2013年06月04日

漢方薬をちゃんと選ぶために必要なこと

お医者さんから僕のブログの感想を知る機会がありました。その感想から改めて、漢方は勘違いがされやすいなぁ〜と、こっちから勝手に思った次第で。

そして、これまた自分勝手に漢方マスターを目指して勉強していくと、どんな壁にブチ当たるかを自分の経験を交えて書いてみようと思います。

この話って、自分の漢方の勉強の段階がわかるだけでなく、自分のお世話になっている漢方の先生が、どのレベルで、行き詰まっているのかをわかるのではないかと思います。(僕の自分勝手な理屈ではありますが・・・)

よく「どうやって、本当に漢方を扱えるか先生かを見分ければいいのですか?」という質問を受けるので、この記事も参考になれば幸いです。

僕は医学は西洋医学から入っています。
外科医の先生から西洋医学のことや臨床のことを教えてもらいましたが、漢方を学ぶに当たって最も大切だと思ったのは西洋医学の合理的な考えを全部、捨てるところから始めないといけないんだなと気づいたこと。

といっても、初期に気づいたんではなく、何年か経ってから気づいたのですが・・・。

今、僕の漢方論を教えている人がいますが、自分の失敗を踏まえて、漢方薬のことや東洋医学的な生理学を教えず「東洋医学の治療とは何なのか?西洋医学とどう違うのか?」の根本部分ばかりを教えています。

ご多分に漏れず、僕も漢方を勉強しはじめの頃は、病名漢方から入りました。
西洋医学の病名に漢方薬を合わせて処方する方法ですね。

処方するといっても、そんな大層なものではありません。
簡単に言ったら、漢方の本を見てその本に書いてある通りに漢方薬を出すだけ。
ぶっちゃけ、今の情報化時代なら医学知識のない素人の人でもできます。
マニュアルを持っているか持っていないかの違いくらいしかありません。

風邪=葛根湯、アトピー=消風散、不妊症=当帰芍薬散

しばらく、コレやってると「西洋医学の病名診断と漢方薬って何の関係もないやんっ」てことに気づきます。
いくらなんでも2千年前からの膨大な資料から成り立っている東洋医学が、マニュアルだけ見て、できるほど甘くないだろうと。

で、マニュアル的な本から卒業して、ちょっと漢方の医学理論に基づいて考えてみようって気になります。

そして、この時は、漢方治療に流派があることなんて知らないので、西洋医学の感覚から入りやすい中医学にいく人が多いです。僕もそう。

日本的には他の流派として、日本漢方と古方があるのですが、この時点のレベルでは日本漢方は、本が1ページ目から意味不明。古方に至っては、医学書というよりも万葉集か何かなのか?って印象。

自動的に中医学を勉強しだします。

この時点で1回目の壁がきます。

東洋医学独特の生理や薬剤の理屈は、勉強していれば、わかるのですが、それが、どう具体的な漢方薬の処方につながるのかが全然わかりません。

結局、西洋医学と同じような立場からみた「薬理的な選び方じゃんっ」と思い、それだったら、なんで漢方薬って何百種類も使い分けないといけないのかが、わからなくなります。

それだったら、何百種類もある漢方処方から、わざわざ選ばずに初めから勝手に自分で生薬を組み合わせりゃいいんじゃないの?って思い「体質って何?」みたいなことに陥ります。

特に話をややこしくするのが、五行論。
勉強したての頃は「昔の人はスゲー!」って思うのですが、詳しく勉強すればするほど、どうとでも言えるじゃんッ!って思い、結局、漢方的な理屈は説明できるけど、漢方薬の選び方は相変わらずの病名漢方ってことになってました。

これだと漢方的な屁理屈をこねる病名漢方になっただけで、屁理屈が増えた分、嫌な奴になっただけです。これはイカンと壁を超えてみようと進んでみました。

次にいくつかの本を読んでると「漢方薬って症状に合わせて出すんだッ!」ってことに気づきます。

そして、あてはまる症状が多いほど、漢方薬の効く精度が上がるんじゃないかという勘違いをおこしました。

冷えがあって、月経不順があって、肩こりがあって、頭痛がある人は、桂枝茯苓丸とか。
「やったー!これだけ症状があてはまる漢方薬を見つけたぞッ!僕ってすごいッ!」

でもこの考えも更に勉強をすすめていくと無慈悲に粉砕されます。

なぜなら、冷え、月経不順、肩こり、頭痛の症状があてはまる似たような漢方薬って他に20種類以上あるのです。
じゃあ「あてはまる20種類の中からだったら、適当に選んでいいのか?」ってことになるんですが、当然そんなわけないです。

このレベルの時期に症状がいくつかあてはまったら「この漢方薬だッ!」って思うことができたのは、検討する候補の漢方薬が圧倒的に少なかったからですね。
A・B・C・D、4種類位からだったら、なんとなく選べそうですもんね。
20種類の漢方薬全部に似たような症状が存在していると知った時は半泣きでした。

ここが第2の壁。
病名だけでなく、症状も一緒に考えて合わそうとしますが、結局、「体質」というものは全くわかっていない。

同じような症状に合う候補の漢方薬が何十種類もでてきたら、どれを選べばいいのか、説明がつかないのです。

ちなみにこの段階で、この状態から、こじらせる人もでてきます。

目立つ症状1つに対して、1つの漢方薬をあてはめていきます。
もしくは、1つの症状に対して1つの生薬をあてはめていきます。
西洋医学的な物量的発想ですね。

冷えに人参湯。頭痛に五苓散といった具合に1つの症状ごとに1つの漢方薬を合わせていくのです。

でもちょっと待てよ。そもそも1つの漢方薬の合う条件の中にいろいろな症状が書いてあるのです。

例えば、さっきの冷え、頭痛なら、呉茱萸湯1つでいけるのです。
1つの症状に生薬をあてはめていく考え方は、もはや、漢方処方自体全否定なので、漢方薬を選ぶためにある東洋医学自体の否定になるので、それはもう、漢方ではなく、新ジャンルですね。

では「体質って一体何?」

中医学の弁証論治(体質診断)は、一見、東洋医学的診断を下しているように見えるのですが、いざ、漢方薬を選ぶ段階になると、なぜその漢方薬なのか?その漢方薬によく似たA漢方薬やB漢方薬ではなぜダメなのか?

それがよくわからないのです。
この診断結果なら、A漢方薬でもB漢方薬でもいいじゃないの?なぜB漢方薬がダメなのかの理屈がわからない。

なんか、診断と漢方薬の処方が分離している感じなんです。

世間一般の医者や薬局は、ほとんど中医学というものの理屈から漢方薬を処方しているので、この辺のつまづきや2つの壁で止まっている人が多いのではないでしょうか?(勝手な意見ですが)

あなたのお世話になっている先生は、病名だけで処方している第1の壁で止まっている先生?
症状だけで合わせる第2の壁で止まっている先生?

ちなみにこの疑問に答えてくれたのが初めにわけわかんなすぎて挫折した古方と日本漢方でした。

それは、なぜ答えになったのか?
それは、またの機会にでも。




posted by 華陀 at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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