2013年10月11日

漢方治療の研究は根元が間違っている

アジアよりも遠く離れたイギリスで漢方が見直され研究されているそうです。
「ほう、ほう、それはいいことだ」と思いましたが、
よくよく聞いてみるとこれまた、過去と同じ過ちを犯しているようです。

漢方は体質を分析して、その体質に合わせて漢方薬を選びます。

体質は、その人の過去の病気や親族にある病気、現在の生活環境や薬やサプリメントなどの飲んでいるものの影響、全身の症状を総合的に判断して割り出します。

現代科学で漢方を研究する際は、ここの部分で過ちを犯します。

この体質を分析するのに、症状のみをあてはめていって、それにマニュアル的に漢方薬をあてはめていくのです。

そして、そのマニュアル的にあてはめた漢方薬から勝手に「恐らくこの成分が身体にいいんだろう」って勝手にこじつけていく作業をしていくのです。

ここからすでに漢方医学そものの研究ではなく「西洋医学風に漢方薬を勝手にこじつけて使うにはどうすればよいか」という、漢方とは何の関係もない研究になってしまいます。

先程、ご説明したように漢方薬を合わせるために分析する体質は症状だけではありません。

過去のその人の病気や親族の病気、現在の生活環境、薬やサプリメントなどの飲んでいるものの影響この部分も体質を調べるために必要な情報なのです。

どれだけ、複雑になってくるか。
おまけに症状を調べていくのだって、ただ単に「冷えがあるか、ないか」ではダメです。

だって、冬に日本の女性に「手足が冷えますか?」ってだけ単純に聞いたら、即答で「冷えます!」って答えてくれます。

冷えにしたって「冬だけ冷えるのか?」「夏もクーラーで冷えるのか?」「年中冷えているのか?」「日中は冬でも冷えないのか?」「外で冷えてもすぐに回復するのか?」「お風呂の後も冷えてるのか?」

いろいろな冷えがあります。
そして、漢方はすごいことに冷えの微妙な違いで使う漢方薬もいろいろ用意されています。

そんな話をある人にしていたら、「でも今はGoogleやFaceBbookに代表されるようなビッグデータがあるじゃないですか?」って。

確かに地球の皆さんが漢方の為にビッグデータ作成に協力してくれたら、可能性はかなりひろがります。

しかし、漢方の場合は医学です。
Aさんは映画が好きだとか、BさんはIT関連のニュースをよくみているとか、そんな単純でザックリした傾向ではダメです。

うちの問診票は42項目以上あり、1つの項目で7つ位のチェックする症状があります。
合計で294のチェック項目。

5分やそこらで記入できません。
また、大まかな嗜好とか趣味を聞いているわけではないので、一人一人が真剣に書いてくれないといけません。
でないとウソのデータが一杯、混じっちゃいますから。

要するにビッグデータのためのデータを医学的に正確にとることができないのです。

それと、データがたくさん集まっても問題があります。
それは、それを判断するルール。

いろいろなデータを機械的に処理しているわけではないのです。
「頭痛と冷えがあったら、A漢方薬でOK」なんてものじゃない。

膨大で複雑な情報の処理は理論だけで追いつきません。
では、何で判断しているかというと理論+応用+経験と勘、感覚。

現時点はその症状などの様々な情報を分析し判断するのは漢方医の経験と勘です。
もちろん、基礎になる理論はありますが、理論だけでやっていけるほど漢方は甘くありません。

理論のオリジナルの応用が漢方医の腕のみせどころ。

自分が難病も含めていろいろな漢方治療を経験して言えることは漢方は医学ですが、参考書ひろげて、テストに合格すれば治せるようになるものじゃないのです。

漢方はミュージシャンや物書き、絵描きなどと一緒です。

どれも基礎となる理論がありますが、基礎を完璧に学べば誰でも感動させることができるでしょうか?

できませんね。
この感動が漢方では「効果があった」ということになります。

だから、科学的に研究するのもいいですが、この感覚の部分をどうするかを解決しないと過去にも漢方の分析に失敗してきたように失敗します。

ということで、西洋医学の片手間で漢方的な体質も分析しないで処方するような病院は、まともに漢方をやっていないです。
日々、漢方に浸かって漢方感覚を鍛えていないと治せないのです。

うちは【漢方薬も】扱ってますよ。
ってやってるとこは、西洋医学も東洋医学もどっちもナメすぎ。
日進月歩で変わっていく西洋医学の方も片手間にならないのだろうか?
漢方をしたいのなら【漢方薬しか】扱ってません。に変えるべきですね。

僕はパソコンや理論が大好きなので、あまり、感覚というものを前面に考えるのは好きではありませんが、長年、漢方治療をやっていると、どうやって漢方感覚を鍛えるかを考えざる得ません。

知識をひろげるのと同じように感覚を広げないといけないのですね。

イギリスも漢方の研究の前にもうちょっと、それこそ、感覚をどうにかしないといけない心療内科の治療を研究し直したほうがいいんじゃないかと思います。

西洋医学の心療内科って全然、心の治療になってませんから。


posted by 華陀 at 18:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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