漢方は症状の微妙な感じで処方が変わるものなので生々しく語っています。
閲覧注意!また食事中も注意です。
朝起きると腰が抜けた感じでした。
と同時に急な便意。急いで便所へいきました。
下痢だったけど、水みたいな下痢ではなくベチャベチャな感じ。
元々、普通便もやや軟っぽさもあるので、あまり気にかけませんでした。
起きた時からやや吐き気があり、食欲はゼロ。
休みだし、無理して食べなくてもいいか!と思って朝ご飯はやめました。
その時は朝から iPhone5s に機種変更する予定だったので、腰が抜けるような脱力感がありましたが、そのまま電気屋さんへいきました。
機種の変更手続きが思ったよりも時間がかかり、1時間くらい経った頃から、手足に全く温かさがないことに気づきました。
僕は冬でも手足はかなり温かいので、こりゃおかしいと気づきました。
しかし、もうちょっとで登録が終わる・・・。
後、ちょっとでゴールをきれるとこで「体調、悪いんで次にします!」なんて言えない。
そんなことを思っている間に、膝が痺れて胃と腸を雑巾絞りされたような痛みも参戦してきました。
まぬけなことにここでやっと「こりゃ結構、ひどい腸炎だな」と思い至りました。
気づくのが、おそいッ!
登録終わって、いつもなら存分にiPhoneをいじり倒すのですが、触る余裕もないほどツライ。
腹痛は「普通に痛い」位になっていたのですが、膝や肘の痺れが、今度は痛みに変わってきています。
これは誤解されるとダメなので一応、説明しとくと腸炎になったからといって膝や肘に痛みは走りません。
原因はわからないのですが、炎症系の症状が強くなると、僕は、どうも関節や頭に痛みが走る、僕の持病みたいです。
急いで漢方薬を飲まないと!
漢方薬は急性の強い病気でも十分に効果を発揮してくれますが、とにかく初動が遅れると後手後手に回ってどんどん病にやられます。
今のタイミングはやや遅れていますが、まだまだ初期治療。
まだ間に合いそう。
問題は何を飲むか。
頭の中で症状を時系列に整理します。
まずは腰が抜けた脱力感。起き抜けの吐き気。
→ ベチャッとした軟便。食欲不振。
→ 手足の冷え。
→ 腹痛。
→ 肘、膝と頭の痛み
→ 便は後から水様性。
ツムラなどのマニュアルからいけば、急性腸炎や大腸炎は桂枝加芍薬大黄湯となっています。
腰が抜けている感覚がある時点で、大黄が入っている漢方薬などあり得ません。
あぁ、マニュアルだけみて、漢方薬を処方できる医者のお気楽さが、ある種、うらやましい!
次にツムラのマニュアルからいけば、下痢に使うメニューが五苓散、猪苓湯、四君子湯、啓脾湯、清暑益気湯です。
五苓散は腰が抜けた脱力感や手も冷えているところからあり得ない。
猪苓湯は薬性が強いので今の僕の体質の状態で受けきれません。
飲んだら更に悪くなるでしょう。
四君子湯、啓脾湯は慢性の下痢症などの人に対してえっちらおっちらとゆっくりと治すもの。
急速にすすむ腸炎に対抗できるはずもない。
それに啓脾湯は血虚という血の少ない体質の人に使用するので女性に使うことが多いです。
清暑益気湯に至っては、夏の熱さで汗をかきすぎて水分代謝がおかしくなった時に出てくる下痢に使うので論外。
後、水の下痢ならツムラだと柴苓湯がマニュアルにのってます。
これは五苓散と小柴胡湯を合わせたものですが冷やして水の巡りを整える五苓散に強烈に肝の臓の熱を抑える小柴胡湯という時点でこれも論外。
病院のマニュアル漢方なんてこんなものです。
病名だけでみていたら、どれもなんとなく治せそうな感じにみえますが、こまかな体質をみていけば。どれもまーーーったく!あてはまりません。
僕は初めに吐き気があって、便がベッチャっとしていたところから半夏瀉心湯と考えました。
原因は、上焦の熱証と下痢の混合ですね。
しかし、半夏瀉心湯は病気の亜急性期に使うもの。
つまり急性から、少し時間がたった慢性期までいかないところで使うことが多いです。
ここら辺りだろうと思いました。
やや胸脇の熱証(胸に余分な熱がたまる)があり、脾気虚の証(消化器の気が落ちてる)
それに水毒にやや腎虚の証(水の巡りが悪いと腰の脱力)。
手足の冷えは温めるよりも炎症が治まり「気」が戻れば自然に戻るものだとみたので、温める必要はありません。
それに加えて亜急性期または急性期に使う処方。
これだ!とある処方に決定。(処方名は秘密。腸炎イコールの病名処方と誤解されたくないので)
それをとにかく2時間ごとに服用。
飲めば20分もすれば吐き気が治まります。
よし!はまったなと。
しかしここから大変。
しばらくして、きょーれつな下痢。
20分ごとにシャーみたいな。予告ナシな下痢です。
肘、膝、頭の痛みもさっきの3倍増し。
漢方薬が合っていないか?はたまた合っているか?どっち???
迷いに迷いましたが、このままいこうと思いました。
夜は普通通りに寝て次の朝には治っていました。
いやー早かった!
自分でもまさかあれだけひどい腸炎が1日で治るとは思いませんでした。
今回も自分の臨床はおもしろかったです。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
こういったことで、あなたの体質がわからないのに軽はずみに「これだたったらいいよ〜」とは言えません。お役に立てなくてすみません。
急性なので、なまものと肉類をさけ穀類の消化の良いものを数回経たら、よくなるようにも思うのですが・・・。