何かが足りないというよりも、モノが多過ぎてどうしたらいいかわからない状態です。
ちょっと前にネットの記事で見たのですが、日本人は狭い家に住んでいるというイメージがありますが、実は持ち家の平均床面積は世界で2位の広さであるということがデータからわかりました。
でも、実際は狭いと感じますよね。
お金持ちで豪邸に住んでいる人はそう感じないかもしれませんが・・・
あれって、モノが多すぎるかららしいです。
多分、いらないものが敷き詰められているのですね。
ちょっと本題から外れそうなので、戻したいと思いますが、このモノが溢れている状態って医薬品や化粧品、サプリメントにも現れていると思うのです。
化粧品なんかだと、うちもスキンケアを扱っているからわかるのですが、最近のスキンケアってやたら種類があります。
基礎ローション、なんとかローション、基礎クリーム、なんとかクリームとか・・・。
うちはアトピーの治療なんかもやってるので、肌を医学的な面からみると「あんなに種類いらないだろ」と思うのです。
(スキンケアを扱ってるのに言うのもなんですが)
じゃあ、なんであんなに種類があるのか?
ズバリ!化粧品の製造メーカーが儲けるためですね。
本当にいいものを厳選していたって、あきられちゃうのです。
そうなると、メーカーは困ります。
会社って売上げの目標を立てる時に、去年よりも今年は儲けの目標を高くするのですけど、それを年々高くしていきます。
そこで、毎年、余分に儲けていこうと思ったら無理矢理にでも新製品が必要なんですね。
新しい商品分を去年の売上げ分に上乗せするわけです。
そしたら、儲けの目標は、去年よりも高くできそうですね。
そうなると、より肌がキレイになるものよりも、どうやったら買ってもらえるか?になるので流行の成分いれたりして「実は今までの商品と大差ないじゃん!」みたいな商品を次々に販売し始めます。
そういうのが毎年、どんどん積み重なってくると新しくできたもの同士をグループ分けして●●シリーズとか言って、ごまかします。
うちは、スキンケアをアトピーの治療で使っていますが、あるメーカーさんの数あるラインナップの数十種類ある中の数種類しか使っていません。
そのモノ達も多分、初めの方に開発されたものです。
要するに途中から次々、出て来た新製品はシビアに治療として見たときはイラナイモノなんですね。
この状態って化粧品だけではありません。
医薬品もそんな傾向があるんじゃないかと思います。
年々、たいしたことない病気でも、処方される薬が増えています。
たかだか、風邪に5種類とか。
細かにいろいろな作用のものを処方しているのでしょうが、昔はそんなにたくさんの種類を処方していなかったように記憶しています。
ああいうのも、薬理からみれば、同じような成分に、何か少し加えたものだったりとAという薬とBという薬にそれほどの大差がなかったりします。
ガンや難病などの一部の治療薬は別ですが、一般的な病気に使うお薬って本質的な治療効果を見たら、そんなにたくさんの種類は必要ではなく、本質的に必要な薬って、とうの昔に出揃っていて、もう打ち止めなんじゃないの?と思ったりします。
ようするに化粧品のノリで、ちょこっとだけ改良された種類のモノが増えてるだけ。
サプリメントだってそうですよね。
あれは身体のこの部分にいい。
これは身体のあの部分にいい。
とまるで身体が部品ごとに動く機械のように考えていますが、人間の身体は全部つながっていますので、あれやこれやといろいろと飲む必要はないと思うのですよ。
サプリメントなんて、ほんと化粧品のノリですよ。
売上げ苦しいからなんか新しいの出そう!みたいな。
ところで漢方薬は何百年、何千年と変わっていません。
次々に新しいものが増えていってないですよ。
だって、どっかのメーカーが処方構成を考えているわけではないですから。
儲けを考えなくてもいいからです。
西洋医学といえども、結局は製薬会社や医者の儲けが、その裏に隠れていたりしますね。
漢方薬の構成は漢方の歴史の中に記されているのです。
いわば、儲けが一切、関係ない公共的なものです。
それに漢方薬は、全身のいろいろな症状をお聞きして原則は1種類の漢方薬を選び抜きます。
中には漢方の腕が悪くて、症状ごとに、病名ごとに漢方薬を複数処方する人がいますが、漢方の医学理論から考えれば、種類が増えるほど今後の治療がややこしくなるし、漢方の医学理論がわかっていないほど、複数の処方で複雑になっていくように思います。
漢方薬の良いところは、様々な全身症状が1つの漢方薬で治療できるところが魅力なんですね。
病院の薬と比べると儲けなどの後ろ暗い要素もないし、いろいろな症状が一辺に治って、一見、いいことづくめですが、漢方薬の弱点は、体質を分析する能力や治療方針を組み立てる能力が低い人が選ぶと、ちっとも効かないという弱点もあります。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉