見たいなサイトがありますよね。
「へぇー漢方ってこういう症状のチェックだけで、自分の体質がわかるんだ!」って思われるかもしれませんが・・・
ちょっと待った!
それは違います。
確かに漢方は西洋医学と違って自覚症状を元に体質を分析していきます。
西洋医学は逆に自覚症状よりも他覚的なデータを重視します。
自覚症状とは自分の感じている症状なので、確かに医者に見てもらわなくても、そういったサイトの症状も自分でチェックしていくことができます。
しかーし、症状というのは、そう簡単なものではない。
ここで、自覚症状と他覚症状の違いについて説明したいと思います。
他覚的なデータというのは、血液検査の数値や医者自身(自分以外の人)がどう判断したかです。
例えば「熱」という症状。
体温計で37℃を超えていれば「熱」がある。
それ以下であれば「熱」がないですね。
体温計は自分の感覚とは関係ないので他覚症状です。
漢方の場合は体温計で実際に「熱」がなくても本人が「熱」を感じているのであれば、その人は「熱」があるとみて、体質を判断します。
逆に37.6℃とか体温計で実際に「熱」があっても本人が寒いと感じていれば「寒」として考えます。
ここで一つの問題が起こってきます。
他覚症状は主に機械などを使いますね。
だから、本人がどう思おうとその結果は変わらない。
でも自覚症状は、その人の「思い」なので、ヘタすると言いたい放題になっちゃうんです。
例えば「足の冷え」
女性に「足の冷え」がありますか?
って聞くと「冷えるかどうかって聞かれると冷える」って8割の人は答えます。
これをさっきのサイトで考えたら、
「足が冷える」という項目があれば、迷わずチェック!ですね。
ところが自覚症状をこんな風に「あるっちゃ、ある」
みたいな感じでチェックしていくと、どんどんいろいろな病的体質が増えていきます。
漢方は自覚症状を聞いて体質を判断するとは言え、なんでも思うことをなんてつけていったら→「いろんな病的体質ですね」って身もフタもない答えになります。
なのでいくら自覚症状で「冷え」があるにしても、
どれくらい冷えるのか?
夏でも冬でも手足が冷えるのか?
夏はクーラーのところでは手足が冷えるのか?
クーラーがかかっていなくても手足が冷えるのか?
足は冷えるけど手は冷えないのか?
などなど、いろいろな冷えのパターンがあるのです。
だから、Webサイトの体質チェックするもので「足が冷える」「手が冷える」に単純に「冷えるよ」ってチェックしてもそれが体質判断していく時に正しいことなのか疑わしくなってきます。
それにチェックする時も間違いなく「冷えてる」って自分自身が確信もってチェックできない場合もありますよね。「冷えてる時もあるし冷えてない時もある。どうなんだろう??」みたいな。
その症状にあてはまったら無条件で チェェック!というわけではないんです。
漢方は自覚症状を重視しますが、その人の言ってること全部を無条件に取り上げるわけではありません。
そこは漢方の先生が漢方フィルターを通して他覚的にデータ処理します。
冷えだったら冷えの度合いがどんなものなのか?
膝も腰も首も、あちこち痛いと言っているが、毎日、休みなく膝も腰も首もあちこち痛いのか?
他の症状と組み合わせて考えてみたり、過去の病気から体質の傾向をみたり、他の自覚症状との組み合わせで一致しているか答えあわせしてみたり。
「冷えてますか」 → 「はい、冷えてます」 → 「冷えだったらコノ体質、コノ薬!」
みたいな「体質」はそんな単純なものではないのですね。
うちでも相談用の症状チェック表がありますが、かなり細かく聞きます。
まず手軽にやってみようなんて思わないと思います。
また、チェックしたら「あなたは瘀血タイプ!」血の巡りが悪いよ。みたいなお遊びではありません。
チェックしてもらった症状などは、一度こちらで検討し何回か症状を詳しく聞き返して最終的な体質を考えていきます。
さっきの冷えであれば「冷えは1年中ですか?」とか、「冬でも屋内では温かさが戻ってきますか?」など冷えという自覚症状を僕の他覚的なところから見て検討します。
だから、Webサイトで症状チェックして「血虚タイプ」って出たって、お遊びのレベル。
遊園地の古ぼけたゲームセンターでいつの時代かわからない星座占い、やるようなものです。
「魚座、今日はついてるらしい!帰りは車とかの交通機関のものに気をつけたほうがいいらしいよ」
誰がそんなもの信用するでしょうか。
残念ながら、あの手の症状チェックのものは、お遊びでしかありません。
見てもらった後に「だから何?」ってやつです。
僕はB型ですが時間に細かいです。A型だけが几帳面じゃないよ。
気軽な分、何の意味もないですね。
うちは、あんないくつかチェックしたらプロブラムがあらかじめ書いていた体質パターンを出してくれる。
みたいなものはやりません。
だって、遊びで治療してないから。