その思いは漢方をこころざし、漢方薬がジワジワとなんとなく効くものではないことが、分かってから確信に変わりました。
僕が「病院は何を勘違いしている」と思っているかというと、慢性病をその場しのぎの対症療法で治療しようとしていることです。
ネットがなかった時代は、専門的な知識はある種のブラックボックスでした。
しかし知識は知識でしかなく、医療に限らず人の持っている問題を解決するのは、重要なのは知恵と想像力です。
知識は知恵と想像力を動かすための道具だと思うのです。
そう、知識は、ただの道具。
ネットがなかった時代は、専門的な知識を「知っているだけ」で専門家を気取ることができていたのだと思います。
ところが、現在のネットの時代になれば、専門的な「知識」はただ単に「知識」でしかなく、この「知識」は誰もが平等に持つ事ができるようになりました。
確かにネットにはデマが多く、どんな専門知識の分野も自分が正しく選り分ける能力が必要ですが、選り分ける選択眼があれば、どんな専門的な知識も平等に手に入るのです。
多分、そんな風潮もあってか、最近の病院は「一時しのぎの薬でしかないからね」なんて自嘲気味に処方していたりします。
そう言うしかないですけどね。
事実、一時しのぎの対症療法でしかないし、ネットで調べれば、薬の説明自体に「原因を治すものではありません」と明記してあります。
そもそも、病院も製薬会社の資料に基づいて処方しているわけですから、そのつくった会社が「一時的に対処するものです。原因を治すものではありません」と説明していたら、そう説明せざるえないですからね。
自分がつくったんじゃないんだから。
専門的知識を得る事が一部の者のしか許されていない環境だった昔は、専門的な知識はブラックボックスだったので「なんとなく病気は病院の薬で治る」と思っていましたが、平等に情報を見る事ができる状態になってみると、病院で処方するほとんどの薬は対症療法で、対症療法は、症状を「一時的に緩和すること」でしかない事が分かったわけです。
つまり、昔っから慢性病を根本的に治す方法は、病院にはなかったのです。
まーでも、高血圧なんかは「薬を一生飲み続けなさい」とか言ってるので「誰が薬に頼らなくてもよいように治すって言った?」って言われそうですが。
しかし西洋医学はこの対症療法、つまり一時的に部分的に良く効く治療が利点でもあるのです。
なぜなら、西洋医学の役割は外科的な処置、救急の処置が得意分野だからです。
薬を飲んでいるだけじゃ、いつまで経っても治らない手術が必要なケガなどの病気。
放っておいたら分単位で危なくなる病気。
薬を飲み続けなければ死に至る難病。
これは、西洋医学ならではの治療ですね。
漢方でも急性的に対応することはありますが、外科的には無理です。
これは「西洋医学ならでは」です。
西洋医学の歴史自体も外科的治療や急性の治療。
つまり対症療法的な背景で発展してきたと思います。
だから個人個人ごとに無数の原因が絡み合って発生している慢性病に対して、無理矢理1つの原因に絞って一時しのぎの薬を処方したからって治るわけがありません。
病気の枝である症状を良くしたり、復活させたりとそれを永遠と繰り返すだけです。
でも所詮、枝は枝。
根本が変わらないから、いつまで経っても薬が離せないわけです。
特にステロイドを使用した治療なんてステロイドを万能だと勘違いしてんじゃないの?と思うことが相談をしていて多々、あります。
うちに来る患者さんの話しを聞いていたら、最近の治療ってなんでもステロイドを処方しているような感じです。
近くの医院なんて、「ステロイドと抗ヒスタミン剤の自動販売機でも置いとけばいいんじゃないの」なんて思ったりしますよ。
ステロイドによる副作用がどうとか、言うかもしれませんが、現実は医者に延々とステロイドを処方されて、何年も一向によくならない患者さんにただ、ただ、出し続けているだけなので、自動販売機で支障あるのかな?なんて思ったりします。
僕自身は今の時代、その場しのぎの対症療法で慢性病を治そうとするのには、無理がきてるというか、みんなに治らないってバレちゃっているんじゃないかと思うのですが、僕だけでしょうか。
ちなみに漢方は漢方薬を処方することだけが治療ではありません。
漢方薬を処方する事だけが治療だと勘違いしている人がいますが。
漢方は一人一人、異なる体質をみて、漢方薬を処方するだけでなく、生活そのものも、一人一人の体質に合わせて見直し再発しない身体つくりをアドバイスしなくてはいけません。
漢方薬の処方よりも、むしろ一人、一人の生活の中の複数の原因を探しだすことが漢方治療のミソだと思うし、それをするから長年の慢性病も最終的には再発しないようにできるのです。
漢方薬の効果のみが再発しない治療をしているわけでありません。
これからの時代は、西洋医学の利点と東洋医学の利点を使い分けた治療を患者さんが選択できるようになればいいんじゃないかと思います。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉