粉末のものだけで食事代わりになる「Soylent」などが近未来の食事として注目されていますが、栄養バランスのことを考えてつくられた粉末食材だけを食べたマウスは通常の食べ物を噛みながら食べたマウスよりも健康状態が悪いという結果です。
17週間後に両者を比べてみると粉末代替食品だけを食べていたマウスは血糖値や血圧、血液中のストレスを示すホルモンの値が増加していました。
その記事をみて、昔のある実験を思い出しました。
それはあるサプリメント会社の社長と募集した人たちで、サプリメントだけで健康を保てるかといったものを実験していました。
これはマウスではなく人間です。
サプリメントは牡蠣肉エキスです。
成分的にはビタミン、ミネラル、アミノ酸、グリコーゲンなどとサプリメント会社のやり手営業マンがお年寄りを騙す時の殺し文句のような成分が盛りだくさんです。
要は今回のマウスの実験と同じで理論的に健康を保つ為の必要な成分が含まれていますよ。といった感じですね。
何日、実験したか忘れましたが、結構な期間やってました。
結果、血圧や血糖などが特に病気に関わるような異常な数値にはなりませんでした。
逆にコレステロールや体重が下がっていました。激減。
いわゆる軽い栄養失調状態。
まー「検査系数値だけ」見れば、もう1回言うと「検査系数値だけ」を見れば、成功です。
人間として全体的にみれば失敗です。
この実験で何十年も前のものだったと記憶しているのですが、人間ってこりないなと思います。
未だにネズミで実験し理論的な栄養だけでなんとかなるのか検討しているのです。
到来するかもしれない食料問題を解決するなら簡易的な食事の開発ではなく農業を視野に入れた食品開発を考えればいいと思うのですが、人間は自然にかえっていくのが嫌なようです。
そもそも、この健康を保つために必要な栄養成分だと考えられているものは誰がモデルなのでしょうか?
まさか、老若男女、皆同じ成分と同じ分量が必要だとは考えづらいです。
そして、それが本当に健康を保つのに最適な成分なのかもわかりません。
西洋医学が現時点で勝手に健康であろう栄養成分を出しているだけですね。
元から全然的はずれのことも考えられます。
また、どう考えても、年齢、性別、体格、運動能力、生きている環境で人それぞれ、必要な栄養素や分量が微妙に違うように思います。
現にその西洋医学で、ひと昔前までガンに良いとかされていたβカロチンやビタミンEについて「不用意に飲まないでほしい。却ってガンを酷くする可能性があります」なんて、日新月歩で自分で自分の理論を否定して回っています。
また漢方では毒物のトリカブトはある体質の人にとって少量なら、とっても良い薬になるのですが分量を増やしていけば、誰でも死にます。
だから、絶対普遍の誰にでも良い成分と分量なんてないと思うのですよね。
サプリメントがこの粉末食品と同じようなものです。
●●成分が簡単にたくさん摂れます!みたいな。
サプリメントだって何かの成分をたくさん摂ったからって、その時だけ都合よく良いように働くわけがないのです。
いいとこ、身体にいらない分は身体が棄てているんじゃないでしょうか。
大量に。
うちでは、サプリメントなんか飲む必要ないっていってます。
だって漢方ではバランスを大切にしていますから。
だから、食事もバランスです。
サプリメントのように何かのエキスをたくさん摂れるということは、ものすごくバランスが崩れているとも言えるのです。
そんな偏ったものを摂り続けて身体がよくなるわけがありません。
誤解しないでもらいたいのですが、なんらかの効果がないってわけじゃないですよ。
むしろ、偏ったものなんだから効果があると思います。
良い効果かどうかはわかりませんが・・・
効果というのは良いとか悪いを選びませんから。
結果的に自分が良いととったか、悪いととったかです。
偏った成分のものなど、一時、良い感じの効果があったとしても、長い目でみれば、かならずバランスを崩すようになります。
だから、サプリメントとか、健康食品なんてやめたほうがいいです。
お金の無駄。
バランスの良い食事を心がけて、いつもよりもちょっと野菜の多い生活にしてみればいいのです。お金もサプリメントほどかかりません。
漢方薬はその時の体質に合わせて体質を調整します。
サプリメントや健康食品みたいに飲み続ければ良くなりますよってものではありません。
だから、体調が悪くなったらその時の体質をみてもらって、最適な漢方薬を合わせてもらいましょう・・・と最後はちょっと宣伝です。