2013年04月09日

医者ですら誤解している漢方薬の効果を解明してみる

漢方薬を飲み始めるにあたって気になるのは、その効果ですね。

みんな、西洋医学の考え方が無意識にベースになっているので、病院の薬と同じように何か決まった効果があるのではないかと思い、こういった質問をされます。

しかし、この効果というのがクセモノで、漢方薬には、病院の薬のような感覚の効果はありません。

みんなが思っているのは、病院の薬のような●●成分が、どこの臓器にどう効くのか?みたいなことを期待されていることが多いです。

病院の薬に限らず、サプリメントも●●成分が●●の働きをして・・・と言ったような効果の説明が多いので、漢方薬も同じように考えてしまうのでしょう。

しかーし!漢方薬の効果というのは、そういったものではありません。

漢方薬は同じ種類の処方でも、合わせる体質によって効果が異なります。

あっ、ここでちょっと注意していただきたいことがあります。
漢方には、現在3つの大きな流派があります。

1つは、ほとんどの病院や薬局がやっている流派である中医学。
近代中国医学とも言えます。

2つ目は、古方。
2千年前からの伝統的な東洋医学理論にのっとって行う治療です。

3つ目は日本漢方。
僕がやってる流派です。
ベースは古方で、それにプラス日本独特の風土や気候、気質を考えて、日本人のために考えだされた医学です。これは古方とは仲間で、日本漢方も伝統的漢方と言えます。

中医学は、一度、伝統的漢方がなくなり、その後、学校教育用につくられた医学で、まだ何十年の歴史です。

東洋医学の理論もその時に近代的なものに作り替えられたので、漢方薬の効果などの説明や考え方は西洋医学的です。

なので、この記事でいってる漢方薬の効果のお話は、中医学は関係ないです。

話が、かなーーーり、横道にそれましたが、漢方では、1つの漢方薬の効果が、どんな体質の人でも共通しているということはないです。

漢方薬は複数の生薬で構成されています。

例えば「葛根湯」なら「葛根」「麻黄」「桂枝」「芍薬」「大棗」「甘草」「生姜」の7種類。

7種類の生薬は、みんなそれぞれ効果が違います。
おまけに組み合わせによっても効果が変わってきます。
もひとつ、おまけに1つずつの生薬の時は効果が違いますが、それらが合わさった全体の効果も変わります。

その効果を、僕は1つずつの生薬の効果を配分しながら考えるときもあるし、それらが合わさった組み合わせの効果で見る時もあるし、全体が合わさった、総合的な効果で見る時もあります。

効果の捉え方は、体質によって考えます。

葛根湯は、基本の東洋医学的な効果が「発表させる」「表寒を温める」「表の実証に対応する」「脾胃の熱証を清熱する」(総合的な効果です。他に生薬単位や生薬の組み合わせ単位の効果もあります)

この基本効果がありますが、これはどんな人にも、この効果ではないです。
(ここは簡単に説明できません。基本効果が合わせる体質によって変わると考えてください)

「発表」させる効果とは、汗などで病邪を発散させる働き。

「表寒を温める」というのは、身体表面を温める働きです。これには、ただ温めるというだけでなく、温めることによって滞っている体表の水や血を巡らせるという働きも含まれます。

「表の実証に対応する」というのは、実という病邪をつぶしたり、通したりして、身体の表面の緊張を解いていくというものです。
厳密には違いますが、これを理解しようと思ったら、漢方理論の虚実を理解していないといけないので、今回は簡単に説明します。

「脾胃の熱証を清熱する」とは、消化器内にたまった熱をとりさっていくというものです。

基本的効果はこんな感じです。
どうでしょうか?これが漢方薬の効果です。
漢方は東洋医学の理論で使われていて、西洋医学とは一切関係がないので、実際の効果の説明はこんな感じになるのですね。

不妊治療の病院で当帰芍薬散はホルモンを活性化させるとか、補中益気湯が精子の運動率を上げるとか漢方と関係のないワケのわからないことを説明している医者がいますが、あれは、その漢方薬と体質がたまたま合った人の「結果」がそうなったというだけで、漢方薬の効果ではありません。

それぞれの漢方薬はグループごとに別れていて、同グループの漢方薬は先ほどのような基本的な効果が、どれも似通っています。

漢方薬ごとに効果が全く変わっていくわけではないのですね。

なので、複数ある効果の微妙な特徴の差をみながら体質と合わせていきます。ま、この話はかなり高度な戦略理論になってくるので、全ての効果で治していくわけじゃないと思ってください。

先ほどの基本的な効果は同時に、その体質を現しています。

だから、漢方薬の効果は誰にでも平等に同じ効果ではなく、その効果に合う体質であれば、効果として働くということです。

ややこしいですが、要するにさっきの葛根湯の効果は、葛根湯の合う体質でなかった場合、「効果はなし」です。

漢方薬の効果は、「体質と合えば」という前提がかならずつきますよ。




posted by 華陀 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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