2013年12月20日

漢方薬が効く人ってどんな人?

漢方薬は西洋医学と効果の考え方自体が全く違います。
西洋医学と同じ感覚で捉えることができません。

現在では西洋医学が皆さんの最も馴染み深い医学になっているので、無意識に薬の効果といえば西洋医学の効き方を想像してしまいます。

漢方薬自体も病院からも出されることもあるので、ついつい西洋医学と同じように考えてしまうのですね。

それで西洋医学と同じ効果の見方をしてしまうとはどういうことでしょうか。

西洋医学のお薬は全部が全部ではないですが大体のお薬は1つの症状に対して1つの効果のあるお薬を処方します。

鎮痛効果のあるお薬はメカニズムを詳しくみていけば、体内の痛みを発する物質を止めるのですね。

ここで注目してもらいたいのは薬は痛みを止める物質を止めるというところ。
よく考えてみると痛みを発する物質は、もうすでに体内に出ちゃっているのですね。

それを止めたりつくられないようにしたりするのが新薬の役目。

身体的には、もうすでに痛みが発生しているけど、それを薬の力で抑える。
だから、痛みが治まる。

対症療法というのは、この作用のため。
厳密に見れば、コトが起こった後に対処しているだけ。

新薬のネットのページに「このお薬は対症療法のお薬です。根本から治すわけではありません」と書かれているのはこのためです。

薬の性質から本来なら急性のみ使うのが正しい使い方であって、慢性的に悩んでいる症状なら、対症療法のお薬の性質をちゃんと伝えるべきだと勝手に思うのですが、なぜか、急性も慢性も関係なくごっちゃに対症療法のお薬が使われているのが今の現状なのです・・・。

かといって西洋医学で長く飲んでいけばよくなっていくものがあるのかというと、現状はほとんどありません。
西洋医学ではビタミンあたりがこれに当たるかもしれませんが最近の最新の研究では効果がないどころか、飲まないほうがいいとまで言われ始めました。

そこで困った病院が手を出しているのが漢方薬。
漢方薬は根本治療です。

西洋医学には「その場しのぎ」の治療しかないわけですから、漢方になんとかしてもらおうというのが最近の風潮。

ところが、これもとんでもない使い方をしちゃっているように思います。

漢方薬は先程の新薬と効果の考え方が全く違うものです。
それゆえに新薬と違い根本治療にもつながるのですが、漢方の場合は漢方薬さえ使えばその恩恵に預かれるわけじゃない。

なぜなら漢方薬は決まった効果があるわけじゃなからです。
体質と合えば初めて効果を発揮します。

新薬は効果と体質は関係ないです。
極端に言えば、普通の人間である限りは、誰でも同じ効果を感じることができます。(理論上)

しかし、漢方薬は何百種類とあり、病名や症状で合わせるものではなく、体質に合わせるので体質を見誤れば、その漢方薬は全く効かないこともあるのです。

これを知らないのか勘違いしているのか病院では新薬と同じノリで病名に合わせたり、症状だけ聞いて合わせたりして出すのですが、そんな適当な選び方で効く訳がありません。

根本の考えが、その場しのぎの新薬と同じ考え方でやっちゃってるのです。
だから効かない。要するに最終的に使うものが新薬か漢方薬かの違いでしかない。

ちょっと知ってる先生でも悲しい勘違いをしているのは、症状が体質だと思っている事。
だから症状を順番に聞いていって、合ってるんじゃないかと思い込んだ漢方薬を処方するのですね。

ただ漢方薬を選ぶ際にその漢方薬が合う条件になっている症状がことごこく合う人がいます。

これを漢方ではその漢方薬の正当な体質の人として正証といいます。
どの条件もピッタリ。
ところが現実はこの正証という方は滅多にいません。

何かの症状がはあてはまるけど他の症状はあてはまらない。
こんな人が大半です。ご自身でネットなどでやってみた人は経験があるのではないでしょうか。

症状だけをあてはめても基本的に無駄なのはこういった理由です。
症状全てがあてはまる正証だけを探していたら年に何人にしか、漢方薬を処方できないことにもなりかねません。

それくらい症状が全てあてはまることなんてないのですね。
だから症状から更に分析して体質を考えるのです。

エセ占いみたいに症状をあてはめていくだけじゃダメ。
いろいろな事を聞いて「体質」というものを見抜かないといけないのですね。

症状が全部合う正証なんて、ほぼいないのです。
それを合わせていくのが漢方のおもしろいところでもあるし、つかみどころのない難しいところでもあります。


posted by 華陀 at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方薬の選び方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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