2013年11月26日

インフルエンザ=麻黄湯は余計にひどくなる処方!?

インフルエンザの季節になってまいりました。
かかったら嫌ですね。お店を初めてから、この5年程、1度も罹っていないので、このままいけたらと思ってます。

あっそう、そう、僕はインフルエンザのワクチンは4年前に1回やったっきり。それから1度もやってません。

この時期になると漢方理論をよくわかっていない医者がインフルエンザや風邪に意味不明な処方をする時期でもありますので、先に患者さん達にどんな処方だと意味不明なのかを知っておいてもらえたらと思って書きます。

そのインフルエンザに対しての意味不明な処方とは。

インフルエンザに麻黄湯ってやつです。

確かにインフルエンザに麻黄湯は確かによく使いますよ。これ、問題の処方です。
何が問題かって言うと、医者が麻黄湯の漢方的な意味もわからずに処方すること。

漢方薬は西洋医学の病名で処方しません。
そもそも、西洋医学の病名と漢方は一切、関係がありません。

漢方は基本的には病名がなく全体の症状をみて「○○証」という呼び方をします。
病名もありますが、病名で考えることは、めずらしいです。
ちなみに糖尿病に似た体質を漢方では消渇って言います。西洋医学と名前や状態が違うのですね。

なので、当然、インフルエンザに麻黄湯なんてマニュアル的な方法で処方はしません。

でも漢方理論を知らない医者はインフルエンザだったら麻黄湯を処方します。

なんで、こんな素人でもマニュアル見れば処方できそうなことになっているかというと、僕が友達の先生に聞いた話ではどうもツムラさんの営業担当が「麻黄湯の中に含まれる麻黄という生薬がインフルエンザに効く」という素人バリのことを説明してまわっているらしいです。

その話を聞いた先生は実は漢方の事を詳しいのですが、よくいる医者と同じような感じにしてみようと漢方を知らないフリをして質問していたみたいです。

先生もおもしろがって、いろいろ質問したら、ツムラさんのその営業さん、終いには「実は麻黄湯すら使わなくてもいい麻黄湯の中の麻黄だけでいいんですよ」とか言いだしたらしくって、この漢方理論も何もあったもんじゃないむちゃくくちゃぶりに「おもしろい話があった!!」って僕に教えてくれました。

これには僕もまいりました!
日本の代表的な漢方薬のメーカーであるツムラさんの前線部隊である営業さんが、麻黄湯の麻黄だけでインフルエンザに効くという漢方理論をぶっ飛ばした説明。

ここまで来たらさすが!としか言いようがない。
じゃあ、麻黄湯じゃなくて「麻黄」だけを売ればいいやん。

実は僕も元ツムラさんの営業社員を2名ほど知っていて、普段、医者に説明しているツムラさんの営業がどの程度かは知ってるんですけどね。

ここからは当たり前の話ですが、インフルエンザ=麻黄湯ではありません。
しかし、インフルエンザに麻黄湯を使う可能性は高いです。

漢方薬なので、当然、あくまでその時の体質に合わせてですが。
これはインフルエンザでも風邪でも一緒。

風邪っぽかったら葛根湯ではないです。
あくまでその時の風邪をひいた人の「体質」をみて処方します。

漢方で風邪を治す原則は「体力を使って風邪を追い出す」というのが原則。

そのため、まず風邪体質の中でみていくのが、現在、体力があるかどうか。
漢方では高熱が出るのは体力が強いとみます。

しかし、インフルエンザの高熱は、一気に高熱を出して、そこでエネルギーを使い切ってしまうようなイメージの体力です。一時的な限定的な体力ですね。

その体力は、すぐになくなって、その後は体力のなくなった隙をつかれて、いろいろなところが盛大にやられていきます。

だから、その人の体力の状態を見誤るとかえってとんでもない状態になってしまいます。
そういう方向からみると麻黄湯は体力のある人の熱を一気に上げて、ウィルスを追い出し、その後、一気に解熱に向かわせて治すのです。

「だったら、インフルエンザに最適じゃん」って思いますよね。
問題はさっきツムラさんの営業が言ってた麻黄湯に含まれる麻黄。

この麻黄の副作用が胃を傷めること。
そして漢方では体力をつける又は維持する為に最も重要なのは胃などの消化器だと考えます。

極論すれば、食べ物を食べることができていれば、ウィルスに対抗できる体力をつくれるのです。
しかし、食べることができなくなった途端、エネルギー不足。
どんどん体力が落ちていきます。

だから、インフルエンザでも風邪でも治す時に大事なのは胃の状態。
ここをやられると基地がやられたも同然で、一気に崩れていきます。

麻黄湯は熱を上げて一気にウィルスを追い出すように働いてくれます。
だから激烈に進行するインフルエンザに麻黄湯は合っているともいえます。
でも、胃がやられていたり、腸がやられて軟便だったりしたら、麻黄が合わなくて胃がやられたりするとヘタすると麻黄湯のせいで一気にインフルエンザがひどくなる可能性もあるのです。

だから「インフルエンザ=麻黄湯」なんて理屈は漢方医学にはありません。
あくまでその時の体質をみて麻黄湯が適正かどうかを考えていきます。

僕ら、漢方家の中では麻黄は要注意生薬です。
強く効きますが、副作用も強く効きますので。




posted by 華陀 at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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