2013年04月18日

脈診、舌診、実はわからずにやってない?

漢方をちょっと、知ってる人なら、脈診とか舌診って知ってますよね。

脈診は脈をみて、漢方的な体質を探ります。
舌診は舌をみて、漢方的な体質を探ります。

うちは、慢性病の患者さんでは、どちらもやってません。
急性や子供ならみますけれど。

で、慢性病系の方だと、やってないもんだから、患者さんからよく、
「脈診とか舌診はしなくていいのですか?」って聞かれます。

僕の答えは、しなくてもいい。

念のために言っておくと僕が「みれない」ということではありません。
理論的にも勉強したし、修行でも実践的に教えてもらいました。

知っているけど、みません。
ちなみに僕はギターをやってるので、指先感覚は、普通の人よりはすぐれていると思います。

では、なぜ見ないかというと、かつての経験から、どちらも「現時点で出ている体質」を示していることが多いと感じたからです。

どういうことかというと、ちょっとイメージしてみて。
長年アトピーで悩んでいる人が相談に来られました。
そして、その人は、昨日から風邪をひいている。

脈は、体質の状態が出たものです。

となると、脈や舌は、風邪に影響されたものが出やすいのです。

もちろん、元の体質であるアトピーの舌や脈も出ていると思いますが、もとの感じを知らないのに見分けることは困難です。

勉強していると、いろいろな舌や脈の状態があるんだなぁ〜と感じます。
「あー、舌が、この色だったら、この病気」
「この脈だったら、この状態なんだ」って具合に。

わかった気になっても、実際の相談の現場では、ものすごく微妙な感じの舌や脈ばかりです。
本にあるような、はっきりとした舌や脈の人なんて滅多にお目にかかれません。

僕の師匠は、中国の先生でその先生は、脈を学ぶ時に問診一切なしで脈だけで妊娠しているか当てることができる指導医について研修したんだそうです。

その時に、その指導医の方が実際に診ている患者さんを来る日も来る日も一緒にみて、現場で脈を教えてもらったそうです。
ちょっとウロおぼえですが、2千人以上はみたと言っていたような。

そして、その結果・・・。

「全然、わからん!」って言ってました。

師匠曰く、理論は誰でも勉強すれば学べる。しかし、脈や舌を診るのは、知ってるだけじゃどうしようもないそうです。

イチロー選手のようなセンスと考えられないような努力が必要なんです。
男の子なら誰でも野球のバッティングを知ってますが、理屈を知ってても打てません。
それと一緒。脈診の達人に直接、教えてもらっても2千人程度の努力じゃ、甘いということですね。

おまけに日本では、歴史的に脈診や舌診はあまり発達しなかったので、元々、達人がいなかったらしいです。
だから、技術が伝えられてきていないとも書いてありました。

それに現場では、実際的な問題がありまして、舌診では、まず色のつく飲み物や食べ物を食べてきたらアウト。診察前は飲食しないでくださいって書いてるところもありますが、一切飲食してないかどうかはわからないし、患者さん自身は、何だったらダメなのかがわかりません。

脈診では、遅れそうだからって走ってきたらアウト。始めてのところだからって緊張してもアウトですね。これも「今」の状態が色濃く出てしまうので。走ったり緊張すれば、誰でも脈は早くなりますから。

それと、これが地味に問題になるのですが、問診、望診で考えたものと舌診、脈診で考えたものは、結構、一致しません。

そしたら、コミュニケーションをとりながら、理論的にいろいろ考えたものをとるのか?
感覚技術がすぐれていなければ、ちゃんと分からない微妙な舌診、脈診の方をとるのか?

そんなとき、僕はコミュニケーションをとりながら理論的に考えた方をとり、矛盾して一致しない舌診と脈診は捨てます。

あっでも、子供だと舌診、脈診は有効です。
だって、子供は問診とったって、大人ほど、詳しくわからないですから。

僕は自分で勉強し、経験し、師匠の何千人診ても、わからんかったわって話を聞いて、ずっと疑問に思っていたことがあります。

それは「他の漢方の先生って本当にわかってるの?」

それで、仲のいい漢方の先生に聞いてみたら、
「そんな細かくわかるかいな」とのこと。
「やっぱり」

その他の先生には聞いてませんが、僕が観察してきたところ、多分。9割の先生はわかってないと思う。

よーするにパフォーマンスですね。

そりゃ、脈の浮、沈や舌の怒張、白苔なんかは、ちょっと勉強すりゃわかるでしょうが、ぶっちゃけ、その程度では、なんもわかってないに等しいですから。

ま、なんにせよ。舌診や脈診は漢方の素人の人に占い程度のことはできても、診断に使うには、国宝級の達人じゃないとダメだと思います。




posted by 華陀 at 18:08| Comment(4) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

脈診の歴史、原点について知りたくて、検索していて辿りつきました。

通勤電車で見つけて、書かれていること全部を見れていないのですが、知りたかったことがしっかりと説かれてあると、良いブログに出会えたと感謝しています。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by ほねつぎや at 2015年03月12日 08:55
ブログをお読みいただきありがとうございます。
書きたいことを書いているので立場によっては腹立たしいこともあるかもしれませんが「こんな考えもある」と勘弁してやってください。
ただ記事中の検証は専門家と話し合ったり実際に検証してみての結果を書いてますので、ご参考になれば幸いです。
これからもよろしくお願いします。
Posted by 華陀 at 2015年03月17日 19:26
お返事ありがとうございます。

今春より念願であった鍼灸の学びを始めることになって、ところがいざ始めるとなると如何に学んだら良いのかが分からず困り果てていたのですが、貴ブログと出会い読み進めるうちに薄ぼんやりですが鍼灸の、東洋医学の学びかたがイメージ出来て来た様に思えます。

端的結論的には、鍼灸=東洋医学の本当の学び(私にとっての)は、科学的な武道の学びの道と論理的には同一なのではということでした。(この件に関しては、近々開設しようと思っている「鍼灸=東洋医学如何に学ぶべきか」というブログで説くつもりでいます。)

貴ブログとの出会い、心から感謝しています。ありがとうございました。

Posted by ほねつぎや at 2015年03月17日 22:33
ホームページ開設されたらまた教えてください。
「科学的な武道の学びの道」は経験がないので僕にはわからないですが、日本って学問的なものって「勉強」すればマスターできるって勘違いしている人が多いように思います。僕は漢方はスポーツとか音楽、料理に似ていると感じています。理論を学ぶ→実践→検証→体験を自分理論化→理論を学ぶ・・・みたいな。ご丁寧にお返事、ありがとうございます。
Posted by 華陀 at 2015年03月24日 18:23
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