それはズバリ!根本治療ですね。
では、根本治療って何?
根本的に病気じゃない体質になること。
病気を自力で治せる体質だと思います。
違うかな?
漢方の根本治療に対して病院の治療は対症療法とよばれるものが中心です。
対症療法とは、薬を飲んでいる間だけ効果のある治療。
薬の効果が切れれば、また、元の病気の状態に戻ります。
どちらが悪いというわけではなく、あなたが、どう治療していきたいか、その目的によって、どちらがより適切かを考えていく必要があります。
例えばアトピーで使うステロイド。
普段は湿疹など出た事なく、急に湿疹がでてきた!
そんな時は、短期間はステロイドを使ってみるのもいいかもしれません。
短期間、一時的にステロイドを使って、よくなれば、その後は、すぐにステロイドをやめちゃえばいいのですから。
やめて、湿疹が出てこなければ、ステロイドでも根本的に解決したことになります。
対症療法を有効に使っていますね。
ところが、ステロイド剤をやめた途端にまた、元の状態に戻った場合。もしくはひどくなったら。
外部のステロイドという作用で一時的によくなっているだけで、自分自身はよくなっていないですね。
まさに対症療法で、その場しのぎになっているわけです。
この場合は、いくら長く続けたって、ただステロイドを塗って、よくなってやめたら湿疹が復活し、またステロイドを塗って・・・とループを繰り返すだけです。
こうなると、根本的に治す必要があります。
となると、登場するのが漢方薬。
ところが、ここでひとつ問題があります。
うちでは結構、ヘビーなアトピーの治療をしてきました。
そんな時、かならずつきまとうのが、ステロイドをどうするか?
当然、最終的にはやめないといけないのですが、離脱が問題なんです。
今までは、だんだんとステロイドを断っていけばいいとアドバイスしてきましたが、最近、治療をしていると、どうもステロイドと漢方の治療を併用していると、どう考えても、ステロイドが漢方の治療の邪魔をしているのです。
良くなったり、悪くなったりと。
反対にステロイドを断った状態の人は、漢方が狙い通りに効いてくれているようなのです。
両者を比べると治る速度が違います。
でも、それって考えてみれば当たり前。
ステロイドは、ただのかゆみ止めではないです。
「免疫抑制作用」「抗炎症作用」「血管収縮作用」「細胞増殖抑制作用」があるのです。
これは裏を返せば、感染症に弱くなったり、血の巡りが悪くなったりといろいろな身体に対する悪影響もかゆみが止まることと同時に抱えるのです。
かゆみは止まるかもしれませんが、他の部分では、身体に対して、その代償を払っているのですね。
漢方薬は、身体のバランスを整え、その結果、アトピーを治します。
だから、ステロイドを使いながら、漢方治療するとステロイドでかゆみを止める以外のことは、身体に悪い影響を与えながら、漢方薬でバランスをとろうとする、非常に中途半端な治療になってしまうのです。
要するにどっちつかずな治療。
ということは、結局、ステロイドをやめないと本格的な漢方の治療が始まらないということにもつながります。
根本治療のためには、ステロイドをやめないといけません。
ただ、これが難しい。
早くやめないといけないからって、いきなり、やめていいものではありません。
アトピーの状態によったら、ショックを起こすこともあります。
となると、おひとりおひとりに合わせてステロイドをどうやめていくかの計画を考えていくしかありません。
根本治療に大事なのは、本格的に漢方を効かすためにどれだけ早くステロイドをやめることができるかにかかっているような感じがします。
なので、根本治療を考えている人で今、ステロイドを使っている人は、ステロイドをどう離していくかも使いながら考えていく必要があるかと思います。
特に子供さんの場合や、まだごく初期にステロイドを使用している人は、ステロイド使用で短期間で治らず、長期間に突入しそうであれば、一旦、漢方などの根本的な解決を考えてみてはいかがでしょうか。