マニュアルでしかできない先生なんかにとっては、アトピーの聖薬みたいなやつです。
アトピーには、コレしか使ってない先生もいるくらいです。
逆に言えば、教科書系のベタベタなマニュアル漢方。
僕はこの処方が嫌いです。
なぜなら、ほんっっっと信用できないヤツだからです。
漢方薬を「ヤツ」という呼び方をするには理由があります。
僕なりに。
日本漢方は、方意、方格という考えがあって、それぞれの漢方薬には、それぞれの性格があるという考え方があるのです。
一般的にいう薬の効果が日本漢方の漢方薬では方意、方格にあたります。
漢方薬の場合は、その漢方薬の大きく捉えた部分での基礎的な効果というものはあるのですが、これが、病院の薬と違って、誰に使っても同じ効果とは限らないのです。
効果自体は初めから、いくつかの複数の側面をもっているのですね。
元々、複数の方向性の効果をもっていて、合わせる体質や方針によって、その効果を選択するといった感じ。
わかりにくいか。う〜ん、説明が難しい。
とにかく、病院の薬だと下痢止めは下痢を止めるという1つの効果ですが、漢方薬の場合は例えば、葛根湯なら、風邪の「体質」の時は「発熱の後の解熱効果」となり、蕁麻疹に使ったら「湿疹を出させた後に湿疹をなくしていく」という効果になります。
同じ、葛根湯なのに、使う病気や体質によって効果が全く違うのですね。
だから体質に応じて選ばないといけないのです。
葛根湯=風邪 だけの効果ではありません。
そもそも、「風邪に効くって、具体的にどのように?」ってことなのですが・・・
今度、葛根湯を処方した医者に具体的な効果を聞いてください。
ということで、漢方薬の効果にいろんな側面があります。
漢方薬ってこんな性質なので、僕は漢方薬って、僕と一緒に治療してくれる、いろいろな性格の「人」みたいなイメージがあります。
僕がアニオタだから、擬人化してるんじゃないですよ・・・
人って基本的な持って生まれたというか本質的な性格ってあるじゃないですか、でも、友達とか、恋人とか、会社の上司とか、相手の地位や性質によって態度や行動が変わりますよね。
この友達とか恋人、会社の上司というのが、患者さんそれぞれの体質です。
漢方薬も基礎的な性格(効果)はあるのですが、対する人(患者さんの体質)でいろいろと性格(効果)を変えちゃうのですね。
病名や症状だけで体質を考えないで漢方薬を処方するのは、恋人を「●●ちゃん」っていう人でみないで「恋人」というジャンルに合わせている感じですね。
これでは合うわけがありません。
なんか、話しがどんどんソレていってますが、要するに僕は消風散というヤツが苦手で嫌いなんです。
こいつは本当に信用できないヤツです。
「アトピーのあの人、治してきて!」
と頼むと、ものすごいいきおいで「まかせとけー!」って飛んでってくれるのですが、これが実際は全然、なんにもしてきてくれません。
平気で「ダメでした!テヘペロ!」みたいなこと言ってるように見えます。
消風散の方意、方格が狭いということもあるかもしれません。
要するに効果の種類や応用が少ないということですね。
狭いということは、「いろいろな体質の人に対応できない」ということです。
消風散の設定が「身体が暖まると悪化する傾向の湿疹に使う」とか「長期にわたり治る傾向のない湿疹に使う」とか「分泌液が出ていて、赤くそこらじゅうにある湿疹に使う」とか、それって、アトピーが治らないって悩んでいる人、みんなじゃないかーーーっ!ってツッコミたくなるような設定。
あっ!でもそれだから、教科書的な、べたべたマニュアル処方なのかもしれませんね。
アトピーの人、みんなに当てはまる処方なら全部これで解決しそうなもの。
ところが、これが効いたのって、僕は過去に2人。
それも初期だけパァーって効いて、1ヶ月位たってきたら、まだまだ全然、治ってないのに「もう治すの飽きた」みたいな感じの効き方なんですね。
だから、治すのに飽きやすく、効果も口ほどでもない消風散君は僕は仕事のパートーナーとしては嫌いなんです。
消風散の生薬の処方構成が、ご都合主義っぽく、小学生が考えたようなシブサのないところも僕が嫌いなところかもしれません。
ただし、本格的に漢方をやってる先生が使う処方って漢方薬との相性とかクセとかあるから、みんながみんな使いにくい処方かどうかはわかりませんが。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉