どんなヤツかって言うと「ある漢方薬で新たな副作用が発見されたので、各医薬品を扱っている期間に広く告知します」ってものです。
これ、新薬だったらめっちゃ重要。
新薬は莫大なお金をかけて臨床試験をして安全性を確かめて販売していますが、それでも実践で使いはじめたら、予期せぬ副作用が出てきます。
そういう事実が発覚すれば、次には以前まで、なんかよくわからなかった副作用に注意して2次被害を防げるのですね。
こういった後から出てくる副作用って新薬ではめずらしくないです。
薬によったら、後から後から副作用報告が出てきて、薬自体の承認取り消しだってあります。
「せっかく作ったけど、テヘッ!毒薬でした!」みたいな感じですね。
業界にいるとそんなケースも聞きます。
そんな同じようなノリで漢方薬でも時々「こんな副作用があったので、今度の使用に注意してください」って告知がくるのですね。
「そっか、そんな副作用があるから、こんどから処方を気をつけないと・・・」って漢方ではなりません。
実はこれ漢方医学的には、とてもおかしいことです。
(医薬品の法律上はおかしくないのですが)
漢方は西洋医学と根本的に違います。
医薬品の副作用というのは、あらかじめ決められている効果などと違う変化や症状などが出た場合のことをいいます。
良いとされる目的の作用があって、その裏の反作用として副作用があります。
漢方薬の場合は、こういった理屈とは全く違ってきます。
漢方薬の場合の副作用は実に簡単!
「体質と合っていなければ副作用を起こす可能性」があります。
または「副作用的な症状があれば、体質と合っていないとみる」
今回の医者からの漢方薬の副作用情報は、黄連解毒湯という漢方薬が、長期服用すると腸間膜静脈硬化症を引き起こす可能性があるということ。
病院において、この漢方薬を飲んで副作用が出たかもという資料を見て、もう笑いました。
えっこれって、お笑いのネタじゃないですよね?
黄連解毒湯を10年服用って!
なんか、もう、お医者さん、おもしろすぎ!!
大体、10年も同じ処方を飲まないといけない体質なんてないです。
しかも黄連解毒湯は漢方薬の中でも比較的長期連用しない急性的な方向性で使うもの。
それに黄連解毒湯と併用している漢方薬に五苓散もあったのですが、こちらも長期連用は慎重に考えないといけない処方。
特に五苓散は体質とのミスマッチを起こしやすい漢方薬です。
大体、なぜ、黄連解毒湯の副作用とわかったのでしょうか?
10年も経って・・・
もし、最近、五苓散を併用し始めたのなら、五苓散も疑うべきだと思います。
五苓散は強い利水力を持っているので、それこそ腸に関わります。
なによりも漢方では、どんな細かな症状の変化でも、おかしいなと判断したら、漢方薬を変更します。
だから「マジメ」に漢方をやっていれば、長期連用による副作用なんて起こりっこないのです。
だって、患者さんが、なんとなく不調だって言った時点で、次の処方に変えるかどうか考えますから。
なんせ漢方薬は体質に合わせて500種類以上あります。
どんどん変えていく手があります。
なので、これって、漢方薬の副作用ではなく、無知な医師が起こした事故なんじゃないの?と思いました。それを厚生労働省を巻き込んで副作用情報って派手な茶番です。
(ま、医薬品の法的問題としては必要なんでしょうが。)
もう少し漢方の概念を勉強したほうが患者さんのためなんじゃないのと思いました。
ということで、漢方薬の場合は、副作用になった場合は、漢方薬が悪いのではありません。
選んだ先生が悪いのです。
選んだ先生が副作用の原因をつくっているのですね。
そこが新薬と全く違うところです。