2013年07月12日

漢方治療とは治療をクリエイトデザインすること

僕はギターをやってるのですが、この間、ギターの師匠の話の中で漢方の世界と似ているな〜と思う事がありました。

師匠の話によると、音大のエリートは、ちゃんとした楽譜があると、それを完璧に弾きこなせるそうです。

優秀になればなるほど。1つも間違えずに・・・。
その音大の人と師匠がセッションする時にちゃんとした楽譜がなかったので、師匠が耳コピでとって、それを楽譜にしました。
厳密なやつではなく、なんとなくな感じのやつ。

それを元にみんなでセッションしよう!ってことになったらしいのですが、音大の人は、ちゃんとした楽譜じゃないので、どう弾いたらいいのかわからないと言われたらしいです。

師匠はいかにもなミュージシャンなので「なんとなくこんな感じでいこうよ!」って話たのですが、「よくわからない、やっぱり、ちゃんとした楽譜をください」とのこと。
いやだから・・・とその時のことを「あいつはソウルが音楽じゃない!」って話されてました。
つまり、音大の人は楽譜を元にキレイに演奏ロボのように再現する力をもっているけれども、自分で曲をクリエイトできない。それは音楽じゃない!って憤慨されていたのです。

僕は、この話を聞いた時に現在の漢方業界とよく似ているなと思いました。

西洋医学はデジタル的な理屈があって効果などを証明するエビデンスがあります。
非常に科学的で、そこに感覚的なものが入る余地はないです。

一方、漢方は科学のない時代に確立されたもの。
驚かれるかもしれませんが、実は漢方の診断方法や漢方薬を合わせる方法は2千年前にすでに確立されて現代も、その方法を元に処方することが正しい漢方治療の方法なのです。

古いから非科学的とかそんな次元ではなく、西洋医学の科学的思想と漢方は根元の考え方が違うのです。
漢方は自然との調和を目指している医学なので、アナログな感覚が多く、感覚的なものも重要になる医学です。

今、漢方薬が流行っているのか病院でも処方されるようになりました。
でも残念ながら大半の病院の漢方の方法は、メーカーから貰ったマニュアルなどを参考にして処方しているだけ。

例えば「不妊症に当帰芍薬散」とか。「アトピーに消風散」とか。
ぶっちゃけ素人でも本さえあれば処方できるレベルで病院が「漢方ができます」とか言ってます。

あらかじめ決められたことを覚えるのは優秀なお医者さんなので、おそらくマニュアルに書いてあることは完璧に覚えているでしょう。

でも、これって西洋医学のやり方です。
ガイドラインを覚えて、その手順に沿って診断、処方する。

さっきの音楽の話でいったら、音大の人は楽譜がちゃんとあるならキレイに演奏できますよっ!てやつ。

でも、漢方は西洋医学じゃないんですね。東・洋・医・学!
当たり前ですが、大半の病院が、それを混同してなんとか西洋医学にあてはめようとやってるようです。

漢方は東洋医学の理論に沿って、東洋医学の手順で漢方薬を処方しなければいけません。

科学的に漢方を解明するのもいいと思いますが、それは患者さんを治療する場ではなく、研究かなにかで勝手にやってくれ、といったところです。

漢方薬はひとりひとりの体質に合わせて選びます。
体質は皆さん違います。
マニュアルは、あくまで一例が書いてあるだけで、本来は毎回、ひとりひとりに対して、体質を考え処方を変えていかないといけないのです。

楽譜にない曲を楽譜にないニュアンスでやらなければいけないのです。
毎回、オリジナル曲の作成。

「前のアトピーの人は消風散で治ったから、今回の人も消風散でいっか!」
ブー!これは漢方では通用しません。
そんな、体質がきっちり同じ人なんかまず来ません。
西洋医学的な病名診断はアトピーかもしれませんが、東洋医学的な体質は、絶対にひとりひとり違うはず!

だから、アトピーの人それぞれに治療をデザインしていかないといけません。

新しいニュアンスの弾き方。
自分、オリジナルの作曲。

僕はWebデザインもするのですが、初めてお会いした患者さんの体質を考え、治療方針をデザインするのは、新たなデザインを考える作業に似ています。

デザインにはマニュアル的なテンプレートデザインというものがありますが、テンプレートでつくったWebサイトは、専門家でなくとも、なんか味気ない感じを受けるのですね。要するに感動がない。

勝手なこじつけかもしれませんが、漢方は西洋医学とは別物です。
どちらかというと西洋医学よりも音楽やデザイン、料理の世界の方が近いです。

だから、趣味のギターやデザイン、料理は一見、関連がなさそうですが、僕の漢方治療に役立ってくれているのではないかと思っています。




posted by 華陀 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方ってなんだろう? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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