所とは全く違う場所で、すでに東洋医学として【確立】していました。

その時に【未完成】だったわけではなく、1つの医学体系として確立していたので、今さら西洋医学から分析される必要はないのですね。

なのに現在のほとんどの病院や薬局が「西洋医学から漢方薬の使い方を考える」という、意味不明な考えで漢方薬を処方されています。

ま、この考えは漢方薬を保険適応にする際に医薬品扱いにする過程で漢方を無理矢理、西洋医学と同じ法律的な扱いにしようとした無理が治療のところまで及んでしまったのですが。

言うまでもなく、漢方薬を使う時は西洋医学で考えるのではなく、東洋医学の理屈にのっとって考えます。

漢方薬は、あらかじめ効果が決まっていません。
西洋医学は病名が一緒なら、その薬の効果は同じように効く?はずですが、漢方薬は、体質にあわせるので、病名が同じ人でも細かく体質をみていくと全く違うタイプかもしれません。

漢方薬は病名で合わせると効くか効かないかはわかりません。

例えば、アトピーの人でもジュクジュクするタイプと乾燥で出血するタイプにわかれるように。

ジュクジュクしている人は水毒系の余分な水を抜いていく漢方薬が必要になりますが、乾燥している人は、水を抜かないで、むしろ補充して潤さないといけません。

つまり、アトピーという同じ病名でも体質は正反対。
漢方薬も正反対のものを使うのです。

病名だけで合わせて、みんなに同じ漢方薬は使っていたら・・・
正反対の体質の人は逆にひどくなります。

西洋医学の【病名】は参考にはなりますが、漢方薬を選ぶ決定的な【情報】にはならないのですね。

ちなみにツムラの漢方薬のマニュアルや漢方系の雑誌、セルフで購入するような漢方薬の箱の説明などには「●●病に効く漢方薬」のように書いてありますが、病名とは直接は関係ないので、あれも医薬品の法律上そうしているだけで漢方の理論とは全く関係ないです。

ただ、伝統漢方をしている僕らもある程度、その人の病名から、その病気でよく使われてきた漢方薬のグループを候補として考えます(候補は1つの病気で30種類くらい考えられる)が、

昔、師匠に言われたのは、
「漢方は体質にあわせるのだから、原則はすべての漢方薬が候補になると考えなければいけない」と言われたのを思いだします。

実際は、500種類以上の候補の漢方薬を常時、考えるわけにはいかないので、その病気でよく使われる処方グループ30種類位の中から、体質的な分析を細かくしていって、絞り込んでいきます。

候補を考える時に病院のように病名マニュアルで2種類の漢方薬から選ぶのと、体質を分析しながら30種類の漢方薬から選ぶのとでは、おのずと精度は変わりますね。
だって、みんな、体質は違いますから。

まさか、26歳の不妊症の人と40歳の不妊症の人が全く一緒の体質だ!なんて考える人いませんよね。

漢方薬はあらかじめ、効果もどんな病気に使うかも決まっていません。
だから、毎回、問診をして体質を分析し、その体質を調整する漢方薬を選んでいくのです。

この時に西洋医学の薬と決定的に違う要素があります。

西洋医学のお薬は、あらかじめ効果が決まっています。
だから「それを飲めば治るはず」なんです。

漢方薬は、
「治ればその漢方薬が合っていた」という結果論。
西洋医学と考えが逆ですね。

世界一の腕をもっている漢方医でもこの法則からは逃れられません。
治る前から合っている漢方薬がわかることはあり得ません。

たまに、この漢方の原則を知らない医者などが、処方した漢方薬でうまくいかなかった時に患者さんに「おかしいな治るはずなんだけど・・・」と言ったりすることがあるようですが、これは間違いですね。

西洋医学とは違い、あらかじめ働きや効果が決まっていませんので、
この場合は「選んだ先生の腕が悪かった」ということです。

だって、合っていれば治っているので、合っていないのは治っていない。ということ。

単純な答えですね。

一般の方には、なかなか難しい感覚かもしれませんが、漢方で治療する場合は、西洋医学的な考えは一旦おいて、新しい感覚で望まないとうまくいかないかもしれません。

実は漢方薬は「効果」の内容もはっきりと決まっていません。
漢方薬の効果の考え方はまた今度にでも。

posted by 華陀 at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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